マメゾウムシはきょうも

虫目、キノコ目、貝殻目・・・。
小さいものを、じーっと見るのが好き。

ゾウムシの番です

2008-03-22 20:31:27 | 

こんばんはぁ。ゾウムシです。


 春だ~春だ~、って浮かれてちょっと葉っぱで日向ぼっこしていたら、庭掃除をはじめた人間のセーターにくっついちゃって、家の中に連れてこられました。背中の上あたりに見えるぽやぽやとした繊維は、その時くっついた人間の黄色いセーターのもの。なかなか取れないもんで、ちょっとうっとうしい。

  とりあえず何か食べるものをと思ったらしく、とりあえずその辺の菜の花の葉っぱと水をくれました。菜の花ねえ・・・。でもちょうどノドがからからだったので、水滴はありがたかった!さっそくチューッと。体の大きさが1センチもないので、水一滴あればけっこうノドの渇きを癒せます。

  図鑑を調べたらしいけど、なにゾウムシかわからなかったらしくて、ただの「ゾウムシ」になってますね。まあいいや。なんせ見た通りの「地味虫」だし、特徴のある斑紋なんかもないし、仲間も多くて、素人にはおいそれとは同定できないでしょうから。

 次の日。人間の家の中ってものをちょっと探検に。まず感じたのはすべすべして硬いもんが多いってこと。足が冷たくなっちゃったのには閉口した。それでもどんどんメクラメッポウに歩いていったら、ずいぶん遠いところまで来ちゃって、ここはどこ?

途方に暮れていると・・・・

「おかあさーん、あの虫あたしの部屋に来てるよぉ!」。

「ほんとー!すごい、こんなに小さいのに、良くこんなとこまで来たねえ!(ルーペで見て)確かにあの虫だわ、背中にまだあたしのセーターのカスがくっついてるもの」と言う声。

試算(かなりおおざっぱ)によると、人間にしたら100キロ以上も歩いたことになるんだそうな。ふう、そう聞いた途端、急に疲れが・・・。

「明日外に出してあげよう」と、窓辺の植木の上に置かれたけれどまだ夜は寒いから、しばらく家の中にいるのも悪くないなあ、なんて。水だけで生きていけるかなあ、っていう不安もあるけど、明日のことはあんまり考えないでここまで生きてきたんだから、なんとかなるでしょう。人生は命を賭けた冒険の連続なんだから。