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小学校受験 ママのモヤモヤ飛んでけー!

お受験という造語の中で揺れるママ達。小学校受験指導、20余年間の経験から、ズバリ!悩めるママ達に真のアドバイスを。

小学校受験 - お弁当の考査

2013年02月01日 | 小学校受験のカリキュラム
 お弁当を食べる、という行為が、そのまま小学校受験の考査の一部に・・・昨年度あたりから、こういう考査を実施する学校が増えました。
 以前は、比較的厳しい女子のカトリック校特有のもの、と思われていたこのような「お弁当を食べる」という考査でしたが、敢えてテストの一部として「お弁当」を設けるに至った経緯は、たぶん、現代の子ども達の「食事の仕方」が、あまり褒められるようなものではなくなった、ということなのではないか、と私は推測しています。

 「食べる」という行為を見るだけで、その子(その人)の普段の家庭での食事の様子が見えてきます。
もし、お箸の持ち方もかなりひどく(中には、4歳児くらいになっても、フォークとスプーンだけしか使えない子どもも少なくありません)、時には握り箸をし、クチャクチャと音を出して食べ、食べこぼしても平気・・・となれば、その子の家庭では、ほとんど食事の「躾」をしていない、ということが言えるでしょう。

 好き嫌いがあるのか、ないのか・・・確かにそれも大事なことです。ここ数年は、「食育」という言葉も生まれました。栄養バランスの良い食事、個食ではなく団欒のある食生活、ですね。
 しかし、ベクトルが違う方向のものとして、「食べ方」「食事の仕方」は非常に大切です。なぜなら、食べる行為を見るだけで、まさにその家庭の「品格」がそこに現れるから、です。

 どんなに優秀と言われる人であっても、一緒に食事をしたときに、「正しく箸を持っていない」「肘をついて食べる」など、基本的な部分ですでに問題があると、とても残念に思いますね。
 
 要するに私立小学校は・・・ここ10年、男女を問わず、世の中が偏差値教育に偏ってきていることを認め、その傾向をキャッチし、教育方針をマイナーチェンジしながらも、ここにきてあらためて「言葉」や「食事」に現れる家庭の品格を重要視するようになってきています。

 そのことを意識し、いえ、そんなことを意識する以前に、普段から子ども達の「食事の仕方」にこだわりを持ち、しっかりと「美しい食べ方」「正しい食べ方」ができるようにリードしていきましょう。
 


小学校受験 - 課題画は特徴をとらえてから

2012年05月31日 | 小学校受験のカリキュラム
 小学校受験では、よく絵を描かせる・・・と思われていますね。確かに、大手のお教室の模擬テストを受けると、「課題画」という項目で、「〇〇を描いてみましょう!」という出題があります。
 絵を描く・・・と聞くと、ついつい大人は「上手に描かなければいけない」「下手ではきっと減点の対象になってしまう」と思ってしまいますが、本当にそうでしょうか?

 いいえ そんなことはありませんよ。芸大や美大の入学試験の課題画ではありません。たった5歳の子どもに「絵を描かせる」のです。そこに求めるものが、「上手さ」でないことは、落ち着いて考えれば、誰もが理解できることです そうではありませんか?
 しかし、ついつい「渡された紙、いっぱいいっぱい使わなければならない」「時間内に白いところを残さず、背景も色を塗らなければいけない」というような注意を受けてしまうと、そこに描かれる絵は、誰をも唸らせてしまうような、すばらしい作品でなければならない・・・ような気になってしまう・・・そういうご両親の真理も理解できなくはありません

 でもね。
課題画も指示行動のひとつ。出された課題を理解し、時間内は真剣に、その課題に取り組む・・・それが、絵を描く、ということだ、というだけです。上手であろうが、下手であろうが、真面目に取り組む姿勢が求められているわけですね。
 まずは、このことを前提に、課題画についてもその趣旨を理解しましょう

 ただ。
それでも、あなたがどうしてもわが子には「上手く描いて欲しい」と願うのならば・・・是非、こういう作業を、描きはじめる前にやってみてください
 たとえば、動物を描くとしましょう。
象を描く・・・キリンを描く・・・ネズミを描く・・・すぐに描かせるのではなく、まずは口頭で「象の特徴」を発表させてみてください。きっと子どもは「鼻が長い」「耳が大きい」「目が小さい」「足が太い」等々、言うことでしょう。
 では、キリンはどうですか?ネズミは?

 じゃあ、乗り物を描く場合はどうでしょう?
車を描く場合、バスを描く場合、電車を描く場合、トラックを描く場合・・・この時にも、その特徴を考えさせてみます。
 「車よりバスの方が大きいよ
 「どうして?どうしてバスのほうが大きいの?」
 「・・・えーっと・・・お客さんを乗せるから いっぱい人が乗るからだ

 「バスとトラックって、同じくらい大きい
 「そうなのね。じゃあ、どこが違うの?どっちも大きい車、なんでしょう?何が違うの?」
 「・・・むー・・・そうだ!バスはね、人がたくさん乗るの。でも、トラックは、人じゃなくて、お荷物を乗せるんだ

 こういう問答をすることによって、絵を描く場合の特徴を捉えさせ、結果的に、そのものの絵を、より描きやすくさせることにつながります
 そして同時に、「それが何なのか?どういうものなのか?何のためにそうなのか?」等、真剣に『考えること』になるのですね。

