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とまぴーSTYLE

よく食べ、よく笑い、よく遊び♪
元気が一番!
今日も豊かな一日になりますように・・・

私の男

2008-01-20 16:17:17 | 
桜庭一樹(著)


淫靡(いんび)な秘密、背徳の香り。。。。。

だそうです 
発刊された時から書評を読む限りでは、
「あまり読みたくない」と。
グロいのはあまり得意ではないものですから 

年末、図書館に行った時、それはひっそりと書棚にありました 
読みたくない、と思いつつもどこか心にいつも引っかかっていました。
でも「ある時が借り時 」これが図書館での私が学んだ法則です 

表装にも少し圧倒され、借りるときにチョット恥ずかしかったわ 

借りている間に直木賞候補が発表されました。
「ね、この本、覚えておいて。
 きっとこれが直木賞とるから 」と家族に私的宣言 

さらりと読めます。
難解な言葉も言い回しもありません。
時が遡る手法です。
ミステリーと言えばミステリーだし、じゃないと言えばそうだし。
そして肝心なのは、好き嫌いがハッキリ現れる内容だと言うことです。

整合性を突き詰めると矛盾もいくつかあります。
シナプスが繋がるような精密な小説ではありません。
空白の部分を読者が想像できる、
そんなおまけ付きの小説だと思って手にしてください 
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模倣犯

2007-11-29 23:18:23 | 

宮部みゆき(著)

サスペンス、だという。
事件の展開はかなりグロい。
しかし犯人を探すより、犯行の背景を探る小説である。
犯行に及ぶ動機だとか、背景だとかを事細かに書き出してある。
推理小説と呼ぶより、人物小説のような。

登場人物の誰もが、被害者でありながら、実は加害者であり、
そして加害者も実のところ被害者なのである。

登場人物に限らず、この世の中はそういうことなのかもしれない。
私だって、彼女だって彼だって。
読んでいながら、
「仕方ないよね」「仕方なかったんだよね」と何度もつぶやく。

こうやって誰をも許し、誰もが許されるのだろうか。
悪いことをしても「彼の過去がそうだったから」と許して良いことなんだろうか。

読み終えて、この世は不条理なことが多いと思った。
メビウスの輪の如く、どこまで行こうが結論は出ないのだ。

だから、主人公を私は応援する。
不条理な世の中だからこそ、逃げてはいけない。
私も頑張る。
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わからんな~

2007-11-19 23:50:03 | 
推理小説は好きです 
でも、サスペンスは苦手です。
怖くて怖くて、特に夜なんかは一人でいるのが怖くなるほど 

ずっとずっと読みたかった小説・・・「模倣犯」



eriに「どうだった~?」と聞くと、
「うん、結構グロいよ・・・ 
 ママはダメかもね」と。

でも、図書館にあった。
文庫の棚にきっちり5冊     
今がチャンス!と思い、第1巻を手に取り、そして借りた。

怖いけど、ぐいぐい引き寄せられ読み耽った。
文章も明快だし、スピード感もあるし 
そろそろ1巻も終りそうだし、ほんじゃ、2巻目を借りようかなと図書館へ 
(そう、この日はチャリ通勤だったの)

でも・・・・

・・・・・・

ない 
2巻から5巻まで全部ない  
貸し出し中なのだ。
やられた(笑)・・・ 

なぜにその人は、1巻を飛ばして2巻から借りたのだろうね。
私的にはありえない、意味不明な行為だ 
「模倣犯」の犯人像もミステリーなら、これまたミステリーだ。

推理小説の1巻を読まずして何がわかる。
(もしかすると何某は以前読んでいたのかもしれない・・・私も刑事さんっぽく推理 )
映画館で、映画が始まり20分してやってくるお客もいるけど、
それだって最初の20分を見ずにして何が面白いんだろ 

先週、全巻借りなかった私の考えが甘かったのかな(笑) 
でもね、読めもしないかもしれない大量の本を借りるのは、私として無理なのよ。
読めるだけを借りる主義 
一応、公的な場所での公的なモノに対するマナーだと思うの。
これが裏目に出たのよね 

