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まひるのブログ

Teacupブログから引っ越してきました。

文豪ストレイドッグス外伝

2016-04-05 21:43:00 | 小説
文豪ストレイドッグスは朝霧カフカさん原作、春河35さんイラストの漫画です。4月からアニメも始まりましたね。漫画はレンタルで借りて読んでいるので自分ルールのもと感想等は書きませんが…外伝としてコラボミステリーが出ているのでそちらは買って読みました。ので感想書きます。まぁ出たのは1月ですけど…気付いたのが最近なので(苦笑)

外伝のタイトル(副題?)は綾辻行人VS京極夏彦。ご存知のとおりの小説家な方です。尤も文豪ストレイドックス自体が近代の文豪と同じ名前の人たちの異能バトル漫画ですのでさもありなん、ですが…〝近代の”文豪だと思っていたので現代の方ありなんだ、と思ったりはしました。

それはさておき。お話はタイトルのように、綾辻行人と彼を監視しているエージェント辻村深月が京極夏彦と戦うものです。戦うと言っても綾辻、京極いずれも戦闘向きの異能ではなく頭脳系な異能なので頭脳バトル、と言う方が正しいかもしれません。銃撃戦とかありますけども。京極は本人がどうこうしてくるというよりも教唆をする感じで、それにより起こる不可能犯罪を綾辻が解いていきます。綾辻の異能は彼の意志に関わらず、彼が真相を見抜いた事件の犯人が事故死(自死含む)するというもの。教唆自体は綾辻の異能の効果範囲に入らないので綾辻の異能の発動条件を逆手に取った京極との頭脳戦が見ものです。
事件もいくつか紹介されます。いかにして犯人は全員が同じものを食べた食事において特定の人間だけを殺したのか(注:無差別ではない)とか、入ったら出られない部屋において行われた殺人で犯人はどうやって出たのか、とか、問い自体は単純に誰が犯人かというものもあります。いずれもトリッキーな方法なので…純粋なミステリー好きには向かないかもですが、そうくるか、というのが好きなミステリー好きには面白いかと思います。

因みに本編(漫画)のキャラはほとんど出ていない…はず(上述のとおり、レンタルで読んでいるだけなので覚えていないだけかもです)。ひとまず坂口安吾と中原中也は出ますが。あとちょこちょこ探偵社やメ[トマフィアの話は出ますので原作を知っている方はより楽しめるのではないかと。
…最後の局長補佐のくだりは漫画の伏線か何かなのですかね? 京極が綾辻と辻村の2人に挑んだ理由を誰かに話す、という意味はあるにしてもその段落の最後の台詞の意味がちょっと分からなかったので。イラストの伏線回収でしょうか?

雨の日も神様と相撲を

2016-01-24 21:51:00 | 小説

城平京さんの小説です。講談社タイガというところからの発行です。
以下、ネタバレ含みます。

主人公の文季(ふみき)は両親が相撲好きで相撲を10年来習っている中三の少年です。が、体格には恵まれておらず、この年ながら150㎝にも満たないとのこと。両親の死をきっかけに引き取られた叔父の住む村は農業が盛んなところであり、カエルを神に奉り、カエルが好きな相撲を村総出でやるようなところでもあります。文季はその小さい体格から力押しの相撲はできないため、いかに相手の体勢を崩すかという頭脳戦(?)を得意とします。その様子を見たカエルにより、近頃カエルの神の間で問題となっている外来種のカエルをいかに相撲で打ち負かすかという相談を持ち掛けられることに。カエル神の言葉を村人たちに伝えるかんなぎの家の次期当主である真夏とふれあいつつ、方法を探ります。一方、文季の叔父は警察官です。村との境界近くの林で発見された死体の事件を探ります。一見何の関係もない死体と相撲がカエルでつながっていきます。

という感じのお話…かと思いきや、最後の方でそれまでの謎がどんどん解かれていきます。文季は優しい感じの少年、というわけではないですね。芯がしっかりしていていい意味で想像を裏切られた感じです。まぁ、思えば城平さんが原作の漫画にしても小説にしても主人公やその近くにいる少年ってこんな感じかも、と思いました(笑)
相撲の技についてはほぼ分からないので、相撲の説明の部分はちんぷんかんぷんなところもありましたが…相撲と神話の関わり、それに絡む村の風習、と知れて面白かったです。技がちんぷんかんぷんなので、当然カエルが相撲をしている想像はできませんでしたが。

城平さんの原作の物語が好きな方は楽しめると思います。是非どうぞ♪


終わりのセラフ 吸血鬼ミカエラの物語1

2015-12-05 21:40:00 | 小説

終わりのセラフ10巻と同日発売の小説です。小説なのでジャンルは小説で。
いつもどおり、ネタバレ注意です。…ネタバレってほどの話もないと思いますが。あとセラフの漫画は単行本派(SQは買ってません)、講談社の小説(グレンの方)は読んでません。という前提でお読みください。