 ついつい、ペーパー中心になり、じっくりと物事を考えさせる時間は「無駄な時間」と思ってしまっているご両親は少なくありませんしかし、「考える作業」こそが子どもの成長を促し、言語力、表現力をも育てることになります。

 課題画を、単なる「絵を描く」時間などにしてしまわず、しっかりと考え、上手に表現させる時間としても使って、子どもをリードしてあげましょう


 

まどか先生の教室「幼児教室マナーズ」

小学校受験は、子どもが大きく成長するまたとないチャンスです。
知識の詰込み、繰り返す訓練、長時間の強要・・・そんな親子共に苦しい準備を「うれしくはないけれど、それが正しい準備」などと、ある意味での諦めの境地で取り組む受験準備ではなく、子ども自身の頭で考え、判断し、行動できる力「人間力」を育てる受験準備。それが、幼児教室マナーズが27年間実践し、成果をあげてきた「まどか先生メソッド」です。小学校に入学した後も、親子共にいつでも相談に帰っていける場所、それが幼児教室マナーズです

小学校受験 - 方眼上の位置

2011年08月09日 | 小学校受験のカリキュラム
  方眼が書かれたペーパーを前にして、黙って歯を食いしばり、涙目になる子ども・・・決して少なくはありません。
 大人にとっては、「上から3番目、左から4番目」などと、位置を伝えることは非常に簡単なことです。私達は日常生活の中で頻繁に〇番目、という言い方をよくします。
 しかし、子どもにとっては、それがなかなか理解しづらいものなんですよ

 では、ここでちょっと考えてみましょう!
子ども達がよく口にする「いっちばーん」という言葉。よく使っていませんか?
 たとえば、子ども達はこんなことを言いますね。
 「ぼく、かけっこで『いちばん』になった!」
 「きょうは、わたし、おべんとうを『いちばん』で食べた!」
 この時の1番、2番・・・つまり、1等賞、2等賞、ということは、よく理解できているのです
 けれど、その「いちばん」と「1番目」、「にばーん!」と「2番目」が、どうしても同じとは理解しがたい・・・

 なぜなら、大人な数量を表すときにも、順番や位置を表す時にも、便宜上「数字」を用います。その時点で、大人にとっては、すべてが「同じ世界に入る」ということが理解できます。
 要するに、数と数字に対する概念があるから、スムーズに理解できるのです

 しかし、子どものように短い人生の中では、まだまだ「数」の概念は身に付かず、ましてやそれを「数字に置き換えることで、とても便利になり、理解しやすくない」ということはわからない・・・彼らの頭の中では、「数や量の多い、少ない」は会得できても、数や数字は決して身近なものではないのです

 では、方眼の「△から〇番目」という言い方のわかり易い学習方法を、一つお教えしましょう
  横に5個、おはじきや色玉を並べます。この時、色は全色一緒でも、バラバラでも関係ありません。
  そして、最も右(左)の玉を指さし、「これ、どこにある玉って聞いたら、何て答える?」とたずねてみます。たぶん、「一番端っこ!」というような答えが戻ってくるでしょう。そこで、対極にある玉を指さし、これも「一番端っこでしょう?」と切り返してください。こうすることで、子どもは初めてここでは「どちら側なのか」を表現しなければいけない、ということを実感できるのです。
  ここで「右はじ(左はじ)の玉」と答えてもらいましょう。ここでは、まだ「右(左)から1番目」などと言える必要はまったくありません。
  次に、右(左)から3番目の玉の位置を聞いてみましょう。きっと、子ども達は「真ん中!」と答えることと思います。この場合、「正解」と答えてあげます。本当にこの玉は中央にあるわけですから、ここでは、別段、「〇番目」と言う必要はないのです。
  やっと次に、右(左)から2番目の玉の位置をたずねます。端でもなく、真ん中でもない玉・・・この順番で尋ねることによって、子ども達に「はじ」「真ん中」という言葉だけでは位置は表現できない、ということを感じてもらいます。そして、このタイミングで「右(左)から2番目」という表現を教えます。
  理解を十分に深めさせ、この言い方に慣れてもらうためには、横一列に並べるおはじきや色玉を6個、7個にして、同様に尋ねていけば良いでしょう。

 次に、横に5個並べたおはじきや色玉はそのままにし(横に6個、7個ならべて練習をした場合には、5個にもどします)、その真ん中の玉から上に2個、下に2個、おはじきや色玉を並べます。つまり、十字、クロスのように5個ずつ縦横に玉が並びます。
  今度は、横の時の同様に、手順を踏んで、縦の列で位置を尋ねます。

 このように、最初から方眼用紙に置いた野菜や果物の位置を言わせようと必死になるのではなく、まずは「縦軸、横軸」をしっかりと理解させ、そして、「右(左)から〇番目」「上(下)から〇番目」と位置の表現方法に慣れさせてみましょう

 縦軸、横軸を使って、自分が「位置」を表現しているのだ、という認識がないから、「右から4番目の・・・左から3番目」とか「上から5番目の下から2番目」などという、同一線上の表現だけで終わってしまうような間違いをするんですね

