図書館で小川洋子さんの本の棚をのぞくと
まだ読んでない本が1冊ならんでいました。
久しぶりに読みました。
琥珀のまたたき
著者 小川洋子
講談社 2015年発行
小川洋子さんの本は読み始めると引き込まれて一気に読んでしまいます。
不思議な設定の面白い世界が広がります。
この本の物語も
末っ子の妹の突然の死は野良犬がほほをなめたことが原因だと信じこんだ母親が
子供たちを魔犬から守るためと、
幼い姉弟3人と共に、子供達の父親が残した別荘に移り住みます。
母親が働きに出掛けた後に繰り広げられる3姉弟だけの世界。
書斎に並ぶ沢山の図鑑で知識を広げ
想像力を養い独自に編み出した遊びに興じます・・・・・
そして、6年8か月が過ぎ、
偶然水道の検診の女性に発見され
救出されるのですが・・・・
確かに、母親による監禁と言われればそうなのでしょう。
発見した水道メーターの女性の証言に、思わず涙がこぼれました。
彼らの生活のすべてが語られているようで。
・・・・・坊やの声を聞きとるためにはかなりの集中力を要しました。
ちょっと風がふいたり小鳥が飛び立ったりするだけで、かき消されてしまうのです。
ほとんど吐息と変わりが有りません。
にもかかわらず、恐怖のためにどうしようもなくそうなってしまうという、
といった不自然さが無いのは不思議でした。
卑屈でもなければ、うらぶれてもいない。ごく自然なのです。
そこはかとない気品さえありました。 ・・・・・・・・・・・・(略)
林のどこかで妖精が、秘密の交信を交わしているかのようでした。
そう、彼は妖精のように話すのです。
それをキャッチできるのは、秘密を分け合った誰かだけなのでしょう。
(略) 17歳のお姉さんは行方知れず。坊やは14歳のお兄さんと一緒に
施設に保護された後、一人だけ里子に出されたと噂にききました。(略)
みんな書きたくなってしまうのですが、このへんで。
機会が有ったら読んでみてください。
私が小川洋子さんの作品を始めて読んだのは
人質の朗読会 でした。あまりの面白さに
図書館の小川さんの本の棚から順番に借りて読みました。
博士の愛した数式
猫を抱いて像と泳ぐ
とにかく散歩いたしましょう
犬のしっぽをなでながら
博士の本棚
夜明けの縁をさ迷う人々
妄想気分
ことり
原稿零枚日記
海
カラーひよことコーヒー豆
ミーナの行進
ブラフマンの埋葬
いつも彼らはどこかに
さいはてアーケード
これで棚の本は終わってなかなか新しい本に出会えなかったのですが
図書館の本だから、借りられるのは運。(予約もできるのだけれど)
また棚で未読の本に出会えたら借りたいと思います。
時々あれば丁度良いかな。 なのです。
老後の趣味には、読書は最適です。