「けんたいかい」
と打ったつもりが
「けんたいかん」→倦怠感
と変換してびっくらこいたまぁです。現在、身体は動いてますが、確かに倦怠感に包まれてるのは事実です。久しぶりの出場校第一顧問としての県大会。生徒におんぶにだっこでここまで来ました。今回の大会は、事前準備の会場・受付係のとりまとめ、会計・表彰あたりの仕事で、それなりにバタバタはしました。それでも、舞台袖や客席で何本か見ることは出来ました。
六日町 「夕暮れのJK~「夕暮れの上の月」より~」
激戦のB地区で最優秀をとったこの作品。基本的には前回の印象のそのまま。舞台の作りはさすがだし、まとまりもよい(ただまとまり良すぎてキャラが平板かもな)。何より「舞台上の2人の仲の良さと人の良さ」がひしひしと伝わってくる(今回のほうが素直に伝わってきた)。見ていてなんとなくホンワカしてくる作品だ。でもやっぱりね、根本的に思う。それって、この脚本=「夕暮れの上の月」でやらなくてもいいんじゃないのかなぁ…。なんでこの脚本やってるんだろう。書き換えられたこの脚本にはこの舞台はあっているけど、もともとのこの脚本に必要な要素が欠けているセットで、演出で上演しちゃってもなぁ…。この問いが結局頭から抜けないまま、2度目の観劇も終わりました。ただ、今年まさに根本を差し替えて潤色(創作扱いだけど、私が見るには潤色の域は出ないと思う)をしている身としては、「原作との違い」「根本的な成り立ちの違い」を言われるとつらくなるのは理解している。となると、最初に言った通り「舞台上の2人の仲の良さと人の良さ」を引き立てるための脚本なんだろうな。その点は確実に成功している。
新潟中央 「Change My World」
同じA地区の代表校。残念ながら地区で見られなかったので、後半客席からのぞかせてもらった。幻の新潟春フェス出場作品。やっと新潟で上演されたわけです。作品としては2人の会話劇の形式はとるものの、もともとがパソコン画面上のやり取りが中心になるこのお芝居、フツーにやってしまってはちょっともったいなく、それなりの舞台上の配慮みたいなものが必要になってくる難しい芝居だ。そういう点でここを見ると…、もったいないなぁ。メインキャスト2人はなかなかに魅力的、キャラも合っているし、やり取りもいい感じで見ていて楽しいし、雰囲気もいい。一方で舞台上の構成は結構「真正直な」構成で、上手にスタフラ、下手にはなさんの部屋が配置されている。部屋はきちんと作ってあるが(審査員の指摘通り、祭壇は絶対必要。日々、アイドルヲタを自宅で観察している者にとっては……、イヤイヤ)、これ、照明やセット(平台)などで舞台構成していてやれば、もう少し見やすくテンポよく展開できるんじゃないかなぁ…。ちなみに長野県代表でこの作品は関東大会に上がっている。そちらも楽しみ。
新潟向陽 「わたがし」
これも同じA地区の代表校。舞台袖からの観劇。この作品、図抜けた作品とは言えないけれど、魅力を残したまま、うまく上手にまとめてある。小品ながらきらりと光る作品。独白のシーンをもう少しスマートにまとめられればとは思うが、全般的にバランスよく様々な配慮の上で芝居が作られている。センスある顧問の指導の賜物という側面もあるが、脚本作者の独自の視点とセンスがかなり光る。作者本人を含む俳優2人もなかなか魅力的。陽キャと陰キャの表現も的確。
長岡大手 「33.3」
これは激戦B地区の代表校。脚本・演出の力の抜け方と入れ方(チルさ加減)がうまくバランスが取れている印象。とはいえ、キャストの表現力はもう少し改善の余地があるかなぁ。あまり作りすぎてもダメな脚本だけど、だからと言って、チルさがナチュラルさに結びついてないあたりが問題のように思える。ただ一方で、舞台の面はさすが。客席から見ていると、とにかく電柱が効いている。ラストシーン、グリーンに輝く電柱が荒野のサボテンをほうふつとさせるあたり、「お見事!」と思う。西部劇を基調としているこの芝居の表現としては的確で素晴らしい! 個人的に舞台美術賞はここ。
敬和学園 「かふぁらもん」
C地区代表校。今回、照明なども改善し、レベルアップして県大会の舞台に上がった。来年夏の関東サマーフェスティバルの新潟県代表選出もうなずける。顧問創作、歴史物の大作。舞台・照明なども魅力が垣間見え、何より舞台を埋め尽くす生徒たちのパワーといえば、今大会随一! 素晴らしい! ただ、やはり難しいのが、歴史物を表現するときのセリフなどの表現。セリフが「歌ってる感じ」になっていて、ちょっと聞きづらい。音としては届いていても、生のセリフとしては客席まで届かない。ポテンシャルを感じるだけに、もったいない。ああ、もったいない。じゃあ、お前が改善できるのかっていう話は……、無理なんですけど(苦笑)。
県で見ていない作品、新潟江南「輪」は地区大会で見ています(加茂「夏芙蓉」は見損ねた…)。
県大会終了後の感触では、
「ま、正直混戦だろう、ドコも魅力はあるけど決定打に欠ける。関東上がったら苦戦しそうだな…。」
と第三者的なことを考えていました。
結果はこんな。
最優秀賞 長岡「彼の子、朝を知る。」
優秀賞第1席 長岡向陵「回転、または直進」(以上2校、関東大会・那須塩原会場に)
優秀賞第2席 敬和学園「かふぁらもん」(来年のサマフェスに推薦)
優秀賞第3席 巻総合「日の丸水産~ヒミコ、日野家を語る~」
優秀賞第4席 新潟工業「生徒総会」
優良賞(学校名のみ) 六日町・加茂・新潟中央・新潟向陽・長岡大手・十日町・新潟江南
審査員特別賞 新潟江南「輪」
斎藤道男賞(照明賞) 長岡
舞台美術賞 六日町
創作脚本賞 新潟向陽
正直、順位はかなり意外…。長岡大手・六日町・向陽あたりがもう少し上で評価されるんじゃないか? とか思ってました。六日町はともかく、大手が関東になったら長岡市内発表会主管+創作脚本発表会主管が飛びますから、「どうしよう…」と思ってました。
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