こんにちは
先日、と言っても六月の終わり頃になるのですけど、築地に用事があって出かけた
帰りにまた魚河岸へ寄り道の散歩をしました。
銀座にも程近い中央区の都会の中に魚市場があり、いきなり異次元にワープした
その感じが面白くて、築地に行ったときにはよくここを散歩して帰ります。
築地市場の敷地の中、こんなミニチュアみたいに小さな神社を見つけました。
神社でも、街の中にある神社が好きです。
その土地の人々の≪なりわい≫を祈願している神社が多いので。
みんな、つつがなくやってゆきたいのですよね。
看板を読みますと、≪魚河岸水神社遥拝所≫と書いてありました。
みず神社ではなくて、すい神社と読みます。
水神社の本殿は、神田明神(神田神社)の境内にあるそうで、ここはその遥拝所。
築地魚市場の守護神として、魚河岸会の人々に≪すいじんさま≫と呼ばれて大
切にお祀りされている、とのことです。
去年このブログで、やはり築地魚市場の場外市場のほうにある≪波除神社
(なみよけじんじゃ)≫をご紹介したことがあります。
そこは、海に出て漁をする人々の安全や、魚介類の命をさばくことの厄除けを祈願
して建立された神社でした。
鳥居をくぐって狭い境内に入ってみました。
古くなったものを大切に使いこんでいる様子がうかがえます。
小さいけれど必要なものは一通りそろっていました。
お社もお賽銭箱も、魔よけの狛犬も。
てみずや(手水舎)もありましたし、↑
↓ 腰をおろして一休みするベンチまで。
ワンルームに全部そろっているような可愛らしさ。
↓ そして、≪旗山≫と彫られている下の石碑は・・
このあたり一帯は、明治維新後は海軍用地だったそうで、この碑は日本海軍発祥
の地であることを記す史跡でした。
この≪すいじんさま≫に、魚河岸で働く人たちがよく拝みに来られるそうです。
自然を相手の職業ですと、海の事故や不漁など、人間の力ではなんともし難い
天災もありますので神社に拝んでおられるのでしょう。
去年の震災でも、漁ができなくなって築地もたいへんだったそうです。
拝む先は北の方角になっており、その先には神田明神の水神社本殿があるという
ことでした。
魚河岸水神社は、大漁、海上安全、子孫繁栄を祈願しているそうです。
こんなに小さいのに、ちゃんとお祭りも神事も行われているのですって。
築地は東京の文化だと言った人がいますけど、ほんとにそうだと思いました。
築地を汚染土壌の豊洲に移転する都構想が進んでいるようです。
人災にならなければよいのですけど・・
水神さまを出て、市場の中を抜けて帰ろうとしていましたら、魚介類を手際よくさば
いているところに出会いました。
写真を撮らせてくださいとお願いしますと、快諾くださったので。
仲買いから買ったお魚をすぐにここでさばいて冷蔵庫のショーケースに並べて、車で
行商に出かけるのですね。
これからですと、主婦の夕食の支度時にちょうど間に合うのでしょう。
小学生のときの社会見学をしたような気分に。ちょっといい時間でした。
たったワン・クリックで、またワープして都会に戻ってきた感じ。
地下鉄大江戸線に乗って帰ります。