テニスのメモ帖

テニス好きが嵩じて、いままでのコーチ経験から書き綴ったものです。少しでも役立てばと願っております。

第111号

2010-05-31 07:49:48 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第111号

04/1/10

 ジャパンオープンは専らシャラポワ人気で大変でした。男子では久
 しぶりに良い気持ちにさせられました。ヒューイットに挑んだ鈴木の
 活躍は見事で、フルセットの闘いは結果として敗戦となりましたが、
 快いものでした。随所に見られたファインプレーは本当に見ごたえが
 ありました。特にヒューイットの柔軟性のある技術はさすがです。 
                                
  思わず「うまい」と声を出したショットがタイミングの良いロビン
 グでした。サービスやアプローチショットでネットダッシュする鈴木
 の出鼻を挫くようなロビングはさすがでした。まるで鈴木の身長を測
 ったような、絶妙な高さでのトップスピンのロビングは「またか!」
 と絶叫した鈴木をあざ笑うようでした。             
                                
  ダブルのバックハンドで、バックスイングで瞬間的にラケットのヘ
 ッドを落とした業は身体能力の高さを感じさせました。これを幾度と
 なく見舞われてもネットダッシュをせざるを得ない鈴木の作戦も、総
 体的な実力を考えると止むを得ないと世界ランカーの実力と柔軟性を
 思い知らせれました。                     
                                
  この試合を見て穿った見方かも知れませんが、鈴木の国内の試合で
 対戦した相手に、このような攻撃パターンがなかったのかと思ったわ
 けです。サービスダッシュから素早い動きのボレーで決めていったの
 では、いまの彼の実力に勝る選手はいないでしょう。これは今回の試
 合でも充分に感じました。                   
                                
  もし、国内の試合でも同じようなことがあれば、「またか」という
 言葉はなかったと思われます。そのように考えれば、如何にも日本の
 男子の技術不足や戦略のなさが垣間見られます。あのスピードの世界
 でバックスイングの「タメ」を作る余裕が羨ましく感じました

<スポーツ名言集 (58)>
------------------------------ 
  人に勝つより、自分に勝て                  
                       -嘉納治五郎-  
 ------------------------------ 
                                
  同じような言葉が、表現を変えて至るところで聞かれます。それだ
 けにインパクトはないと思います。しかし、この単純明快な中にどれ
 ほどの意味があるか分かりません。実際に難局に当たり、苦しみ抜い
 てこれを克服した人はこの言葉をよく使います。         
                                
  人並みに練習をしていては人並みの強さしか引き出せません。少し
 でも練習を休みたい、今日は友人と遊びたい、これらは自然発生的に
 心に沸き起こってきます。このような誘惑に負けると自滅するしかな
 くなります。それだけに、この欲望に勝つのは敵に勝つより難しいの
 です。                            
                                
  この言葉は、精神的な強さこそ大事であり、自分自身を高めてゆく
 ものを意味していると思われます。テニス競技は格闘の連続でもあり
 ます。だからこそ、自分の気持ちをコントロール出来なければ、勝利
 を得ることは出来ないのです。 
<テクニカルなポイント(5)>
<ダブルスーー雁行陣>                     
                                
 □ 前衛、後衛の役割                      
  後衛はベースラインからの配球を工夫してチャンスを作り、前衛が
 そのチャンスを確実にポイントにつなげます。これが雁行陣における
 前衛と後衛の基本的な役割なのです。              
                                
  相手も二人でコートを守っていますから、後衝かベースラインから
 いくら強く打ち込んでも、そう簡単にエ-スを奪えません。後衛はポ
 ールの深さ、コース、スピードを工夫して、相手の後衛の体勢を崩す
 配球を行うのが大きな役割になるのです。            
                                
  後衛が作り出したチャンスを決めるのが前衛の役割です。さらに、
 もう一つの役割がポーチです。ポーチは後衛か打つべきポールを、前
 衛がボレーをインターセプトするのです。ただし、前衛のサイドを抜
 かれてしまうと、たちまちポイントにつながるため、前衛がむやみに
 ポーチに出るのは避けなけれぱなりません。           
                                
 □ 後衛との配球を身につける                 
  相手前衛を避けるため、ベースラインのクロスに深くポールを送る
 のか基本です。これで相手後衛をベースラインの後ろに押し込め足り、
 時にはショートクロスにボールを送り、相手後衛を走らせます。スピ
 ードは全く必要ありません。ただ、コースをしっかり狙います。  
                                
  相手後衛がかろうじてクロスに返球したときは、それを前衛がポー
 チするのです。相手前衛の頭上をロビンクで越し、相手後衛を大きく
 サイドに走らせます。相手前衛がポーチに出ようとするあまり、サイ
 ドの守りが疎かになったらパッシングを狙います。        
                                
  後衛の作り出したチャンスボールを決めるのは前衛の役割ですが、
 さらに、タイミングの良いポーチは相手に大きなプレッシャーを与え
 ます。特に、相手のレシーブは大きなポーチのチャンスです。前衛の
 動きがいいと、相手はポーチを意識しすぎてミスを誘発します。  
                                
  コート半面の中央、ネット寄り1~2メートルのところが前衛の基
 本ポジションになります。攻撃が大きな役割ですが、サイドの守りも
 忘れてはなりません。ネットより高く浮いたポールを決める場合は、
 オープンコートへのボレーが最も決めやすいのです。また、ネットよ
 り低いポールはアングルボレーでネット際に落とします。     
                                
  ポーチは一発で決めなければなりません。もし、相手に拾われると
 立場は逆転します。ポーチに出るときは、ネットに斜めにダッシュし
 ます。ネットと平行に動くとポールを追いかけてしまい、どんどん離
 れてゆくからです。また、ポーチに出たら前衛は思い切って逆サイド
 まで走り抜け、一方後衛は前衛のいたサイドのカバーに回ります。 
                                
 □ 前衛が後衛のポジションを決める              
  コートは前衛と後衛が分担して守らなければなりません。前衛がし
 っかりポジションを決めれば、後衛は空いたスペースをカバーする位
 置にポジションをとればいいことになるのです。         
                                
  雁行陣で後衛同士がクロスに打ち合っている場合、後衛がボールを
 打つ位置はさまざまに変わります。これによって相手後衛の打球範囲
 も変ってきます。前衛はそれに応じてポジションを移動しなければな
 りません。後衛は前衛の決めたポジションから、残りの打球範囲をカ
 バーできるポジションをとります。前衛が中途半端なポジションをと
 り、後衛と重なるとオープンコートが出来ます。このように前衛のポ
 ジションが後衛のポジションを決めるのです。          
                                
 □ 相手前衛の攻撃に対しての守備体勢             
  基本のポジションより2~3歩後方に下がり、相手前衛の動きに神
 経を集中します。そして、相手前衛の横をポールが通過したら、すか
 さず基本のポジションに移動します。前衛はこの動きを繰り返さなけ
 ればならないのです。                     
                                
  後衛が守りのロビンクを上げたとき、または相手前衛がスマッシュ
 の体勢に入ったときは、後衛は前衛に言葉で合図し、前衛をベースラ
 インまで後退させて、スマッシュに対しての守備体勢をとらなければ
 いけません。                         
                                
 □ 崩れた陣形を建て直す                   
  前衛の頭上をロビングで越されたら、後衛がカバーに入ります。こ
 こで前衛と後衛の二人が重なると陣形は崩れます。そうならないため、
 頭上を越されたら前衛はすみやかに逆サイドに移ります。     
                                
  後衛の体勢が崩れている場合は、その返球は相手のチャンスポール
 になる可能性が高いのです。そこで相手前衛の動きに神経を集中し、
 ボレー、スマッシュに対応できる守備位置にポジションを取ります。
 後衛のボールが相手前衛の横を通り週ぎたら、すばやくネットにつめ
 てポジションを取ります。                   
                                
 □ ストレートラリーの雁行陣                 
  雁行陣の一つの形として、後衛同士がストレートの打ち合いを行う
 場合があります。このとき前衛はポジショニングに注意しなければな
 りません。ストレートの打ち合いでは、味方後衛がフォアで打つのか、
 バックで打つのかによって、相手後衛の打球範囲か変わります。前衛
 はそれをよく頭に入れてポジションをとらなくてはなりません。  
                                
  相手後衛がバックで打つ場合、フォアに比べて打球範囲は狭まりま
 す。このとき前衛がセンター寄りにポジションをとれば、相手後衛の
 打球範囲はさら狭まります。逆に前衛がセンターに寄らない場合は、
 後衛の守備範囲がとても広くなってしまうので注意が必要です。
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第110号

2010-05-30 12:39:46 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第110号

04/09/30

 先日、別のコートでジュニアの練習をしていたので、しばらくコー
 トサイドで拝見していました。指導者の声も聞こえましたが、ジュニ
 アの指導の難しさを感じました。世界ランカーが幼少の頃からラケッ
 トを握っていたとよく耳にしますが、本人の自覚を促すにはどうした
 らいいのでしょうか?猛特訓だけでは解決出来ないと思われますが。
                                
  形に嵌めるのを最優先するのか、形に嵌ってくるまで待つべきなの
 か?何故そのように思ったかですが、その日の指導の中で気になった
 のは打つことを優先したからです。フットワークやスイングよりも、
 ここへボールが来たのを想定し走って、そこまで行き打てという指導
 が良いのでしょうか                      
                                
  ラケットはあくまでもボールを打つためのものであり、大切なのは
 その前提となるフットワークや、それに伴うスイング動作ではないか
 と思いますが如何でしょう。教室などで早くボールにタッチさせない
 と興味を削がれて止めてしまうそうですが、最初についた癖が結局そ
 のプレーヤーを悩ませるだけにならないかと懸念するのです。   
                                
  ラケットの進歩は大変なものがありますが、メーカーの宣伝の中に
 スィートスポットに当たらなくともそれなりの勢いで返球されます。
 とありました。いままで、如何にしてスィートスポットに当てるかに
 腐心した我々にとって、ここまでラケットを修正する必要があるのか
 と疑問に思います。                 

<スポーツ名言集 (57)>
------------------------------ 
  身は軽く心静かに迷わずば                  
   敵の勝気のうちに勝ちあり                 
                        -武道秘歌-  
 ------------------------------ 
                                
  自流の武道の奥義を歌に表したのが武道秘歌と言われています。こ
 れには様々な武道家の思いが込めれており、その時代の武道家の間で
 共感を呼び広まったものです。冒頭の歌は詠み人知らずとされていま
 すが、時代の変化に伴い歌も継がれているうちに変わっていきます。
                                
  その意図するところは、全身に力を分散し、堅くならず、身を軽く
 し、心の置き所に注意し、心をどこにも留めないようにして相対すれ
 ば、敵が勝とうとして動き始めた瞬間に、勝つチャンスがあると言う
 意味になるのです。敵が仕掛けてきたときに、逆にこちらに勝機が生
 まれると言う、勝敗の微妙な心の動きを現していると思われます。 
                                
  自分を知るものは相手を知り、その技量を知ることが出来るのです。
 その上で決断する行動は、自信から生まれる勇気と、鍛錬から生まれ
 た妙技とが噛み合ってこそ、本当の意味での力となるのです。ただ闇
 雲に勢いに任せて突進したのでは道は開けないのです。      
                
<テクニカルなポイント(4)>
<ストローク>                        
                                
 □ パッシンクショットはストレートに速く打つ         
                                
  ネットに出た相手の横を抜くのがパッシングショットですが、すべ
 てのショットを一発で決められるわけではありません。そこで、相手
 がネットにいる場合のショットと、相手にボレーをさせて次のボール
 で勝負するショットを使い分けなければなりません。       
                                
  相手を抜くショットは、コースとスピードが求められます。そのた
 めにはストレートがネットまでの距離が短いため、エースになる確率
 は高くなります。一方クロスの場合は、トップスピンをかけて相手の
 足元を狙う感覚で打ちます。これだと相手が届いた場合も決めにくい
 のです。                           
                                
  相手にローボレーをさせる場合は、スピンの掛かったポールを足元
 に送りましょう。次の返球を待って勝負するのは、ネットを取られた
 場合の重要な戦法です。このとき相手がネットにつめるタイミングで、
 パスに加えロブを使うと効果的です。              
                                
  ロブにも攻撃と守備のショットがあります。攻撃の場合はストレー
 トに低く速いロブを上げ、守備の場合はクロスにできるだけ高く上げ
 て体勢を整える時間を持つようにします。            
                                
 <ネットプレー>                       
                                
 □ 攻撃のボレーはオープンコートに打つ            
                                
  攻撃のボレーは、相手のいないオープンコートに打つのが鉄則です。
 しかし、相手が足元を突いてきた場合は、つなぎのボレーをどのコー
 スに打つかによつて、ネットプレーヤーの立場は大きく変わります。
 相手にコースを読まれているようなら、相手の逆を突くボレーも必要
 です。                            
                                
  つなぎのボレーは、こちらのポジションをできるだけ動かさないで、
 相手をべ一スラインにとどめることを考えましょう。そのためベース
 ライン付近にストレートのボレーを送ります。守りのボレーをクロス
 に打った場合は、こちらがポジションを移動する必要があるため、相
 手にパッシンクで決められる可能性が高くなります。       
                                
