日本経済が浮揚する大きなカギは、やはり国内市場の需要の高まりでしょう。
人口減の中、長期的には厳しいものがあります。 移民解禁...、これが唯一人口を落とさず継続成長を
遂げる方法なのですが...いろいろ難しい課題もあります。
財布の中、心の中も拝見! 2016年はどう変わる?
プレジデント 2月3日(水)9時15分配信
アベノミクスで円安、株高となるも、実質賃金は伸び悩み、個人消費は低迷が続く。我々に恩恵はあったのか。2016年はどう変わるのか。
■お金編▼給料アップも、お小遣いが上がらないわけ
▽給料は増えて、株で儲けたが……
お金のためだけに働いているわけではない、とはいっても、ビジネスマンにとって年収の増減は気になるところ。
給料の増減(1)について聞いてみると、すべての業種で「前年に比べて増えた」という喜ばしい結果に。ボーナスの額(2)は、すべての業種で「変化がない」人が多いが、「減った」人よりも「増えた」人のほうが多い。
しかし、ファイナンシャルプランナーの八ツ井慶子氏は「前年と比べて、本当に豊かさを感じられるほどの年収アップではないかもしれない」と釘を刺す。
「日本企業では、経営が悲惨な状況でもない限り、年功序列で少しずつは年収が上がっていきます。そのため、大幅なベースアップが行われていない場合は、物価の上昇や社会保険料の上昇、消費税率の上昇などで、かえって家計は苦しくなっている可能性もあります。私のところに家計相談に来るご家庭を見ていても、はっきりと『暮らし向きが良くなった』と言えるケースは稀です」(八ツ井氏)
17年春には消費税の2%引き上げも確定している。そう考えれば、多少給料が上がったところで「焼け石に水」。実際には家計が苦しい世帯が多いのかもしれない。
現在行っている資産運用(6)では、定期預金の次に株式投資が続く。それでは株式投資の成果(7)はどうかと見てみると、資産4000万円超の実に半数近くが「儲かった」と回答。逆に、資産200万円以下の人たちは「変わらない」がトップで、「損をした」が続く真逆の結果になった。
金融広報中央委員会が15年11月5日に発表した「家計の金融行動に関する世論調査」(2人以上世帯)でも、15年の金融資産の平均保有額は1209万円で、14年(1182万円)より27万円も増加しているが、資産を多い順、少ない順に並べて、ちょうど真ん中に位置する世帯の値である「中央値」は400万円と変わらない。つまり、上昇率が顕著な、いわゆる「お金持ち世帯」が全体の平均を引き上げているのだ。
「持てる人」は順調に資産を増やし、正業に就けないなど「持たざる人」は依然として苦しい生活を強いられているようだ。
■16年の景気はこうなる
この日本の現状を如実に表すのが、お小遣いの額(4)だろう。前年と比べて「同じ」という人が大半を占めるものの、次に続くのは「減少」である。そして、6年前(5)と比べると、全世代で減少傾向にあることがわかる。それでも、月11万円以上のお小遣いをもらっている人の割合には、そこまで大きな変化はない。
「昔に比べて、特に若い人がお金を使わない傾向にあるので、単なる締め付けとはいえないかもしれません。ですが、やはりリーマンショックで一旦お小遣いの額が減らされて、そこから上がっていかない人が多いのでしょう。ここ数年の景気の影響で多少年収が上がっていても、今後消費税は上がるし、社会保険料も上がる。
そうなると、将来への潜在的な不安感を抱えて、なかなか『お給料が上がったからお父さんのお小遣いも上げよう』とは思えないんでしょうね」(八ツ井氏)
消費税が10%になったら節約したい分野(3)でも、外食、交際費がまず候補に挙がっている。大幅なベースアップでもない限り、16年も「お父さん」の懐具合は寂しいようだ。
「お金編」の最後に、16年の日本の景気を占う意味で、日経平均株価予想(8)について聞いてみよう。結果は、1位が2万~2万1999円、2位が1万8000~1万9999円と、現状維持、もしくは上がるというポジティブな予想が目立った。為替相場の予想(9)についてもそれは同じだ。この結果をどう見ればいいのか。経営コンサルタントの小宮一慶氏は語る。
「市場が上がり調子のときは『もっと上がる』と感じて、下がり調子のときは『もう少し下がる』と感じるのが多くの人の心理。とはいえ、この結果は妥当なところで、実際にも2万円前後になると思います。ただし、15年12月16日にアメリカの利上げが決定したため、もう少し円安の方向に動く可能性が高く、その段階で新興国の経済が安定していれば、16年前半に2万2000~2万4000円まで日経平均が上がる可能性もあるでしょう」
