テニスのメモ帖

テニス好きが嵩じて、いままでのコーチ経験から書き綴ったものです。少しでも役立てばと願っております。

第296号

2011-03-31 22:35:35 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第296号

11/04/01

<励ましの言葉>

Life must go on
 <スポーツと東北関東震災>     
  震災に遭われた方々への思いは、日本人として他の地区の方々
 も等しく同じだと思います。立場によって直接携われないだけに
 もどかしさを感じます。どうぞ、頑張ってください。     
                              
  そのような立場の人間として何をすればいいのか?苦慮した上
 での結論は、いま置かれている中で最善を尽くすことだと思って
 います。それによって同じ立場にいることを自覚するのです。 
                              
  スポーツを志す人は、スポーツの世界で頑張っている姿を見て
 頂くのが、最高の役立ちではないでしょうか?それだけに、今回
 の高校選抜とプロ野球の開催は良しとすべきです。      
                              
  すべての人が喪に服する態度では、次のステップに入るのが難
 しくなります。街中が、そのようになっての復興は、更に難しく
 なると思われます。                    
                              
  スポーツ紙に、楽天の星野監督の談話が掲載されました。解説
 者時代の癖が残っているのでしょうか?いまは楽天の監督です。
 組織の一員なのです。弁えて欲しいものです。        
                              
  監督がいかに優秀な人であれ、プロ野球組織の一員でしかない
 のです。組織が定めた決定には、潔く従わなければいけません。
 それでないと組織は死んでしまいます。           
                              
  同じ意味で、選手会の立場は違います。会社組織での労組と同
 じであるべきを認識しなければ選手会は成り立ちません。無碍に
 反発すべきではないですが意見は言うべきです。       
                              
  いずれにしても、プロは職業です。他の企業とその内容は変わ
 りないのです。娯楽だから自粛しろと言うのは理屈に合いません。
 その立場で必死になれば思いは通じるのです。        
                              
  今回の震災で、亡くなられた方々の無念の思いは測り知れない
 と思います。と言うより、いくら多弁を弄しても、その方々の思
 いを伝えるのは至難です。ただ祈るしかないのです。     
                              
  迷いに迷っていたプロ野球も、結局は両リーグ同日開催とした
 ようです。これは選手会云々ではなく、同時開催自体が常識的な
 判断だと思います。同じプロ野球として当然でしょう。    
                              
  問題は右顧左眄し、選手の調整に疑問を残した経営者と選手会
 の考え方ではないでしょうか?選手が、開催後充分な調整が出来
 なかったら誰がその責を負うのでしょう。          
                              
  充分な調整が出来ないために、公式戦で実力が発揮できなかっ
 たら誰が責を負うのでしょう。それぞれの立場で、その職を全う
 出来るようにするべきではないでしょうか          
                              
  未曾有の震災に遭われた方々への思いは深刻ですが、いち早く
 それから脱却して、新しい日々を求めなくてはいけないのです。
 震災後の動きを見ていると政治の弱さを感じます。      
                              
  弱さと言うより甘えかも知れません。創志学園の野山主将の宣
 誓は、心打たれるものがありました。「いま自分たちに出来るこ
 と、それは懸命に闘うこと」将にこれに尽きます。      
                              
  甲子園球場も、球児たちを応援するように満員に近い状態でし
 た。これで東北の皆さんは立ち直れると勇気づけられました。互
 いの「絆」をより高めることが出来たのです。        
                              
  いまや「頑張れニッポン」ではなく、「頑張るニッポン」です。
 これで反省すべきは、政治を含めて社会において、組織上部に位
 置するふんぞり返っている「トップ」各位でしょう。     
                              
  大リーグの斎藤選手は郷里が東北です。そのコメントは「語る
 言葉もないが、自分のプレーを見て少しでも元気を取り戻してく
 れるなら嬉しいです」                   
                              
  この言葉を、選手会・両リーグの経営者はどう聞くのでしょう
 か?観客が来るのかと話した星野監督はどうでしょう。斎藤選手
 や野山主将の真摯な姿こそ素晴らしいのです。        
                              
  野球選手が野球に努力するのは当然です。まして、プロ野球は
 参加する選手全員、生活が掛っているのです。見る人には娯楽か
 も知れませんが選手には生活なのです。           
                              
  いまの立場で、どうするべきかを熟考すべきだと思います。す
 べての人が同じ歩みをすべきではないのです。自分しか出来ない
 ことへのチャレンジが鎮魂歌だと思います。         
<ウオズニアッキの実力>
  二日続けて、準決勝と決勝のTV放映を拝見しました。見た目
 では、決して敵うものがないと言うほどの、圧倒的な強さは見ら
 れませんでした。でも、強かったです。           
                              
  先ず、目立つのはサービスの確実性です。ダブルフォルトは殆
 ど見られなかったのです。1stサービスでは、入れるだけで相
 手にプレッシャーをかけると考えたのでしょう。       
                              
  その殆どが、スライス系のサービスと見受けました。コースを
 狙い、決して強打返球をさせない心憎さを感じました。スピード
 も、それほどではなくエースは両試合ともなかったです。   
                              