 □ サービスダッシユはセンターをねらうのか原則        
                                
  サービスの後、ネットにダッシュするサービスダッシュを行うには、
 相手にプレッシャーを与える力のあるサービスと、ネットに少しでも
 近づけるスピーディーなフットワークが欠かせないのです。    
                                
  サービスダッシュを行うときのサービスは、センターをねらうのが
 原則です。なぜなら、ファーストサービスはスピードが出るため、ク
 ロスへ打つと相手に確実にミートされた場合速いレシーブが返ってき
 ます。このようにスピードと角度のあるレシーブを打たれると、守備
 範囲が非常に広くなるからです。                
                                
  ファーストサービスがセンターぱかりなら、やがて相手も慣れてく
 るため、サービスのコ-スを散らすのも必要です。センター4本、サ
 イド1本の割合とし、さらにパターンをふやすため、体の正面を突く
 サービスを加えるとかの工夫が必要です。            
                                
  サービスダッシュは、ネットにできるだけ近づき、ポジションを取
 らなければなりません。まずは、サービスラインの内側に構えること
 が理想です。しかし、相手がレシーブを打つ直前には、どこにいても
 一旦前進する動きを止め、スプリットステップをしながらボールを待
 たなければなりません。   
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第109号

2010-05-29 08:21:58 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第109号

04/09/20

 全米オープンが終わりました。フェデラー時代幕開けという題字が
 飛び交っていますが、彼の強さはパワーではなく。精密機械のような
 正確なショットであると言われています。しかし、絶対的なものを持
 っていないとするなら、バランスのよい選手だと考えられます。  
                                
  いまひとつ感じるのは、彼がその位置にいるのは、勝負どころでの
 精神的な強さではないでしょうか。23歳の年齢からすれば当分の間、
 その牙城を揺るがすのは不可能かも知れません。勿論、彼に秀でたも
 のがないといっても他の俊英との個々の比較であり、飛びぬけている
 のは紛れもないことです。                   
                                
  女子は予想を覆してロシア対決となり、クズネツォワが優勝しまし
 た。弱冠19歳と言うから驚きです。しかし、あの打ち方は現在のラ
 ケットだから出来るので、それを考えると彼女の優勝を簡単には喜べ
 ないものがあります。彼女はそれを自分の特徴として生かしてきまし
 たが、あれをやれば勝てるのだとの思い込みだけが独走しないことを
 祈るのみです。                        
                                
  スコアは緊迫したものでしたが、最後の一押しにパワーが勝利を導
 いたと言えます。テニスの腕を磨くために、14歳で練習拠点を別に
 移したり、サンチェスやナブラチロワに教えて求めたり、日本の環境
 とは随分の違いを感じています。そういうトップレベルの選手と接触
 することの大事さを日本の指導者も自覚して欲しいです。     
                                
  世界ランクですが、エナン・アーデンが一位から陥落してしまいま
 した。杉山は14位とランクダウンとなりましたが、浅越が43位と
 20のランクアップは見事です。年齢的なものがありますが後輩のた
 めに踏ん張って欲しいものです。        

<スポーツ名言集 (56)>
------------------------------ 
  戦場は千変万化す                      
                      ー馬場 信房ー   
 ------------------------------ 
                                
  武田信玄の家臣として、勇猛振りを発揮した武田四重臣の一人と言
 われています。その言葉の意味するところは次のようです。    
                                
 「戦場は実に千変万化する。あらかじめ定めた作戦と違うことが起こ
 った場合は、直ちに別な作戦を行い、迅速に臨機応変な闘いをするこ
 とだ。作戦通りにいかなかったと当惑し、狼狽しては間違いなく敗戦
 呼び拙い結果を招いてしまう。忘れてならないのは、現在の局面に全
 力を尽くすことである」                    
                                
  予想外の事態が生まれた場合は、自分よりレベルの高い人であれば
 どのような決定を下すか、大局観をもって考えなければなりません。
 大局観とは、ゲームの進捗を考え、いかにして勝利へ近づけるかどう
 かを判断することです。随って、これに沿った作戦変更や対処する積
 極性を持たねばならないのです。                
                                
  失敗を恐れてはいけないし、失敗を予測して言い訳を考えるのも選
 手としては失格です。もし言い訳を考えるような、最前線での自己決
 定であれば、これは止めなければいけません。最前線では勇気のある
 決断と素早い行動こそが望まれるのです。 
<テクニカルなポイント(3)>
<サービス>                         
                                
  体をターンさせながら、右ひじを振り出しフォワードスイングを始
 めます。ここから両腕は逆の動きになります。トスアップで上げてい
 た左腕を一気に引き下ろし、右腕を鋭く振り上げます。体が伸びきっ
 たところでグリップをしっかり握りボールを捕らえます。その上で、
 フォロースルーを打球方向に大きく振り抜いてください。     
                                
  トスされたボールを全身を伸ばして捕らえ、右ひじを振り出す瞬間
 に背中のあたりでラケットヘッドが落ちなければ、そこからラケット
 を振り上げることはできません。ただ、バックスイングでひじを高く
 上げておけば、ヘッドを落とすことが可能となります。このとき、バ
 ックスイングで右ひじが深く入りすぎると、ラケットがスムースに上
 がらなくなりますから注意をしてください。           
                                
  グリップによりますが、イースタングリップでは、ラケットを振り
 上げただけでは、エッジでボールを捕らえることになります。そこで、
 手首を内転させて、ラケット面がポールをフラットに捕らえるように
 します。さらに手首のスナップを使うことで、ラケットヘッドをより
 シャープに振り出せるのです。打球方向にフォロースルーを大きくす
 ることで、ポールの方向づけが出来ます。            
                                
 <基本のポジション>                     
                                
 □ 相手の打球エリアの中央に立つ               
  シングルスは一人でコートを守るため、合理的にコートをカバーで
 きる位置にポジションをとらなければなりません。        
                                
  相手に対して、どちらか片側に大きく空きをつくるのは避けなけれ
 ばなりません。そこで相手が打ち出す可能性のある打球エリアを判断
 し、そのセンターにポジションをとるようにするのです。ベースライ
 ンでプレーをする場合は、ベースラインよりやや下がったあたりに、
 また、ネットでプレーをする場合はネットとサービスラインの中間あ
 たりにポジションをとります。                 
                                
  避けなければならないのは、サービスラインとベースラインの中間
 にポジションすることで、ここは「デッドソーン」と呼ばれ、相手に
 最も攻め込まれやすい場所だからです。             
                                
 □ サービス・レシーブのポジション              
  サービスのとき、ベースラインの後ろ、センターマークとサイドラ
 インの間なら、ポジションはどこでもいいことになっています。  
  しかし、レシーブの返球範囲を考えた場合、センターマークからあ
 まり離れない場所にポジションをとるのが合理的でしょう。    
                                
  サービスは相手にコースを読まれないようにコース、スピード、球
 種に変化をつける必要があります。セカンドサーピスは相手の強打に
 備えたコントロールを養うようにしてください。         
  レシーブはサービスの打球想定コースの中央で、ベースラインを中
 心にポジションをとるのが基本です。勿論、サーピスのスピードに応
 じて、前後にポジションを変えなければなりません。       
                                
 <ベースラインプレー>                    
                                
 □ ボールはクロスにつなぎ、ストレートヘ打つチャンスを探りなが
 ら相手をベースラインにとどめておけば、攻撃の糸口を掴むことにな
 ります。グラウンドストロークの打ち合いでは、ショットに深さを持
 たせるため、サービスラインとベースラインの間のエリアをねらいま
 す。強打よりも正確性を持ったショットでなければならない。   
                                
  ベースラインでのクロスの打ち合いで、一方がそれをストレートに
 返球した場合、クロスに打つよりストレートに打つほうの守備範囲が
 大きいことが分かるはずです。このためクロスでの打ち合いが主体と
 なるのです。                         
                                
  しかし、相手のクロスポールが浅くなり、ベースラインの内側に入
 って積極的に打つストレートは、より攻撃的なショットになります。
 クロスの深いボールでつなぎ、ストレートへ打つチャンスを探るのが
 ベースラインプレーの基本なのです。              
                                
 □ 浅いボールは高い打点で捕らえてこそ生きる         
  攻撃的なショットによって相手が体勢を崩した場合、その返球は浅
 くなる可能性が高いのです。そのときはベースラインの内側に入って
 構え、余裕を持って相手の空いた部分をアタックするのです。   
                                
  ネットに近づくほどボールの打てる角度は広がり、そのため相手は
 より広いコートをカバーしなくてはならないのです。ただし、それも
 ボールをネットより高い打点で捕らえた場合に限ります。ポールが浅
 くても、低い打点で捕らえたのでは攻撃力は半減してしまいます。 
                                
  チャンスボールはあらかじめ打ち込むところを決めておき、コース
 を迷うことなくねらい打つことが大切です。迷いはミスにつながりや
 すいのです。たとえ相手がそのコースに向かって走っていても、躊躇
 せずに打つことが大切でなのです。    
◇◆<お知らせ>◇◆       
                               
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第108号

2010-05-27 08:12:27 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第109号

04/09/20

 全米オープンが終わりました。フェデラー時代幕開けという題字が
 飛び交っていますが、彼の強さはパワーではなく。精密機械のような
 正確なショットであると言われています。しかし、絶対的なものを持
 っていないとするなら、バランスのよい選手だと考えられます。  
                                
  いまひとつ感じるのは、彼がその位置にいるのは、勝負どころでの
 精神的な強さではないでしょうか。23歳の年齢からすれば当分の間、
 その牙城を揺るがすのは不可能かも知れません。勿論、彼に秀でたも
 のがないといっても他の俊英との個々の比較であり、飛びぬけている
 のは紛れもないことです。                   
                                
  女子は予想を覆してロシア対決となり、クズネツォワが優勝しまし
 た。弱冠19歳と言うから驚きです。しかし、あの打ち方は現在のラ
 ケットだから出来るので、それを考えると彼女の優勝を簡単には喜べ
 ないものがあります。彼女はそれを自分の特徴として生かしてきまし
 たが、あれをやれば勝てるのだとの思い込みだけが独走しないことを
 祈るのみです。                        
                                
  スコアは緊迫したものでしたが、最後の一押しにパワーが勝利を導
 いたと言えます。テニスの腕を磨くために、14歳で練習拠点を別に
 移したり、サンチェスやナブラチロワに教えて求めたり、日本の環境
 とは随分の違いを感じています。そういうトップレベルの選手と接触
 することの大事さを日本の指導者も自覚して欲しいです。     
                                
  世界ランクですが、エナン・アーデンが一位から陥落してしまいま
 した。杉山は14位とランクダウンとなりましたが、浅越が43位と
 20のランクアップは見事です。年齢的なものがありますが後輩のた
 めに踏ん張って欲しいものです。        

<スポーツ名言集 (56)>
------------------------------ 
  戦場は千変万化す                      
                      ー馬場 信房ー   
 ------------------------------ 
                                
  武田信玄の家臣として、勇猛振りを発揮した武田四重臣の一人と言
 われています。その言葉の意味するところは次のようです。    
                                
 「戦場は実に千変万化する。あらかじめ定めた作戦と違うことが起こ
 った場合は、直ちに別な作戦を行い、迅速に臨機応変な闘いをするこ
 とだ。作戦通りにいかなかったと当惑し、狼狽しては間違いなく敗戦
 呼び拙い結果を招いてしまう。忘れてならないのは、現在の局面に全
 力を尽くすことである」                    
                                
  予想外の事態が生まれた場合は、自分よりレベルの高い人であれば
 どのような決定を下すか、大局観をもって考えなければなりません。
 大局観とは、ゲームの進捗を考え、いかにして勝利へ近づけるかどう
 かを判断することです。随って、これに沿った作戦変更や対処する積
 極性を持たねばならないのです。                
                                
  失敗を恐れてはいけないし、失敗を予測して言い訳を考えるのも選
 手としては失格です。もし言い訳を考えるような、最前線での自己決
 定であれば、これは止めなければいけません。最前線では勇気のある
 決断と素早い行動こそが望まれるのです。 
<テクニカルなポイント(3)>
<サービス>                         
                                
  体をターンさせながら、右ひじを振り出しフォワードスイングを始
 めます。ここから両腕は逆の動きになります。トスアップで上げてい
 た左腕を一気に引き下ろし、右腕を鋭く振り上げます。体が伸びきっ
 たところでグリップをしっかり握りボールを捕らえます。その上で、
 フォロースルーを打球方向に大きく振り抜いてください。     
                                
  トスされたボールを全身を伸ばして捕らえ、右ひじを振り出す瞬間
 に背中のあたりでラケットヘッドが落ちなければ、そこからラケット
 を振り上げることはできません。ただ、バックスイングでひじを高く
 上げておけば、ヘッドを落とすことが可能となります。このとき、バ
 ックスイングで右ひじが深く入りすぎると、ラケットがスムースに上
 がらなくなりますから注意をしてください。           
                                
