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まひるのブログ

Teacupブログから引っ越してきました。

虚構推理 スリーピングマーダー

2019-06-26 21:15:00 | 小説
小説の方です。
「虚構推理 スリーピングマーダー」は表題作の「スリーピングマーダー」とそれに関わる六花、天知の登場話である「岩永琴子は高校生だった」「六花ふたたび」「明日のために」、そして「岩永琴子は大学生である」からなる短編集(?)です。
ひとまず漫画10巻はスリーピングマーダーの序盤だけでしたので、続きが気になるこれのみ読んでの感想です。
いつもどおり、ネタバレご注意ください。

漫画10巻の記事でも書いた通り、本作は音無グループの会長が昔起こした妻殺しを、本当は怪異(妖狐)が関わっているのは目を伏せつつ、いかに合理的に解釈するか、という話となります。
…が、勿論一筋縄で話が進むわけはありませんでした。遺産相続の下りは早々に全員が共謀することで解決しますが、関係者全員に何故アリバイがあったのか、その状況下でどう妻を殺したと合理的に言えるのかを導くために、岩永が過去の犯罪も暴いていくこととなります。
スリーピングマーダーという表題は23年前から眠ってきた犯罪が起こされる、という意味合いだったのかと。
因みに後味が良い話とは言えません。岩永らしい後味の話、と言えますが。途中の、本当に虚構の解決策で止めておけばここまでの後味にはならなかったものです。
本作では六花が関わっていることは最後の最後で会長から語られて判明します。六花の関りについて九郎は、人が絡む事件を岩永がどう解決するか九郎に見せるため、と推理しています。岩永は今更だと考えてますが、これはありそうな気もしますね。人が絡む事件に岩永が一切の情を挟まず、秩序を守ることを最優先とするのであれば、九郎と秩序が反してどちらかしか選べない状況にあったら、岩永は秩序を取る(九郎を捨てる)かもしれないと言えますので。
思えば告l七瀬も、秩序と六花の二者択一で岩永が秩序を取ったと言えなくもないわけで、同じことが九郎にも起こる、と六花が考えることはありえますし。そこは是非、秩序も九郎も取る選択をして六花を上回ってほしいところです。

虚構推理短編集 岩永琴子の出現

2018-12-30 21:20:00 | 小説
「虚構推理短編集 岩永琴子の出現」は講談社タイガから出ている短編小説です。
一応これ単独でも読めますが、前作(告l七瀬)後の話ですので、それを読んだ方が勿論、楽しく読めます。

本作は漫画のあとがき(この短編集の紹介)でもあったように、漫画の原作小説です。…漫画の方が早く世に出ているわけですが。
収録作品は漫画にもなっている「ヌシの大蛇は見ていた」「うなぎ屋の幸運日」「電撃のピノッキオ~」「ギロチン三四郎」と書きおろし「幻の自販機」です。

漫画では人物・風景描写がはっきりしている反面、心理描写は描きづらいわけですが(文字で書いてしまうと冗長になりかねないので)、小説は逆に登場人物がそのシーンでどう考えていたかが掘り下げられているので、漫画で話やオチは知っていても楽しめますね。

「幻の自販機」は衝動的に殺人を犯し、動揺して逃げてしまった犯人が、逮捕時に犯行後どうしていたのかの供述をした際に生じてしまった、犯人としても意図しないアリバイをどう嘘で説明するか、のお話です。要は異界を通ったので現実ではたどり着けない場所に辿り着いてしまったわけで…犯人は異界を通ったと思っておらず事実を話しているだけです。警察は自供している犯人がそこだけ嘘を言う理由の説明がつかずどう解釈すべきか、となっており、犯人の記憶違いや白昼夢(夜ですが)説で納得しないある警官が捜査熱心すぎて異界に来かねないのでどうするか、を解決することとなります。本作収録の中ではこれが一番「虚構」らしい話かな、と思います。

キノの旅21

2017-10-15 21:34:00 | 小説

10月はキノの旅の発売月です。ということで21巻発売になりましたね♪

今回はプロローグ・エピローグの話と11話からなります。
プロローグ・エピローグはフォトたちのお話。その他、シズ様たちのお話が1つと、キノの旅としては珍しく名が出てきた「レジー」さんのお話が1つ、残りはキノたちのお話です。回想で師匠もちらっと出てきますが。
以下、それぞれの感想(?)です。ネタバレ注意。

○プロローグ・エピローグ「見える真実」
上記のとおり、フォトたちのお話です。

○巨人の国
進○の巨人ではありません。そういう発想か、と思いました(笑)

○有名になれる国
風刺のよく利いたお話です。

○美男美女の国
シズ様たちのお話。美意識は人それぞれです。別の小説で逆バージョンあったな、と思いつつ読みました。

○Nの国
タイトル見た時ポケモンのNが出てきましたが、全く関係ありません(当たり前)。越冬のため月単位で暮らすキノが見れます

○読書が許されない国
逆転の発想ですね。

○満員電車が走っている国
とある理由で電車が満員になっている話ですが…これは確かに嫌ですね…

○消えた国
キノたちのお話ですが、キノに同行した人目線での話となっています。途中ホラーかと思いました

○完璧な国
大事なことは小さく書いてあるものです(笑)