今から急いで株を買い足して「儲かった」という結果が得られるほどではないかもしれないが、16年の日本経済は明るいようだ。
■仕事編▼一番多く不満をためこむのは、どの役職か
▽出世できない人は何が足りないか
仕事に対してどんな意識を持って取り組んでいるのか。結果を見ていくと、もっとも仕事に対して自信がなく(1)、働きがいを感じず(2)、出世に後ろ向き(3)で、転職したがっている(4)のは、職位が低い一般社員であることが判明した。逆に、ほぼ職位に比例して働きがいは高くなり、満足度も上がっていく。
「『仕事が嫌だな』と感じている人が会社に着いた途端スーパーマンになることはありません。つまり、やる気があるから出世できるし、出世すれば他人から自分の仕事ぶりで感謝されることも増えるから、やりがいを感じられる。頑張って働けば給料だって増えるでしょう。卵が先か鶏が先かという話になるかもしれませんが、単純に言えばそういう仕組みです。これはいつの時代も変わりません」
実際にストレスが多そうな管理職よりも、職位が低い一般社員クラスのほうが不満が多い(5)のも、仕組みとしてはほぼ同じだという。
「職位が上がれば自由度が上がるから、不満が減るのは当然です。ただし、不満を糧にできる人でないと、そこから先の出世は望めません。そもそも、不満がない場所なんてどこにもないんです。それを他人のせいにせず、ストレスとして抱え込むのでもなく、自分の力でどう解決していくかという方向に面白みを見いだせた人は、仕事も楽しくなるし出世もできる。管理職以上になる人には、ある程度不満を糧にする力があるということでしょう」(小宮氏)
だが、実践するのはなかなか難しい。小宮氏はこう助言する。
「私が思うに、会社が社員に与えられる幸せには2種類あって、まず1つ目が『働きがい』。2つ目が『給料』です。でも、その順番を間違えると『金の切れ目が縁の切れ目』的な荒んだ会社になってしまうから、経営者は気をつけなくてはいけません。いっぽう、社員の立場なら、異動や上司、昇進など『そのとき自分でコントロールできないことに悩まない』というのが、ビジネスマン人生を全うするための唯一のコツです。それさえ頭に入れておけば、ずいぶん楽に生きられますよ」
■家庭編▼日常生活の満足度が落ち込んだわけ
▽夫婦のありかた、教育の悩みが激変
日常生活の満足度(3)はここ数年で顕著に減少した。家族社会学者の山田昌弘教授に聞いた。
「国の調査を見ても、40代、50代は一番不満の多い世代。親の介護と子どもの進学という、どちらもお金のかかる問題が降りかかってくる世代だからです。収入が高く、正規雇用者の多いプレジデント読者の満足度は、全国平均と比べれば高いほう。それでも満足度が下がっているということは、お金だけでは解決できない、悩みの多い時代に突入したということでしょう」(山田教授)
では、悩みの種は何か。夫・妻への不満(1)1位は「特にない」。
「夫が妻に感じる不満の多くは小遣いの額と家事水準の低下。妻は、自分が働いているか、親と同居しているかなどで不満の内容は変わりますが、夫に十分な収入があって妻が専業主婦なら、不満は生まれにくいんです。家計、金銭関係が不満の上位にきているのは、収入が思うように上がらず、必要な経費は増えるのに、小遣いの額がなかなか上がらないことの表れかもしれません」
子どもに関する心配事(2)も数十年前とは様変わりしている。
「昔は子どもが自分よりも高い学歴を得て、いい暮らしをするのは当然でしたが、今は自分と同じレベルの生活を維持できるかも怪しい時代。だから、進路に悩む人が多いのです。また、昔は親への暴力や夜遊びなどの悩みが上位でしたが、今はひきこもりやいじめなど『内向き』で、解決に長い時間のかかる悩みが増えています」(同)
未婚率も上昇、30~34歳の男性は47.3%、女性は34.5%が未婚だ(平成22年総務省「国勢調査」)。性生活においても驚きの結果が出た(4)。特に30代において顕著に減少したのだ。
「ここ5年間に行われたあらゆる調査で、若い人の性的欲求の減少が指摘されています。原因はまだ研究段階ですが、お見合いや結婚相談所などを利用した『データで選んだ相手』とはセックスレスになりやすいことがわかっています。長く続いた不景気で、経済生活優先で相手を選ぶ人が多かったのかもしれませんね」
小宮一慶 経営コンサルタント
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