お話はミカが両親に捨てられるところから。その後世界が崩壊し吸血鬼の都市で優くんたちと過ごしているなかで、ミカはフェリドに血を供給すれば優遇があるという噂を聞き、実践することにします。当のフェリドは図書館を人間の子供たちに解放したりと人間観察で暇をつぶしているよう。暇つぶしの一環で(?)名古屋からクローリーを呼び出し、自分たちが会ったころの話をするように言います。どうやらクローリーは700年ほど前までは人間であったよう。十字軍として聖戦に出、英雄視されたものの同時にその聖戦で信仰を失い、騎士団ではなくその卵を育てる仕事をしていた頃にあった事件で出会ったようです。娼婦が殺され、しかもその死体には血がほとんどないという事件。事件を担当するはずだったその地域の騎士団の要であるジルベールすら殺されてしまい、クローリーはフェリドとともに事件を追うことになります。

というところで終わりです。1巻であるのは表紙から分かってましたが…あらすじ(公式サイトに載っていた本の紹介)で何故か短編集だと思っていたので、「あれ? 意外に壮大だ」というのが読了後の第一印象です(笑)「吸血鬼ミカエラの物語」なのでてっきりミカの話かと思ってましたが、1巻はほぼクローリーの話。かつ、書きっぷりから類推するに表題の「ミカエラ」はミカ1人を指しているわけではないようです。クローリーもフェリドも「ミカエラ」である(あった?)らしいので、漫画でいう天使とかと同じような分類名なのかと。

ひとまず1巻では謎の提示、という感じで吸血鬼の謎が暴かれてはいないように思います(以下続刊ですので当然かも、ですが)。吸血鬼のクローリーが人間時代の昔話をするなかで昔話が出てくるという入れ子構造の必要があるのか、あとこの昔話の昔話がどう後で効いてくるのかは分かりませんが…昔話の昔話(十字軍の進行の話)が結構長いので後々大事になるのかなぁ…?

文体は正直、好みではないです。ただ淡々としているので逆に襲われている部分の描写は怖く感じますね。

次巻は初夏とのこと。1巻の昔話ではまだクローリーは人間です(吸血鬼になるくだりまで至っていない)が次巻でそうなるのか、またフェリドがいうミカエラ(ミカではない)は何なのかがどこまで分かるのか。のんびり待ちたいと思います。


キノの旅19

2015-10-13 19:06:00 | 小説
いつもどおり、ネタバレご注意ください。

10月恒例でキノの旅が発売されております♪今年で15周年とのことで、あとがきは「十五歳の話」という陸が見た夢の話。シズがニートになりました(笑)

また、15周年で記念されているのか、キノ&エルメス、シズ&陸&ティー、師匠&相棒、フォト&ソウという、キノの旅でお話のメインになるキャラの話が総じて出てきてますね。登場人物のイラストがチビっこくてかわいらしいです。

お話はあとがきのものも含め、11話。フォトのお話である「助けに来た国」はほっこりしますし、シズたちのお話である「守る国」は案の定の(彼らにとっては)残念な?話になりました。「撃ちまくれる国」ではパースエイダー戦以外でのキノの戦いっぷりもちらっと見れますが…そういや、この話以外でキノはパースエイダー撃ってないような…。珍しい…のかな?

日暮旅人の笑い物/望む物

2015-07-20 21:16:00 | 小説
日暮旅人シリーズその7、8ですね。そして第2シリーズのラスト2巻です。

「~壊れ物」ラストでクリスマスデートの約束をした旅人と陽子。「~笑い物」ではクリスマスデートのお話と、そこから色々急展開です。
「~望む物」の絡みを見れば、「~笑い物」の短編はそこまでのフラグ建築に感じられました。登場人物が余すことなく絡んでくるのは第1シリーズも同様ですが…そこまで全員絡めるかな、と思わなくもないです。うまく動かせていると言うべきか、ご都合主義に思うかですが。「組織の礎」はブラック旅人が出てきていて、傍から見るとご愁傷様感満載でした(苦笑)「微笑みの代償」は好きな展開でした。旅人の変わりようがすごいです。
「魔の手」(「~笑い物」ラストの話)で題名どおりの嫌な展開を迎え、そこから「~望む物」に一気に繋がっていきます。黒幕が誰かは「~笑い物」ラストで分かりますが、黒幕の思惑については「~望む物」で語られます。

全体を通して日暮旅人シリーズは愛のお話かと思います。自己愛もあれば相手を思いやる愛もあったり、相手を思いやるにしても傍から見てどう思えるものかはいろいろであったり、と。旅人は愛に肯定的のようですし、黒幕に対しても相応のお応えをしたと思いますが…僕には理解できそうにない愛もありましたね。いろんなアプローチが見れて興味深いお話でしたが。
ラストの1エピソードは黒幕の一件後の話で、俗に言えばその後のお話というやつです。客が去ったあとの旅人の独白で終わりですが…肯定的な見方をしているように見えて悲観的に思えたのは何故ですかね? 黒幕を引き合いに出したからかな(そして僕が黒幕を理解できないために良い感想を持てないからですかね)。それが彼の考え方のすべてのようでちょっと寂しく思えました。あとがきの旅人の名前についての話も影響しているかも、ですが。シリーズラストなのでもう少し明るく終わった方が読んでいてすっきりしたのにな、と思った次第です。…まぁ、それが彼だと言われればらしいのでしょうけども。