 急がば回れ、です
何でも「なぜ、間違うのか?」を理解することによって、初めて「間違わせない教え方」がわかってくるものですよ





小学校受験 お話の記憶

2009年03月19日 | 小学校受験のカリキュラム
 小学校受験、ペーパーの定番は「お話の記憶」です。
「うちの子は、どうもお話の記憶が苦手で・・・」と嘆くお母様は決して少なくはありません。でもね、そういうご家庭に限って、学習の方法を間違っていることが多いのですよ

 記憶・・・そう言われると、大人は、すぐに「覚えなければならない!」と考えます。たとえば、私たちが英語の単語を覚えたように。鉛筆は pencil ・・・本は book ・・・ というふうに。
 確かに、これは何回も声に出して発音し、頭で音を覚えていきます。そして、次はスペルを覚えるのですよね。これが、「記憶」という作業でした。
 しかし
「お話の記憶」で、この方法を用いると、どうでしょうか?
大人だって、あれほど多くのことを覚えられませんよ それに、英単語の場合は、覚えるべきものをリピートしていたわけですが、「お話の記憶」では、いったい、何をどの程度、覚えておけば良いのかもわからない・・・にも関わらず、お母様達は、「しっかり聞いて、覚えなさい!」と無理難題を押しつける・・・まさに、無理難題です

 「お話の記憶」のコツは、覚えることではなく、いかに「想像できるか」ということにかかっています。
 たとえば・・・私たちは、目で、目の前のものを見ている時にも、「夜のお献立は何にしようかしら?」と考えたら、頭の中に、いろいろと浮かんできますね。お魚かしら・・・と思ったら、シャケやブリの切り身が思い浮かんだり、お刺身が思い浮かんだり・・・実際、目に見えている画像とは別のものを「想像」しているわけです。画像で焼き付いたものは、なかなか忘れません

 つまり。
「太郎君は、(頭の中で、男の子を思い浮かべます)お母さんにおつかいを頼まれました。(ニコニコ顔のママが、太郎君に向かって、メモを持って一生懸命に話しています)八百屋さんに行って、大根1本とじゃがいも2個(八百屋さんのおじさんが、大根1本とじゃがいも2個を、袋に入れてくれているところを思い浮かべます)、帰りに花屋さんで赤いバラを3本買ってきてね。(八百屋さんの袋を持った太郎くんが、赤いバラを受け取り、帰っていくところを想像するのです)寄り道しないのよ!と言われました。(お家に向かって、一生懸命に歩く太郎くん・・・)」
 いかがでしょうか?
こういうふうに、画像を頭の中で思い浮かべれば、無意味に「大根、大根、大根を1本、大根を1本・・・じゃがいもを2個、じゃがいもを2個・・・バラ、赤いバラを3本、赤いバラを3本・・・」などとブツブツ言って覚えるよりも(実際には、なかなか覚えきれないものです)、はるかに、映像、画像として「想像する」ほうが、しっかりと記憶に残るものです。

 記憶は、ある意味、想像力です
そのことをしっかりと理解すべきです
 この点を理解し、子どもには、言ったものを「想像する」練習をさせてみましょう。きっと、お話の記憶に、大いに役立つはずです

 

まどか先生の教室「幼児教室マナーズ」

小学校受験は、子どもが大きく成長するまたとないチャンスです。
知識の詰込み、繰り返す訓練、長時間の強要・・・そんな親子共に苦しい準備を「うれしくはないけれど、それが正しい準備」などと、ある意味での諦めの境地で取り組む受験準備ではなく、子ども自身の頭で考え、判断し、行動できる力「人間力」を育てる受験準備。それが、幼児教室マナーズが27年間実践し、成果をあげてきた「まどか先生メソッド」です。小学校に入学した後も、親子共にいつでも相談に帰っていける場所、それが幼児教室マナーズです

小学校受験 左右を教える

2009年03月09日 | 小学校受験のカリキュラム
小学校受験 - 左右の理解

 大人でも、たまに間違ったりしませんか?
とっても疲れた日に運転をしている時など、ナビで「右折」と確認しているのに、気づいたら左折のウインカーを出して、平気で左に曲がっていたり・・・
 私は、そんな時はいつも思うんです。もし、同じことを子どもがしたとしたら???きっと、瞬間湯沸かし器のようなパパ、ママは、間髪入れずに怒鳴るだろうなあって
 「何やってんの 右!右でしょ なんで左になっちゃうの もー、まだわかんないの」なーんて。

 私は、クラスで「左右」の学習をする時、必ず子ども達にこう言います。
 「方向はね、6つあるわけよ。上でしょ、下でしょ、前でしょ、後ろでしょ。どう?もう、上、下、前、後を間違う人なんていないでしょう?
 すると、子ども達はうれしそうに・・・
 「そんなの、間違うわけないよー
と言ってくれます。そこで、続けて言うのです。
 「じゃあね、あと残りは2つしかないのよねえ 残ってるのは『横』だけ。でも、横は、こっちとこっち、二つあるでしょ?「右」と「左」。すでに、あなたたちは4つも覚えちゃってて、間違わないほどしっかりわかってんだから、残りはたった2つだけでーす
 子ども達は安心します そっか、6つのうち、4つもわかってるんだもんな、残りはたった2つ。
 
