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そよ風に乗って

過ぎ去った思い出や、日々の事を
そっとつぶやいています。

92歳まだまだやりたいことばかり・・・に・・・惹かれて読みました

2016-09-24 14:33:53 | 読書

 

今日も朝から今にも泣き出しそうな曇り空。

涼しくなって枯葉も目立つので、そろそろ片づけなければと思うゴーヤネットですが

このところカマキリの姿も見かけられなくなりました。

図書館で借りて読み終えた本です。

 ”92歳 まだまだ やりたいことばかり” と言う題名に惹かれました。

著者の近藤富枝さんは1922年生まれ。

著書には 田端文士村、本郷菊富士ホテル、きもので読む源氏物語、等多数。

 私は読んだことがなく、この本が初めてです。

瀬戸内寂聴さんとは東京女子大学時代からの友人だと書いておられました。

 

92歳と言うと20年後の私の年齢。 万一私がその歳まで生きてしまったらと言う不安が

こういう題に惹かれるのでしょうね。

 

最初に書かれていることば

 

生活はひとつひとつの積み重ね。

楽をしよう、怠けようとすると、

急に老け込んでしまいます。

そうなる前に小さな努力を続けて。

 

小さな努力を続けて

これは、肝に銘じなければ

 

2015年1月20日 初版です。昨年ですね。

そして今は?と、ネット検索してみました。

2016年 7月24日 93歳、老衰で亡くなられていました。

そうだったのですね。知らなくて。ご冥福をお祈り致します。

他の著書もこれを機に読んでみたいと思いました。

 

私は、老衰でスッと逝くのが夢です。

その日まで、夢中になれるもの、好きなものを持って(何もないかも)

生きていけると良いのですが・・・・

 

 とりあえずは

青空が見たい!  です。 


作家の天敵はブックオフと図書館だそうですが・・

2016-06-24 05:58:45 | 読書

 

読書は趣味・・のひとつかも・・のひとつです・・・です・・にしています。(#⌒∇⌒#)ゞ

夫と20数年、自営業で生きていました。やめて年金生活になり

身も心も解放され、時間がたっぷりできました。9年前です。

そしてここに住み着くことになり、図書館が近くに有る事が幸いしました。

本棚から選んで借りる楽しみ。

新刊でなくて良いのです。ベストセラーにもいまのところはあまり関心はありません。

図書館に並んでいる本は、少し古い本です。

新刊は予約で貸し出され、棚に並ぶ暇がないみたいです。

さて、本題に入りますが

それは今借りて読んでいる本に書かれているある事柄についてです。

 久しぶりに林真理子さんの本を借りました。

発行日は2009年4月です。7年前ですね。

週刊文春に連載されていたエッセイが文芸春秋から本になったもので

題名は “最初のオトコはたたき台”

この本の中の“雪降りの日”と題した文の中に

本屋さんにとって天敵のブックオフは、作家にとっても天敵である。

作家で寄贈本をブックオフに売る人はまずないと思う。

ふつうの古本屋に売ってもあそこには売らないはずだ。

中略

最近、図書館と作家とは必ずしもいい関係とは言えない。

この頃図書館は、手に入りにくい良書を置いている所ではなく、

ベストセラーと言われるものを平気で百冊買ったりする。

図書館でベストセラーを100冊買うとどうなるか。

近所の本屋さんで、ベストセラーが千冊売れなくなると言われているのだ。

しつこいようだが、作家は徹底的に本屋さんの味方でなくてはならない。

そんな訳で、私は本屋さんを食いつぶすブックオフにも、

ベストセラーばかりに目をやる図書館にも近づかないようにする。

タダでも喜んでくれる人にあげた方がいい。

と書いてあります。

雪の降る日に出掛けるのを取りやめて読書をする という話から発展したものですが

ご実家が本屋さんだったという事も有り本屋さんへの思い入れが強いらしいです。

 話は代わりますが、何年か前にラジオを聴いていると、男性の作家さんが出ておられ

視聴者からのメールが読み上げられたのですが

○○さんの××と言う本、図書館で借りて読みましたよ~ のコメントに

「そういうの一番嫌いなんだよね。借りないで買って読んでよ。」

との厳しいお返事。

いずれにせよ、図書館で借りて読むという行為は

作家さんの気持ちを逆なでするものらしい。

お気持ちは分からなくもないですが・・・

でもね、もうこの歳では物は増やせませんから、私は借りて読みます。

図書館近いですし年金暮らしなので豊かではない(本音)

予約してまでベストセラーは借りませんが、棚に並んでいればかつてのベストセラーとは知らず

手に取り面白そうなら借りるかもしれません。

 

なるほどと思う作家さんの本音を聞いた気がします。

それに本屋さんは本当に無くなられては困りますから大切にしたいですよね。

林真理子さんの本 面白くて好きですよ。 

また図書館で借りて読ませていただきます。(*^ー゜)


