テニスのメモ帖

テニス好きが嵩じて、いままでのコーチ経験から書き綴ったものです。少しでも役立てばと願っております。

第95号

2010-05-13 08:12:51 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第95号

16/04/30

                                
  思ったより早く修復作業を終えることが出来ました。ご迷惑をお掛
 けしました。ゴールデンウイーク・大型連休とは全く関係のない五月
 上旬となりました。                      
  第95号としてお届けします。                
                                
  後輩から大学選手権のファイナルに出ることになった、との連絡を
 受けて応援に出掛けました。特に女子の場合はここ数年独壇場でした
 が、今年もかなと言う期待がありました。しかし、レベルが落ちたの
 でしょうか?また周囲の状況でしょうか?何故かコートからファイナ
 ルと言う緊迫感は感じられませんでした。これは、出場選手の心構え
 の問題ではないかと思われました。プレーに真摯さが不足しているよ
 うで、見るものを引き付ける必死さがないと思いました。     
                                
  いままでにない気持ちの整理がつかないまま、フルセットに入った
 試合でしたが、とうとう我慢しきれずコートを後にしてしまいました。
 ファイナルといえば、その時期のトップを決める大事な試合です。し
 かし、エラーをしてはがっくりし、やる気を失ったような態度をコー
 トサイドから見えるようでは言葉がありません。何だか寂しい思いを
 抱きながら帰途につきました。                 
                                
  プレーで気になったのは、アンフォースド・エラーが多過ぎること
 でしょうか。フォーティンーラブから挽回され、デュースに持ち込ま
 れたのが何度あったでしょう。勿論すべてのポイントを失ったわけで
 はありませんが、メンタル面の弱さをつくづく感じました。得意のフ
 ォア・バックの逆クロスをどうして肝心のところで温存するのでしょ
 う。これは決め球であるはずなのに打つ必要のないところで打ったり、
 打つべきところで打たないのは自分のパターンが出来ていない証拠で
 しょう。                           
                                
  勝負に勝つためには、自分の攻守パターンを持っていないと勝てる
 わけがないのです。それが顕著に現れるのが、サービスとレシーブで
 す。攻撃であるべきサービスを、いとも簡単に落とすのは理解に苦し
 みます。どうして2ndサービスが入らないのか?入らなければどう
 するべきか?何故考えないのでしょう。これは練習の時にその考えに
 いたらなかったと思われても仕方ないのです。          
                                
  どうも、本気で考えないのだろうかと懸念されます。確かにコート
 の中を縦横無尽に走り回っているのは見て取れます。しかし、ボール
 に対して自分の身体をどのようにすれば良いのか?フットワークにし
 てもボールに届いた時点では身体が崩れています。それではボールに
 届いたと言うだけで、自分のイメージ通りに打つのは不可能です。こ
 れは上半身に異常な力が入っているスタイルのためです。下半身の大
 事さをもっと認識して欲しいです。               
                                
  強くなって欲しいと思うだけに、虚脱したような態度でプレーされ
 ると腹立たしい思いが募ります。実際に苦しいんでしょうが、それで
 もファイナルまでやる体力はあるのは事実であり、それをもっと有効
 に使う気持ちにはならないのだろうか?苦労して勝つより楽をして勝
 つことを覚えるべきだと思います。それには相手の弱点を突き自分の
 特徴を生かしたプレーに徹底することだと思います。       
                                
              

<スポーツ名言集 (42)>

 
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   できると思えば、できるのです。              
    できないと思うから、できなくなるんです。        
                      -K・アッシュ-  
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  自信のない選手に、新たなテクニックの習得にチャレンジすること
 を勧めると「そんなこと出来ません」と、簡単に答えてしまいます。
 どうしてやる前から出来ないと決め付けるんだろうと不思議でなりま
 せん。スポーツを志す場合、このように消極的な気持ちでは試合前に
 負けていると同じじゃないですか?もっと自分の力を試すべく頑張っ
 てみようとする気持ちを持ち続けて欲しいです。         
                                
  出来るか出来ないかはやってみなくては分かりません。やれるかな
 と思う前にやれる状況を自らが作り出さないといけないのです。その
 ために先ずしなければならないのは、場面々々でどれだけ集中できる
 かではないかと思います。集中することで雑念を追い払い、チャレン
 ジから生じる不安を拭い去ることが出来るのです。        
                                
