Marantz MPH-1

Marantz Professional MPH-1

本家のマランツではなく、アメリカに本社を置く inMusic Brands Inc. の日本支社 inMusic Japan が扱う製品です。
Marantz Professional のブランドから想像するに、Marantz Professional Headphone - 1号機 なので、MPH-1。

SONY MDR-CD900 に端を発するこの "形"
そう、1986年に発売された国内向けヘッドホンで、CD900ST のベースとなるド定番、
ザ・ヘッドホンと言えるルックス。形にピンと来たので購入してみました。
過去に良い思い出があるので marantzロゴと相まって期待感大でした。




低音ホンです。価格相応からかなり良いレベルの音質です。ソースにより結構幅があります。
低域は量が多く締まり具合は普通。下から上まで各帯域の印象は、線は太いが粗さはない。
低域、中低域を基調とした音なので、暑くなって行くこの時季、
この低音のボリューム感は "NO" だ。個人的にはマランツお前もかと感じる。低音ホンだらけ。
しかし、出会いが秋だったら "YES"　ゲレンデなら惚れてまうやろ率は高い。
中域は量、質ともに普通。中高域から高域は伸びを欠く。残念ながら伸びない。
強ドンシャリでもよいので、それなりの痛さと刺さる様なシャリが欲しい。
音場は広くはないが、パッドがもたらす空間分はある。
分解能、解像度的には Professional の文字が寂しく感じる。




メーカーいわく、グイグイ来る低音を作っているのは、この肉厚のイヤーパッドだと思う。
適度な弾力と肌ざわり、耳へのフィット感も悪くはありません。側圧も緩めなので装着感は良い。
軽量で肩肘張らずに使えるザ・ヘッドホンの形はイイですね。大好き。

音の印象、箱出し直ぐと今とでは随分違います。
箱出し直ぐの出音は酷かった。低域の影響で篭もりまくってました。
期待を大きく裏切る音でレビューを諦めました。同時にエージングとパッド交換を思い浮かべました。
エージング、始めちょろちょろ中盛大、仕上げに
ケニー・G と マイルス・デイヴィスのカインド・オブ・ブルーを爆音で鳴らし
出てくれ高音、伸びろ高音、祈りに近い思いでした。

30時間のエージング後、化けるとはいかないまでも変わりました。
篭もりや曇りはなくなりネガティブな印象は薄らぎました。全域で見通しが良くなり、
聴けるレベルどころか使えるレベルに評価は鰻ならぬ鯉のぼり状態。
高域には未だ不満があるものの、サンキュッパなら大健闘の音質です。
問題となる低域は、低音嗜好の世が世ならばストロングポイントだったと思います。
この価格でプロフェッショナル・ユースのモニターライクな音は出ませんでした。

高価格、超高価格のヘッドホンがマニア心をくすぐり話題や評判になる時代。
そんな時代に辟易していたので楽しめそうです。
KOSS PORTAPRO の様な駄菓子屋的桃源郷の素質はありますが、最終判断は先送りにします。

もうちょい音をスッキリさせたいと、パッド交換を検討中。
YAXI (ヤクシー) にチャレンジするか CD900ST純正で迷ってます。




39,800円ではなく3,980円には拍手喝采なのですが、一から作ってこの価格設定は信じられません。
何か元となるヘッドホンがあるに違いないと探してみました。
ソニーの MDR-CD900ST、MDR-7506、MDR-V6 とはスペックが違いすぎます。
MPH-1 は、音質も2ランク下です。細部をよく見るとハウジングもそうですしパーツの作りも違います。
似て非なるものを実感しました。そうなると、オーディオテクニカしかありません。

ありました。カラオケ業務用ヘッドホン ATH-K700 です。価格は5,940円 (価格.com)
周波数特性: 15Hz～28kHzと同じ、感度も+3dBの誤差を考えれば98dBと同じ。ケーブルを除く本体重量も約210gも同じです。
インピーダンスとケーブル長は違います。単なる妄想ですが、オーテクのOEMかも?

	marantz Professional マランツ MPH-1 密閉型モニターヘッドホン MP-HPH-001
	クリエーター情報なし
	marantz PROFESSIONAL