◇◆テニスのメモ帖◇◆ | 第402号 | 平成27年7月15日 |
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<女子テニス ウインブルドン大会> | |||
今年のウインブルドンは面白いです。世界ランキング20位のガルビネ・ムグルー サ21歳(182cm 73kg)スペイン。高速サービスで全仏2年連続8強入り で特長はサービスのポイント獲得率が高いことです。 試合後の談話で「これまで猛牛のように沢山の練習を積んできた」とあり、ある大 会でシャラポラと対戦し6-1/5-7/1-6で敗戦し、このような試合を経験す ることも大事であり、もっとメンタルを向上させなければとのコメントでした。 今回の女子シングルスでは、このムグルーサが決勝ではNo.1のセリーナ・ウイ リアムズと対戦することになりました。最近の成績は拮抗していますが、勢いだけで 優勝出来るほど簡単なものではないと思われます。 確かに結果は、セリーナ・ウイリアムズが6-4/6-4でムグルーサを破り6回 目の優勝となりました。スコア的にも内容的は拮抗していると思われますが、最近の 傾向として試合の進捗が男子と変わりなくなり面白さも半減しそうです。 身勝手な判断ではないかと思いますが、フィジカル面での違いが勝敗を決めるのは 些か寂しいものです、今回もその点の際立ち方は半端じゃないです。サービスキープ が主体でしたが、試合を見ていてラリーの少なさに疑問を感じます。 サービスのポイント獲得率が高いのも体格が立派になれば当然とは思いますが、そ れに終始する内容が増えれば観衆の離脱にも影響するのではないかと心配です。男子 と同じ様にラリーへの争いに持ち込むべきでしょう。 その打開策としては、試合展開の変更ではないかと思われます。今回の場合でも素 早いものはなく、サービスを打ち込めば殆どポイント獲得率は高くなるので、次での 素早い展開が期待できない状態です。 不安面として、試合の展開がサービス主体となれば、いよいよストロークへの関心 も薄くなることが心配です。男子と違ってサービス&ボレーの展開になることはない と思われますが、今後については注目してしたいです。 正直もっとラリー戦に持ち込むことを考えないと、身長が他を圧倒する選手が優先 されるスタイルになるのは避けたい思いが強いです。やはり自分のポジショニングを 考えながら相手に対応する方法を考慮すべきと思われます。 現状のセリーナを考えるとき、4大大会の成績が30程度あるのも問題と言えば問 題でしょう。しかし、女子でありながら180キロ近いサービスを叩き込まれては、 これに対抗するのは普通の技術では困難な状態ではないでしょうか。 これらに加えて、セリーナのコートマナーも疑問です。彼女のポイントを獲得する たびの咆哮に近い態度は嫌味を感じます。彼女の気持ちも分からぬではないですが、 やや一方的なその行為はチャンピオンとして冷静に行動して欲しいです。 その度に思い出すのが、試合中どのような場面でも表情一つ変えなかったクリス・ エバート。別称でアイス・ドール(氷の人形)とも言われていました。選手を引退し てからのコメントを聞くとチャンピオンの立場を認識して居たのを感じました。
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<後輩のテニスについて> | |||
最近の後輩選手の練習を見ていて気づくのは、どこまで懸命に練習しようとしてい るのか首を傾げる感じが強いです。福田先生の過去の戦評等を読んでいると、余計に その真剣さに疑問符が残ってしまいます。 今の部活は学業との兼ね合いがあり、練習の内容は極めて希薄ではないかという感 じを受けます。勿論、在学中に法文学部卒業ではなく、テニス部卒業と皮肉られた先 輩の後を引き継ぐ必要はありませんが、寂しくないかと言う気持ちがあります。 先日、後輩たちが阪神地区へ遠征し試合で頑張ったようですが、その成績は完敗で した。その成績を見て暗澹たる思いでしたが、私の気持は相手としての選択疑問もあ り、自己判断があまりにも雑だなとも感じました。 勿論、試合による技術面やメンタル面の獲得がなければ意味はありません。そのた めにも練習に対する心構えが試合に反映されなければいけません。福田先生は練習の 内容を「馬鹿馬鹿しいと思われる練習」と喝破しています。 先述のムグルーサも、セリーナ・ウイリアムズに初めて勝利したとき表現されたの がその試合内容ではなく、彼女が語った「これまで猛牛のように沢山の練習を積んで きた」と言うことでした。練習が自分をその場に居させてくれた感謝でしょうか ただ、残念ですが今の後輩には練習に対してそこまでの執念は無いようです。勿論 学生として学業は疎かに出来ません。しかしそれは周知のことであり、テニス部に所 属する以上は双方に対し懸命に頑張って欲しいのです。 学業を主体とし、その間に流れる時間をテニス練習に添えて、それが試合で表面化 して成績を挙げられるなら言うことはないのです。一時は練習が半端じゃないからサ ークル活動でのテニスを楽しみたい時代もありました。 私の卒業後はこのブログでも紹介しました。当時当地の女子高コーチとして担当し 以後は数校の高校や大学を担当しました。私立は、高校でも大学でも学業より運動競 技への関心は高く選手も優遇されています。 反面、競技の成績が主体となるためコーチのプレッシャーは大変です。確かにコー チから考えると、中学や高校から優秀な選手が来れば、学校の立場は良くなりますか ら選手探しに終始するのも頷ける面があります。 しかし、大学となれば過酷な入学試験がありますから。私立のように若干の余裕は なく中途半端な結果とならざるを得ないのです。それだけに優秀な人材を獲得する道 は決して優しいものではないのです。 このような周辺の環境は厳しいものがありますが、真摯に立ち向かって欲しいのは 両立の完成・達成です。その苦しさの中でへばっても立ち上がり目標貫徹の気持ちを 成就させて欲しいのです。 余分になりますが、先日数年振りに部コートを訪ねました。オムニコートが2面新 設され周辺の部活の環境整備がなされていましたが、近づいて見てクレーコートの周 辺に雑草が勢いを増していた現状は寂しかった思いです。 いまでも変わらないと思いますが、競技者にとって競技する場所は「道場」ではな いでしょうか?コートへ入る前に頭を下げる選手がどれほどいるのでしょう。自分を 育ててくれる道場に雑草を育ててはいけません。 スポーツ選手の大切なものは、フィジカル面やテクニカル面ではないと思います。 今後更に強調されるのはメンタル面と思われます。これらは個人個人の問題です。立 派な指導者に指導を受けても自分の問題と受け止めなければ成長はないです。 |