 ところが 結構お母様方は、おどろおどろしい声で言うのです。
 「あー、手強いのが残ってるのよねえ みんな、なかなか覚えないし、覚えたと思ったら、またすぐに間違ったりして・・・なんでみんなこんなに左右は苦手なのかしら・・・
 などと、大きな声のひとりごとを言ったあと・・・わが子に「左と右」を教え始めます

 こんなに、最初から「むずかしいぞー!」「みんな混乱して間違うぞー!」などとインプットしてしまうと、子ども達は覚える当初から構えてしまって、「左右は間違うもの、苦手なもの」という潜在意識が芽生えてしまうんですね。

 そして、みなさん一様に、教える時には「これが右手 これが左手」のようにして、左右の手を使って教えるようです。親は、すっかりこれで「左右」を教え、理解させたつもりになります。

 でも、考えてみてください。
本来、左右は、「右側」「左側」ということですね。中央を境に、左側、右側、というふうに呼ぶわけです。
 右手は、右側にある手だから、右(側の)手、左側にある手だから、左(側の)手、ですね。そういうふうに「わかっている」のは大人、だからです
 多くの子どもは、最初、右手を「右手というもの」、左手を「左手というもの」というふうに理解します。要するに、固有名詞、として、その音を聞いているのです。

 ところが、親は、そんなことをわかっていな場合が多い・・・
ですから、右手左手を教えて、すっかり子どもが理解したと思いこみ、
 「じゃあ、これは右?左?」
とたずねます。親は、わが子が自分の両手を少し眺めた後に、きっと正答を答えるだろう!とワクワクと待ちかまえます
  
 でも・・・子どもは、いつまでも両手を交互にながめ・・・
小さい声で・・・不安げに・・・
 「こっち・・・右(手)?あっ、違うか・・・左?・・・えっと、右?・・・・」
 またまた親はカッとします 「ほらー、さっき言ったでしょう こっちが右手!こっちが左手!」・・・・

 よろしですか。
最初から、右側、左側、という方向であることを理解させなければなりません。左手、右手を教えているわけではないのですからね。
 
 右手 左手 と、手をパシパシ叩きながら教えたとしても、ちっとも伝わっていないこと・・・案外ありますよ
 それに、手にある傷跡や、ほくろを見て、「左右」を覚えている、おもしろい子も少なくはありません
 きちんと、右側、左側、という認識をさせていきましょう。

 

まどか先生の教室「幼児教室マナーズ」

小学校受験は、子どもが大きく成長するまたとないチャンスです。
知識の詰込み、繰り返す訓練、長時間の強要・・・そんな親子共に苦しい準備を「うれしくはないけれど、それが正しい準備」などと、ある意味での諦めの境地で取り組む受験準備ではなく、子ども自身の頭で考え、判断し、行動できる力「人間力」を育てる受験準備。それが、幼児教室マナーズが27年間実践し、成果をあげてきた「まどか先生メソッド」です。小学校に入学した後も、親子共にいつでも相談に帰っていける場所、それが幼児教室マナーズです

小学校受験 季節と行事の理解

2008年12月27日 | 小学校受験のカリキュラム
 小学校受験の準備を始めたとたん、ほとんどのご家庭が驚かれるのが「季節や行事」に関する出題が、多くの学校に見られることです。
 昔から、「読み、書き、そろばん」と言われるように、「学習」というものは生活に密着したものではなく、学問を修めること、と皆が思っているでしょう。
 確かに、それは現代でも同じこと。
小学校に入学してから以降の12年間・・・子ども達はひたすら「算、国、社、理」、「数、国、社、理、外国語・・・」と、教えられて学ぶ、という学習が続きます
 ですから、中学受験、高校受験、大学受験と言うものは、それらの教科の習熟度、理解の深さや応用力が問われます。
 簡単に言えば、中学受験以降の入学試験とは、「どれだけ習ったことを理解し、それをどの程度まで応用できる能力があるか?」が問われる、のですね。

 しかし。
小学校受験というものは、もちろん、子どもの能力を判断し、一通りの評価をするわけですが、実際にはそれと同じくらい、時にはそれ以上に、「その子が、どんな家庭で、どんな親によって育てられているのか?」が重要になってくるのです

 なぜならば、私立小学校とは、高らかに謳ってはいないものの、暗黙の了解事項として、子どもの入学と同時に、その子のご家庭、ご両親も、その小学校との関係が生まれ、「○○校のパパ、△△校のママ」などと呼ばれ、言ってみれば「親もその学校に入学した」ことになる、そう考えているところです

 つまり学校は・・・入学と当時に子どもの教育をスタートさせ、1からその学校の方針によって育てていくことができますが、すでに「完成品」として育ってしまっているその親は如何ともしがたい

 そんな親の人間性、感性の豊かさ、生活の中の潤い・・・そういう「人としての本質」を知るための一つの手だてとして、その親によって育てられている子どもの「季節感、行事の理解」などを知りたいと思っているわけです
 もちろん、行事などは、日本文化に深く根ざしたものですから、そういうものをどれほど大切にし、自分のアイデンティティーに誇りをもっているか?てということも知りたいわけです。自分を大切にし、誇りの持てない人は、学校をも大切にできず、誇りの持てない人・・・と言えるでしょう。