今読んでいる本は・・・重松清さんの本です

2016-06-12 10:36:39 | 読書


2週間に1度訪れる図書館。

今は集中して借りているのは重松清さんの本です。
出会いは図書館。
作者に関しては何の知識もないままに読み始めます。

今までに読んだのは また次の春へ  希望の地図
流星ワゴン きみ去りしのち きみの町で ポニーテール

心の内面がよく描写されていて引き込まれる小説ばかりでした。

今回読み終わったのはこの2冊

〝十字架″2009年 講談社 は
いじめにあって自殺した中学2年生の少年にまつわる話で
重いテーマです。

クラスの悪ガキにひどいいじめにあっていた少年藤井俊介(フジシュン)
気がつきながらクラスの誰もが助けようとしなかった。
見殺し殺人 と週刊誌で取り上げられます。

同じクラスで幼馴染の真田祐も知らんぷりをした一人でしたが

彼の遺書には 「親友になってくれて有難う ゆうちゃんの幸せな人生を祈っています 」
の言葉が有りました。
本当に親友だったのかと問われれば、違う。
彼とはただの幼馴染に過ぎないとの意識しかなかった。

親友なのになぜ助けてやらなかった という父親の非難と
親友でいてくれて有難うという母親の気持ちも受け止め

真田の苦悩が始まる。
もう一人遺書に名前を書かれた少年の片思いの他のクラスの少女も苦悩する。
彼が自殺した日が誕生日で、会ってプレゼントを渡したいとの電話に
そっけなく断りの対応をしていたのだ。誕生日が彼の命日になってしまった。

二人は同じ中学、高校を卒業して東京の大学に進学。
二人に背負わされてしまった重い十字架。

フジシュンの家族と共に少しづつ乗り越えていきます。
こういう事件が起きた時の家族の心の葛藤と残された者の心の傷を描いた小説です。

今の子供たちに読ませたい本です。

そして、もう一冊は″永遠を旅するもの″ 2007年初版 講談社

この本は ゲームの“ロストオデッセイ ”のために書かれたそうです。
ゲームについては全く知らない世界なのですが、戦いのゲームなのでしょう。

主人公のカイムは1千年という悠久の時を生き、その中で出会ってきた人たちの
記憶の短編集です。主人公のキャラクターのイメージになっているのでしょう。
1千年生きる事の哀しみ、孤独な人物です。
旅をしながら、傭兵として戦っているのですが100年前に傭兵として参加した戦いの
同じ町で100年後にまた戦う事になった話もあります。

100年前の戦争の時に老兵が残した言葉
「 敵国の人々に憎しみや恨みを抱かせないように
 負けた国の人々に対しては優しさと敬意を忘れないように」

100年後に同じ国で起こった戦争に再び傭兵となったカイムはそれを大将に伝えます。

人は何故憎しみ合うのか
人は何故戦うのか
人はなぜ戦うことをやめられないのか

そんなテーマがありました。心優しい主人公の物語でした。

 


 


流星ワゴンを読んで

2016-05-14 15:12:33 | 読書


図書館で出会って借りた本です。
流星ワゴン 重松清 講談社 初版2002年

テレビドラマはほとんど見ないので知らなかったですが
ドラマ化されたそうです。

重松清さんの本を読むのは3冊目です。
また次の春へ と 希望の地図 を読みました。

しばらく図書館でこの方の著書を読みあさることになりそうです。

さて、内容ですが

1年前までは幸せな家族でした。
息子が私立中学の受験に失敗しいじめによる不登校と家庭内暴力が始まります。
妻の不倫とさらに不況によるリストラでの失業が重なり家庭は崩壊寸前。

主人公の一雄は余命いくばくもなく入院している父親を見舞い
父親がその都度くれる旅費の5万円を生活費の足しにとあてにしている。

父親とは不仲であった。父親の事業が嫌いで反発し東京の大学を卒業してそのまま
東京で就職し、結婚した。
父親は怖い存在であり嫌っていたので中学の頃からろくに口も利いていない。

くたびれて疲れこのまま死んでも良いとベンチに座り込んでいた一雄の前に
1台のワゴン車が止り乗るようにいう。

乗っていたのは5年前に車で事故死した父親と息子の成仏できない幽霊である。
ワゴン車は一雄を家庭崩壊への分かれ道となった1年前にタイムスリップさせて
大切な事を気付かせてくれる手伝いをする。