  グリップによりますが、イースタングリップでは、ラケットを振り
 上げただけでは、エッジでボールを捕らえることになります。そこで、
 手首を内転させて、ラケット面がポールをフラットに捕らえるように
 します。さらに手首のスナップを使うことで、ラケットヘッドをより
 シャープに振り出せるのです。打球方向にフォロースルーを大きくす
 ることで、ポールの方向づけが出来ます。            
                                
 <基本のポジション>                     
                                
 □ 相手の打球エリアの中央に立つ               
  シングルスは一人でコートを守るため、合理的にコートをカバーで
 きる位置にポジションをとらなければなりません。        
                                
  相手に対して、どちらか片側に大きく空きをつくるのは避けなけれ
 ばなりません。そこで相手が打ち出す可能性のある打球エリアを判断
 し、そのセンターにポジションをとるようにするのです。ベースライ
 ンでプレーをする場合は、ベースラインよりやや下がったあたりに、
 また、ネットでプレーをする場合はネットとサービスラインの中間あ
 たりにポジションをとります。                 
                                
  避けなければならないのは、サービスラインとベースラインの中間
 にポジションすることで、ここは「デッドソーン」と呼ばれ、相手に
 最も攻め込まれやすい場所だからです。             
                                
 □ サービス・レシーブのポジション              
  サービスのとき、ベースラインの後ろ、センターマークとサイドラ
 インの間なら、ポジションはどこでもいいことになっています。  
  しかし、レシーブの返球範囲を考えた場合、センターマークからあ
 まり離れない場所にポジションをとるのが合理的でしょう。    
                                
  サービスは相手にコースを読まれないようにコース、スピード、球
 種に変化をつける必要があります。セカンドサーピスは相手の強打に
 備えたコントロールを養うようにしてください。         
  レシーブはサービスの打球想定コースの中央で、ベースラインを中
 心にポジションをとるのが基本です。勿論、サーピスのスピードに応
 じて、前後にポジションを変えなければなりません。       
                                
 <ベースラインプレー>                    
                                
 □ ボールはクロスにつなぎ、ストレートヘ打つチャンスを探りなが
 ら相手をベースラインにとどめておけば、攻撃の糸口を掴むことにな
 ります。グラウンドストロークの打ち合いでは、ショットに深さを持
 たせるため、サービスラインとベースラインの間のエリアをねらいま
 す。強打よりも正確性を持ったショットでなければならない。   
                                
  ベースラインでのクロスの打ち合いで、一方がそれをストレートに
 返球した場合、クロスに打つよりストレートに打つほうの守備範囲が
 大きいことが分かるはずです。このためクロスでの打ち合いが主体と
 なるのです。                         
                                
  しかし、相手のクロスポールが浅くなり、ベースラインの内側に入
 って積極的に打つストレートは、より攻撃的なショットになります。
 クロスの深いボールでつなぎ、ストレートへ打つチャンスを探るのが
 ベースラインプレーの基本なのです。              
                                
 □ 浅いボールは高い打点で捕らえてこそ生きる         
  攻撃的なショットによって相手が体勢を崩した場合、その返球は浅
 くなる可能性が高いのです。そのときはベースラインの内側に入って
 構え、余裕を持って相手の空いた部分をアタックするのです。   
                                
  ネットに近づくほどボールの打てる角度は広がり、そのため相手は
 より広いコートをカバーしなくてはならないのです。ただし、それも
 ボールをネットより高い打点で捕らえた場合に限ります。ポールが浅
 くても、低い打点で捕らえたのでは攻撃力は半減してしまいます。 
                                
  チャンスボールはあらかじめ打ち込むところを決めておき、コース
 を迷うことなくねらい打つことが大切です。迷いはミスにつながりや
 すいのです。たとえ相手がそのコースに向かって走っていても、躊躇
 せずに打つことが大切でなのです。    
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第107号

2010-05-26 10:55:27 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第107号

04/08/31

 アテネ・オリンピックも、過ぎてしまえばアッというまで、今朝閉
 会式を迎えました。メタル獲得が増えるのは喜ばしいことですが、次
 回行われる北京を考えると、中国の驚異的な飛躍は眼を見張るものが
 あります。                          
                                
  テニスは最初の勢いでは、ダブルスは当然・シングルでも期待でき
 ると言われていましたが、結局は誇れる成績にはならなかったようで
 す。反省として、他国の若い選手の台頭もあるでしょうが、果たして
 それだけでしょうか?                     
                                
  これらは、日本のスポーツ政策にも関わるものと思われます。日本
 の場合、全体人口に比較して競技種目の多さは、どう考えたら良いの
 でしょう。多すぎる嫌いは否めないと思われます。新しがり屋の国民
 性によるのか、スポーツ選手の多彩さと、それに随伴する役員の多さ
 は恐らく世界一ではないでしょうか。              
                                
  スポーツは確かに気持ちを活性化します。激しく真剣な競技を目の
 前にすれば気持ちが高揚するのは当然です。その心地よさがスポーツ
 を求める原動力になっているとするなら、勝つためだけの、異常な行
 動は自粛してしかるべきではないかと思われます。

<スポーツ名言集 (54)>
------------------------------ 
  名人も人なり、われも人なり                 
   いかで劣るべき                      
                      -山本 常朝-   
 ------------------------------ 
                                
  有名な「葉隠」は山本常朝の談話を集録したものと言われています。
 先ず、常識的な判断として、剣術家同士が一対一で行う真剣勝負では、
 武術と心がともに優れたものが勝つのが普通でしょう。しかし、最前
 線の場合は別となるのです。危機に直面したとき、これを乗り越える
 迫真の気迫が必要となるのです。                
                                
  表現を変えれば、「葉隠」にはこの気迫が網羅されているため、そ
 の時代の中で読み継がれたのではないでしょうか。冒頭の言葉も、強
 い相手に気迫で立ち向かおうとするものと思われます。相手を強く意
 識したり、張り合ったりすれば、いたずらに精力を消耗するだけで意
 味がないことを知らしめているのです。             
                                
  強者も名人もしょせんは人間であり、「負けてたまるか」という気
 迫はあっても良いのではないでしょうか。困難なときこそ、それは天
 の授かりものとして、喜んでそれにぶつかって行くべきです。同じ人
 間がやれたことなら他の人間にも必ず出来ると思うべきなのです。 
<テクニカルなポイント(1)>
 いままでの経験から感じたことを、メルマガで書いて参りましたが
 今回から一口ポイントとして書いてみます。いまは多くの雑誌が発行
 され、意味合いは同じであっても表現の違いは否めません。少しでも
 スキルアップをお考えのとき、他の方と違う表現で迷いを生じる危惧
 を感じますが、選択権は皆さんにあるわけですから、要は自分にとっ
 てプラスになるかどうかをご判読くださるようお願いします。   
  なお、右打ちの方をモデルとして表現しております。      
                                
 フォアハンドグリップ                     
                                
  ボールを打つ瞬間、カをしっかり伝えるため、グリップは確実に握
 らなければいけません。                    
  基本的な握り方は、ラケットを左手で支え、手のひらをグリップに
 当て、小指から親指に向けて順番に握りしめていきます。小指、薬指、
 中指はくっつけ、中指と人さし指の間は指一本分程度開け、人さし指
 は鉄砲の引き金に指をかけるような形にします。最後に親指でグリッ
 プをホールドするのです。                   
                                
  グリップが手の中で回らないように、小指・薬指の握りを特に強く
 します。人さし指を中指と離して握るのでラケットの操作がしやすく
 なるのです。グリツプの端(エンド)は少し余らせ、手のひらがぴっ
 たりとフイットするように握ります。              
                                
  このグリップで、親指と人さし指の付け根の∨字の位置が、グリッ
 プの8つの面のどこにくるかで、握りをいろいろと分類出来るのです。
 グラウンドストローク、ボレー、スマッシュ、サービスとショットに
 は、それぞれ適したグリップがあります。レベルアツフしプレーの幅
 も広かると、さまさまなグリップを使い分けなければなりません。最
 初に決めたグリップだけでは、上達に限りがあることを覚えましょう。
                                
 バックハンドグリップ                     
                                
  フォアハンドはグリップの後ろに手のひらがありますが、バックハ
 ンドには親指一本しかありません。ボールの勢いに押されないために
 親指を斜めに伸ばしてグリップに当てるサムアップを知りましょう。
                                
  正しい握り方は、フォアハンドと全く同じ方法です。違うのはフォ
 アは、構えに対して左から来るボールを打ちますが、バックでは、構
 えの右側からのボールを打つのです。即ち、テニスではボールをラケ
 ットの両面で打つのです。                   
                                
  これは、グリップから見ると、フォアが打球面に対して4本の指で
 抵抗しているのに反して、バックは親指1本しかないという現実です。
 その弱さを克服するには、ラケット面の角度の使い方もありますが、
 サムアップで充分カバー出来るのを知ってください。       
                
<プレヤーのマナー考察>
直接的な影響があるかどうか分かりませんが、私が現役の頃ボール
 は不足気味で、マネジャーから渡されるボールは一日4個これを大切
 に使っていました。練習が終わる頃はつるつるですから、ボールが溜
 まることもなく、大変な思いをしてました。しかし、最近の後輩の使
 い方は想像を絶する使い方です。                
                                
  壁打ちの上の金網に、ニューボールが引っかかっても、それを落と
 すでもなく、その場で憮然としているように見えました。それだから、
 気に食わなければ平気で蹴飛ばすのでしょうね。スポーツマンが忘れ
 てならない一つに道具への愛着があります。ボールはその中でもプレ
 ーの中心になるものです。                   
                                
  これを書くと、よく反発されるのは他国では平気でやっているでは
 ないかと言う言葉です。道具を消耗品と考えるなら、その扱いは雑に
 なるでしょう。しかし、自分のスキルアップの一助としてある、と考
 えるなら粗雑には扱えないものです。              
                                
  道具に人間のように脈打つ心はありません。しかし、それに力を与
 えることが出来るのはプレーヤーの力ではないかと思うのです。マナ
 ーは作られたものであってはならないのです。心の底から染み出てく
 るからこそ相手や観戦者に感動を与えるのではないでしょうか   
                                
  ドーピングで七個のメダルを剥奪されたアテネ・オリンピック、勝
 つためには手段を選ばない方法が、過去のオリンピックでは考えられ
 ない数の違反を起こしました。スポーツマンシップの意味をいま一度
 見直すべきではないでしょうか? 
◇◆<お知らせ>◇◆       
                               
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第106号

2010-05-25 08:47:36 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第106号

04/08/20

 アテネ・オリンピックが開幕し、日本選手の存分な活動に一喜一憂
 しています。常識的な考えですが日頃の成果を発揮して欲しいです。
 特にあれだけ注目されていた北島選手が強敵を抑えての「金」は、そ
 のメンタル面の凄さを改めて認識する思いです。         
                                
  しかし、ひとつ気になるのですが、何故長嶋ジャパン・柳本バレー
 宇津木ジャパンと言うように監督の名前が表面に出るのでしょう。実
 際にプレーするのは選手であり監督ではありません。これではまるで
 監督に神通力があり、選手は駒でしかない扱いになりませんか?  
                                
