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まぁてぃのB-6

にいがた在住、久しぶりの演劇部正顧問、隠居が身に付いた。舞台は…見れてないなぁ。

2023  C地区大会 2日目

2023-09-24 18:40:30 | 高校演劇

新潟県の地区大会も佳境。
C地区大会は久しぶりの巻文化会館。(私が事務局やってた頃、20年以上前)舞台サイズはまずまず、巻駅からもそこまで遠くなく、地区大会向きなのだが、所々使いにくい点もあり、何より連続使用が3日まで、という訳分からない条例があるとのことで、今後は使わないかもなぁ、残念ではあるが。料金も割高で、さらに技術スタッフ増員で金がかかる……、という、いかにも会計担当的なお話はともかく。
金曜午後スタートのため、1日目は伺えず。2日目朝から会計として会場へ。その前の朝活in弥彦で右足首を捻挫し、足を引きずっての参加でした(莫迦)。

私たちのブロックから2週間。完成度は若干上がったように見えるモノの、一方で舞台構成のお手軽さ、きつい言い方をすると「ちゃちさ」が目立つ大会でした。二週間の差があまりないなぁ…。
一方、舞台上の成果としては各校健闘。ただ、3大会を見比べるとB地区大会のレベルの高さが際立つ。B地区優良校のなかからも、他地区なら優秀賞、下手したら最優秀校も喰ってしまうところもあったようには、思う。

さて、2日目の芝居を短評をば。
巻総合「日の丸水産~ヒミコ、日野家を語る~」
舞台は岩手県。とある高校の文化発表会。歴研部長、歴女の日野光子。通称「ヒミコ」。彼女が語るは明治に生きた高祖母・富子の口述筆記。そこに描かれる明治の農村の日常、とは…。
この作品、ラストの怒濤のどんでん返しがポイント。「もしイタ」という怪物がなければ全国最優秀もあった作品だ。各地で再演され、数年前の柏崎高校(県優秀校として関東夏フェス推薦される)の作品が思い起こされる。再演が続く作品を演出も基本変えずに上演する、となると
もう少し、なのだが、が。
もう少しのところいくつかあって、まずは舞台について。設定上、高さが必要なセットで高さが無い(本当は出したいんだろうなぁ、他校を総動員すれば出来るけど、普通、それは選択しないよね…)。衣装も目を引くとはいえ、神楽の衣装ではないところも引っかかる。(やはりそれなりの衣装が必要か?)
しかし、それらを含めても、この作品は評価される理由が分かる。幕開け暗転幕前の芝居から始まるヒミコ役の表情と表現、佐々木末役の手さばきのきれいさ、十分に見せてくれていた。見終わった後、「ま、ここは上位4校、入るだろう」と思う、素敵な作品でした。

新潟工業「生徒総会」
県内の某高校、生徒総会の前日の体育館。男子生徒の「制服廃止」の企みが生徒総会リハーサルを浸蝕していく…。
「日の丸水産」の後に畑澤作品、ってなんか出来すぎじゃね?って感じですが。今回の新潟工業はまさにコロナの荒波をもろに受けてしまった。主人公(それも女子)含め舞台上のキャストが欠け、形にするのも大変だっただろう……。昨年の県大会に続き、本当にご苦労様。優秀賞に入って、ほっとしてます。
ただ、ただ。

舞台成果としては、正直どうなのか、と言えば。やっぱり「舞台の外のこと」が審査に影響している様に思える。確かに地力の高さは理解できる。しかし、残念ながら舞台上の会話や流れをぶった切る沈黙が数多く見られ、あまりにも舞台のやりとりが成り立っていない。「きちんとしたキャストなら」、というところもあるが、それにせよ、会話の成り立ちが弱さが目立つ(ただこれは比較の問題で、他の学校で会話が成り立ってる学校も少ないのだが)。男子のはっちゃけもパワフルだが、一方で定番とも言える。演出もどストレートなまとめで、度々やられてる名作の再演としては物足りない。脚本の潤色も若干中途半端(新潟にするならもっと新潟に寄せても)。唯一のセットともいえるパネルも正直ちゃちくて(以前の見附・新潟江南には比べるべくもない、但しちゃちいのは「生徒会」ぽいとも取れる)、照明も当たらないから見えづらい(極端な話、新潟照明Hさんに相談すればすぐ解決出来る)。そのセット組に時間がかかっているあたりもお粗末。全体的には地区落ちもやむなし、ではなかろうか。