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◎ 発行者 : 遠藤 侖允 (えんどう みちまさ) ◎ メール : yaendou@po4.oninet.ne.jp |
◇◆テニスのメモ帖◇◆ | 第401号 | 平成27年7月1日 |
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<テニス評論についての今昔> | |||
最近のテニス評論は、昭和30年代とは大きく異なっています。先ず、その違 いはテニス雑誌発刊があります。当時は諸先輩が新聞紙上のコラム欄での評論が 多く見られました。それを金科玉条として受け入れていました。 ただ、現状でも雑誌としての独自性は無く、選手の連続写真を扱うことで雑誌 を手にする選手は、その具体性に惹かれると思われますが、緒先輩の評論と比較 してテクニカル面の記事が多く、メンタル面の少なさに差を感じます。 テクニカル面では個人差があまりなく、逆にメンタル面ではコート上の動作と して気に入らないのが、錦織の余裕が無くなった時ラケットをコートに打ち付け る行為、奈良くるみのガッツポーズに現れています。 このメモ帖でも再三に亘って述べていますが、競技相手を尊重していたらこの ような態度は取れないのが常識ではないでしょうか。諸先輩のアドバイスでは、 その度に注意の勧告がありました。 先述のゼスチャーでも相手は不愉快ではないかと思います。勝負の世界では相 手が居るから今の自分が居るのです。精一杯戦うことで二人の存在を明確なもの にするのです。決して忘れてはならないのではないでしょうか 福田先生のテニス一途の想い・・・ 当時の毎日庭球の総評から 先生はいつでも記者席に座って試合に見入っていたようです。息子のように 若い記者にも丁寧に挨拶し邪魔にならないように、ひっそりとゲームを見入って いたそうです。殆どの試合に参加されていたとか・・・。 大正11年当時早稲田大学の学生だった福田先生は、クオータファイナルで慶 応大の原田武一氏と当たり、5セットの試合を行いこの強敵を破り、日本選手権 の第1回優勝者となったのです。 この活躍は、当時「合理性が力に勝った」ことを実証したものとして長くテニ ス史に記憶されたのです。その理由は、慶応のウエスターンに対して早稲田のイ ースタンの対決と言われていたからです。 福田先生が日本のテニス界に残した功績は戦績ではなかったのです。それは日 本人として初めてイースタングリップを身に付けたことです。当時は軟式テニス 出身者が多く創始時代は例外なくウエスターングリップだったのです。 新しいグリップに慣れるには、ともかく古いテニスを一応自分のものにした選 学生がエイトに残ったのは3名だった。例え技術で負けても体力的には負けな <全国高校庭球 総評> プレーの内容は一年ごとに進歩していると言って差し支えない。女子すらひと
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<テニス・佐藤次郎氏の自殺について> | |||
理由は不明ですが、平成27年度のウインブルドン大会を迎えて、地方紙の中 で佐藤氏の自殺時の遺書が発見されたという記事内容でした。因縁を感じたのは 佐藤氏の自殺時期が26歳、今年錦織が25歳であることでしょうか 佐藤氏は戦前ウインブルドンで4強となるなど、国際的に活躍しながら193 粘り強いフットワークを最大の持ち味とし、フランス人選手アンリ・コシェの
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<最近の錦織情報 NHK放映> | |||
「やりたいプレーと勝つプレーが違う」と語った錦織が選んだ道は?錦織自身が
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<日本選手の世界ランキング 6月15日付> | |||
■女子では、米国在住の17歳、大坂なおみが英国の5万ドル大会準優勝で167位 までランキングを上げた。クルム伊達公子は201位に後退した。 ◆男子シングルス 5位(---) 錦織 圭(日清食品) 90位(---) 添田 豪(GODAIテニスカレッジ) 101位(△5) 伊藤竜馬(北日本物産) ◆女子シングルス 58位(▼1) 奈良くるみ(安藤証券) 95位(△1) 土居美咲(ミキハウス) 143位(△1) 江口実沙(北日本物産) 158位(△2) 日比野菜緒(フリー) 165位(△1) 穂積絵莉(エモテント) 167位(△30) 大坂なおみ 171位(▼1) 尾崎里紗(江崎グリコ) 175位(△2) 桑田寛子(島津製作所) 182位(△4) 波形純理(伊予銀行) 201位(▼51) クルム伊達公子(エステティックTBC) ◆女子ダブルス 38位(---) クルム伊達公子(エステティックTBC) 48位(---) 青山修子(近藤乳業) 109位(---) 波形純理(伊予銀行) 伊達は今年のウインブルドンでは予選で敗退。ランキングも200位を超えて |
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