  監督やコーチは練習時に、目標達成のため表面に出て指導しなけれ
 ばなりませんが、ゲームが始まると出る幕ではないのです。あくまで
 も黒子でなければならないと思うのです。それが出来ないのは監督と
 して、自分の方針が選手に徹底してないことを暴露するようなもので
 はないでしょうか?                      
                                
  ピンポン競技の福原選手の監督は、静かに見つめているだけで、時
 折僅かに頷く仕草が目立っていました。選手は試合中のコメントの殆
 どが頭にないです。試合に没頭していますから、余計なことを言われ
 たら却って混乱するだけです。競技場の周囲から怒鳴るのは止めて欲
 しいです。                          
                                
  柔道の野村選手の三大会連続の金メダルは称賛以外の何物もありま
 せん。父親の語る「天才はありえない。忠宏の強さは練習。しかも、
 基本の反復練習にある」の言葉は、スポーツを志す選手が胸に留めて
 置くべきでしょう。山下泰裕氏は、「動きが正確で技に力がある正統
 派の柔道。こういう選手は怪我をしないから、一時代を築くかも知れ
 ない」と将来を予感していたそうです。             
                                
  翌日の紙面では、”基本練習が「天才」を作った”という文字が華
 やかに踊っていました。野村選手にしてみれば面映い気持ちではない
 かと思われますが、「右組みの彼が右の背負い投げを防がれたとき、
 連続して掛けやすいから」と左の一本背負い投げも教えられ、猛練習
 だけではなく、選手の持ち味を生かした指導方法がプラスしていたよ
 うに思われます。      

<スポーツ名言集 (53)>
 ------------------------------ 
  人生には何よりも                      
   「なに、くそ」という精神が必要だ             
                        -嘉納治五郎- 
 ------------------------------ 
                                
  講道館柔道の開祖である嘉納治五郎の口癖と言われています。柔道
 修行中の彼は、持ち前の負けん気から、倒れるまで強い相手に組み付
 いていったと言われています。しかし、普通の人と違っていたのは、
 弱い相手にもこの気持ちを忘れないで向かい、決して侮ることをしな
 かったようです。                       
                                
  彼が言うこの言葉は、人に勝つより自分に勝てという精神であり、
 その理由は、「人に勝つには相手の技を凌ぐだけ、自分の技を磨けば
 済むことだ。しかし、自分の心に生じる欲望に打ち克つのは、敵に勝
 つより難しい」とされています。勝つには技術以上の力が必要であり、
 そのための修行を勧めているのではないでしょうか?       
                                
  子供のころ、当時の風潮から剣道を習っていました。ある日先生全
 員が向こうへ並び、自分の好きな先生と乱取りをすると言われたこと
 があります。その時、一番恐い先生の前には誰も並ばなかったのです。
 それを見て私は立ち向かったのを覚えています。         
                                
  普通は子供相手ですから、竹刀を柔らかく受けてくれますが、その
 先生の受けは、塀に向かって打ち込んでいるようで、竹刀が跳ね返っ
 てくるため、小学生の私達には非常に厳しい練習に思えたのです。何
 故その先生に向かったのか定かには覚えていませんが、「なに、くそ」
 が多少はあったのかも知れません。 
<プレヤーのマナー考察>
いま、ジュニアーや学生プレーヤーのマナーが問題になっているよ
 うです。しかし、悪さだけを強調するのではなく、指導者や校風によ
 り、キチンとしている爽やかなプレーヤーがいるのも忘れてはなりま
 せん。残念なのは、良いことは目立たないですね。悪いことを指摘さ
 れると全てがそうだと言う判断には抵抗があります。          
                                
  先般のウインブルドン大会でもマナーの悪さがありました。ただ、
 プレヤーの言動については国民性の判断があり、簡単にマナーと結び
 つけるのはどうかなとも思います。郷に入れば郷に従えと言っても限
 度があるでしょう。しかし、世界的に有名になったプレーヤーは、次
 世代の多くのプレヤーの参考になるわけですから、それなりの言動は
 して欲しいと思います。                    
                                
  団体戦の場合、応援合戦は更にエスカレートしてしまいます。しか
 し、根本は指導者の問題になります。多くの場合、後輩は先輩の言い
 なりになるのは致し方ないのです。これがあるから団体競技は団結と
 言う枠を嵌められながらも自校の名誉のために、自校の勝利のために
 我を忘れてプレーし応援するのです。              
                                
  このように考えると、プレーヤーに対して如何に規制しても駄目だ
 と思うのです。マナーを守れと言われればそうするでしょう。理屈は
 分かっていると思います。しかし、一旦自分の所属するチームに帰属
 したとき、そのチームの指導者が尻を叩いて、さあ!大きな声を出し
 てプレーしろ、応援しろと言われれば従わざるを得ないのです。  
                                
  いろいろな大会へ行き、指導者が盛んに煽っている姿は嫌と言うほ
 ど眼にしています。先般のフェデレーションカップでしたか、松岡氏
 が国旗を振って声援していたのを記憶していますが、私は場違いなも
 のを感じました。彼のコメントを知りませんが、「伝統」の素晴らし
 さは心地よいから続いているとするなら、それを打破するのは決して
 良いものではないと思われます。                
                                
  メールを頂きますが、その半分はマナーの問題です。内容について
 は、送信して下さった方たちの思いが染み込んでいます。良いものは
 続けたいとの思いは、全ての方に共通してあるものではないでしょう
 か?マナーの問題を追及することも勿論必要ですが、指導者各位の競
 技に対する考え方を、勝つことへの拘りを、その内容に向けて欲しい
 と思います。                         
                                
  ただ勝つことだけを求めてはならないと思うのです。競技をする以
 上、それに関わる全ての人が思っている「勝つ」ことに拘るのは当然
 でしょうで。しかし、結果がそうであるなら、その手段はどうでも良
 いというのでは戦争と同じでしょう。同じ道具を使用して競技をする
 なら如何にベストを尽くすかであり、応援もそれに沿い、さらに昇華
 させるものでなければ、競技そのものが意味を失うのではないかと思
 うのです。                          
                                
  僭越ですが、私見を書かせて頂きました。マナーはプレーヤーの心
 を反映させる鏡だと思います。オリンピックで勝った選手の笑顔は、
 本当に素晴らしいです。純粋な気持ちが溢れているように思います。
 次回は多くの方のご意見を掲載できればと思っております。お気づき
 の点がありましたらご投稿ください。  
◇◆<お知らせ>◇◆       
                               
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第105号

2010-05-24 10:41:49 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第105号

04/08/10

 先般のウインブルドン大会を通じて、選手の課題は基本的なことで
 はあるのでしょうが、相手コートに如何にしてオープンコートを作る
 かではないかと思いました。技術・用具・体力等の格段の進歩により、
 力だけでねじ伏せる難しさに限度を感じました。         
                                
  デカラケ以前のラケットで、いまのテクニックを披露するのは至難
 だと思われます。面を最大限に利用した華麗なラリーを続けていた時
 代とは異なります。いまのように極端なクロスへのボールは考えられ
 なかったのです。それだけにプレースメントには気を遣っていたと思
 われます。                          
                                
  当時は、サービスでオープンコートを作ることに留意しました。フ
 ォアサイドではスライス、バックサイドではスピン、これらのサービ
 スで相手をコートから追い出していたのです。通常のストロークでは
 ストレートを使うことで相手を釘付けにし、クロスへの深いボールで
 オープンコートを考えました。勿論クロスからストレートと言う選択
 肢もありました。                       
                                
  いずれの場合も、選手の特徴を生かしたプレースメントで相手コー
 トにオープンコートを作っていたのです。その時々でやり方は異なり
 ますが、エースで決める難しさを考えると、相手のエラーを誘う方法
 が必要となります。うまくいけばオープンコートを利用してエースを
 奪えますし、そこへ至るまでにエラーを誘うケースもあるのです。

<スポーツ名言集 (52)>
 ------------------------------ 
  一時の勝ちは、                       
   終身の勝ちにはあらず                   
                       -松浦 静山-  
 ------------------------------ 
                                
  この言葉に続くものは「たとえその人勝ちたりとも、これ終身の勝
 ちと為すすべからず」とあります。これは彼の武道に対する「剣は平
 心の術なり」に現され、人格は高潔でかつ強さをひけらかさない人で
 なければならないとしているのです。これを体得した人こそ免許皆伝
 に値すると述べています。                   
                                
  ある人は他流試合と言って人と対決し、技を競い、だれそれに勝っ
 たと、自分の技術が高いと思い、相手に本当に勝ったように思ってし
 まうものです。しかし一時の勝ちを本当の勝ちと思うのは偽りであり、
 生涯にわたっての勝ちを志すのが本当ではないでしょうか?    
                                
  一時の勝ちを誇り自慢するのは、一時たりと言えども、向上心や努
 力を怠ることになりかねません。相手が負けを自覚し成長するなら次
 の勝負では判断が付かないでしょう。チャンピオンがいつまでもチャ
 ンピオンでいることが出来ないのが現実なのです。        
                                
  発明王のエジソンが次のような言葉を残しています。「成功とは結
 果で計るべきではない。それに費やした努力の総計で計るべきである」
 一時の勝ちにおごらず、常に努力・精進を続け、生涯にわたってよい
 結果をもたらすように心すべきだと思います。これはまた、一時の負
 けに拘らず勇気を持って頂上を目指せと言う裏返しでもあるのです。
<プレヤーのマナー考察>
前回に引き続き、高芝先生のレポートを掲載させて頂きます。2回
 に亘る紹介となりましたが、掲載については快くご承諾を頂き感謝し
 ております。読者各位におかれましても、どうぞマナーについてご意
 見を賜りたいと思っております。                
  マナーの根本は、「楽しくプレー」することに尽きると思われます。
                                
                                
 ジュニアの試合でのよくある問題(原文のまま掲載させて頂きました)
        高知県テニス協会 ジュニア委員長 高芝 純明  
                                
 ◎ 倫理規定に関する違反行為                  
  ①相手に向かって大声で威圧する行為              
   ・「カモン」「こいやー」「こいや こらー」など喧嘩ごしの言
    葉をポイントごとに何度も繰り返し浴びせる行為      
  ②試合相手への暴言                     
   ・「ほんとにアウト?」「どこにボールが落ちた?」などジャッ
    ジに関するクレーム                   
   ・「しばくぞ」「殺すぞ」などと独り言を言う        
  ③用具への乱用                       
   ・「ラケットを高く投げ上げる」「地面にたたきつける」「ボー
    ルを蹴飛ばす」「その他の備品や用具への乱暴な行為」   
  ④服装・用具                        
   ・「試合にTシャツで出場する」              
   ・「表彰式にTシャツ、サンダル、首タオルなどで出る」   
   ・「服装についているロゴの違反」(高体連ルールあり)   
   ・「ラケットのストリングロゴ違反」(高体連ルール)    
   ・「タオルをコートの後ろに放り投げておき、ポイントごとに汗
    を拭きに行く」(遅延行為)               
  ⑤試合進行                         
   ・「試合のあるコートに入るのが遅い」           
   ・「入ってから着替えをする、靴紐を止めるなど」      
   ・「試合場をかってに離れる」               
   ・「試合に入らずかってに帰る」              
  ⑥セルフジャッジに関する問題                
   ・「ジャッジがはっきりしない」              
   ・「ジャッジが手だけで声がない」             
   ・「ミスジャッジが多い」                 
   ・「サーブ前にカウントを言わない」            
   ・「外の観客に、ジャジやカウントを聞く」         
   ・「カウントやスコアがわからなくなる」          
  ⑦競技中の問題                       
   ・「ベストをつくさない」                 
   ・「ダブルスでポイントごとに長話をする」(試合の遅延行為)
   ・「相手ときちんと握手や礼をしない」「審判にお礼をしない」
   ・「相手のショットが決まったとき、馬鹿にしたように拍手の真
    似をする」                       
   ・「相手が打つ時、わざと声を出す」            
   ・「相手がサーブを打つときに動き回って集中力を乱すようしむ
    ける」                         
   ・「スコアーカード」をめくらない             
   ・「シングルススティックを立て忘れる」「のけ忘れる」   
   ・「シングルススティックの立てる場所が違う」       
   ・「センターストラップの高さが違う」           
   ・「試合相手を確認せず、間違った相手と試合をする」    
   ・「暑いとき、エンドチェンジでの休憩を故意に長く休む」  
  ⑧コーチング                        
   ・観客やコーチが、個人戦なのに外から声やしぐさで合図を送る
   ・団体戦において監督がエンドチェンジ以外の時にコーチングを
    おこなう                        
   ※「もう一本」「ナイスショット」「集中」や拍手ぐらいは慣例
    的に認められているが、いつまでもしつこく拍手することは相
    手の集中力を乱す目的であり認められない         
                                
 上記の倫理規定に反した場合、ポイントペナルティー制度による罰則
(タイム・バイオレーション、コード・バイオレーション)を受ける。
 違反がひどい場合は本人およびそのチームが失格となる場合もある。
             
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第104号

2010-05-23 07:58:22 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第104号

04/07/31

 日本選手の活躍を期待したウインブルドンでしたが、何だかアッと
 言う間に終わったと言う印象です。読者各位にもそれぞれの感慨がお
 ありだと思います。世界各国からの参加者に若い世代の台頭は、日本
 の選手育成システム作りの再検討を感じました。         
                                
  やはり、国際的な選手を育成するのは国家的な事業ではないかと思
 われます。スポンサーが付かないと満足な活動が出来ない状態で、日
 本のために頑張れと言っても、いまひとつインパクトがないように思
 えてならないのです。                     
                                
  しかし、僭越ながら私見を申しあげると、専門学校の設立が先ず必
 要と思われます。その中でも、特に必要であるのがコーチの育成講座
 です。選手を育てるのは組織ではなくコーチです。これからは技術指
 導のみのコーチは不要です。専門的な知識を持ったある面で多彩な、
 しかし、情熱を持ったコーチが必要だと思います。        
                                
  私の経験では、当時福田先生の「硬式テニス」という一冊の本が全て
 でした。それ以外は先輩や他校選手のフォームを真似るしかなかった
 のです。後はそれらを集約して自ら考えるだけでした。比べて今は月
 刊誌だけで6~7冊、技術指導書は書棚に溢れています。情報過多も
 選手の方向を歪めてしまうのかも知れません。

<スポーツ名言集 (51)>
 ------------------------------ 
  構えありて、構えなし                    
                     -宮本 武蔵-    
 ------------------------------ 
                                
  宮本武蔵は、剣を手にするからには、敵を斬るのが本来の目的であ
 り、敵が斬りつける剣を受けたりはねたりするのは、すべて敵を斬る
 ための手段でしかないと言う考え方を持っていたと思われます。  
                                
  これは、敵の勢いに負け守勢に入る恐ろしさを戒めたものと言われ
 ています。本来の目的を忘れることなく、その目的遂行のために意思
 を強く持って全うしなければならないと言う意味のようです。   
                                
