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[現地取材]フェラーリに乗って、F1サーキットを走る

2011年05月17日 04時49分46秒 | タイヤ・タイヤメーカー
ミシュラン超高性能タイヤを装着したフェラーリ458イタリア
「体感温度は摂氏40度以上。じっと立っていても汗がダラダラ流れるアスファルトの上の熱い熱気をくぐってスーパーカーが轟音をたてる」

フェラーリ458イタリア
フェラーリ458イタリアがサーキットを走っている

去る12日、ミシュランが用意した『ミシュランパイロットスポーツエクスペリエンス(MPSE)』に参加するために、マレーシアクアラルンプール近郊のセパンフォーミュラワン(F1)サーキットを訪れた。グローバルメディアを対象に用意された今回の行事は、ひたすらミシュランの高性能タイヤの製品特性や性能を体験するのを目的として用意されただけに、今回のイベントの車種もフェラーリ、ポルシェ、BMW M、スバルインプレッサ、ロータスエクシージなどの高性能な車種がほとんどだった。ミシュランは、ピレリ、ブリヂストンなどの競合他社製品との比較体験も忘れなかった。

今回のイベントの主役はもちろんミシュランパイロットスーパースポーツ(PSS)。売上高よりも象徴性の高い超高性能タイヤの王様(?)だが、それだけに性能と特性を体験するのは容易ではない。高価なうえに適用することができる車種も限定的だからだ。価格と性能のすべてが、少数のためのプレミアム製品というわけだ。高温多湿の気候条件を求めてマレーシアでのイベントを用意したのも、製品の極限性能を体験しようという次元だというのがミシュランの説明だ。

MPSE 2011はセパンサーキットを大きく北と南に分けて4つのセッションで行われた。直線区間と中高速コーナーはもちろんヘアピンをある北側では最高時速320km以上のスーパーカーに装着された複数のタイヤ製品を比較体験し、様々な高難度のブラインドコーナーを持つ南側サーキットはレースカーを走らせて回転運動性能を体感するセッションが用意された。

セパンサーキット
セパンサーキットの様子



▲ワークショップA

今回のセッションに用意された車は『フェラーリ458イタリア』と『BMW M3』だ。フェラーリはPSSとピレリPゼロが装着され、BMWはPSSとブリヂストンポテンザS001が装着され、製品の車種別特性比較に主眼を置いた。

サーキットのコースを覚えた後、一番最初にPSSが装着されたフェラーリ458イタリアに乗った。走行安定感が非常に優れていた。加速感、コーナリングなど、文句なしの、まさに『驚異的なパフォーマンス』を披露した。さらに、エンジンのサウンドも、心臓をドキドキさせるには十分だった。458イタリアは排気量4,499ccのV型8気筒ミッドシップエンジンが搭載され、最高出力570馬力を出して、伝説的F1ドライバーのミハエル・シューマッハが製作に関わっており、フォーミュラカーのDNAを持ったスーパースポーツカーと言うことができる。

イベント参加のスポーツカーたち
今回のイベントに動員されたスポーツカーたち

まず、最初のラップはペースカーについて制動を把握し、車の特性やサーキットを学んだ。タイヤを把握するのは難しい速度だ。しかし、序盤から他の車を追い越しながら、サーキットを存分に疾走した。2ラップ、3ラップはペースカーとともに速度を上げて鋭くコーナーを攻略した。『アウト・イン・アウト』という基本的なコーナーの攻略法に忠実に、ミッションは休む暇もなく上下した。直線区間で最高時速265kmを記録したが、最初のヘアピンコースを通過するために時速50km以下に速度を落とさなければならない。コーナー進入200mを残して急ブレーキすると全身の血が前に集まって若干の痛みを感じるほどの強力な制動力を見せた。続く中速コーナーでは時速100km以上でも攻略が可能であり、連続する高速コーナーでは時速150km以上で走行した。

同じコース、同じ車。ピレリPゼロの特性を体験した。最高時速は差がなかったが、ミシュランのPSSと同じようにコーナーを攻略すると後ろが軽く流れる感じがした。さらに、高速コーナリングでは、車が外に押し出されるアンダーステアも発生した。確かにPSSよりも柔らかい感じだ。このようなタイヤの特性を勘案して運転するとコース攻略には大きな無理がなく、十分に楽しかった。

次に乗った車はBMW M3。排気量3,999ccのエンジンを搭載し、420馬力を出す後輪駆動車だ。フェラーリと比較すると重心が高く、車が重くて、いろいろな運動性能の差がはっきりと表れている。まず、ブリヂストンのS001が装着された車に乗った。直線区間で最高時速は210km。マレーシアの暑さと前の試乗でタイヤのストレスが極まった状態である。ヘアピンのコースで簡単にグリップを失ったが、フェラーリと比較してロールが激しいからというところも大きい。