 きっと、小学校受験における「季節の理解、行事の理解」は、ご家庭が思っている以上に、深い意味を持った考査内容なのですよ
 最後の最後は、「春の花、10個言ってご覧!!」式の丸暗記しか仕方はないでしょうが、それでも、どうぞ、出題の本質を理解していてください。

 

まどか先生の教室「幼児教室マナーズ」

小学校受験は、子どもが大きく成長するまたとないチャンスです。
知識の詰込み、繰り返す訓練、長時間の強要・・・そんな親子共に苦しい準備を「うれしくはないけれど、それが正しい準備」などと、ある意味での諦めの境地で取り組む受験準備ではなく、子ども自身の頭で考え、判断し、行動できる力「人間力」を育てる受験準備。それが、幼児教室マナーズが27年間実践し、成果をあげてきた「まどか先生メソッド」です。小学校に入学した後も、親子共にいつでも相談に帰っていける場所、それが幼児教室マナーズです
 

小学校受験 「数を数える」

2008年09月06日 | 小学校受験のカリキュラム
 サイコロの効用、すでに十分ご存知のことと思いますが、敢えて。
昔は、子ども達はたくさんの「アナログ」な遊びをしましたねえ
 昔・・・私は昭和33年生まれですが、私の子どもの頃は、まだまだ「蝋石(ろうせき)」などと言うものが存在し、表の道路に、その蝋石を使ってケンパの○を描いて、お友達と一緒に、ケンケンパッ、ケンパッ、ケンパッ、ケンケンパッ・・・などと、遊んだものです

 4,5歳になれば、練習などしなくても、自然に、「片足跳び、ケンケン」が出来るようになりましたし、もちろん、順番を決めるために、4,5人でジャンケンをし、当たり前のように、「○○ちゃんが1番ね、△△ちゃんは最初に負けたから5番・・・じゃあ、2番から4番までを決めるジャンケンをしよー!」などとやっていました

 しかし。
今の子は、公園以外のお外で遊ぶことなどなく、家の前でケンパをして遊ぶ・・・などという、映画に出てくるようなレトロな遊びはしませんからねえ。
 ケンパは、親が休日、一生懸命に公園で教えてあげなければいけなくなりました。
 たくさんの人数で遊ぶこともあまりない現代、ジャンケンは、あくまで2人の「勝ち負け」のためにしか使うことがなく、多人数でジャンケンさせると、たちまち混乱してしまう子も少なくありません。
 そのうちに、箸を持つ、整列をする・・・などとう、当たり前のことまで「幼児教室で習うこと」になってしまわないか、真面目に心配になるこの頃です

 さて。
サイコロを使って遊ばなくなった子ども達。
 以前、すごろく遊びのようなことをしないから、今の子ども達は、「○こ、進む」の意味が理解できない・・・と話しましたね。
 同様に、サイコロを頻繁に見ないため、あのサイコロ特有の数の並び方を、あまり目にすることがないようです。
 10年ほど前に教室に通ってくださった子ども達は、2列2段に並んだものの絵を見ると、「あっ、サイコロみたいに並んでる・・・」のように表現しました。そうなんですねえ・・・

 2列2段だと「4」、2列2段の中央に1個黒丸があると「5」、3列3段だと「6」・・・と、視覚から数を瞬時に理解していたのでした。
 じつは、こういう確固とした理解は、便利なんですね

 数を数えたりするとき、数える対象がバラバラに散らばった状態であれば、一つ一つ数えなければ何個あるかはわかりませんね。適当に指でなぞって数えるのではなく、やはり一つ一つを斜線で消し、数える習慣をつけるのが良いでしょう
 しかし、整然と列、段になって並んでいて、子どもも数えるのに慣れていけば、わざわざ、1、2、3、4・・・と、10以下の数を数える必要はない、と思うのです。

 そういう時にわかっていれば便利なのが、上の段に2、下の段に2であれば「4」、上の段に3、下の段に3であれば「6」、上の段に4、下の段に4であれば「8」、と理解できるでしょう。(ただ、5個に関しては、無理に覚える必要なないように思います。なぜならば、経験上、子どもの視覚では、4と5には大きな差があるように思えるからです。)

 でも、これは、あくまで「数えることに慣れていれば」という注釈つき、です 数え始める子どもに、最初からテクニックとしてこれを教えてしまうと、やはり、「数える」ことが上手になりません
 バラバラに並んだものを数える時、やはり、「正確に、早く数える」必要はあるわけで・・・
 いろいろとテクニックを会得し、上手に数えるためにも、まずは、基本中の基本「しっかりと数える」を得意にさせましょう

小学校受験 「積み木の数」

2008年07月20日 | 小学校受験のカリキュラム
 7月15日に書いた「積木の数」は、少し解説がわかりにくい、とお叱りを受けましたので、あらためて、書き換えました。大変失礼いたしました

 小学校受験のペーパーテストの問題には、いくつかの代表的な定番の問題があります。そのひとつが「積み木の数」です。
 当然のことながら、このカリキュラムで難しいのが「見えていない積み木の数を、忘れずに数える」ことです
 子ども達には、ペーパーを前にして、何度も何度も、「積み上げた積木の絵では、前の積木が邪魔をして見えてはいなくても、必ず一段目(二段目)には積木があるのよ」と教えます。
 しかし、実際には、このカリキュラムに慣れないうちは、なかなかスムーズに「見えない積み木」を感覚的に実感することは困難のようです

