漫画家を目指す人へ

漫画家を目指す人へ参考になれば。

漫画家に年齢制限はある?

2012-04-11 00:24:04 | ■漫画家になるには?

漫画家志望者がとても気にするのがこの年齢制限。
下限というのは実質ありません。ただ、未成年者、特に小中学生などあまりに若い場合は、両親の承諾がいるかもしれません。

問題は上限ですね。
どの雑誌もたいてい募集要項には「年齢不問」とあります。
じゃあ何歳でもいいのかというと、そりゃ若い方が有利です

よく言われますが、15歳と25歳で同レベルの作品なら、もちろん15歳をとります。
若い方が将来性もあり、伸びしろが大きい上、編集部も指導がしやすいからです。

あと、雑誌によっても違います。
対象読者が若い雑誌ほど、若い投稿者を好みます。
読者に近い年齢の作家の方が、より読者の感覚に沿った作品を描けるという理由からです。

読者が小学生から中学生くらいの雑誌の場合、上限25歳くらいが目安になります。26歳以上は絶対デビューできないのかと言えばそんなことはないのですが、不利にはなります。
読者が中高生くらいになると、30歳くらいまではデビューしてたりしますね。

よく、志望者たちは「あの雑誌は●歳までしかデビューできないらしい」などの噂に右往左往したりしますが、私はそれはばかばかしいと思っています。
本当にそうならば、雑誌の応募要項にちゃんと年齢上限を書きます。
編集部も忙しいので、最初から「圏外」の作品に対応する時間は少しでも減らしたいはずです。

そうではないから、年齢不問とあるのです。
ただし、上述のように高齢になればなるほど不利ですので、よほどの何かがなければ、デビューは難しくなります。
それは漫画以外の業界でも同じです。当たり前のことです。

なので、自分が高齢であるという自覚があるなら、そのハンデを覆すほどの作品を描いて持ち込むしかありませんし、それをできる自信がないなら諦めるしかないでしょう。
自分が挑戦するかしないかの問題です。

個人的には、明らかにずば抜けた才能、実力があり、雑誌のニーズにもあっているのに、年齢だけで切られるケースというのはほぼ無いと思っていいと思います。編集部というのは、売れる作品を描いてくれる人ならそれでいいのですから。
まあ、そんな才能ある人が、その年齢まで埋もれているというケースは非常に少ないとは思いますが・・・。

なお、私は25歳と言わず、できるだけ学生の間にデビューし、大学卒業時にはある程度漫画を軌道に載せておくのをおすすめします。
というのは、日本社会では、大学卒業時に就職するかどうかが、人生において大きな節目となるからです。(詳しくは「漫画家志望の進路の考え方」のところをご覧ください)
そのときに漫画が中途半端な状態では、就職するかどうかで大変悩むことになります。

そう思うと、やっぱり20歳くらいまでにデビューできると良いですね。
今お若い皆さんは20歳くらいのデビュー目標に頑張ってください。
そうなるとやっぱり高校時代には投稿開始しておいた方がいいですね。


なお・・・・。



25歳以下、できれば20歳くらいまでのデビューが望ましい、と書きましたが。
もう25歳過ぎたよ・・・!あるいは目前だよ・・・!><という方は。

もう大人なんで、どうしたらいいか自分で判断できるでしょう。

というのは冗談・・・でもないです。

編集さんは「あなたの年齢ではもう無理だから諦めてください」とは滅多に言いません。
編集部は広く才能を求めています。多少高齢でも、金の卵が現れる可能性が0ではない以上、自ら門を狭めることはしません。
なので、諦めるかどうかは基本的に自分次第です。

25歳にもなれば、もう社会のいろいろなことがわかってらっしゃるでしょう。
また、ご自分の人生についてもいろいろと考えてらっしゃる年齢でしょう。

漫画家という職業のリスクや、自分がデビューして漫画家としてやっていけそうなのかどうか。
自分で考えて判断できる年齢ですし、ある程度はできなければならないでしょう。

また、自分の環境についても同様です。
25歳ならもう学生ではない方が多いと思います。
生活費をどうするのか、親に頼るのか、フリーターか、就職か。結婚される方もいるでしょう。女性なら出産される方もいると思います。私と同期デビューの方はすでに一児の母でした。ご両親や祖父母の介護問題が出てくる人もいます。

もう学生気分でいられなくなって、家計負担や、家庭内の責任なども重くなり、「漫画を描ける環境」を確保し続けるのが大変になってくるのも、25歳くらいだと思います。
つまり「夢を追ってられなくなる年齢」ですね。

そういう諸々のことを考え、自分の中で優先順位をつけ、バランスをとりながら、自分自身で選んでやってゆくしかありません。
大切なのは自分で考えて自分で選ぶことと、結果を自分で受け止めることです。
あまり好きじゃない言葉ですが、自己責任ってやつですね。

正直に言うと、私は諦められるものなら、諦めてもいいと思います。
下手に漫画に固執したばかりに、30過ぎてニート同然、うつ病を発症し、どうにもならなくなった新人漫画家を何人か知っていますので。
それもその人が選んだ道といえばそこまでなのですが・・・。

今はネットでも同人誌でも、その気になればいつだって作品を発表することはできます。
そういう場所では当然年齢は関係ありません。40歳でも50歳でも発表可能です。
そういうところから芽を出した人もいます。
必ずしも商業雑誌の漫画家になるだけが、漫画の道ではありません。
本当に漫画を描くのが好きなら、何歳でも、どこででも、きっと描くことはできると思います。


最新の画像もっと見る