ピエール・アズマー
ピエール・アズマーマネージャーがレースカーの操作方法を説明している

今度はPSSを装着したM3に試乗した。たしかに違う。よりしっかりグリップしてくれる。正常なコーナーの攻略時のグリップを失ってはいないが、進入速度が高い場合は、タイヤが悲鳴を上げて滑る。いくら良い車、良いタイヤでも限界が高いだけで油断すると姿勢を失うことは容易であるという点を改めて感じた瞬間である。実際に参加者がコースアウトし、次の人の順番を止めたこともあった。製品の問題ではなく、その車を運転するドライバーのミスだった。


▲ワークショップB

ポルシェカレラGTSとケイマンSに標準装備されているPSSの性能を体験する順番。比較対象なしでひたすら運転する車の魅力を感じなければならない。このうち、3,466cc、320馬力ミッドシップエンジンを搭載したケイマンSでワークショップAと同じコースで運転した。直線区間の最高速度は時速170kmほどだった。コーナー攻略時に車が持つ基本性能をタイヤが引き出すようだ。十分な安定感を与える。しかし、いくらポルシェでタイヤが良くても、物理的な限界を超えると大変だった。走行時は適切なコーナーの攻略が重要だった。

タイヤ
イベントに使用されるタイヤたち


▲ワークショップC

南サーキットで、ルノークリオレーシングカーを直接運転した。レースカーの関係で服装の制限がある。肌が外部に出てはならないからだ。ドライビングシューズとスーツを着て、マスクとフルフェイスヘルメットを身に着けた。息が詰まって精神が錯乱する。じっとしていても汗が流れる気候で息をするのも難しい服を着こむと、昔バラエティー番組で出演者が気を失ったシーンが頭の中をよぎった。

今回のセッションでは、サーキットとタイヤの調和を感じることに力を注いだ。レースのためによく使用されるシーケンシャルギアは楽だった。出発時と停止時だけクラッチペダルを使用して変速し、走行時にはただレバーを上下に力強く動かせば良い。タイヤはパイロットスポーツカップという専用タイヤが装着された。PSSとPS3のパターンと技術を組み合わせたのが特徴だ。

セパン南サーキットは小さく狭いコーナーが連続していて攻略が難しい。ブラインドコーナーも多い。下り上り坂が交わった複雑な構造なので、シフトダウン・シフトアップを活用したコーナー攻略が必須だ。車のブレーキは鋭敏で強力だった。アクセルペダルも鋭敏だった。

ポルシェカレラGTSペースカー、フェラーリ458イタリア
ポルシェカレラGTSペースカーとフェラーリ458イタリア

続いて、PS3を装着して同じコースを走ることができる機会があった。突然のスコールのおかげで暑さは引いたが、最後の『濡れた路面でのブレーキテストセッション』を取り消して、PS3を装着したまま雨のサーキット攻略に挑戦した。濡れた路面で強みを見せるPS3の特徴が表れている。少し前の乾いた路面を走る時とは異るが、思ったよりもスリップがなかった。


▲総評

PSSを広く認知させることに集中したミシュランは、最高の技術力を全身で体験できる機会を用意した。スーパーカーと、このレースに参加するレーシングカーをセパンF1サーキットで乗ったのは、確かに特別な思い出である。100年の歴史をもつプレミアムタイヤブランドという点を十分に誇示した。

ポルシェケイマン、BMW M3
ポルシェケイマンSとBMW M3。

試乗を終えるたびにそれぞれのタイヤに手をつけてみたが、すぐに離すしかないほどに熱かった。こんな状態で高速で走ることができるように作られた超高性能タイヤを体験したのだ。もちろん、摩耗状態も目で確認し、比較するのに十分だった。

まず、PSSと2つの競合製品を比較すると、S001とPゼロは攻撃的な走りをする、つまり、ドライバーの運転技術に応じて十分な性能を発揮することができるタイヤと考えられる。一方、PSSはどんな状況でも道をグリップする節制された動きを見せてくれた。特にタイヤのストレスが極限に達したときに大きなパフォーマンスの低下がない点は注目に値する。

PSSのこうした特徴は、最近開発されたスーパーカーの特性と密接な関係がある。過去の高性能車は優れた運転技術と強靭な体力を必要とした。まるで運動しに行くような心構えを必要とした点も否定し難しい。しかし最近では、より多くの人が運転の楽しさを『安全に』感じることができるように変化した。様々な最先端の電子制御の安全装置はもちろん、リアルタイムでドライバーを監視し、ドライバーの不足している実力の差が埋めてくれる。もちろん、ドライバーの実力に応じて、より高いパフォーマンスを発揮できるように変身したりする。

ルノークリオ
ルノークリオ疾走

PSSの場合は、高性能スポーツカーを作る自動車メーカーと共に製品開発をしたという点で、このような変化の流れを反映したと見ることができる。変化した自動車と共にドライバーの実力を補完し、極限状況での安全を保障する最後の手段であるわけだ。つまり、一般的な高性能車のドライバーの安定感と、スポーツドライビングの楽しさを感じることができるように手伝ってくれる役割はもちろん、最高のパフォーマンスを望むドライバーにも満足感と自負心を持つように作成するためのタイヤではないかと思う。

激しい雨
イベント中にものすごい雨が降った



ソース:AutoTimes
2011/05/16 10:07


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