  またこの言葉は、型ばかりに拘っていると、心も身体を硬くなり、
 いざと言うとき充分に力を発揮することが出来ない。特に「構えなし」
 とは、間髪を入れぬ行動をするために自在の心を持つことであり、そ
 れにより、相手の本質も見えてくると諭しているのでしょう。   
                                
  スポーツも同じで、臨機応変の動き(瞬発力に似た動き)をするには
 基本があってであり、やみくもに動いて出来るものではありません。
 形に囚われながら、形に拘らないと言う禅問答のようですが、人間が
 生身の身体であり、メンタル面の重要性が問われるものではないでし
 ょうか?       
<プレヤーのマナー考察>
言い古されていますが、徹底するにはくどいほど言わなければなら
 ないのです。マナーについて、詳細に説明や解釈が行われていますが、
 大切なのはプレヤーの人間性に関わる問題ではないでしょうか。  
                                
  マナーの基本は                       
   1、自己責任 :自分の行動は自分が責任を持って処理する  
   2、相手尊重 :競技相手のプレーヤーに迷惑をかけない   
   3、規則遵守 :ルールは自分が守る            
                                
  ジュニアのマナーについて                  
   最近号で、学生のマナーについて私見を書いておりますが、勿論
  すべての学生が同様だとは申しません。キチンとして場合も多々見
  受けられます。しかし、残念ながらそれを凌駕するものを見せ付け
  られると、つい愚痴が出るようになります。いままでの経験から、
  監督・主将の現役と接点の多い人の影響が強いことを、その立場に
  ある方たちは充分に認識して頂きたいと思っています。     
                                
   先日お約束いたしました。「ジュニアの試合マナー」高知県テニ
  ス協会 ジュニア委員長 高芝 純明氏のHP資料について全文は
  リンクでご覧頂くとして、文章の内容には手を触れずさわりだけを
  記述しますのでお読みください。               
    http://www.aa.aeonnet.ne.jp/~tennis/          
    (黄色い枠内、競技マナーへの提言をクリックしてください) 
                                
 「大きな声を出すのは自分に気合を入れるため一定許容範囲であると
 思いますが、「こいやー」あるいは「こいやー、こら」とガッツポー
 ズをして相手を見据えネットに向かっていく姿には嫌悪感を抱きます」
                                
 「これは明らかに悪意をもって行っている行為で、ケンカをふっかけ
 ている言葉や行為そのものです。言われた相手がもし、「なんなーや
 るか」と応酬したらどうなるでしょうか。先日の県体の時、そのよう
 な場面に出くわし試合を止め注意しました。まさにののしりあいです」
                                
 「翻って、先のジュニアの試合態度は大きな問題を孕んでいます。大
 声で、「こいやー」と言われたら一般の大人は、我慢できないでしょ
 う。大人にできないことは、高校生にもできないはずです。それが、
 昨今ジュニアの大会で多く見られるようになったのは、全国や四国で
 の影響があると思います。強い?選手のそのような姿をみて真似をす
 る。相手もやるから自分もやる。このような悪循環が続いています。
 彼らはテニスの技術も精神面も未熟で、それを隠すため、あるいは相
 手の集中力を乱すため、といったスポーツマン精神に反した行為を行
 っています」                          
                                
 「こんな相手と試合をして、試合後の充実感があるでしょうか?自分
 の実力は十分出せたと思えるでしょう?試合をして「ありがとうござ
 いました。勉強になりました。また、お願いします」と言えるでしょ
 うか?あるいは言ってもらえるでしょうか?周りで応援している人に
 感動を与えることができるでしょうか?「どんな球も諦めず拾うひた
 向きなプレー」「勇気をもって攻める姿勢」「相手によってよく考え
 た戦術」「そしてなによりも正々堂々としたプレー」などによっての
 み観客は感動し、惜しみない拍手がプレーヤー与えられます」    
                                
 「テニス人口はジュニアも一般もどんどん増加し、高校生は全国で1
 2万人以上の高校生がテニス部に入部しています。この数字は、サッ
 カー、バスケットボールについで第3番目の数です。部員は多くなり
 ましたが、現状のような試合では、「人に見てもらえるスポーツ」に
 なり得ません。子どもたちは、大人への成長の途中ですので、漫画や
 アニメ、テレビなど多くのメディアの影響をうけ、ややもすれば青年
 期特有の誤った価値観や行動をとることがあると思います。そこに、
 顧問や指導者・保護者の果たすべき役割があります。生徒が誤った認
 識で、このような行為を行っている責任は大人にあります。指導者・
 保護者・顧問などが生徒に正しい情報・ルール・マナーを教え育てる
 ことが必要です」                        
                                
 「昨年からIHでテニス団体戦の女子決勝がNHKでテレビ中継され
 ました。テニスが多くの人に見てもらえ、感動を与えるスポーツにな
 るために、我々大人が、勝負至上主義ではなく、スポーツの本質、テ
 ニスの本質を見据えた指導(こころを育てる指導)を粘り強く行うこ
 とが望まれます。大リーグの選手は決してガッツポーズやはでなパフ
 ォーマンスはしません。テニス競技が真にメジャーなスポーツになれ
 るか、今が踏ん張り時ではないでしょうか」  
テニスの試合にドラマを!感動を!
 ◎ 追記                           
 「試合中の声について、どこで線引きしたらいいかわからないという
 声をよく聞きます。私の私見ですが、自分が対戦していると置き換え
 て不快感を感じるような声やしぐさはダメだと思います。また、作戦
 として相手の集中力を乱すような意図のある行動や言葉は「スポーツ
 マンシップ」に反する行為としてコードバイオレーションの対象と考
 えます。掛け声は、自分や自分のペアを励ます意味で出すもので、決
 して相手に精神的ダメージを与えるためにだすものではありません。
 テニスのルールブックに、「ダブルフォールトには温かい沈黙を」と
 いうことが書かれています。フェアープレー精神とはこのようなこと
 をさしています。ラグビーでも選手が負傷した時など、ボールをわざ
 と外に出して試合を中断します」
◇◆<お知らせ>◇◆       
                               
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第103号

2010-05-22 08:22:49 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第103号

04/07/2

  ダブルスの試合はいままでTV観戦が出来ませんでした。しかし、
 幸いに最近は放映するケースが増えてきました。世界一流選手のプレ
 ーを身近に観戦できるのは素晴らしいです。出来るだけ多くの選手に
 見て頂きたいです。観戦中に気付きやはりと思われるのは、基本にと
 ても忠実なことでしょうか。                  
                                
  ボレーの時のラケットヘッドが手首より下がらないこと。これは、
 それだけ打球点で腰が落ちている証拠でもあるのです。バックスイン
 グが短く押し出すようにボールをカットしています。ボレー・ボレー
 に素早く対応するため爪先立ちの姿勢を崩していません。ラケット面
 の使い方は惚れ惚れする素晴らしさです。            
                                
  今回のウインブルドンで気づいたのは、サービスの多様性でしょう
 か。ただ単に力一杯のサービスではなく、プレースメントを第一にし
 た確実なサービスが多かったようです。その中でも、スピン系でサイ
 ド狙い・センター・ボディの三箇所を効率よく攻めていたのが印象に
 残っています。                        
                                
  男子でも、サーブ・アンド・ボレーを徹底しているケースは僅かだ
 ったように思います。やはりこれからはオールラウンド・プレーヤー
 の時代になっているのでしょうか?私はまず女子から始まると思って
 いましたが、ヒンギスからウイリアム姉妹への交代がそれを遅らせた
 と思っています。                       
                                
  これまでの陸上競技でも、100mで10秒を切るタイムは考えら
 れなかったでしょう。しかし、いまはそれを超えてなお且つ挑戦する
 選手が出ているのです。テニスも同じでしょう。ロディックのサービ
 スもすべてがノータッチではないのです。技術の進歩は競技の内容す
 ら変えるのです。100%の力を出し合い、気持ちのよいマナーを発
 揮する試合をこれからも見たいものです。  

<スポーツ名言集 (50)>
 ------------------------------ 
  心・眼・足                         
                   -中条流秘伝 武道極意- 
 ------------------------------ 
                                
  中条流は、禅の影響を受け闘いを好まないとされています。その思
 想はまず第一に心の修練があり、人を害し人を悩ます剣術を目指さな
 いと言われています。一に心・二に眼・三に足という風に、剣道の極
 意は心の工夫であり、まずは精神の練磨が大切であると言っているの
 です。                            
                                
  眼は洞察力を意味しており、相手の動きを心眼で視手、その上で心
 を平静にし、相手の動きにつれ自分も動く(足)のが良いという意味
 になります。                         
                                
  相手に打たれるのは、自分に迷いがあるからであり、打とうとする
 のも迷いである、打たれず打たず、平然と心を構えるとき相手に隙が
 生まれる。そのときに勝つわけで、力は必要ないというのです。  
                                
  千葉周作は、「心・眼・足」を「心・気・力」と読み替えています。
 「心」とは、敵を広く全体に見ることであり、闘いの場と時間の流れ
 の中で相手を大局的に見ることを指していると教えています。   
                                
  「気」は、ここを打とう、あそこを突こうと、大局的な流れの中で
 見据えることを指し、「力」とは、その気の思うところを自在に行う
 ものを言い、これらは三位一体となって作用しないと勝つことは出来
 ないし、そのためには同じレベルで動くようになるまで会得しなけれ
 ばならないと締め括っているのです。 
<学生プレヤーのマナー>
日大藤沢高校テニス部顧問の渡辺先生から高知県ジュニア委員長の
 高芝純明氏を知りました。HPの上でご尊名を拝するのみですが、早
 速HPを拝見しました。全くその通りですと言いたい気持ちと、反面
 今の氏の地位から見ますと、そのような方が話を具体化できるとの期
 待も過剰なのかな。いやそれほどマナーについては根深いものがある
 のかなと慄然たる思いになりました。              
                                
  書かれている内容の詳細については、機会に恵まれましたら高芝氏
 からご了解を頂いた上で掲載したいと思いますが、いまは渡辺先生の
 HPからリンクしてご覧ください。               
                                
  振り返ってみれば、私がマナーについて書き始めたのも後輩の現状
 を憂いたからです。その内容は高芝氏が書かれているものと殆ど変わ
 りはありません。スポーツマンシップの精神を叩き込まれた私たちで
 は、到底考えられない現状はその経緯を把握しないと、ただ単に駄目
 だと言うばかりでは解決しないのではないかと思われます。    
                                
  最近驚いたことがあります。いま車椅子テニスが活発ですが、はな
 はだ失礼な話ですが、健常者と違い通常のルールでは試合が出来ませ
 ん。特殊な立場にいらっしゃいます。その方たちの中でもマナーの悪
 い行動があると聞かされ耳を疑りました。            
                                
  こうなりますと、競技者や応援者も含めて、現状が通常の行為であ
 るとの理解しか得られていないのではと思われます。しかし、それが
 妥当であるなら私たちがいくら大きな声で叫んでも、それは徒労に過
 ぎないのではないでしょうか。テニスを楽しむことが、自分本位の考
 え方が主体となる世代へ、違った角度で反映したと考えざるを得ない
 のではないでしょうか?                    
                                
  しかし、渡辺先生や高芝氏がご努力されているように、諦めるわけ
 にはいきません。根気良く続けてゆかねばならない問題ではないかと
 思っています。これは数人で出来るものではありませんが、僅かな人
 が発端であっても、輪の広がりを期待しながら進めて行きたいと思っ
 ています。              
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第102号

2010-05-21 08:27:23 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第102号

04/07/1

 17歳のシャラポワ(ロシア)がウインブルドンで優勝しました。
 劇的な勝利でしたが、終わってみればあっけないものでした。セリナ
 ウイリアムズの不調もありましたが、いつ挽回するのかなと思ってい
 る内に終わったと言う感じでした。恐らく双方共に信じられない気持
 ちではなかったでしょうか?                  
                                
  すごいなと思ったのは、集中力の持続でした。これを私は彼女の目
 付きで感じていました。その眼光は猛々しいほどの力がありました、
 相手を寄せ付けない鋭さを感じました。それに比べるとその前に対決
 した杉山の場合、あまりにも柔和過ぎました。戦う眼ではなかったよ
 うに思います。                        
                                
  シャラポワに杉山のベスト4が阻止されました。ランクでは下位の
 彼女でしたが、試合の成り行きは残念ながら杉山が格下の感じでした。
 追い詰められたときの杉山の健闘は賞賛できるものがありますが、何
 故か試合運びに余裕が無く、切羽詰っての開き直りの感じが強く印象
 に残っています。                       
                                
  格下とはいえ、11位と13位では目に見えての差は無いでしょう。
 であればその差は双方に言えるわけで、杉山だけがプレッシャーを感
 じる必要は無いわけです。幾度となくあった、0-40からの挽回に
 は限度があります。その無理が肝心のときに充分な力を発揮できない
 原因にもなったのではないでしょうか?一球の大切さを知らされたよ
 うに思います。                        
                                
