旅の途中で

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長野さんと少年

2005年08月09日 23時26分03秒 | 
最近読んだ「綺羅星波止場」ですっかりその世界に引き込まれた、長野まゆみさん作「天体議会」を読んだ。
この本は「綺羅星波止場」のあとがきで、ご本人が「今読み直すとはずかしい」というようなことを書いてらっしゃったので、ぜひ読んでみたいと思ったのだ(いじわる・・・(笑))

「綺羅星波止場」より前に書かれたのかな?確かに文章はずっと若い感じがする。まだ、「綺羅星~」に感じたような異次元感が少ないように感じた。
だけど(多分、そんな気がする)近未来を舞台にした(と思われる)世界に住む登場人物達は、みんな生き生きとしていて、読んでいて気持ちが高ぶってくるのがわかった。

とにかくこの作品を魅力的にしているのは、主な登場人物である「少年」達だ。主人公とその親友ももちろん少年。
2人に絡む不思議な人物も少年。歌の上手い同級生、生意気な下級生。彼らは軽快な軽口とともに、毎日を跳ねるように過ごしていく。

私は少年を上手く書ける作家が好きで、オススメとしては作家では宮部みゆきさん、漫画家では萩尾望都さんあたりなんだけど、ここに新しく長野さんも加わったようだ。

宮部さんは「模倣犯」や「火車」などのハードな社会派ミステリーで有名な人だけど、少年を主人公にした小説にものすごく魅力的な物が多い。
超能力を持った少年が活躍する「竜は眠る」、2.26事件の頃にタイムスリップしてしまう少年を描いた「蒲生邸事件」、普通の少年がいつの間にか事件に巻き込まれる「今夜は眠れない」などなどなど・・・立て続けに読んでしまう作品群だ。

萩尾さんは、ちょっと古いけど「トーマの心臓」がやっぱり好き(^^)

それにしても、これが魅力的な少女達の話になると、どうなるんだろう。
「少女」だと、なかなかカラッとしたさっぱりした展開にはなりにくいかもしれない。どうしても生々しいものが入り込んできて、もっと大人っぽい展開になるかもしれない。

女性作家の書く少年達は、どこまでも透明で、どこか非現実的でガラスのようだ。

そんなわけで、次は長野さんの「野ばら」を買ってあるので、早速本の中の少年達に会ってこよう。




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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おお~~☆ (てけてけ)
2005-08-11 07:37:30
早いね~~!もう読んだのね

さすが!!



なるほどなるほど。

これまた世界に引き込まれたのね。

なんか、いいよね。こういう時間。



次の『野ばら』も待ってます。

どんな少年達が出てくるのかな?!
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いいよ! (まる)
2005-08-11 22:00:33
「野ばら」もおもしろいよ~!

今度は全面的に幻想的で、夢の中にさまよってる感じです!(^^)
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