 そこで、時々、私は発想の転換をして、こんな教え方をします
 10個程度の小さな立方体の積木を、子ども達の前にズラズラと並べます。
まずは、横一列に並べます。そして、言うのです。
  「1階建てのビルがたくさん並んでいます!」
 次は、何カ所か2段に積みます。
横に並べた積木は、ある部分は1段、ある部分は2段になっています。また言います。
  「今度は、1階建てのビルに混じって、2階建てのビルが現れました!」
 今度は、3段重ね、2段重ね、1段・・・と、並べ替えてみます。
 「おっ!3階建てのビルもできあがりました。2階建てもありますし、1階建てのビルもあります。」

 このようにして、積木を単なる積木ではなく、「ビル」としてイメージできるようにした上で、次は、積木を「横一列」だけではなく、積木の数のペーパーのように、前後に重ねて積木を並べる形にしてみます。
 ある部分は「3階建て」、ある部分は「2階建て」、ある部分は「1階建て」。

 そして、子ども達に言ってみます。
 「では、このビル達、全部で何階分あるのか、数えてみましょう!」
 そう言った後、すかさず、「3階建て」の3階部分に指を指し・・・
 「ここは3階建てなので、1,2,3」
次に「2階建て」の2階部分に指を指し・・・
 「4,5」
別の「2階建て」の2階部分に指を指し・・・
 「6,7」
残りの1階建てを順番に指さして・・・
 「8,9,10」

 ビルの形を替え、3階建てを2棟作り、2階建てを1棟、1階建てを2棟にすれば、数える時には、「3階建て」から・・・
 「1,2,3」
別の3階建てを指さして・・・
 「4,5,6」
2階建てを指さして・・・
 「7,8」
最後の1階建てで・・・
 「9,10」

 いよいよ、今度はペーパーです。
この時は、具体物からペーパーに移す時には、間髪を入れないのがコツ、です ペーパーの二次元になっても、数え方は全く同じです。
 「3階建て」の3階部分に指を指し・・・
 「ここは3階建てなので、1,2,3」
次に「2階建て」の2階部分に指を指し・・・
 「4,5」
別の「2階建て」の2階部分に指を指し・・・
 「6,7」
残りの1階建てを順番に指さして・・・
 「8,9,10」

 ペーパーですから、「8,9,10」と数えた後、すかさず、解答欄に「○」を10個、指示された色で描いていけば・・・できあがりです
一つだけ約束として、必ず、「高いビルから数える」ことだけは徹底させます。

 この方法を使うと、「積木が見えている」とか「見えていない積木」とか、全く関係ありません 実際、ペーパーで積木の数を数えているときも、積木を数えているわけではなく、「何階建てであるか?」を確認し、高いビルから順番に数えているだけ、なんですね。

 本当に、そんなにうまくいくかしら???と、とっても疑り深い顔をして、このブログを読んでくださるママ達のお顔が見えそうです
 もちろん、見える数も、見えない数も、完璧に数えられるお子さんであれば、「あの手、この手」は必要ないでしょうね。
でもね、大事なことは、わかっていることではなく、「間違わせないこと」なんですね。

 積木の数が苦手なお子さんの場合には、是非、だまされたと思って、この方法を試してみてくださいね

 

まどか先生の教室「幼児教室マナーズ」

小学校受験は、子どもが大きく成長するまたとないチャンスです。
知識の詰込み、繰り返す訓練、長時間の強要・・・そんな親子共に苦しい準備を「うれしくはないけれど、それが正しい準備」などと、ある意味での諦めの境地で取り組む受験準備ではなく、子ども自身の頭で考え、判断し、行動できる力「人間力」を育てる受験準備。それが、幼児教室マナーズが27年間実践し、成果をあげてきた「まどか先生メソッド」です。小学校に入学した後も、親子共にいつでも相談に帰っていける場所、それが幼児教室マナーズです

小学校受験「シーソー」の問題

2008年07月08日 | 小学校受験のカリキュラム
 重いから、下がる。
 軽いから、上がる。

 シーソーのメカニズムです。この理屈は、ほとんどの子ども問題なく理解します。
 しかし シーソーのペーパーを前にして、
  「AとB、どっちが重いの?(絵では、Aが下がっています)」とたずねると、全員が元気に、
  「Aでーす」と答えてはくれるのですが・・・
  「どうして、Aが重い、とわかったのかな?」とたずねると・・・
  「だって、Aのほうが『大きい』んだもん」という返事が返ってきたりして、ガックリすることがあります

 確かに、そのペーパーでは、下がっているAの絵のほうが、対象物が大きく、上がっているBの対象物は小さいのです。
 
 お母様方の中には、「そんなこと、どっちでもいいじゃないの。とにかく、大きいとか何とか言ったって、この問題でAのほうが重いってわかれば、ちゃんと正解でしょう?」とおっしゃる方は多いでしょうね

 確かに、2者の比較であればそれで問題ありません
しかし、3者、4者の比較になり、本来は「重い、軽い」の判断をして正答を理解しないといけないのに、いつのまにかその判断の基準が「大きい、小さい」にすり替わってしまうと・・思いのほか、厄介な間違いの原因となることが往々にしてあるのですね