  今回の試合で強く感じたのは、さすがに世界の一流選手の集まりと
 思いましたが、アンフォースドエラーの少なさとサービスと安定性で
 した。特に、男子のヘンマンとアンチッチの試合で、3セット終了時
 に双方ともそれぞれ10個と言う少なさには驚嘆するしかありません。
 間t、サービスではロディックは別格として、若干スピードは落とし
 てもコースを狙った安定性は見事な思いで見ていました。     
                                
  また、今回のウインブルドンで好きになったアンチッチの身体能力
 は、どのような練習で培われたのか眼を見張る思いでした。身体の中
 心を軸にした身のこなしは芸術品を見る思いでした。それがボールへ
 の執着心と重なり観るものを惹きつける素晴らしさがありました。 
                       

<スポーツ名言集 (49)>
 ------------------------------ 
   虚心坦懐の余裕                      
                        -勝 海舟-  
 ------------------------------ 
                                
  師匠島田虎之助は、心と胆を練るのが武道の基であると勝海舟に伝
 えています。「剣は心なり。剣を学ばんとすればまず心より学ぶべし」
 と禅の修業を進めたそうです。「おれはつねに勝敗の念を度外に置き、
 虚心坦懐、事変に処した。非常の難局に綽々の余裕を持っていた。剣
 と禅の二道から得た修業の賜物だ」とは、勝海舟の弁として伝えられ
 ています。                          
                                
  虚心坦懐とは、心をむなしくし、気持ちを平静にするとありますが、
 難局にあって気持ちを平静にすることは至難です。よく人に負けない
 練習をしたから、それを信じていれば大丈夫と言われます。しかし、
 それは練習をした度合いの蓄積から来るのではありません。自信を培
 うには役立つでしょうが、それが平静な気持ちを持続する役に立つと
 は思えないのです。                      
                                
  勝海舟が、師匠の教えとはいえ「禅」に取り組んだ一因は、技の修
 行(練習)だけでは、人間の能力から考え限界があることをいち早く
 把握していたからではないでしょうか?スポーツを志す人が、禅を学
 ぶことでメンタル面の涵養に役立つかどうかは分かりませんが、何ら
 かの方向性を得ることはあると思われます。
<学生プレヤーのマナー>
マナーを云々する前に、今年のウインブルドンの試合を学生諸君は
 どの程度観戦したのでしょうか?若さ溢れる新人の活躍もあり、充分
 に楽しむことが出来たのでしょうか?それ以上に得るものがあったな
 ら言うことはありません。学生プレーヤーの年齢に近い選手の活躍で
 したから、いろいろな面で参考になったのではないでしょうか   
                                
  今年素晴らしいと思ったのは、男子のアンチッチと女子のシャラポ
 ワでした。20歳と17歳、日本で言えば高校から大学の選手です。
 この二人の選手に学んだものは多かったのではないでしょうか。  
                                
  まず、マナーで二人に共通していたのは、あの闘いの中で非常に物
 静かであったこと。殆ど声を発することも無く、ただひたすらボール
 に集中していたのではないでしょうか?闘いの極限の中で物凄いプレ
 ッシャーと戦いながら、結果として、いつもと変わらぬ気持ちを持ち
 続けたのは敬服するしかありません。              
                                
  次に、相手選手への思いやりがあることです。どんなに素晴らしい
 ショットを放ってエースを取っても、二人が行うアクションは僅かに
 右手を握り締めるだけでした。しかも瞬間的にそれをしますが、あと
 は平静な自分にすばやく戻っています。また、相手のファインショッ
 トには、僅かな動作でラケットを使い拍手をしていました。それも大
 げさではなくごく自然にです。                 
                                
  プレーで感心したのは、ボールに対する執着心と身体の使い方でし
 た。いかに体勢を崩してもその眼はボールを追いかけています。だか
 らといってスタンドプレーの無駄な動きはありませんでした。その時
 に感じたのは体勢を崩されても、完全には崩れないで持ち直すところ
 に凄さを感じました。これはどのような練習から培われるのでしょう。
                                
  このようなマナーやプレーを眼の前で見せられると、それはそのま
 ま真似して欲しいと思います。頂点に登りつめた人だから出来るので
 はなく、テニスを好きでやっているなら、技だけではなく心の鍛錬も
 必要ではないかと思いました。今回のウインブルドンではこの若き二
 人に祝福を送ると同時に、これからも二人の応援者として見守りたい
 と思いました 。         
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第101号

2010-05-20 08:51:52 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第101号

04/06/3

 ウインブルドンがいよいよ始まりました。日本選手の活躍が期待さ
 れたのですが、どうも思うようにはいかないようです。出場した選手
 も年齢を重ねていますから、いち早い若手の活躍が望まれます。それ
 にはやはり部活の再認識が必要だと思っています。        
                                
  唐突で申し訳ないのですが、私のメルマガ読者である日大藤沢高校
 テニス部顧問の渡辺先生をご紹介させてください。先生は「理想の部
 活動」を目指して日夜ご努力なさっています。先生が発行されている
 部活ホームページ(http://www.nftc-o-wa.com/)では、選手育成への
 思いが手に取るように伺われます。ぜひ訪問なさってください。  
                                
  今回は将来を担う若手の台頭を念じながら、部活動がどうあるべき
 かを考え進めて参りたいと思っております。それにより渡辺先生のお
 気持ちが皆さんに伝わり、ひいては全国レベルにまで波及するなら、
 これくらい嬉しいことはありません。内容は学生プレーヤーのマナー
 の項で触れたいと思っております。ぜひ読者各位のご意見をお聞かせ
 くださるようお願いいたします。       

<スポーツ名言集 (48)>
------------------------------ 
  理より入るものは上達早く、                 
   業より入るものは上達遅し。                
                        -千葉周作-  
 ------------------------------ 
                                
  スポーツ名言集からは外れるでしょうが、勝負の極致と思われる武
 道の考え方に惹かれるものがあります。ご批判もあるでしょうが、し
 ばらくは私がメモしたものを続けたいと思っております。これらは人
 口に膾炙されていますから、当然ご承知のものも多いと思われます。
                                
  この言葉は、北辰一刀流の開祖である千葉周作と言われています。
 これを読むと身体を動かすだけの猛特訓が思い浮かびます。その意味
 するものをこの言葉は諭してくれているのではないでしょうか?闇雲
 にボールを打つだけでは意味がないと教えてくれているのです。  
                                
  千葉周作は、続けて次のように言っています。         
 「理より入るものは、相手の行動を考え想像しながら、それに対応す
 る技を工夫しながら稽古をするものだ。だから臨機応変に処理できる
 ようになる。しかし、業から入るものは、打たれながら技を覚えるの
 で考えることが少ない。当然上達までには時間がかかる。ただ、理と
 業は車の両輪だから一方だけ学べば良いという物でもない」    
                                
  武道における勝敗はやり直しが利きません。何故なら勝敗は生死に
 関わってくるからです。それだけに業の上達に対する執念は凄まじい
 ものがあったと思われます。千葉周作は、その中で上達の極意を理か
 ら入るとべきと考えたのでしょう。現在でも通じるものがあります。
<ウインブルドン観戦記メモ>
昨年までとの違いが顕著なのは、バックのストロークでシングルハ
 ンドが増えたのではないでしょうか?これはとても嬉しく思っていま
 す。これにより、ドライブ・スライス・カットを打つことが出来、技
 術面では大きな変化だと思います。また全体的にパワーテニスからの
 変化が見られるように思いました。皆さんは如何でしょうか?   
                                
  ただ、スライスがカット気味に入るケースが多いようです。解説者
 は、すべてスライスと表現していましたが、ボールの回転が逆回転で
 あるのを除いて、他は違っていますから使い分けをしないといけない
 と思われます。パワーテニスへはスライスが有効ですが、カットで入
 ると強烈なドライブには勝てないでしょう。           
                                
  ラケットで判断するなら、スライスはヘッドが前方へ延びるような
 感覚ですが、カットではヘッドが地面に向けて落ちる感覚です。これ
 はボールの回転の違いを出すためと考えられます。ただ、今のラケッ
 トの重さでは、従来から言われているスライスでは、相手のボールに
 押される不安が出るため、瞬間的にヘッドを落とすカットが採用され
 たのだろうかとも考えています。                
                                
  解説者の言葉で気になったのは、19歳で活躍している選手に対し、
 とても19歳とは思えないと言うコメントがありました。これはプレ
 ヤーに対して失礼ではないでしょうか?19歳ならこの程度の思考力
 ・技術力だろうと勝手に判断しているわけですが、試合の内容は年齢
 で決まるものではないはずです。年齢を問わず個人の力を尊重してあ
 げたいです。                 
<学生プレヤーのマナー>
先般、大学の応援マナーを注意したところ、無名で「一生懸命応援
 するのが何故悪いんですか?勝手な判断をしないで欲しい」と言うメ
 ールがありました。私は応援が悪いとは一言も言っていないのです。
 その方法論について注意をしたのです。それを読み取ってくれない学
 生に失望したことを記憶しています。              
                                
  今までも応援や選手のマナーについて何度も書いてきました。それ
 にご賛同頂いた先生やコーチの方もいらっしゃいます。私はスポーツ
 の基本として、ルールとマナーの徹底は最初にするべきというのが持
 論です。何故かと言えば、最初の悪い習慣は簡単に消えないからです。
 コーチの方ならご経験がおありでしょうが、初心者と経験者とどちら
 が教えやすいですか?癖を直すのは大変なんです。        
                                
  学連のルールや試合要項などを読むと、ルールやマナーでいま俎上
 にある問題点は殆どチェック項目として網羅されています。しかし、
 それが守られていないのです。これはルールを遵守する。ルールを熟
 知するという基本的なことが出来ていないからではないでしょうか?
                                
  極めて簡単な表現を許されるなら、マナーとは相手を尊重すること
 ではないかと思っています。それはまた、社会生活の基本である、人
 間と人間のつながりを大切にすることではないでしょうか。他人への
 思いやりや心遣い等を考えたら、尊重するという意味合いは相手に対
 して礼儀(マナー)を尽くすことではないかと思っています。   
                                
  相手のエラーに大きな歓声や、派手なガッツポーズは残念ながら今
 やどこにでも見受けられます。この態度のどこに相手を慮る行為があ
 るのでしょう。これではスポーツではなく、ルールが定められた喧嘩
 に近い不快感を覚えます。大学生には競技や練習で自主性を尊重して
 いますから、統一的にマナーを徹底するのは大変でしょう。そうなる
 と底辺にある中・高校生への徹底がまずは望まれると思われます。 
                                
  渡辺先生が目指す「理想の部活動」も恐らく選手に対して、勝敗の
 重要さもさることながら、人間として成長されることを、そしてその
 基礎として部活動が支えられるならという思いではないかと憶測して
 おります。先生のページにはマナー問題でリンクが張られていますの
 で、ぜひご訪問されてご一読頂ければと思っております。     
                                
  この問題は、一朝一夕に修正されるものではありません。しかし、
 やらなければならないのも事実です。しばらくこの問題に焦点を充て
 て考えたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 
                       
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第100号

2010-05-19 09:10:31 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第100号

16/06/2

 ”百の頂きに登れば                    
    百の喜びがある”                    
               ー日本百名山:深田久弥ー 
                                
                                
  創刊号を発信したのは、平成13年9月20日で100号まで2年
10ヶ月かかりました。これからも長期間続くとは考えにくいので節目
 と言うのはおこがましく、100号まで来たんだという素直な驚きの
 想いが強い感じです。これも読者各位とメルマガ発行元各位のご尽力
 と心からお礼申しあげます。これから先は、読者各位に引っ張られて
 進みたいと考えております。よろしくご支援ください。      
                                
  冒頭の文言は、学生のチャレンジ精神を高揚させようと指導メモに
 使用したものです。解釈の仕方はいろいろありますが、私はチャレン
 ジする気持ちの大切さを知って欲しいと思ったのです。たまたま10
 0号となり思い出したので記載しました。メモの形式でいままでに溜
 め込んだ資料を分析しながら展開して参りましたが、少しでも読者各
 位のお役に立ったなら幸せに思っております。          
                                
  さて、100号の記念については、スポーツには欠かせない戦略と
 戦術について、名著クラウゼヴィッツの「戦争論」をご紹介したいと
 思います。いま懐かしい思いで眼を通しておりますが、まずはクラウ
 ゼヴィッツの考え方を素直に記述し私の個人的な解釈は遠慮したいと
 考えています。                        
  

<スポーツ名言集 (47)>
 ------------------------------ 
  着眼大局 着手小局                     
                     ー升田幸三 名人ー  
 ------------------------------ 
                                
  将棋や囲碁の世界では常識と言われている言葉ですが、これほど戦
 略と戦術について簡単明瞭に表現されているものはないでしょう。着
 眼が戦略であり、着手が戦術との判断でお読みください。     
                                
  将棋や囲碁も勝敗を明確にすると言う点ではスポーツと同じです。
 身体は動かさなくとも、長時間対峙しながら競う状態はかなりの体力
 消耗があり、スポーツと大差はないと思われます。        
                                