と言うわけで



こんなに厚くて古くて重い本を借りる羽目になりました 
文庫本はね、お布団の中で読めるでしょ、あれがいいのよね~
これをお布団の中で読むとしたら、かなりの腕の筋力が必要です(笑)
1冊700ページなんですから 

さ、今夜から下巻突入です。
文庫で言うと3巻目からかしら

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風に舞いあがるビニールシート

2007-10-26 10:28:15 | 


森 絵都 (著)

6つの短編集。

 器を探して

仕事と恋愛の板挟みに立ち向かうOLの話。
仕事の大変さ、上司とのやり取り、恋人との温度差。
これを上手くクリアーするために、日夜女は頑張るのです 

 犬の散歩

行き場所をなくした捨て犬達を保護する為に奮闘努力する主婦の話。

今、地球上では食べるものさえない人間が五万といるのに、
捨て犬の里親探しなんてもってのほかだ、と怒る男性。
この男性の発言が、この作品の隠し味にもなっています。
ボランティアって何だろう。

 守護神

大学の提出レポートの代筆を依頼しながらも、
自分の自立の道を探す社会人学生の話。
二宮金次郎の勤勉、真面目、努力・・・
忘れていた日本人の美徳を思い出させます。
どこの小学校にもありましたよね。
薪を背負い、本を読む金次郎の像 

 鐘の音

仏像に魅せられた仏像修復士の理想と現実との葛藤の話。
仏像は好きですが、そんなに詳しくありません。
でも、翌日図書館で見かけた「日本の仏像」の写真集を、
思わず私の手に取らせた作者は素晴らしい

 ジェネレーションX

中年男性と若手社員がそれぞれの世代格差に気付きながらも歩み寄ろうとする話。
爽やかな話でした 
一瞬「あれれ これは石田衣良さんだっけ」
と、思わせるほどの軽さと男っぽさと清々しさです。
男って、いいよなぁ~ 

 風に舞いあがるビニールシート

国連難民高等弁務官事務所に勤める主人公と、そこで出会った夫との話。
打って変わって、重たい重たい作品でした。
難民問題、これまた詳しいことは知りません。
私の知識など上澄み程度でしょう。
同じ地球で暮らしながら、平和ボケしながら生きている私たちと、
どうして彼らの人生はこうも違うのでしょうね。


全部の作品に共通して言えることは、
「諦めないこと 」です。
自分が大切に思っている何かのために、懸命に生きています。
揺るぎない信念の下で生きるということが、どんなに素晴らしいかを私たちに伝えてくれる作品たちです。
作者の力強い文体と言葉が印象的です。


かなり抽象的な要約ですみません 
これまで書評に揚げた短編集は「短編集です」としか書かなかったけれど、
そして、これまで読んだ短編集もそれぞれ素晴らしかったけれど、
今回はひとつひとつが私の心に沁みましたので。
コメント (2)
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センセイの鞄

2007-10-16 11:38:58 | 


川上弘美(著)

センセイはツキコさんの高校時代の国語の先生。
居酒屋で偶然出会ったところから、二人の物語が始まる。

ありえない、かもしれない展開のお話です。
ゆったりと暖かな時間がずっと流れます。
目に見えぬセンセイの「老い」が全編を通して静かに横たわっています。

今どきの若い男性が忘れたダンディズムをセンセイは持っている。
二人の会話には熱い思いも激しさもないけれど、
嬉し恥ずかし大人の恋です

最後の何ページかは涙が止まらなかった。。。
私って涙もろいんです。

これはね、ホントにオススメの一冊です。
ここで私がとやかく言い回すより、読んで欲しい。
この季節に読むのが一番いいと思う

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銀の犬

2007-09-12 12:46:47 | 




光原百合(著)

これはファンタジーなのかミステリーなのか。
作者、光原氏に魅かれて手に取った作品。
彼女が書いていなかったら、決して読むことは無かったと思われるジャンル。
読み始めてすぐに感じたのは、
映画「ロード・オブ・ザ・リング」つまり「指輪物語」だ 