  素晴らしい安定感があったのはストロークでした。自分からの
 エラー、特にアンフォーズドエラーは相手とは比較にならない少
 なさでした。兎も角相手より先にエラーしません。      
                              
  この相手では勝つのは難しいです。フットワークの素晴らしさ
 は特徴的で、誰でも互角に戦えると錯覚するほどの安定感は、逆
 に相手のプレッシャーを増幅させるのでしょう。       
                              
  2試合の中で、相手のストロークに負けて、タッチが出来なか
 ったのは僅かに数本でした。どこへ打っても返球されるボールに
 相手は徐々に焦っているようでした。            
                              
  これが、本当の強さなんだと感心させられた2試合でした。兎
 も角、アンフォースドエラーの少ない相手くらい嫌なものはない
 です。知らない間に負けた感じでしょうか。         
                              
  恐らく、日本選手にも彼女のプレーを見ていたら、ひょっとし
 たら勝てるんじゃないかと思うでしょう。しかし、あれほどの粘
 りが日本選手にあるでしょうか?              
                              
  あきれるほどの粘りは、やはり練習の結果ではないかと思われ
 ます。バランスの良いフォームから、心込めたボールが打ち出さ
 れていました。それは将に力強さがありました。       
<サービス あれこれ>
  新幹線並みの、スピードサービスを出したカロビッチの試合を、
 早速に拝見しました。ATP WORLD TOURでの AT
 P PARIBAS OPENでした。           
                              
  試合は、ナダルとの準決勝戦でした。試合は5-7・6-1・
 7-6でナダルが勝利しました。サービスエースは6/22で、
 カロビッチが多く、ダブルフォルトは4/2でした。     
                              
  251キロは出ませんでしたが、このフルセットで極端な落ち
 込みが無かったのはさすがと言う思いです。TV画面に関わらず
 スタート時のサービスには驚きでした。           
                              
  あのナダルが、まともに返球で出来ないのです。真上からリス
 トを効かせたスイングは、ロデッイクのドスンと言う感じではな
 く、フォームを駆け抜ける新幹線でした。          
                              
  カロビッチのサービスは、スパーンと突き抜ける感じでした。
 さすがに、第三セットではそのスピードは落ちましたが、芝コー
 スでは真面に返球できるでしょうか?            
                              
  身長208cm・体重104kgの見事な巨体が、インパクト
 では両足が地面を離れています。これでは、物理的にサービスが
 すべて入るような感じがします。              
                              
  基本的な狙いはセンターです。試合中に表示された、2ndサ
 ービスはサービスエリアに落ちてから、2.1mの弾みがあるそ
 うです。日本人の体格では頭の上です。           
                              
  試合運びは、兎も角サービスの威力に焦点があるようで、1セ
 ットを7-5で取りながら、2セットでは1-6は上位にランク
 される選手ではないと思われます。             
                              
  如何にサービスが強くても、試合はサービスだけでは勝てませ
 ん。サービスも、試合経過の中では一つの大きな武器ですが、そ
 れだけで勝てるほど簡単なものではありません。       
                              
  しかし、サービスのスピードは大きな武器に違いないのです。
 背が低い日本人では、鋭角に落ちるサービスは考えられませんが、
 それだけにプレスメントが必要になります。         
                              
  これは、誰にでも挑戦できるサービスの範疇です。どこへでも
 狙える、優位性を発揮しない手はないのです。これを徹底させる
 には練習以外にはないのです。               
                              
  いままでも後輩に言い続けたのが、サービスは一人で出来る唯
 一のものなのです。どうして、それを活用しないのでしょう。確
 かに面白くもない練習ですが・・・。            
                              
  それを面白くするのが自分に合った練習です。単純にサービス
 していたのでは絶対に上達しません。コントロールを重視してテ
 ーマを持った練習をするべきなのです。           
                              
  考えてごらんなさい。試合開始で最初に行うのはサービスなの
 です。身体は待ち時間で冷えています。そんな中で、練習も碌に
 しないサービスが思うように入ると思いますか?       
◇◆<お知らせ>◇◆       
                               
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  ◎ 発行者 : 遠藤 侖允 (えんどう みちまさ)     
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第295号

2011-03-14 20:13:25 | 日記

◇◆テニスのメモ帖◇◆

第295号

11/03/15

  冒頭にご挨拶申しあげます。突然で言葉を失っております。 
  今回の東北関東大震災において、ご不幸にも命を落とされた方
 には心からお悔み申しあげます。              
  なお、ご不明の方々には、少しでも早く互いの連絡が付くよう
 お祈りしております。

<サービスあれこれ>
  新聞報道で、クロアチアのカロビッチがサービスで251キロ
 を出したとありました。新幹線並みのスピードということですが、
 その彼の現在ランクは世界239位です。          
                              