  スポーツだけではなく、一般社会でもこの言葉はよく使われます。
 それほど人間がその気になれば、やって出来ないことはない証明と思
 われます。何事も簡単に諦めないで、粘り強くチャレンジするように
 心がけて欲しいものです。そうすれば成功と言う栄光を手にすること
 が出来るのです。                       
                                

<コーチ雑感>

                                
  (遠征へ行く選手へのメモ)  
                                
  試合に望んで必要なことを書いておきます。まず、気持ちで大切な
 のは、試合で闘う相手とは、当面の相手ではなく自分自身であるとの
 自覚が必要です。                       
                                
 1、試合に際して心に銘記すべきは、「プラス思考」で望まなければ
  ならないのです。その内容は「この試合に勝つ」ただ、それだけで
  す。しかし、その気持ちが強くなりすぎると、逆にプレッシャーと
  なってあなたを束縛します。そのプレッシャーから抜けるための方
  法は、「集中する」この一言に尽きます。そして、その状態を更に
  効果あるものにするのが「リラックス」です。         
                                
 2、試合前自分の気持ちの中で「・・をしないようにしよう」と思う
  のが一番いけないのです。「エラーをしないようにしよう」とか
  「ダブルフォルトをしないようにしよう」と考えるのは、あなたの
  気持ちを「マイナス思考」にしてしまうからです。試合中メンタル
  面で一度マイナス思考へ入ると抜けるのが大変です。      
                                
 3、試合への取組み方は、良いものを持っています。それは、絶えず
  考えながら行動しているからです。ゲーム中のプレーが自分の思う
  ようになるのはもう少しの辛抱です。特筆できるのはレシーブでの
  ロブ返球です。これは見事としか言いようのないものです。タイミ
  ングよいロブの使い方は大きな武器になるでしょう。今後はどのよ
  うなサーブに対しても出来るように練習してください。     
                                
 4、サーブは集中出来ていると思います。かなりの確率で入っていま
  した。結果を考えすぎないで、サービスの動作に集中することに注
  力してください。いまのスイングで気になるのは僅かです。集中す
  るために力みがなくなるには、あと一歩ではないかと思われます。
                                
 5、ストロークでは、打ち込もうとするあまりに力が入り過ぎ、打っ
  た瞬間躯が伸びています。これでは体重が右足に残り、スムースな
  身体の回転が行われないのでボールに力が入りません。あくまでも
  躯が沈み込むような感じにならなくてはいけません。高いボールは
  身体を伸び切って打つのではなく、ラケットを立てる感じでヘッド
  をうまく利用してください。                 
                                
 6、悪ければ悪いなりに、何とかゲームを組み立て出来るようになり
  ました。それとあなたがどの程度意識しているか分かりませんが、
  ボールに対する執着心は高まってきたと思います。これは地道な練
  習から得た貴重な財産ではないでしょうか。一気に新鮮なあなたが
  芽生えたとも言えるのです。                 
                                
 7、メンタル面への苛立ちが多すぎます。自己反省なんでしょうが、
  試合中にそれを追及していたら試合どころではありません。過ぎ去
  った内容を試合で振り返っても役にも立ちません。過ぎ去った現実
  は試合後に反省の材料とすべきで、その場ではすべて忘れてくださ
  い。それよりも新たに起こる現実に、新たな気持ちで立ち向かわな
  くてはいけないのです。もう自分の手元には返ってこないものを、
  くよくよ思い煩うべきではありません。すべて割り切ることです。
                                
 8、ゲーム中のアドバイスを受け過ぎです。勿論先輩であれ同輩であ
  れ応援しているのはあなたに勝たせたい、勝って欲しいと思ってア
  ドバイスをしますから、それを無視するのは失礼です。しかし、忘
  れてならないのは、プレーをするのはあなた自身です。コートチェ
  ンジはアドバイスを聞く時間ではないのです。テニスは細かいプレ
  ーが分断されるスポーツですから、如何に集中力を持続させるかが
  大切なのです。だから、選手はこの時間を使って気持ちを集中させ
  ているのです。                       
                                
 9、コートに入ったら変身しなければ駄目です。信じるのは自分しか
  ありません。勝負以外は、すべて断ち切るべきです。勝負に徹して
  ください。勝負師の目付きは怖いといいます。それはその勝負に集
  中しているからなのです。                  
                                

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  ◎ 発行者 : 遠藤 侖允 (えんどう みちまさ)     
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