第2シリーズですね。あとがきで仰っているように第1シリーズからどう展開していくかというもので、「~宝物」では第1シリーズとも少々絡む話が出てきます。雪路の妹である麗羅と旅人がどのようにして親交(?)を深めたのか、増子と旅人が出会ったのがいつか、など。増子と初めて会った話(花の名前)は第1シリーズ前なので第1シリーズに近い旅人が見れますが、第1シリーズラストでの心境の変化もあるせいか、割とハートフルにお話が進みました。
…と思いきや、落とす(?)のがこのシリーズです。…というと語弊がありますが。ハートフルで第2シリーズが進むはずがないとなるのが「~壊れ物」。ハートフルどころか旅人の暗黒面でまくりです。というか、「~壊れ物」5作のうち、暗黒面出ていないのは「樗nの友」くらいかと思います(笑)
暗黒面が出るのは別に良いのですけど…どうにもこの巻から登場する美月が信用ならないように思うのです。彼女に非があるかはさておき、第1シリーズの心境変化がせっかくあったのにそれを戻しちゃった感は否めませんので。まぁそれでも陽子に対しての行動の変化がありましたし、完全に後戻りしたわけではないので第1シリーズラストのようなことはしないとは思うのですけど…。それ以外はしそうですね。危ういところは治ってないし。
旅人が眼鏡をかける描写がちょこちょこ出てくるのも気になります。陽子と会ったときは確かにブルーライト軽減の眼鏡のようでしたが、外に出ているのにかけているのは…視力低下の振りなのでは、と思うのです。考え事をしていて人の気配が視えていないこともありましたし。それが常に周りに対して警戒しなくていいと思ったから、であれば良いのですけども。
第1シリーズでやらなかったこと、とすると①旅人の誘拐、両親死亡の原因への制裁②旅人が視力を失う③陽子との関係変化が挙げられますが…。③はいいとして、①②はあまり楽しくはない展開となりそうですね。とはいえ、次巻の題名が「~笑い物」なので…うん、楽しくない展開がきそうです(苦笑)