プラマイゼロ±

 某美少女戦士の内部戦士を中心に、原作、アニメ、実写、ミュージカル等問わず好き勝手にやってる創作、日記ブログです。

嗚呼勘違い

2009-04-16 23:59:57 | SS

 久しぶりに、うさぎちゃんと二人で学校から家路についていた。うさぎちゃんと一緒に帰ることは珍しくないけれど、いつもはまこちゃんと3人だったり、補習などで先に帰ってしまったり、なるちゃんがいたりで、二人きりというのは珍しかった。彼女もそれは思っていたらしく、いつもの明るい笑顔で声をかけてきた。
 

「なーんか、亜美ちゃんと二人で帰るのも久しぶりだねっ」
「そうね・・・でも、たまにはいいんじゃないかしら?」
「いつもはまこちゃんも一緒だしねー、あ、そういえばまこちゃん、今日は教室覗いたら先に帰ってたみたいだし、何か用事でもあったのかな?」
「うーん、もしかしたらスーパーの特売とかかもしれないわね、まこちゃん一人暮らしだし・・・」
「あ、そっかぁ!きっとそうだよね!それでまたおいしーお弁当作ってくれるのかな?うんうん、まこちゃん、いーいいお嫁さんになれるよね!」
「(・・・お嫁さん、かぁ・・・むしろ私の・・・)」
「?亜美ちゃん、何か顔赤いよ?」
「あっ・・・い、いや、何でもないわ!」
「???そう?」


 そのまま角を曲がろうとしたら、道の先に、この辺では見ない制服と長身の姿が見えた。


「―?あら、あれ、まこちゃんじゃない?」
「・・・んーそれどれ?あ、本当だ、まこちゃんって制服違うから分かりやすいねー、スーパーじゃなかったんだ、おーい、まっこちゃー・・・」
「待ってうさぎちゃん!」
「?」
「誰かと話してるみたいよ?あれ・・・衛さんじゃないかしら?」
「え、まもちゃんとまこちゃんが?」


 道端で腕を組んだまこちゃんは、衛さん相手に何かを話しているようだった。心なしか表情は深刻に見える。
 覗き見も盗み聞きもいけない、と言う常識は何故かその時はどこかに失せ、私とうさぎちゃんは示し合わせたかのように顔を見合わせると、そのままこっそり近づき、様子を伺った。


「・・・衛さん、やっぱり・・・戻ってきたんだね」
「・・・ああ」
「そうだと思ったよ。最初から分かってた。何だかんだ言って浮気したって、いつかあたしの元に戻ってくるって」
「・・・ああ」
「結局はあたししかいないもんね?もう認めちゃいなよ」
「・・・そうだな。悔しいけど、今俺が本当に必要としてるのは君だけだ・・・」
「今更気付いたって訳かい。でも衛さん、さんざ浮気しといて、随分都合のいい話だね?」
「・・・すまない。でも、それで結局君の大切さに気付いたんだ・・・!俺にはもう君しかいない!」


「なッ・・・何なのまこちゃんとまもちゃんッ!!?何この会話!?」
「・・・ま、こ、ちゃ・・・まさか衛さんと・・・?そんな・・・!」
「う、う、うわきって・・・!まもちゃんはあたしのまもちゃんなのにっ・・・ま、まもちゃんの本命がまこちゃんで、浮気があたしってこと!!?」
「まこちゃん・・・趣味悪いわよっ!!(泣)どうして衛さんなんかとっ・・・衛さんより、あたしが・・・!」
「・・・・・・・・・・・・・・・あみちゃん、今、さらっと、色んな意味で仲間内の人間関係をひっくり返すような発言をしなかった?」
「え・・・う、うさぎちゃんの聞き間違いよっ、そ、それより、あの二人・・・」


 二人で壁にへばりつきながら、それでも食い入るように彼女達を見つめた。傍から見れば不審極まりないが、そんなこと気にならないほど彼女達の発言は衝撃的だったのだ。


「ま、いっか。結局そうやって戻ってきてくれたしね。もう浮気しない?」
「勿論だ!俺は浅はかだったんだ・・・他に色々手を出して、結局君が一番であることに気付いたんだから」
「そこまで言われちゃ許すしかない、か。じゃあ衛さん、早速うちにおいでよ」
「いいのかい?」
「構わないよ、いつでも準備はしてたし。ま、高くつくけど、ね!」


