外伝のタイトル(副題?)は綾辻行人VS京極夏彦。ご存知のとおりの小説家な方です。尤も文豪ストレイドックス自体が近代の文豪と同じ名前の人たちの異能バトル漫画ですのでさもありなん、ですが…〝近代の”文豪だと思っていたので現代の方ありなんだ、と思ったりはしました。
それはさておき。お話はタイトルのように、綾辻行人と彼を監視しているエージェント辻村深月が京極夏彦と戦うものです。戦うと言っても綾辻、京極いずれも戦闘向きの異能ではなく頭脳系な異能なので頭脳バトル、と言う方が正しいかもしれません。銃撃戦とかありますけども。京極は本人がどうこうしてくるというよりも教唆をする感じで、それにより起こる不可能犯罪を綾辻が解いていきます。綾辻の異能は彼の意志に関わらず、彼が真相を見抜いた事件の犯人が事故死(自死含む)するというもの。教唆自体は綾辻の異能の効果範囲に入らないので綾辻の異能の発動条件を逆手に取った京極との頭脳戦が見ものです。
事件もいくつか紹介されます。いかにして犯人は全員が同じものを食べた食事において特定の人間だけを殺したのか(注:無差別ではない)とか、入ったら出られない部屋において行われた殺人で犯人はどうやって出たのか、とか、問い自体は単純に誰が犯人かというものもあります。いずれもトリッキーな方法なので…純粋なミステリー好きには向かないかもですが、そうくるか、というのが好きなミステリー好きには面白いかと思います。
因みに本編(漫画)のキャラはほとんど出ていない…はず(上述のとおり、レンタルで読んでいるだけなので覚えていないだけかもです)。ひとまず坂口安吾と中原中也は出ますが。あとちょこちょこ探偵社やメ[トマフィアの話は出ますので原作を知っている方はより楽しめるのではないかと。
…最後の局長補佐のくだりは漫画の伏線か何かなのですかね? 京極が綾辻と辻村の2人に挑んだ理由を誰かに話す、という意味はあるにしてもその段落の最後の台詞の意味がちょっと分からなかったので。イラストの伏線回収でしょうか?