  サービスは、早ければ良いものではないのですが、彼が200
 9年の全仏で、1試合55本のサービスエースを奪ったのは、将
 に驚異的な数字です。                   
                              
  新幹線並みのスピードで分かるのは、プラットフォームに立っ
 て、通過する新幹線車輌の圧倒するスピードは、凄いと言うより
 怖いような思いがあります。                
                              
  同じレベルであるアメリカのロディクのサービスも、その背筋
 力の素晴らしさから打ち出される勢いは大変なものがあります。
 彼も上位ランク維持が大変なようです。           
                               
  勿論、早いサービスが打てるのは誰にでも出来るものではなく、
 それはその選手の特徴となりますし、他の選手より優位であるの
 は間違いないです。                    
                              
  私の拙い経験ですが、同輩のサービスに感心させられた経験が
 あります。決してスピードはないのですが、クロスに打つスライ
 スサーブはレシーブに苦労しました。            
                              
  クロスに低くスライドするサービスは返球が難しく、対応しよ
 うと右へ移動するとセンターから身体に向かってくるのです。打
 ち込む高さでないため余計に大変でした。          
                              
  そのせいか、彼がシングルスで下位にいると、殆どの試合で彼
 がポイントゲッターになっていました。彼のスタイルが、団体戦
 では貴重な存在と認識させられました。           
                              
  やはり、スピードも大事ですが、プレースメントはさらに大事
 だと実感しました。見ていて試合巧者の表現が当てはまるのです。
 サービス優位を有効にした見本です。            
                              
  特に、彼のスライスはデュースサイドからだと、サービスライ
 ンの縦線で、その中央部分をクロスに通過していました。だから
 レシーブではコート外へ移動してしまうのです。       
                              
  これは、トスを低く打球するのでボールは低くスライドするた
 め、そのボールは逃げて行くわけです。それで、サイドケアする
 とセンターからボディを狙う角度で入ってくるのです。    
                              
  いずれにしても、落ち着いてレシーブさせないと言う彼の狙い
 は、そのまま自分の技術とマッチしているわけで、サービスはス
 ピードだけではない理由を理解して頂ければ幸いです。    
                              
  彼から与えられるのは、サービスは早さだけではなく、相手の
 欠点をいち早く見付けだし、今度はそれを徹底的に突いて行く彼
 なりの戦略を感じます。心技一体の精神でしょうか?     
                              
  いま一人は、そのサービスでトップの座を得た同輩です。その
 内容はアドバンテージサイドからのスピンサービスです。彼のス
 ピンはレシーバーをコートから追い出していました。     
                              
  やっと返球しても、オープンコートが広々としているわけです
 から、決めるのは簡単だったと思います。それほど高くバックへ
 撥ねるスピンサービスでした。               
                              
  このように、選手は自分の特徴を持つべきであり、それを練習
 で磨くべきです。テニスを志す選手も多いでしょうが、自分をよ
 く弁えた練習をして欲しいものです。            
                              
  これらを考えて、今後のサービス練習を再考する必要があると
 思われます。基本的な部分は、誰がコーチをしても変わりはない
 のです。大事なのは自分の実力に合わせて考えるのです。   
                              
  サービスの練習で、一番に考えなければならないのは、試合で
 優先権のある2本のサービスを、どうやって生かすかを自分なり
 に考えなければいけないのです。              
                              
  その第一は、ダブルフォルトを極力少なくしましょう。しかし、
 入れるだけではレシーブに負けてしまいます。それではサービス
 の優位を発揮できません。                 
                              
  第二は、プレスメントです。どこからでも狙えるし、ある点か
 らどこへでも狙えるようにするのです。勿論入れるだけでは駄目
 です。それが出来るには練習が必要です。          
                              
  第三は、フラット・スライス・スピンの三種類のサービスが出
 来なければいけません。これがサービスの基本となりますから、
 徹底して練習することです。                
                              
  第四は、バランスの良いフォームの完成でしょう。インパクト
 で如何に注力するかが大切であり、一つ間違えばアンバランスな
 フォームになります。                   
                              
  第五は、三種類のサービスでフォームやスイングを極端に変更
 しないことです。インパクトの、瞬間的な面の活用でボールは細
 かく変化すると認識してください。             
                              
  第六は、サーフェイスを確認する必要があります。クレーコー
 トだけだった頃と違い、サーフェイスでボールは異常なくらい変
 化します。思ったより変化するのです。           
                              
  第七は、いろいろな連続写真が更なるレベルアップを期待され
 ますが、闇雲に信用したりチャレンジしないでください。自分に
 合うかどうかが一番のポイントです。            
                              
  フォームの細かいチェックは、自分で出来るものではありませ
 ん。コーチが居れば行ってくれるでしょうが、それでなければ自
 力で頑張るしかないのです。                
                              
  いまは、プロのスタイルを連続写真等で紹介していますが、こ
 れはあくまでも参考であり、単純に真似をしては駄目です。あく
 までも参考として見るべきです。              
                              
  毎月発行されるテニス雑誌でも、その記事をそのまま受け取る
 のではなく、バランスよく行われている内容を認識するべきです。
 それが真似の本髄だと思います。              
                              
  模倣を軽視してはいけません。模倣は自分のレベルアップに欠
 かせない重要な項目です。自分に合ったものであるかどうかの判
 断が模倣では大事なのです。                
 
◇◆<お知らせ>◇◆       
                               
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