 一人暮らしの女の子が家に男の人(しかも親友の恋人)を招く。いくら恋愛方面に疎い私とは言え、それが何を意味するのか知らないわけではない。私の思考回路はショート寸前だった。
 まこちゃんの惚れっぽい一面には結構冷や冷やさせられるところがあったけど、それにしても迂闊だった。灯台下暗しと言うべきだろうか。
 それでもよりによって、あの衛さんに・・・


「まこちゃんっまもちゃんっ・・・!ど、どーゆーことっ!!?家って!じゅ、じゅんびってっ・・・!高くつくって・・・!」
「衛さん・・・まこちゃん・・・ふ、不潔・・・!!」


 肩を並べて歩く二人を私もうさぎちゃんも止めることができず、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。


「まもちゃんー!!(泣)」
「・・・ま、こ、ちゃ・・・ん・・・(泣)」
「どぉしてー!ひどいぃぃぃぃ!!」
「ま、待ってうさぎちゃん、こんなのいけないわ!ちゃんと衛さんとまこちゃんと話し合いましょう!間違いが起こる前に・・・!もしかしたらもう起こってるのかも知れないけどっ・・・」
「もう起こってるかも!!?そ、そんなのやだあー!!」
「だから止めに行くのよ!!」

 
 ようやく石化状態から解放された私たちは、転がるようにまこちゃんの家に向かって走り出した。




 木野家前

「・・・亜美ちゃん、本当に踏み込むの?」
「うさぎちゃんの恋人なのよ!?それに、まこちゃんに間違った道を進ませるわけには行かないわ・・・!」
「・・・亜美ちゃん、どーも、まもちゃんよりまこちゃんのこと気にしてない?」
「そ、そんなことないわっ・・・あ、まこちゃんちから衛さんが出てきた・・・」
「えぇッ!!ま、まもちゃん!!うきー!!何か玄関で仲良さ気に喋ってる!!!」



「やっぱりタキシード仮面様が飛ばす薔薇は、このあたしのお手製のものでないと駄目だろ?よそで栽培した薔薇なんか、貧弱だからね!」
「そうだな・・・フトコロの都合で割安の薔薇に浮気してしまったが、やはり君の育てた薔薇とは全然違う」
「当然だろ?あたしの薔薇、外部さんも登場のときキレイだからって使ってんだから。最近タキシード仮面様見せ場少ないし、しっかり頑張んなよ?あ、勿論値段はまけないけどね」
「・・・久しぶりなんだから、サービスしてくれてもいいじゃないか?」
「駄目だよ、浮気した罪は重いんだから。それに、あたしだって生活かかってんの!育てんのに結構手間隙と経費かかってんだから」
「・・・・・・」
「それに、いちいちこうやってあたしから薔薇買ってるだなんて、間違ってもうさぎちゃんや他の人には知られたくないだろ?口止め料込み!」
「・・・ああ。本当に色々とすまないな」
「本当に・・・じゃ、毎度!また育てておくから、無くなる前に早めに買いに来てね!」
「・・・ああ。じゃ、失礼するよ」
「じゃ、衛さん、また来てね」
「ああ、また宜しく頼むよ」
「あれ・・・?あ、うさぎちゃん亜美ちゃんだ」
「・・・うさこに亜美ちゃん?・・・本当だ、何か二人ともすごい勢いでこっち向かってないか?」




「まもちゃんのばかぁああぁぁあぁ!!!」
「まこちゃん、不潔!!」



「「・・・???」」





 修羅場まであと数秒―






       ************************





 もう本当にすみませんorz

 まもとまこってマイナーどころか問題外レベルの組み合わせだと思うし(団体行動なら兎も角、ペアとしては・・・)、私自身特に普段気に留めてる訳じゃないんですが、私のセラムン関連の初創作はSSでも落書き漫画でもどーゆー訳かこの二人だったんですよね・・・何故だ?
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