 たとえば・・・子ども達は、頭では、「下がっているほうが重い、上がっているほが軽い」と、しっかりと理解できているとしましょう。
 しかし、シーソーの問題を解く前に、「お話しの記憶」や、ややこしい「数量」の問題を解いていて、かなり頭を使って考え、そこで集中力を使い果たしていて、思考力が鈍っていたとしたら???
 ふっと魔が差したように、「重い、軽い」ではなく、幼い頃なら馴染んだ判断基準である「大きい、小さい」という、視覚的なものに、思考が左右されてしまう・・・こういうことはあるのですよ

 シーソーでは、大きい小さいは関係なく、たとえ、それが小さいものであったとしても、シーソーが下がっていれば、そちらが重いのだ ということを、イヤというほど、徹底して教えていなければなりません。

 それでも・・・
視覚だけの判断では、さっきも書いた「魔が差す」ことがあります。わかっているのに、間違ってしまう・・・あるでしょう?
 ということで、そういうミスをしないために、前々回にも書いた通り、「正しい答えを導き出すための式」にあたる「書き込み」をすることお勧めします。

 子ども達にとって、「重い、軽い」は新しい見解です。
彼らの人生は、まだまだ短いわけですが、その短い人生の中でも「どちらが大きい?どちらが小さいですか?」という問いは、かなり幼い頃から理解していたはず、です。
 それに対して、「どちらが重いですか?どちらが軽いですか?」という問いは、ずっとずっと「お勉強チック」な問い、だと思います それに、重い軽いは視覚だけではわからず、シーソーという道具を使わないと判断できないもの、ですしね。

 では、その身近でないものをスムーズに理解させ、問題となった時に間違わせないためには、それなりの工夫が必要になります
 まずは「重い、軽い」ではなく、もっと子どもにとって「身近な言葉」を使い、判断させる・・・
 それが、「重い、軽い」ではなく「勝つ、負ける」なんですね

 なんで??と思われますでしょう?
じつは子ども達、小さな頃から、「勝ち負け」は身近な観念なんですよ
 たとえば、ヒーローごっこ然り じゃんけん然り もちろんかけっこ然り 
 子ども達は幼い頃から、「勝つ、負ける」には敏感で、非常に感覚的に身近なんです
 ですから、「重い軽い」ということを・・・
  「重さ勝負をしまーす。重いほうが勝ち、軽いほうが負けでーす」という表現をしたとたん、不思議なことに、急に課題への取り組みに親近感を覚え、興味を持って、間違わずに考えられるようになるんです

 そして、もう一つ。
絶対に間違わせないために、この「勝ち負け」の考え方を使って、「書き込み」をさせます。
 では、3者の比較をしてみましょう。A,B,Cの比較をします。
 
★ 第1回戦。AとBの重さ比べです。
勝負の結果、Aが下がる・・・Aの勝ち!(Aが重い)
そこで、Aの上か下、余白に「○」を描かせます。
Bは負け!(Bが軽い)
そこで、Bの上か下、余白に負けた印の「×」を描かせます。
AとBは、一勝一敗、ですね。
 
★ 第2回戦。BとCの重さ比べです。
勝負の結果、Bが下がる・・・Bの勝ち!(Bが重い)
そこで、Bの上か下、余白に「○」を描かせます。Cは負け!(Cが軽い)
そこで、Cの上か下、余白に負けた印の「×」を描かせます。

さあ、A、B、Cの余白には、○と×の印がついているはずです。
A・・・○が1個。
B・・・×が1個。○が1個。
C・・・×が1個。
 
 どうですか?こうすれば、一目瞭然、ですね
頭の中で「こっちが重い・・・こっちは軽い・・・」と考えていくよりも、このようにしてしまうほうが、簡単に理解できますし、絶対に間違うことがありません
 つまり、○しかない、負けなしのAは、絶対に重い!ということですね。
○と×のあるBは、ある時は勝ち(重い)、ある時は負け(軽い)だったわけですから、重さで言えば「真ん中」です。
 では、×しかないCは?と言えば、勝負に勝ったことなし・・・つまり、最も軽い、ということがわかります

 子ども達に親しみのある言葉で、間違えない方法を採らせることは、あまり意味のないことのように思われがちです。そんなの時間のロス、だとか、頭でわかれば、そんな方法、いちいちしなくても良いじゃない!
確かに、その通りですね

 でも、実際には、子ども達が、いつも自分の持っている100%の力を出しきれるか?と問われれば、残念ながら、そうではないのですよ
 どんなにペーパーが得意な子でも、ちょっと疲れて思考力が低下した時や、少しやる気が失せて、集中力に欠けているような時はあるものです。

 そんなとき、ママが畳みかけるように、
 「なんで間違うの?いつも出来るじゃない?なんで?ねえ、なんで
 なーんてやってしまうと、子どもは意気消沈
意気消沈だけで済んでしまえば良いほうですが、それがきっかけで、自信を失ったり、急に苦手意識が湧いてきてしまったり・・・なんてことになると? もちろん、一番かわいそうなのは子どもですし、ママだってお困りになる・・・ですよね

 たくさんの「転ばぬ先の杖」を、用意してあげるのも、ママのお役目ですよ

 

