こんにちは お元気でしょうか。
関東では2月14日のバレンタインデーに春一番が吹きました。
春が来るぞと怒鳴り散らすように吹き荒れて、今年は威勢のいい春が来そうな予感が。
今回はドイツの、ロマンティックなロココ装飾で有名な「ヴィースの巡礼教会」です。
また、この教会にはフランスのルルドの泉のような奇跡の伝説があり、その奇跡を慕って
たくさんのキリスト教徒が巡礼してくるそうです。
不思議大好きのかたは最後までお付き合いください。
ロマンティック街道を外れ、バスで雪ばかりの平原を走ってようやく丘の上に教会が見えて
きました。雪が解けると、この辺り一帯は牧場だそうです。
アルプスの裾野ですから、それは寒いのです。
↓「ヴィースの巡礼教会」。
↓礼拝堂に入りますと小規模な空間ですが、四方八方、言葉を失うほど美麗な異次元の世界。
デジカメで撮りましたので、いい写真が撮れていなくて申し訳ないのですけど。
天井にもロココ装飾に天井画が広がっています。
↓下は、主祭壇です。
↓こんな風に全体に装飾が。
↓下は天井画です。礼拝堂の天井全体に喜びいっぱいの天国の様子が描かれていました。
吸い込まれてゆくようなドリームカラーでした。
この天井画は「天から降ってきた宝石」とも讃えられているそうです。
↓下はパイプオルガン。これもロココ装飾で飾られていました。
↓主祭壇には「鞭打たれるキリスト像」が祭られています。
↓わたしの写真はクリアに撮れていませんでしたので、Yahoo 画像からお借りしました。
イエス・キリストが磔刑になる前に鎖に繋がれて鞭打たれる姿を彫った木像です。
Yahoo画像より
その奇跡の伝説といいますのは、このキリスト像にまつわるお話。
1738年、マリヤ・ロリーという農婦が、修道院にこの像が埃まみれになって放置されて
いるのを見つけて譲り受け、自宅に持ち帰り毎日熱心に祈っていました。
すると3か月余り経ったある日、キリストの目から涙のような水滴が流れてきて顔面に水滴
の跡が残ったというのです。
教会ではこれを奇跡とは認定しなかったものの、この噂は「ヴィースの涙の奇跡」として広ま
り、巡礼者が農家に集まるようになりました。
1740年に、教会側が牧草地の小さな礼拝堂に像を移したものの、巡礼者は増える一方。
ついに1746年、一般からの浄財を募ってこの像を祭る教会を建てることに。
その時にドイツ・ロココの完成者として名高い建築家のドミニクス・ツウィンマーマンが建築
を手がけ、熱烈な愛情と情熱を注いで1754年に完成させました。
完成後も彼は教会から離れたがらず、すぐ傍に移り住んできて亡くなるまでこのヴィース教会
を見守り続けたということです。
礼拝堂のロココ装飾は、ヨーロッパ随一と評価されているそうです。
フランスには名高いロココ装飾のベルサイユ宮殿もあるものの。
それでようやく、こんな辺ぴな所に絢爛豪華なロココ様式の礼拝堂があることに合点がゆき
ました。
↓農家から一時キリスト像を移したという、牧草地の小さな礼拝堂もまだ残っていました。
屋根の上に金の十字架が立っているのですけど、光の加減で写っていません。
後ろはヴィース教会です。
↓教会の傍のカフェレストラン。装飾吊り看板が掛かっているのを見つけました。
↑わたしは趣味で上のような装飾風の吊り看板の写真を撮り集めてはブログで公開しています。
ヴィースの貴重な一枚でした。
「ヴィースの巡礼教会」は礼拝堂全体が一つの美術品のような、作者の渾身の作品でした。
1983年、世界遺産に登録されています。