  特に心理面の闘いは、スポーツとは異なり記憶のウエイトが高くな
 り、瞬間的な動きで勝敗を左右することはないと思われます。それだ
 けに緻密な頭脳の回転が必要とされ、それらを含めてこのような言葉
 に集約されるのではないでしょうか               
                                
  武道にも同じような言葉を拝見しました。剣豪千葉周作のモットー
 は「心・気・力」であり、「心」とは敵を広く全体を見ること。相手
 だけを見るのではなく、闘いの場と時間の流れの中で相手を大局的に
 みることと示唆しています。                  
                                
  「気」とは、ここを打とう、あそこを突こうと、場と時間の流れの
 中で瞬時に思うことを指し、相手に打たれるのは自分に迷いがあるか
 らと看破しています。また「力」とは、その「気」が思うところを自
 在に出来るための力を指しているようです。
<戦略と戦術>
  クラウゼヴィッツ著  「戦争論」  岩波書店 上下2巻   
                                
  戦争は、その本来の意義から言えば、闘争である。闘争こそ、広い
 意味で戦争と呼ばれているところの多種多様な活動を貫いている唯一
 の有効な原理だからである。ところで闘争はまた精神的および身体的
 諸力の調和的活動であり、この活動はもっぱら身体的諸力によって遂
 行される。しかし、この場合に精神的諸力を除外することは許されな
 い。心の状態は戦争において使用される諸力に決定的影響を及ぼすも
 のだからである。                       
                                
  闘争は武器と装備とを、闘争の性質に適合するように規定した。す
 るとこのように規定された武器と装備とは、逆に闘争の仕方に変化を
 与えるのである。こうして両者の間には交互作用が成立する。それに
 も拘らず、闘争そのものは依然として独特の活動である。まして闘争
 の本領が極めて独特の領域、即ち危険と言う領域にあることを考え合
 わせるならば、かかる本領においてのみ行われる闘争はますます独特
 の活動でなければならない。                  
                                
  闘争における戦争指導には、まったく種類を異にする二通りの活動
 が生ずる。即ち第一は、個々の戦闘をそれぞれ按配し指導する活動で
 あり、また第二は、戦争の目的を達成するためにこれらの戦闘を互い
 に結びつける活動である。そして、前者は「戦術」と呼ばれ、後者は
 「戦略」と名づけられるのである。これをより具体的に展開するなら、
 「戦術」は、戦闘において戦闘力を使用する仕方を指定するものであ
 り、「戦略」は、戦争目的を達成するために戦闘を使用する仕方を指
 定する。                           
                                
  このように戦略と戦術とは、空間的および時間的に互いに交渉しあ
 う二種の活動であるが、しかし、また本質的に異なるものでもある。
                                
  戦略の旨とするところは、戦争の目的を達成するために戦闘を使用
 するにある。それであれば、戦略は全軍事的行動に対して、戦争の目
 的に相応するような目標を設定せねばならない。言い換えれば、戦略
 は戦争計画を立案し、所定の目的に到達するための行動の系列をこの
 目標に結びつけるのである。即ち戦役は、個々の戦役の計画を立て、
 またこれらの戦役において若干の戦闘を按配するのである。    
                                
  戦略における重大な決意には、戦術におけるよりも遥かに強固な意
 志を必要とするといえば、あるいは奇異に聞こえるかも知れない。し
 かし、戦争がいかなるものであるかを戦略と戦術との関係において熟
 知している人には、このことは疑いのない事実である。      
                                
  戦術においては、事態は刻々に変化するから、将帥はあたかも渦巻
 きの中に引き込まれているかのように感じるわけである。もし彼がこ
 の渦巻きを乗り切ろうとすれば、極めて危険な結果を招くことは明ら
 かである。それにも拘らず彼は、さまざまな危惧の念の募るのを努め
 て抑制し、勇を鼓して闘争を遂行すればよいのである。      
                                
  これに反して戦略においては、一切が緩慢に経過するから、その間
 に将帥ならびにその部下の心に生じる危惧の念、外部からの異議や非
 難、更にまた詮無い後悔の念等が、戦術におけるよりも遥かに甚だし
 く心を煩わすのである。更にまた戦略においては、戦術におけると異
 なり、自分の目で直接に見ることとの出来るものは、精々事態の半ば
 に過ぎない。それだから将帥は、自余いっさいのものを推測し推定す
 るよりほかに途がなく、したがってまた確信も揺るがざるを得ないの
 である。こうして大方の将軍は、まさに行動すべきときに臨み、理由
 のない危惧の念に悩んでついに好機を逸するのである。
<ひとこと>
前段で申しあげましたように、「戦争論」から単純に抜粋したに過
 ぎません。その意図とするものは、テニスの指導の中で心理面の必要
 性が言われているにも関わらず、なかなか定着していない現実を憂う
 ため、その根本となる「戦略」と「戦術」の基本的な考え方を振り返
 るのも良いのではないかと思ったからです。
◇◆<お知らせ>◇◆       
                               
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第99号

2010-05-17 08:10:15 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第99号

16/06/10

                                 
  今年の全仏テニスは波乱一杯の感じでした。それだけ選手の実力が
 僅差である証拠かもしれません。アンツーカー・コートでは意外なこ
 とが起きると聞いてますが、それにしても今年の全仏テニスは意外な
 展開でした。                         
                                
  シングルスは男女とも同一国の対戦、これも珍しいでしょう。それ
 も男子はアルゼンチン、女子はロシアという組み合わせが、いままで
 にないものを醸し出しています。特に男子のガウディオの2セットダ
 ウンからの挽回は現場にいたら鳥肌が立ったでしょう。しかも、ノー
 シードからというのも驚異です。それこそ誰にでもチャンスはあるわ
 けです。コリアが痙攣のためと書かれていましたが、それは結果論で
 ガウディオの価値が変わるものではないでしょう。        
                                
  一方女子は、エナン、ウイリアムズ姉妹等が次々と敗退し、ミスキ
 ナとディメンティエワに決勝が回ってきたわけですが、男子と違って
 第6・第9シードであれば、あり得ない対戦ではなかったと思われま
 す。しかし、驚いたのはその決勝のスコアです。6-1・6-2には
 びっくりしました。これでは完敗ですね。このシード間でそれほどの
 差を生じるものでしょうか。                  
                                
  ミスキナは、身長174cm・体重59kgの体格で他国の選手の
 中では華奢に見えるのではないでしょうか?日本の選手では比較にな
 らない体格ですが、遠く及ばないと言うほどの違いはありません。そ
 れで頂点に立つことが出来たのは、やはり卓越した運動能力もあるで
 しょうが、勝負強さではないかと思われます。          
                                
  いままでのようにサーフェイスの違いだけでもなく、超越したパワ
 ーで薙ぎ倒していたウイリアムズ姉妹が不調だったとはいえ、それに
 勝るものが確実に勝利を得た事実を踏まえて、今後のテニスが如何に
 あるべきかを熟考する必要があると思われます。ただ、単に練習をす
 れば良いという技術面のみの習熟では限界があることを知るべきです。
                                
              

<スポーツ名言集 (46)>

                                
 ------------------------------ 
  何をやるにしても、絶対に必要なもの、            
   それは何をやるか選んで、                 
  それを愛し、夢中で取り組むことです。            
                  -ナディア・ブーランジェ- 
 ------------------------------ 
                                
  スポーツだけではなく、すべて人間が取り組むものに必要な言葉で
 はないでしょうか。最近の傾向としてあまり詮索せず、自分にあって
 いるかどうかも判断せず、簡単に着手する場合があるように思われま
 す。この文章をしっかりと把握して欲しいです。         
                                
  夢中で取り組むためには、俗な表現ですがそれに惚れ込まなければ
 駄目です。そこで初めて活路が開けるものと思っています。それには
 最初が肝心であり、次の段階では寝食を忘れるほどの熱中さが必要と
 なるのです。だからこそ、一芸に秀でる人を輩出できるのです。  
                                
  故ケネディ大統領も同じような表現をしています。       
 「やるべきことはやる。自分がどうなろうとも、いかなる障害・危険
 圧力があろうとも、これは人間道徳の基本である」        
                                

<コーチ雑感>


  全仏テニスの男子シングルス決勝を振り返ってみます。     
                                
  □ ガウディオ優勝の足跡:                 
  準々決勝 第12シード  ヒューイット   3-0     
  準決勝  第 8シード  ナルバンディアン 3-0     
  決 勝  第 3シード  コリア      3-2     
  <決勝スコア 0-6・3-6・6-4・6-1・8-6>   
                                
  試合の経過は以上の通りですが、決勝のスコアは何方もこのような
 勝ち方があるのかと思われたでしょう。しかも、互いに分けた4セッ
 ト終了後それぞれ相手に許したセット数は「3」「5」いわば完勝に
 近いものです。その二人が最終セットで8-6というスコア、如何に
 二人が死力を尽くして闘ったかが分かります。          
                                
  しかし、私が注目したいのは戦いの本場ではなく、周辺の状況につ
 いてです。一般的にアンツーカー・コートは足への負担が少ないとい
 われています。その中で世界の名選手が、痙攣で充分な動きが出来ず
 それが原因で敗退するのは稀有のことではないでしょうか。やはり、
 最近のテニスではスピードを重視するがために、硬いサーフェイスを
 使う頻度がその要因と思われます。               
                                
  身近な例ではプロ野球があります。人工芝になって、見た目は軽や
 かですし、晴雨にあまり関係なく使用できますが、スパイクが滑りな
 がら(急激な停止)止まらないため、足の筋肉を傷めてしまうのです。
 ショックアブソーバーがないだけにダイレクトに衝撃を受けますから
 充分気をつけなければなりません。               
                                
  しかも、テニスの場合は瞬発力を必要とするほど頻繁な細かい動き
 が多いですから、足への負担は更に激しいものとなります。この状態
 が続くために身体を痛めてしまうのです。最近顕著なのは、フォーム
 が未熟のままヒッテング・ポイントだけをうまく捕まえれば何とかな
 ると言う安易な方向へ移行する傾向も懸念されます。       
                                
  私は、学生に対して、硬めのサーフェイスでは練習しないように指
 導していますが、結局はラインを引いたり、コート整備を必要としな
 いサーフェイスを要求するようです。困るのは自分ですが、どうもそ
 のような意識は希薄で楽が良いのかなと思ってしまいます。これらは
 指導者が半強制的に実施しなければならないもので、選手の自主性に
 依存していたのでは解決できないと思われます。         
                                
  不思議なもので、一度痙攣を経験するとその呪縛から逃れるのは至
 難の業と思われます。なぜなら、疲労すると一番に現れてくるからで
 す。経験がなければ足全体への疲労となりますが、疲労部分に一番に
 現れますからどうしようもないのです。私は一度も経験がありません。
 幸いにして、学生時代アンツーカーもしくはクレー以外での試合経験
 がないからです。                       
                                

◇◆<お知らせ>◇◆       
                               
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第98号

2010-05-16 08:08:32 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第98号

16/05/31

                                 
  全仏オープンが始まりました。エナンが早々に敗退しある意味での
 楽しみを失ってしまいました。続いて、杉山も同様の状態で寂しいこ
 とですが、浅越が元気で活躍しています。それにしてもロシア勢の活
 躍は見事と言うしかないですね。特にシャラポワは弱冠17歳です。
 日本でも早く若手の進出を期待したいですね。どうして育たないのか
 どうして育てないのか?一字違いで局面は変わります。      
                                
  小畑が1回戦での敗戦はアレッという感じでしたが、応援していた
 だけにそのコメントにはがっかりしました。テニスの基本は時代の変
 遷でどのようなサーフェイスに変わろうとも、クレーコートではない
 かと思っています。このコートで基本をみっちり習得しないと他のサ
 ーフェイスには付いてゆけないと思っています。しかし、苦手のクレ
 ーだから負けたと言うのは残念でなりません。          
                                
  日本のトップにいる選手が相手であれ、コートであれ、苦手を作っ
 てはならないと思います。同じ条件で闘って負けたのであれば、それ
 はコートのせいではなく、実力ではないでしょうか?負けた悔しさで
 認めたくないのかも知れませんが、コートサーフェイスにあった技術
 の発揮で勝敗が決まったわけですから、戦略・戦術の相違も含めて負
 けを自覚すべきです。他に原因を求めてはいけないと思います。  
              

<スポーツ名言集 (45)>

 ------------------------------ 
  的は変わらない、弓も変わらない。              
   変わるのは感情です。                   
  だから、心の鍛錬をしっかりやります。            
                  ー弓道7段 オブライエンー 
 ------------------------------ 
                                
  スポーツマンの真髄とも言えることを、衒いもなく語ったのはイギ
 リス人弓道家でした。英国で弓道を教えている彼の言葉には非常な重
 みがあります。実際に映像で、心の修行のため座禅を行っている彼の
 姿に清々しいものを感じました。心の問題を段取りの目標として追求
 している姿は、外人と言う枠を超えて素晴らしさを覚えます。   
                                
