ブルルン…アメリカ大陸を時速300kmで走った

ブルルン…アメリカ大陸を時速300kmで走った
NASCARの『デイトナ500』…20歳のトレバー・ベイン、最年少チャンピオンになる
事故16回、先頭が74回変わったバトル…
NASCARの伝説アーンハート追悼のために、観客も三本の指を掲げて。

米国が車のエンジン音に揺れた一日だった。2011シーズンのNASCAR（米国改造自動車レース協会）開幕戦『デイトナ500』が開かれた21日、フロリダ州デイトナビーチのデイトナインターナショナルスピードウェイ。サッカー場の90倍・73万平方メートルのサーキットを見下ろす14万7000あまりの観客席には空席がなかった。スタートシグナルと共に43台のレースカーが一斉にエンジン出力を高めると、地鳴りのような歓声が起こった。

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▲NASCAR デイトナ500は、アメリカでスーパーボウルに次ぐ人気のあるスポーツイベントだ。21日のレースでは16度も事故が起こり、74回も先頭が入れ替わる大混戦が繰り広げられた　/写真：ロイター・聯合ニュース

◆ カーレースの『スーパーボウル』

デイトナ500は『NASCARのスーパーボウル』と呼ばれる。スーパーボール（アメフト）、ワールドシリーズ（メジャーリーグ）などの最終戦が人気が高い種目とは異なり、NASCARは開幕戦が最も注目を浴びる。米フォックス・スポーツのロー・デミリオ副会長は、「デイトナ500の中継放送は、他のNASCARレースよりも約2倍の視聴者が集まっている」と述べた。昨年のデイトナ500は、合計1330万人が視聴した。

大衆的な人気のおかげで、NASCARはアメリカのスポーツマーケティングの最大の戦場に挙げられる。レースカーのボンネットにロゴを付けるメインスポンサー費用だけで2000万ドル（約223億ウォン）を超える。市場調査専門企業IEGは、今シーズンのNASCARにつぎ込まれたスポンサー総額が35億1000万ドル（約3兆9000億ウォン）にのぼると明らかにした。

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▲満20歳でデイトナ500の最年少チャンピオンになったトレバー・ベイン　／写真：ロイター・newsis

NASCARレースに企業のお金が集まるのは、それだけ広告効果が高いからだ。『スポーツビジネスジャーナル』によると、スポンサーブランドのNASCARファンの忠誠度(72%)は、ゴルフ(47%)、メジャーリーグ(38%)、NFL(36%)などを圧倒する。2007年からNASCARの『サムスンモバイル500』レースを後援しているサムスン電子は、「NASCARのスポンサーを使って米国の消費者に地元企業のイメージを植えつけることができる」と述べた。

米国ではNASCARの人気はF1（フォーミュラワン）を凌駕する。F1の最先端技術力を備えた『怪物レースカー』のレースならば、NASCARはマシンの性能よりドライバーの力量に左右されるレースだ。最高時速300㎞を行き来するのNASCARは、観客席からの楕円形のトラック全体を見渡すことができ、一部の区間だけを見るF1より『見た感触』がいい。


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◆ 三本の指を空高く

43台のレースカーが出場したこの日のレースは16回も事故が発生してレースが遅延され、74回も先頭が入れ替わる激戦が繰り広げられた。最終的な勝者は、トレバー・ベイン(20)だった。ベインは、2.5マイルのトラック208周（合計836.9km）を3時間59分24秒で走りカール・エドワーズ(32)を0.118秒差で追い抜いて優勝した。試合前日に二十歳の誕生日を迎えたベインは、1997年に満26歳で優勝したジェフ・ゴードン(40)の記録を抜いて、デイトナ500の最年少チャンピオンになった。

車が三周目のとき、観衆全体が指を3本伸ばして空に掲げる演出がされた。2001年のデイトナ500での衝突事故で50歳の生涯を終えた『NASCARの伝説』デイル・アーンハートを称える意味だった。指を3本掲げたのは、NASCARで76回も優勝したアーンハートが現役時代、「カーナンバー3」によく乗っていたからだ。アーンハートの息子アーンハートジュニア(37)は、予選1位で先頭でスタートしたが24位にとどまった。


ソース：朝鮮日報
2011/02/22 01:57