漫画家を目指す人へ

漫画家を目指す人へ参考になれば。

担当さんのアドバイスは必ず自分の頭で整理しなおす

2012-02-14 11:36:06 | ■「担当さん」とは

というのは、決して担当さんのアドバイスを軽視しろという意味じゃありません。

ただ、担当さんと自分では、作品に対する感じ方が違うので、言葉どおりに受け取ってしまうと、担当さんの「本当の意図」と違うことをしでかしてしまう可能性があるのです。

なので、担当さんと自分では感じ方が違うということを充分わかったうえで、担当さんが本当は何を言いたいのか、言葉の表面だけなく、その意図を汲み取ることが大事です。

あと、当然担当さんにも、好みとかその場の気分というものはあります。担当さんによっては、そういうものが大きく出る人もいますので、どこまで取り入れるかは自分でちゃんと考えて判断した方がいいです。

自分で考えず、ただ担当さんの言葉通りだけに修正してゆくと、作品として整合性がとれなくなったり、作家の個性がなくなったりします。それで「担当さんの言う通りにしたのに、結果が悪かった」ということになっちゃったりします。
作品を作るのはあくまで漫画家ですので、自分の頭で考えることを忘れないようにしましょう。

ただ、担当さんのアドバイスを丸無視したり、完全否定するのはやめておきましょうね。信頼関係も大事ですので・・・。自分から対案を出すときは、担当さんのアドバイスを尊重する気持ちを強調して出しましょう。

 

1.言葉の定義を確認する

以前、担当さんから「構図がわかりづらい」と指摘をいただいたことがあります。
私は「構図」というのはコマの中の絵の構図だと思い、絵の構図ばかりこだわって変更しようとしていたんですが、よくよく話を聞くと、担当さんの言う「構図」とは「コマ割」のことでした。
私のコマ割が変則すぎて、読みづらいという意味だったんですね。

これはそんなにはないですが、たまにありますね。
「ネーム」とか「プロット」とか、だいたいは同じようなものでも、微妙に違う物を想定して話をしていることがあります。
ちょっとでも「??」と思ったら、わからないままにせず、きちんと聞いてみるといいと思います。

 

2.担当さんの言葉の「理由」を考える

例えば、自分では絶対必要だと思うシーンを、担当さんが「削れ」と言ってきたとします。
その場合、何も考えずそのシーンを削るのではなく、なぜ担当さんがそのシーンを不要だと考えたのか、その理由についても、担当さんに聞きましょう。

理由によっては、そのシーンを削らなくても、別の方法で解決できることがあります。

担当さんの目的は作品を改善することです。シーンを削る、というのはあくまでそのための一つの手段でしかありません。

大切なのは「目的を果たす」ことですので、自分でもっと良い手段があると思ったら、それを担当さんに伝えて「これでもいいですか?」と聞いてみたらいいでしょう。

逆に、担当さんの言葉の目的を理解せず、ただ手段だけ言う通りにしても、作品として良いものにはなりませんし、自分も成長しません。

必ず、担当さんがその言葉を通して、どんな問題点をどう改善したいと思っているのか、自分でも考え、担当さんにも聞くようにしましょう。

ただ・・・前に述べたように「とにかく自分の言うとおりに修正しないと絶対に通さない」タイプの担当さんの場合はやっかいです・・・。あと体育会系というか、新人漫画家に「自分の頭で考える」ことなんか求めておらず、「とにかく俺の言うことだけきいてりゃいいんだよ」というタイプの人もいなくはないでしょう・・・・。

こういう人に変に逆らうと無駄に回り道をすることになるので、なんとか「表面上はその人の言うことを聞いた」ことにしつつ、作品としても改善されるように自分で工夫してください・・・。社会人になると会社などではよくあることです・・・。

 

3.問題の本当の原因を考える

漫画を描いていると「絶対おもしろいはずなのに、担当さんはつまらないと言う」ということがよくよくあると思います。
例えば、私ですと自分では充分キャラをたたせているつもりなのに、担当さんに「キャラがたってない」と言われ続けました・・・。
こういう場合、原因としては

1・表現しようとしているもの自体がつまらない(キャラ自体に魅力がない)
2・表現方法がまずい(キャラの魅力を表現するエピソードの質、量などに問題がある)
3・両方

大きく、この3つに分かれると思います。

が、担当さんにはこの区別はつきません。

というのは、担当さんは当然、ネーム上で表現されているものしかわかりません。
「表現方法がまずいから伝わらなかったけど、伝えようとしたものは素晴らしいのです」と言ったところで、その「伝えようとした素晴らしいもの」が伝わっていないので、それが素晴らしいかどうかわかりようがありません。
なので、本当の原因が2であっても、結果的に1にしか見えないのです。

ということなので、担当さんが何か問題を提示した場合、その原因について、担当さんの言うことだけを聞いて改善しようとするのではなく、自分でも、その問題の本当の原因は何なのか、よく考える必要があります。

本当の原因が2なのに、1だと思っているといつまでたっても改善できないという状態になりかねません。

ただ漫画家側は漫画家側で、本当の原因が1であっても2だと思いたいものです。
方法の問題なら改善もできますが、表現したいもの自体がつまらないと言われてしまうと、なんかもう全否定ですから(泣)。
客観的に原因を見抜き、的確な改善法をさがすというのは難しいものです・・・。


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