○鍵の国
収録は完璧な国の後ですが、キノたちはこちらに先に訪れたようです。回想で師匠たちが出ます。あの起こされ方はご遠慮したいものです。

○女の国
「レジー」さんのお話。キノの旅で固有名詞が出てくるということは珍しい、と思って読んで、途中でそういうことか、となります。明確には言われてませんのでそういうことだろうか、くらいですけども。

○毎日死ぬ国
眠ることは死ぬこと、と言っていたゲームがありましたね


キノの旅〷

2016-10-24 21:18:00 | 小説

毎年恒例、10月はキノの旅の発売月です。
20冊目ということで、あとがきも大変探しにくくなっております(笑)

以下、ネタバレ注意です。

今回も20冊目の記念なためか、キノ&エルメス、シズ組、師匠&弟子、フォト&ソウのお話が盛り込まれています。お話はプロローグ&エピローグを1話とカウントして10話。久々に師匠の元にいた頃のキノも出てきます。その話(4話)と次の話はいずれも同じタイトルですが…サブタイトルの英語で大体どう転ぶかは分かりますね(苦笑)
面白かったお話は「拘らない国」、「ターニングポイント」。「羊たちの草原」ではついにエルメスが空を飛びます。次巻から注釈が異なってきちゃいますね(笑)


終わりのセラフ 吸血鬼ミカエラの物語2

2016-04-29 21:16:00 | 小説

2巻です。11巻と同時発売で5/2発売…のはずなのになぜか書店にありましたので…限定版の方の11巻はあったのでそちらと同時発売というのを見間違えたのかもしれません。因みに通常版購入予定なので11巻は読んでいないという前提で以下の感想はお読みください。
あ、ネタバレご注意を。

1巻同様、フェリドがクローリーに昔話をさせるところです。1、2巻の時間軸としては優くんやミカが吸血鬼の都市にいたころです。つまりクローリーの昔話を除くとミカがフェリドの屋敷から地図と銃を盗んで都市脱出計画を実行する前後ですね。優くんは脱出させ、ミカを使ってクルルをおびき寄せるのがフェリドの狙いであり、数百年以上かけて準備してきた計画であるそう。クローリーに昔話をさせるのもその計画のためだそうです。

クローリーの昔話は娼婦やジルベールを殺害した犯人の手掛かりをクローリーとフェリドが追いつつ、最終的にクローリーが吸血鬼になるまでのお話です。クローリーを吸血鬼にした原因はフェリドですが、その元となる血液は二位始祖のものとのこと。よってクローリーは十三位始祖を名乗るものの、実力は十一位より上となるそうです。フェリドも同様に二位始祖により吸血鬼となったようなので七位始祖レベル、ということでしょうかね? 吸血鬼としての力は「誰に血を貰ったか」と「吸血鬼としての年数」によるようなので一概には言えませんが。

ミカはクルルによって吸血鬼となりました。エピローグで2年経過し14歳のミカが登場します。フェリドとクローリーの元でヨーロッパの人間と戦う部隊に出ているようです。文章の書きっぷりから考えると次巻は吸血鬼となったミカが、人間が何をしてしまったかを見て人間嫌いになるお話になるのかな、と。ヨーロッパなのでレストが出ることもあるかもしれません。

1巻でフェリドが言っていた(っけ?)ミカエラは、そういう因子のことのようです。数千万人に1人とのこと。フェリドがクローリーを吸血鬼側に招き入れたのもこの因子に用があるから、とすれば、彼が生まれる前から目をつけていてもおかしくはないのかなと思います。
この因子が百夜教の目的としたら、優くん達の「終わりのセラフ」は人工的にミカエラ因子を作り出すためのものかもしれないですね。ならミカが終わりのセラフを発動させていないのも、オリジナルと人工の違い、とかで説明できなくもないかと。ただそうだとしてもその因子があるとどうなのかは謎なままですが。

クルルの興味は一位始祖とともに突如失踪した兄のアシェラにあるとか。…アシェラって阿修羅丸に名前似てますね。アニメのイラストで阿修羅丸とクルルのツーショットって見ましたし。とすると兄が鬼化してますけど…。鬼と吸血鬼って会えるのですかね? 阿修羅丸が実体で外に出ることってなかったですよね? 優くんが鬼になったときの性格が阿修羅丸っぽいかというとそうも思えませんし。
あと作中の言いようから○位始祖の人数はその位の表す数のよう(十一位始祖なら11人)です。吸血鬼の兄妹ってどういう括りなのか分かりませんが…人間のときからの兄妹とすると同じ始祖に血を与えられた可能性が高いでしょうのでクルルとアシェラは同位かもしれません。兄が下というのも何なので、あとは二位始祖という可能性はありますね。この場合はフェリドやクローリーを吸血鬼にした血の持ち主ではない方となるでしょうが(←フェリドは血の持ち主の方の二位始祖を知っているので)。

3巻は秋発売とのこと。漫画と同時くらいになるのでしょうかね?

因みに。11巻を読まずに小説を読んだところ、あとがきで本当に軽くですが、漫画のネタバレをされた気がします、たぶん。あとがき1行目、ネタバレですよね? あとがき途中で「あとがき先読み派は以降にネタバレがあるので読まないように」と書かれてますが…少なくとも僕には1行目の方がネタバレに思いました(苦笑)2巻でクローリーが人間でなくなるのは帯で分かりきってましたし…二位始祖の名前については…単行本派だとネタバレにはならないのかな、と。小説(グレンの)では出てきているようですから、そういう点ではネタバレでしょうが。