  その時の彼の言葉を追ってみましょう。            
 「稽古のたびに新しい自分を発見できる」何をするにも目標の設定が
 大事です。それに対していまの自分がどうあるのかを知るべきです。
 新しい自分を発見できるのはこの考え方が基本にあるからであり、レ
 ベルアップの程度を発見することも可能なのです。稽古を真摯に行っ
 ていれば感じるものではないでしょうか             
                                
  「一途な精進」弓道の真髄を知ることで外国人にもこのような言葉
 が使えるのです。最近のスポーツ界では死語に近いと思われる言葉が
 彼から聞かされるのは不思議な感じがありますが、何事も道を究める
 言動に民族の違いなどないんだという思いを強くします。     
                                
  「結果を求めず、平常心で対処する」             
  「的を意識せず、無心で弓を放つ」              
  心の鍛錬として、日本の武道には”座禅”があります。近くの寺院
 で行われる座禅に何度か早朝参加したことがありますが、いまほどの
 関心もなく過ごしていました。しかし、最近になって私の恩師の著作
 をじっくり読むようになった自分を発見しています。心の感情を自分
 の意志で調整できるなら幸せだと思います。           
                                

<コーチ雑感>

 (高校経験者を迎えてのコメント)
                                
 <フォーム>                         
 1)スイングでボールのインパクトが「点」であり「線」になってい
  ません。これは分けて使えば効果が出るものです。長いストローク
  には「線」で短いストロークには「点」と言う風にです。    
 2)素振りの感触を忘れないようにスイングしてください。そうすれ
  ば今までと違ってボールが伸びると思います。もし、それでもボー
  ルが短くなるようなら、躯の上下動があるからでしょう。    
 3)フォームは試合中そんなに変わるものではありません。多分に精
  神的なものがあります。このままでは試合中に自信を失いますから、
  いまの自分を信じることに注力してください。         
                                
 <サーブ>                          
 1)軸足である左足が動けば、躯の捻りを使えない原因になります。
  今のフォームを変える必要はありません。ただ、確実性をプラスす
  るために、スピンを掛ける練習をしてください。        
 2)左右への打ち分けは手先でしてはいけません。左足の位置で方向
  を決めてください。                     
 3)もっと簡単な方法はトスの位置を変える方法です。この問題点は
  フォームが自分のものになっていないと崩れる恐れがあります。 
 4)フォームは良いです。もう少しグリップを薄くするとスピードが
  増すでしょう。スイング自体がリズミカルですから、威圧感を与え
  ない、すなわち相手にタイミングが合ってしまうのです。自分では
  エースが取れるはずなのに取れない場合によくあります。    
 5)相手も試合に勝とうと必死ですから、タイミングさえ合えば多少
  のスピード位では返球は難しくないものです。         
 6)今後の課題は、サーブにメリハリをつけ、更に力をタメめること
  が必要です。                        
 7)インパクトの瞬間に右足が前に出るのは問題です。また右足が前
  に出るのが早すぎます。                   
                                
 <ストローク>                        
 1)ボールをベルト辺りから下では絶対に打たないくらいの気持ちが
  必要です。いろいろなショットを身につけたいのであれば、グリッ
  プは薄くするかグリップチェンジを考えてください。      
 2)練習は試合のための練習をしてください。力任せに打ってはいけ
  ません。                          
 3)試合で必要なのは、いかにエラーを少なくするかであり、華々し
  いラリーの応酬を夢見てはいけません。しかも試合である以上、勝
  たねばなりません。そしてそのためにどうしなければならないかを
  考えてください。コントロールショットに心がけてください。  
 4)打球点が低いから、ボールをコントロールするためにフォロース
  ルーでリストを使うようになります。             
 5)練習中にあまり目一杯に打たないことです。それより相手のボー
  ルをいかにうまく処理するかを考えてください。        
 6)練習課題として、ライジングボール・スライス・ドロップショッ
  ト等いろいろあります。いずれも膝の動きがすべてに影響しますか
  らよく認識してください。                  
 7)高いボールにはラケットを立てることを覚えてください。今のよ
  うにすべてレベルスイングで打つとリストを使うようになります。
                                
 <試合形式練習で感じたこと>                 
   練習で試合に使うテクニックを習得するべきです。そのためには
  チャレンジする気持ちを躊躇しては駄目です。よく言われるように、
  試合で闘う相手は、当面の相手ではなく自分自身であるを忘れては
  いけません。                        
                                
 1)ダブルスと言う意識があまりにも希薄です。ダブルスはあくまで
  も二人が役割分担をしながら進めていくものです。ですから「シン
  グルス」+「シングルス」であってはならないのです。あなたから
  すればパートナーをカバーするつもりでしょうが、パートナーの区
  域を侵害しすぎます。                    
                                
 2)パートナーを上達させるのは、あなたの大きな責務でしょう。い
  ろいろとチャレンジさせなければいけません。しかし、カバーの度
  合いが大きくなると、パートナーの動きが止まってしまいます。少
  々のエラーは眼を瞑って我慢してください。          
                                
 3)センターに出てサイドを空けています。癖になっているのでしょ
  う。これは、かなり意識をして空けないようにしないと、同格もし
  くはレベルが上なら簡単にポイントを取られてしまいます。また、
  パートナーが未経験ですから、あなたがセンターに位置すると行き
  場所がなくなります。そのときの不安な気持ちを考えればそう簡単
  にセンターへシフト出来るものではないはずです。       
                                
 4)作戦面で気になったのは、あなたの考えが「並行陣」か「雁行陣」
  かが鮮明になっていません。ですから、ネットにつく状態が自分の
  感覚に頼っているだけのようです。パートナーとよく打合せをして
  ください。勿論、作戦ですからいろいろなパターンを使うのも悪く
  はありません。しかし、パートナーがそれを認識していないと作戦
  の成功には結びついていかないのです。            
                                
 5)技術面では、やはりバックスイングが大きすぎます。これでは、
  スピードボールに殆ど食い込まれるでしょう。もっとコンパクトに
  スイングすることが必要です。                
                                

◇◆<お知らせ>◇◆       
                               
   <まぐまぐ>
   http://www.mag2.com/m/0000076260.htm
   <メルマ>
   http://www.melma.com/cat/00000316/
   <ブログ>
   http://blog.goo.ne.jp/loveall_2010
                                 
  ◎ 発行者 : 遠藤 侖允 (えんどう みちまさ)     
  ◎ メール : yaendou@po4.oninet.ne.jp


第97号

2010-05-15 07:36:55 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第97号

16/05/20

                                
   新聞に「公立高校の部活が危うい」というテーマでシリーズ紹介
  がありました。予想外にその原因がも文部科学省であり、最高権力
  者の校長にあると聞いて驚いています。これでは部活動が上手く行
  くわけがないでしょう。頭だけ大きい歪な人間を育ててどうするつ
  もりでしょうか?                      
                                
   そのうち、私立高校にスポーツ界は席巻されるでしょう。私など
  は先輩から学業と運動の両立が出来なくてスポーツをしているなん
  て言えるかと酷く叱られたものです。時代の変化で、いまは何事も
  トップがその気にならないと絶対に為し得ないと思われます。しか
  も部活を担当している先生の残業は付かず、中には本来の仕事に精
  出せと叱正される場合もあるようです。            
                                
   現実として私がコーチをしている私立高校では、担当の先生が練
  習に参加するケースは極めて少ないです。これは部に対する情熱が
  ないのではなく、他の業務処理が多くてとても参加できないのが現
  状のようです。それを見て、これでは懸命に努力している選手が可
  哀想だと思ってしまいます。私立でもこのような状態ですから公立
  では思いやられます。                    
                                
   私が心配していたのは、指導者の不足ではないかと思っていまし
  た。何故なら先生を指導者と位置づけるのは無理があると思われる
  からです。それを要求し、なお勉学もと言うのはスポーツを馬鹿に
  しています。これでは副業になるのは眼に見えているからです。今
  後の方向としては先ず指導者の確保でしょう。それもただ気持ちだ
  けではなく、メンタル面も含めた力量が必要だと思われます。  
              

<スポーツ名言集 (43)>

 ◇◆<スポーツ名言集 (44)>◇◆◇◆◇◆         
                                
 ------------------------------ 
  基礎が完成しなければ                    
    その先の応用はありえない                
                  -ある指導者の言葉からー  
 ------------------------------ 
                                
   早く上手になりたい、これはどのスポーツを志す人にも当てはま
  る同じ思いではないでしょうか?それにつけこむように即効法が氾
  濫しています。確かに基礎ほど退屈なものはありません。それは変
  化がないからです。それだけに基礎の繰り返し指導を受けていて、
  果たして自分は上手になるのだろうかと疑問を持ちます。    
                                
   しかし、応用は基礎がベースになるからこそ、より秀でたものに
  なるのです。変化は基礎があるから可能となるのです。これを指導
  者がしっかり身に付けておかないと、選手は方向を間違えることに
  なります。名選手の言葉に感動するのも、それは経験を踏まえてい
  る発言であるからです。同じように縁の下の力持ち的存在である指
  導者の言葉にも変わらぬ重みがあるのです。          
                                
   日本人の肩書重視がどこから始まったのか分かりませんが、肩書
  きにはとても弱い一面を見ることがあります。だから余計にそれを
  自分の宣伝に使おうとして披露するのでしょう。その結果が有名選
  手の言葉や教えを金科玉条として崇めるようになるのです。人の教
  えに経験値を加えて昇華させれば、素晴らしい理論が生まれるのじ
  ゃないかと思います。                    
                                
   そうではなく、その教えを鵜呑みにしては、自覚のない選手を育
  てることにならないでしょうか。有名選手の言葉どおりに、教えど
  おりにしていれば、いつかきっと上手になると錯覚するのです。そ
  の言葉は経験を踏まえているから重みもあるし、役立つものがある
  のは確かです。しかし、自分はあくまでも自分ですから、それを忘
  れてしまっては自分は育たないことを自覚しないといけないのです。
                                

<コーチ雑感>

 
 (女子大選手へのコメント)  
                                
   いままでにボールに集中していて周りが分からなかったという経
  験がありますか?サーブをしようと構えてから相手の準備ができて
  いないのを知ったという経験がありますか?ローボレーのとき膝頭
  を擦りむき出血していたのを注意をされるまで分からなかったとい
  う経験がありますか?これらはいずれも「あがる」状況とよく似て
  います。                          
                                
   あがっている状況では、ボールが見えていませんから打球に勢い
  がありません。勢いがないというのは相手を圧倒することが出来な
  いのです。すなわち圧倒出来ないでは相手に勝つことは不可能です。
  このようにあなた達も集中力を増すことで、かなりのレベルアップ
  が期待出来ます。技術的には遜色ないものを持っています。まだま
  だ表面に出ていないのですが、それを引き出すのが集中力なんです。
                                
   先ず、Aさんのフォアです。スポーツの基本として「バランス」
  と「柔らかさ」が要求されます。これが観る人をして安心させるの
  です。形が安定しているから安心して見ていられるのです。あなた
  に不足しているものは「柔らかさ」なんです。これは本質的に身体
  が固いのではなく充分に修正が可能です。力強さとはまた違います。
                                
   もし納得しないのなら試してください。同じフォームでハーフロ
  ブが打てますか?同じスイングで打てますか?打てるようなら私の
  見方が違っていたわけです。いまの状態なら出来ないと思います。
  この解決策としては身体の回転で打つようにしてください。ラケッ
  トを振るという意識が強いのです。このためボールが変化したり、
  攻められると手打ちになってしまうのです。          
                                
   次ぎに、Bさんのサーブですが、私の考えているものに近付いて
  来ています。一度に変えるのはとても危険ですから徐々にですが、
  もう少しというところです。伊達さんのフォームにしたいと聞いた
  ときは困ったなと思いましたが、これもあなたが自主的に変えるの
  であればそれも仕方ないとは思っていました。いろいろ挑戦してい
  る中でそれなりの収穫はあったのではないでしょうか。     
                                
   先日フォームを検討しましたが、あのフォームを固めてください。
  あとはトスとのタイミングです。それで大まかには完成です。後は
  練習でフォームを固めてください。いずれにしても、かなりスピー
  ドのあるサーブが期待できると思います。問題はフォームの崩れで
  す。あなたの場合は「柔らか」すぎてフォームが固まるのに時間が
  掛かることでしょうか?Aさんの逆の現象ですね。       
                                
   もう一つの修正点として、A・Bさんともストロークでボールを
  落しすぎです。Bさんのフォアはダブルハンドで、高めのボールを
  上から叩くようにしていますが、それ以外では概ね低いです。いま
  少し打球点を上げるようにしてください。女子のテニスも段々スピ
  ードアップしています。技術の進歩はラケットの変化に直接影響さ
  れています。グランドストローカーよりネットプレーヤーに変りつ
  つあるのです。この現実を的確に把握しないとトッププレーヤーに
  はなりません。                       
                                
   このような変化に伴い戦術も変ってくるのです。これからは角度
  (アングル)のテニスが要求されるようになるでしょう。アングル
  ショットを有効に打つためには当然高めのボールが捌けなくてはい
  けません。それに加えて足の活用でしょう。素早いフットワークと
  的確なボールの予測これらが出来て始めて対抗できるのです。  
                                

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