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まひるのブログ

Teacupブログから引っ越してきました。

楽聖少女3

2013-02-16 22:15:00 | 小説
今月刊行なのを忘れてました。
以下感想など。いつもどおりネタバレ含みます。

3巻はベートーヴェン唯一のオペラを中心としたお話です。と同時にルゥが徐々に聴覚を失います。何故急にそんなことが起こったのか、そしてルゥやユキという”元々はそうでなかったもの”が来るとどういう歪が起こるのか、そんなことが書かれた回です。前回登場のカールさん(ヴェーバー)やその師匠であるミヒャエル師(ハイドンさん弟)が出たりします。

前に述べられていた「何故熱情の楽章番号がずれていたのか」とルゥを呼び寄せた存在が結びつくとは考えてませんでした。音楽史に詳しい方なら想像ついていたのかもしれませんが。というか、あの方が悪魔だったのか…という感じです。全く存在を忘れt…いや冗談です。
ミヒャエル師のことはモーツァルトさんとの会話で大体想像はついてました。今回ミヒャエル師、ハイドンさん、ャ梶[ヌと挿絵で登場ですが…相変わらず絵が綺麗です。

一応、彼の存在と引き換えにルゥの耳の病はなくなるわけですが…それによって更に歴史が改変されていくのでどこまで今の歴史でどこから変わる歴史になるのか気になるところです。ユキが言っていたようにこれから生まれるはずだった「田園」やら何やらがなくなるのか、それとも同じ題の違うものになるのか、はたまた生まれるのか。さらっと伏線がまぎれていたりするので楽しみに次巻を待とうと思います。

アリソンとヴィルとリリアとトレイズとメグとセロンとその他

2013-01-22 21:42:00 | 小説
アリソンシリーズの集大成がついに3月に刊行予定ですね♪タイトルは「一つの大陸の物語」…ではありますが、サブタイトルがこの記事のタイトルです。サブタイトルの方が長い。というか、そちらの方が目立っている気がするのは僕だけでしょうか?
このお話が出ると言うのは「メグとセロン」の最終巻で言われていたことですが…タイトル実現してますけど…。長いからやめるようなこと書いてなかったかなぁ…気のせいですかね。しかも「…その他」って。いや、確かに主人公やその相手以外にも重要キャラは色々いますが(特に「メグとセロン」)その略し方をするとキャラに一度はいじられるのではないですかね?

因みに上巻だそうです。ということは十中八九もう1巻は出ます。アリソンシリーズのキャラもなかなか素敵な子が多いので楽しみですね♪

煉獄姫第6幕

2013-01-10 21:54:00 | 小説

煉獄姫の最終巻です。ネタバレばかりになるかと思います。

前巻で人造人間の能力を奪われ、アルトすら助けられなかったフォグ。同じく敗走したキリエとともにカルブックに誘われ行った地下で彼はローレンが何故人造人間をつくったのかを知ります。ユヴィオールが語ったのとはかなり逆、ローレンが復活したいというエゴではなく国を見守ってほしいという考えからでした。…まぁ、それでも常軌を逸していた点はありますが。
ローレンからの贈り物(知識)を元にアルト奪還、そしてユヴィオール一味を倒す決意をしたフォグ達は城に乗り込むのでした。

正直、前巻がかなりバッドエンド風だったので、このまま心中エンドになるんじゃないかと思ってました。いや、だって結構あっさり人が死ぬものですから、このお話。
城に乗り込んでからはアルトをきちんと奪還し、ユヴィオール達も倒して終わりを迎えます。キリエやイオ、アイリスに見せ場があったり、1巻から続くフォグとアルトの連携、フォグの思考が光っていたりと読み応えがありました。ユヴィオールの敗因はそれまでやっていた「勝たなくても良い、負けなければ」というのを棄てて「勝つのが当然」と天狗になっていたこと、それともともと消失点が誰のものだったか考えていなかったことでしょうね。

まだ飛ばし読みしかしてませんので、またじっくり読もうと思います。


小説・夏目友人帳

2013-01-06 21:50:00 | 小説
夏目友人帳の小説が出てましたので早速購入&読みました。

3つのお話からなっております。タキのお祖父さんにまつわるお話で名取さんが出てくる「ランプ堂奇譚」、昔の夏目君と同じクラスにいた子が出てくる「妖の音」、田沼君の出てくる「妖の夢路」です。それぞれは独立で特にどれから読んでも問題はないかと思います。まぁ、順番に読みましたが、あとがきによると小説の1番最初に載っているものが書き下ろしだそうですので書かれた順としては2→3→1です。

原作が小説でない小説では当たり前ですが、書き手は原作者さんではありません。アニメの脚本家さんだそうです。
アニメにせよ、小説化にせよ、原作が異なると雰囲気が変わってきてしまうものですが、この小説についてはそれがなかったですね。どうしても文字なので両者から見た感じが書きづらく、別個に書かれているのが少々読みづらくはありましたが(時間が行ったり来たりするので)、全体的に僕が原作(漫画)に感じている世界観が崩されなくて非常によい印象を受けました。

因みに夏目10周年だそうで、ファミマや天丼てんやさんなどでコラボやらフェアやらが開催されるらしいです。そちらも是非チェックしてみてください♪

名探偵に薔薇を

2012-11-15 20:10:00 | 小説
虚構推理、ミステリ大賞受賞したのですね。おめでとうございます。

さて、「名探偵に薔薇を」は城平京さんのデビュー作です。…今本屋さんで手に入るものとしてはデビュー作でよいはずです(その前にアンソロジーで短編が載っているそうですが、こちらは入手難しそうですし)。
この本の存在自体は以前から知っておりましたが、発売が結構前(初版1998年)だったのと、何故かハードだと勘違いしていたためなかなか上手く見つけられませんでして。最近遠出した時に大きな本屋さん(検索用のPCがある)に行きまして、そこでようやく発見という感じです。因みに見つけた時の第一声は「文庫かっ!」です(笑)

この小説は2部構成で、1部の2年後が2部です。1部で最後に出てきた名探偵が2部では早々に出てくる、というのが個人的には一番のミスリードでした。なにぶん1部であれだけ難航した状況を数ページで解決した名探偵が迷走するはずないと思いこんでしまったものですから。
1部については物語としてはシンプルな方です。少し回転するものの、そして違和には気付きにくいかもしれませんが結論を見せられて「あぁ」と思えます。ただこの部で重要なのは2部へ引き続き出てくる登場人物の紹介と、そして伏線かな、と。
2部は、結論からすればシンプルだったかもしれません。登場人物が皆優しかった、故にミスリードを繰り拡げるという感じでしょうか? 話が二転三転しますし、最後もハッピーエンドに映らない方のほうが多いと思います。1部で人物や毒に対し先入観を持つほど引っかかるかな。

この話も(というか、これが最初ですが)積み上げた論理の話です。最初の推定は外れていないけど足りない、そういう論理になっているように感じます。この話は続きものではありません。のでこの後どうなったかは分かりません。名探偵に救いがあれば良いかなと思います。