DENON AH-D900 を入手した。
1989年頃に販売されていた古いモデルで、デンオン時代のもの。
とても程度の良い中古品で元箱もある。
D5000、D7000 の音に魅了されていたのでこれに飛びついた。
イヤホンの AH-C710 もそうだが、
DENONの上位機種にハズレなし。
アンタどんだけ俺を幸せにしてくれるんだ!大好きデノンの低音。
なので、デノンDシリーズ上位機種のルーツを知りたかった。
SONY MDR-CD900 にそっくりですよね。
CD900 も CD900ST も持っていない自分は、
「俺のはデンオンブランドの奴」とデノンマニアを気取り自慢したかった。
ヘッドフォン近代博物館さんの資料を読んで勝手に推察すると、
'80年代後半、既にあった CD900 の OEM だと考える。
当時ソニーが、他ブランドの製品製造を請け負ってたとしても単なる OEM ではないかも知れない。
それは、色やブランドロゴ変更にとどまらず、デンオンの独自設計、独自構造が色濃く感じられる。
各パーツのデザイン違いも心憎いが、決定的な違いはハウジングにポートが設けられている点だろう。
ソニーの40mmアモルファスダイアモンド振動板に対し、チタン蒸着の同径振動板の採用もそうだ。
金文字は DENON の伝統だが、ちょっと下品ですよね。
存在感を示すゴールドバーもそれを助長してます。
でもこれが音質面で大きな役割を果たしている。
手に取っても気付かず、清掃時にやっと気付いた。
そして音を聞いて「なるほど」となった。感動的な低音!
ゴールドバーを挟んで中央に横長の、対角に小さなポートがある。
この調整ポートが豊かな低音の再現力に一役買っている。
ケーブルは硬く癖付しやすい。色は珍しい濃いシルバー。質感はツルツル。
ケーブル出しの切り欠き部は7506より大きい。ブッシュには3本ライン。
本体の色は、赤味(茶色)のある濃いガンメタ。パッドも茶系。
パッドは CD900ST のものが使えそうなので安心。
装着時、側圧のなさに驚いた。正直緩すぎてショック。
使い込まれて緩くなってしまったのだと。
しばらくして気付いた。Dシリーズの超ソフトな装着感、これも伝統なんだ。
ヘッドバンドの文字入れも知りませんでした。
プロモニって、ミニモニ。か! モニターは略さんでいいでしょう。
さて音質、ここまで一番書きたかった事を我慢してました。
めちゃくちゃイイ。低音最高!高音の鋭さもメタルに相性抜群!
CD900ST、7506 と比較にならない。D900の圧勝!
E9、D7000 の聴き比べ中にこれを割り込ませても引けを取らない。
似た者同士、同じ土俵で評価できる。
D7000 より音場が狭い、E9 より解像度が低く低音に締まりがない。
“あとは好みの問題” そこまで言いきれる魅力的な音質。特に低音が素晴らしい。
音場はとても狭い。しかし、音が近いのでスピード感とノリの良さは感じる。
量感のある低音は柔らかくとても心地よい。締まり具合は E9 と比べると
違いを感じる程度のもので、悪くはない。ボワボワとは無縁。
もしこれが今店頭に並んでいたら
SRH840、ATH-ES10 とあれこれ比べてしまうかも。
ブランド、ルックスでは相当不利。でも音はこっちが上、そんな評価でバンバン売れそう。
音がイイ(大好き)ので、これで聴きたいヘッドホンの上位にランクされました。
E9 と大差なし。そう、そんなに大きな差はない。約20年の時を考えるならこの音は立派です。
ヤフオクでは年1台出るか出ないかレベル。
実際、去年夏に逃していた。6,780円を諦めてたんですね。
今回待った甲斐あって、箱付き美品を手に入れることが出来ました。
よく鳴らし込まれた雰囲気を感じます。これぞエージングの極み!
滑らかで音の繋がりが素晴らしい。
この見慣れたハウジングからこの音が出せるとは驚き。
DENON 1989 Dの奇跡
関連記事: DENON AH-D900 EPISODE 2
コメントありがとうございます。
今回もいろいろ勉強させていただきました。
CD700ベースのモデルはV6まで息の長い型ですよね。
このD900は販売期間が短く今になって思えば「もったいない」
私は民生CD900を密かに狙ってます。テカテカの。