そして全編読み終え、あとがきに目を通すと、
彼女が熱愛する小説「指輪物語」(トールキン著)へのオマージュ(尊敬・敬意)が隠されている、とのこと。

ビンゴでしたね
作品そのものにはビビッとくるものは少ないのですが、
作者のオマージュを感じ取れたことだけは、
光原ファンの一人として嬉しい限りです


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オテル モル

2007-09-04 16:00:07 | 


チェックイン・・・・・・日没後
チェックアウト・・・・日の出まで
最高の眠りと最良の夢を提供するためのホテル
   ・・・・オテル・ド・モル・ドルモン・ビアン

栗田有起(著)


地下13階に建てられたホテルのフロントで働くことになった主人公。

この設定だけで、激しく意味不明

それだけじゃない。
あまりに悲惨すぎる主人公の生活・家庭環境。

前作を読んだ時も思ったのだけど、
作者はどんなに辛い状況も、あっさりと淡々と書いてしまう。
悲しい話なのに明るく、それでいて嫌味じゃない。

一風変わった設定ではあるけれど、
かなり共感できる、好ましい一冊

現代人と眠り・・・深い関係なんだな~

読み終えた夜は不思議なことに爆睡できました
誘眠作用があるのかしら?
信じられない人は是非とも読んでみてください

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お縫い子テルミー

2007-08-31 20:42:20 | 


栗田有起(著)

私はふたつバッグを持っている。
ひとつには生活道具。
もうひとつには、裁縫道具が入っている。
『一針入魂 お縫い子テルミー』

このタイトルにはずいぶん前から惹かれていたものの、
手に取るのは今日に至ったという
不思議でステキなタイトルだと思わない?

「お縫い子テルミー」は若干16歳ながら、縫い子としてすでにプロの自覚を持つテルミーの切ない片思いを描いたものです。

「流しの仕立て屋」と言う設定が素晴らしい
奇想天外だ
おばあちゃんもお母さんもみんなそうだったと。

たくましいなぁ~
世知辛いなぁ~

前作「ハミザベス」のような何かに挑む、ようなハラハラ感はなく、
とても読みやすい作品です。

同時収録されている「ABARE・DAICO」
これも良かった、と言うよりも、
これは良かった

主人公、11歳の小松誠二くんの一夏の成長を描いた作品です 
可愛い息子、という感じです 
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ハミザベス

2007-08-28 22:33:28 | 


栗田有起(著)

奇妙なタイトルに惹かれて手に取った一冊。
失敗ではなかった。

そのままでも十分に読み耽られるのに。

「畳、一畳もある金玉」
それから生み出される巨大な精子。
そして、巨大な卵子。。。卵。

これらのモチーフはこの小説に必要不可欠だったのか、
私にはとても不思議だ。

同書に収められている「豆姉妹」
これも不思議感は否めないが、ハッキリした拒否症状は起こらなかった。
これは私が作者に、ただ単に慣れただけのことなのだろうか

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お月さん

2007-08-25 00:49:24 | 




桐江 キミコ (著)

人を笑ってしまったことや、口にしてしまった言葉、
怖くて逃げてしまったこと、守れなかった約束。
そういう小さな後悔は、
細くて鋭い棘(とげ)のように胸の中にいつまでも突き刺さっている。
普段は痛くもなんともないけれど、何かの拍子に思い出した時、
チクッと胸を刺してくる。

小泉今日子さんの書評に惹かれて手に取りました。

自分も含む人間の中の潜む意地悪な気持ちや残酷さに気付かされます。
詫び状ともいえる作品群です。

「薔薇の咲く家」
世の中の人って、そんなもんなのでしょうね。
とても寂しいことです。

「葬式まんじゅう」
これはね、
正直、きました。
切な過ぎでした。

「クリームソーダ」「金平糖のダンス」
私の幼い頃の思い出にも、重なるような。。。重ならないような。。。
いや、
重ならないけど、わかるのだ。 

コメント (7)
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