まどか先生の教室「幼児教室マナーズ」

小学校受験は、子どもが大きく成長するまたとないチャンスです。
知識の詰込み、繰り返す訓練、長時間の強要・・・そんな親子共に苦しい準備を「うれしくはないけれど、それが正しい準備」などと、ある意味での諦めの境地で取り組む受験準備ではなく、子ども自身の頭で考え、判断し、行動できる力「人間力」を育てる受験準備。それが、幼児教室マナーズが27年間実践し、成果をあげてきた「まどか先生メソッド」です。小学校に入学した後も、親子共にいつでも相談に帰っていける場所、それが幼児教室マナーズです


小学校受験 解答用紙を上手に使う

2008年07月01日 | 小学校受験のカリキュラム
 人は・・・わかっていても、まちがうものです
ましてや、それが小学校受験をするような、幼い子ども達の場合ではなおさらのこと。

 私は常に、子ども達に繰り返し、繰り返し言います
 「あなたたちはね、とっても賢くって、一度習ったことはちゃーんとわかってるってこと、先生は十分に知っているわ でもね、誰だって『わかっていても間違ってしまう』ってことはあるものなのよ。だから必ず、間違えないで解く方法を使いましょうね」と。

 でも、ついつい子どもは、「わかった」自分にすっかりご満悦になってしまい・・・ わかっている自分を、より強烈にアピールして誉めてもらいたいために頭の中で解いてしまったり、一番に終わらせようとして慌ててしまったり・・・と、墓穴を掘ってしまいます
 
 いかがでしょう?そんなことはありませんか?
これには、その子が持っている本来の性分もありますが(たとえば、慌て者だったり、せっかちだったり、です)、実際には、原因は大いに大人側にある、という場合のほうが多いですねえ

 要するに大人は、早くできると誉め、さっさと解けると誉める、ということを、無意識のうちに、子どもが幼い頃から習慣的にやってきているのです。
 ですから子ども達は、小学校受験という名のもと、いろいろと学習している間も、正答を導き出すとき、「正確さ」を重視する以前に、さっさとやって誉められようということにポイントを置いてしまうのです・・・ほとんど、誰もがこれに当てはまるのですが、そんな中でも、特にこういう墓穴を掘るタイプには、2つのタイプがあります。
  ひたすら、誉めてもらっている自分が好き、というタイプ。
 言ってみれば「かっこうつけ」「いいかっこうするのが好き」という子ですね。比較的、男の子に多いです。
  問題や、解答用紙を汚したくない、潔癖性タイプ。
 正答を導き出すために、問題や解答用紙に「式」にあたるメモ的なものを書いたほうが間違いにくいことがわかっているのに、敢えてそれをせず、涼しい顔で解いたよ、とアピールしたい子ども。女の子に多いです。
 
 どちらのタイプであっても、「間違う」ことにはかわりはありません。それをさせないためには、意識改革が必要です。
 たとえ相手が子どもであっても「~~しなさい!」と言って、言うことをきかせようとするよりも、本人達が「むー・・・本当にそうだ・・・」と実感するほうが、どれほど意味があり、大切であるかしれません。もちろん、それが最も効果的、なんですね
 
 たとえば、15個以上の数を数えさせてみます。
指で数えたり、目で数えたりしていると、十中八九、間違います 
今度は、一つずつ、数えたら斜め線で消させて数えさせます。基本形、です。確かに時間はかかりますが、しかし、明らかに、消して数えるほうが正確に、早く数えられるはずです
 このように実際にためさせてみて、そして『間髪入れずに』言うのです。
 「やっぱり、こんなふうに数えたほうが間違えないわねえ。こうして、数える時につけた斜め線は、ちっとも汚く見えたり、汚したりしているようには見えないのよ これは、あなたが、間違えたくないお利口な子だからこそ、この方法で数えたんだってことなんだもの・・・間違わない方法を知っているからこそ、こうして消しながら数えたのよね。やっぱり、こんなふうにして、間違えない方法で問題は解いていかなくちゃね

 子どもは、自分でしっかりと実感したら、必ずそうします 言われたことは忘れても、自分で実感したり、自分で会得したことは忘れないものなんですねえ。そして、それを誉められたりしようものなら・・・必ず実践しますよ

 大事なことは、きれいな解答用紙であること、ではなく、「間違っていない、正答がかかれた解答用紙」でしょう?
 途中経過を書き込むのは、いわゆる「式」を立てていることなのですから、描いていけない訳はありません
 ぜひ、かき込むことを、躊躇させないでおきましょう。ただ、大事なのには、答えとしてかく「○、△」等のしるしが、丁寧に描かれているか?です。

 小学校に入って、繰り上がりの計算、繰り下がり計算をする時、先生から「小さく繰り上がった数字を書いたら間違えないでいいですね」と、何度もアドバイスをしてもらっても、絶対にそれをしない子、嫌う子がいますよね そして、結局は間違う・・・何とつまらないこでしょう

  問題用紙や解答用紙には何も書いてはいけない、とわざわざ言われる場合は別ですが、そんな注意がない限りは、解答用紙、問題に、大いに書き込ませましょう。そして、間違わない答えの出し方、をしっかりと会得させ、そうすることが素敵なんだと教えてあげましょう