ま、次があるから辛口コメントするわけで、そんなこと、言われなくても理解できる力があるとは思う。県大会には十分期待出来ると思う。

巻「愛と勇気と想いと」
「感情屋」を営む若者2人の前に、感情がない少女が現れる。これまでの生活で持てなかった様々な感情を2人は取り戻すことが出来るのか。3人の共同生活が始まる…。
生徒創作。正直、生徒創作ってだけで私は評価しちゃう部分はある。そんな部分はあるが…。
これ、魅力的な設定や台詞はあるのだけど、やっぱり脚本としての成り立ちが厳しすぎる。「大人の目」があれば分かると思うんだよなぁ…。審査員の言うとおり、完全にファンタジーとして別の次元に持って行った方が成り立つと思う。てか、その方法しかないんでないかな…。一方で高校生の生の会話感も散見されるので、それを失うのももったいない…、うーむ。
セットや照明についてはもったいないを通り越し、見ていて「無念」。例えば照明を使っての転換、平台やカーペット、パネルを使って空間を間仕切る、などのちょっとした舞台上のテクニックがあればもっとよくなるし、正直すぐによくなる。極端な話、打合会の前、とかにちょこちょこって、芝居の分かる人に相談すればいいのに、って思った。ちょっとの舞台上の配慮だけで、言いたいことがもっと観客に伝わる、「いい芝居」になるポテンシャルはある。
なにせ3人のキャストがそれぞれ魅力的。方向性の制御がうまくいってないところもあるけど、練習もしっかりされている様だし、私は好きだなぁ、この3人。

明鏡「二年前の君に言いたい」
2年ぶりに再会した倉田と橘。中学の頃,倉田は橘をいじめていた。高校に入ってできた友人たちはそのことを知らない。2年前に止まったままになっていた時間が再び動き始める…。
私は会計係の仕事がめど立ってから途中入場で見せていただいたので、全体通してのことはいえないが、キャストの動き、表現、照明の使い方、など、引っかかる点は確かにあるけど、それなりに十分な出来だった。個人的には優秀賞作に匹敵するのではないか、と思う。明鏡高校はいろいろな背景の生徒が集う定時制高校。その個性もうまく生かされていたようにも思う。魅力が垣間見える作品でした。
そして。
正直、言っていいですか?
「この脚本、やっていい作品かどうか分からない」って。また出たよ、このコメント。
そんなこと言われたら、もうやる「意味無し」ってことじゃない。審査として、講評としてどうなんだろう。この言葉、二度目に聞く身としてはいたたまれない思いです。昨日からずっとモヤモヤが消えません。

敬和学園「かふぁらもん」
時は平安。京の河原者(かわらもの、現代口語でいうと「かふぁらもの」と聞こえるはず)の話。
顧問創作、歴史物の大作。舞台・照明なども魅力が垣間見え、何より舞台を埋め尽くす生徒たちのパワーといえば、今地区大会随一でしょう! 素晴らしい!
素晴らしいが…。正直、ちょっとむり。何故? はっきり言えば台詞が「浮き上がって」る。全然客席に届かない。だめだ、どんどん身体が拒否しちゃう…。台詞のあまりの難解さと台詞のキャストへの落とし込み度がそうさせている。また、照明もあまりに暗すぎて、観客を半ば拒絶してるんではないかと思う、暗さ。もう少し見せないと、ちょっと無理。
ただ、すごく魅力的な世界が垣間見えるので、「なんとか県大会、行ってくれないかな、もう一度見てみたいな…」って思ってた。逆に大化けすると怖いくらい、一番の脅威です。

結果は、
最優秀  加茂「夏芙蓉」
優秀一席 巻総合
同 二席 新潟工業
同 三席 敬和学園
優良 新潟北、新津工業、加茂農林、巻、明鏡
審査員特別 新津工業「出停記念日 2000」

さて、これで出揃った県大会。楽しみな12校の上演は11月10~12日、今年は2日半の変則開催。会場は新潟市江南区文化会館です。


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