息子の気持ちや、妻の不倫を見過ごした自分と向き合う。
また38歳の自分と同じ年の一雄の父が現れ、
一雄を育てた若き父親の気持ち知るのだ。

現実の父親はもうすぐ死ぬ。タイムスリップして父親と語り合ったことで
父親の愛情を知りそして父親の死に際しては涙を流すことができた。

現実世界に戻った一雄は妻子と向き合い家庭が立ち直っていく気配。

「分かれ道は沢山有るんです。でもその時は誰も気づかない。
みんなそうですよね。気づかないまま、結果だけが不意に目の前に突き付けられるんです」
幽霊の父親の言葉。

この幽霊さんの言葉が今の私に身に染みます。
今日は姉の月命日でした。
この1か月、姉への想いが心の奥から離れずにいます。


母への二通の手紙 に胸がキュンとして

2016-03-27 21:51:16 | 読書


井上ひさしさんの { ふふふふ }と言う題のエッセイ集を読んでいます。(講談社 2009年)
(2005年から2009年に小説現代に連載されていたものです。

この中で "母への二通の手紙" と言う題が付いた文を読んで
思わずほろりとし、感動を覚えたので紹介してみたいと思います。

数年前に 赤ちゃんポスト が熊本のカトリック系の病院に設置され
テレビでも賛否両論で話題になったのは覚えておられると思います。

名前がちょっと受け入れがたいネーミングでしたが
“こうのとりのゆりかご”と言う名が正式名なのですね。

せっかく授かった赤ちゃんだが事情が有って育てられない母がいる。
それならばその赤ちゃんを預かってあげようという制度です。

当時は第1次の安部内閣の時代だったようで

安部首相  「親として責任を持つべきで、たいへん抵抗を感じる」
塩崎官房長官「赤ちゃんの遺棄を助長する」
とのコメントをされていたそうです。

生命に対する敬意と愛情と素早い措置
という点において、現在の第2次安部内閣は、どうなのでしょう?

昔から、育てられない子をお寺やお宮の前にそっと置くことは
普通に行われていたそうで

ヨーロッパでは修道院や教会がこのような役目を引き受けていました。
イタリア、フィレンツエの「無垢な子供たちのための病院」もそのひとつです。
(井上ひさしさんが何度か取材されたことが有るそうです)

1,445年完成のルネッサンス様式の名建築、2階建ての大きな、
しかし穏やかな養育院に、その頃は常時100人前後の赤ちゃんが迎えられていた。
建設資金と維持費はメディチ家と市内の金持が負担した。

この養育院が素晴らしいのは、学院を併設していたことで
3~4歳になった頃から、音楽や美術や算数を教えていた。
そのおかげでここからは沢山の芸術職人
(楽士、図工、彫刻工、金属細工人、石工)たちが巣立っていった。
銀行や商社の会計係になるものもたくさんいた。
赤ちゃんを引き受けるだけではなく、その子の手に職を付けて
社会に送り出すことまで引き受けていたのである。

設立趣意書にこうある
ここに受け入れられている子は可愛そうな捨て子ではない。
この子供たちはフィレンツエ共和国の未来そのものである。

この考え方は今も生きていて
例えば、ドイツのバルトフリーデ病院の赤ちゃんポストに
子供を預けに来た母親は、赤ちゃんを清潔で気持ちの良さそうなベッドに置く時
次のような手紙を受け取る。そうです

赤ちゃんのお母さんへ。
あなたが赤ちゃんを預けたのは、決して軽い気持ちからでないことを
私たちは十分に知っています。
私たちは力の及ぶかぎり、あなたの赤ちゃんのお世話をさせていただきます。
どうか安心してください。
 もし、もう一度、赤ちゃんを引き取りたいときは
いつでも連絡してください。いっしょに暮らせるよう、喜んでお手伝いをします。
そのために、この手紙をしっかり持っていてください。
手紙の中に記されている番号は、秘密の番号です。
あなたと赤ちゃんだけのための番号です。
あなたが赤ちゃんの母親であることの証です。
いつか子供が大きくなって、「お母さんが誰か知りたい」と
そう思った時の大切な手がかりです。
最後に、お子さんに伝えたいことが有れば、いつでもご連絡ください。
喜んで伝えるお手伝いをします。お元気で。
(NPO法人円ブリオ基金センター訳)

もう1通
これもドイツのNPOシュテルニパルクの赤ちゃんポストの手紙だそうです。

お母さんへ。
だれにでも助けが必要な時があります。
いまあなたは助けが必要なのではありませんか。
よければいつでも相談にのります。
産後の経過はどうですか。
私たちの助産士をいつでも利用してください。
わたしたちはドイツ中の医者や病院を知っています。
匿名で、無料で診てもらう事ができますよ。
 あなたの赤ちゃんは病院で検査を受けたあと、
8週間、里親のもとで愛情を持って保護されます。
その8週間の間に、あなたは、子どもをどうするか決める事ができます。
 時間はすべての傷を癒すことはできませんが、それでも少しは癒してくれるはずです。
あなたが望むなら、わたしたちのところで、赤ちゃんといっしょに匿名で
無料で住むことも出来ますよ。
 赤ちゃんの写真がほしいときは電話してください。
わたしたちはあなたといっしょに問題を解決するために24時間ここにいて
いつでもあなたのもとに駆けつけます。
あなたのしあわせをお祈りしています。どうか、がんばってください。

優しい国ですね。

目の前の赤ちゃんに何の手も打たず、ただエラソーにお説教する国と
ひとことも責めることなく母子の健康を気づかう国と
どちらが「美しい国」なのか。
もちろん、赤ちゃんポストを通して母と子を救おうとする国の方が
ずっと「美しい国」に決まっている。

今朝、早く目覚めたので布団の中で読みました。
この手紙を読んで、思わずほろりと涙が・・・

子供たちすべてが日本の未来そのものですと、大切にする日本であってほしいものですね。

(青字は原文のまま)