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テニスのメモ帖

テニス好きが嵩じて、いままでのコーチ経験から書き綴ったものです。少しでも役立てばと願っております。

第428号

2016-08-15 19:07:37 | 日記
◇◆テニスのメモ帖◇◆ 第428号 平成28年8月15日
 <メンタル・トレーニングのひとつ>

  よく本番に「強い選手」「弱い選手」と言われることがあります。誰しも本番
 に強いと言われたいのです。スポーツの完成度は「心」「技」「体」の三位一体
 と言われます。この三つのすべてが100%であるべきなのです。

  しかし、余程綿密なトレーニングスケジュールがないと、これらを総括するの
 は至難の業です。アスリートが、頂点を目指して努力するのは綿密なトレーニン
 グの結果として、これらの集大成を目指すからです。

  メンタル面の強化は、その重要性が認識され様々な方法が検討されています。
 この際忘れてならないのは、如何に自分に合ったメンタルトレーニングを実践し、
 それが残された身体と技の進捗に合わねば効果は薄いのです。
 
  試合に勝つことは、その集大成として「心・技・体」がすべてを上回る内容で
 なければならない事実を、しっかりと認識しなければならないのです。それぞれ
 が最高のレベルで三位一体になることが求められているのです。

  忘れてならないのは、これらが独立しているようで独立していないことです。
 人間は過度の緊張があると頭の中が一瞬真っ白になると言います。これでは考え
 ることも話すことも出来なくなります。これが三位一体の理由なのです。

  その表現が身体を使うことのトレーニングなのです。それは身体を鍛えるだけ
 ではなく血流をよくするためのボディマッサージや、ゆっくり時間をかけたスト
 レッチも緊張を和らげるための方法でもあるのです。

  練習においても大事なのは、試合のための技術習得に懸命になることです。そ
 れが試合において実質的な効果を齎すのです。それは試合を想定した練習の充実
 です。イメージトレーニングの大事さが良く分かると思われます。

  それこそが、ただがむしゃらにラケットを振っても、それは自己満足でしかな
 いのです。それをもっと有効にしたいなら試合状況を想定した練習をすべきなの
 です。このように試合を想定する練習が試合を優位に進めるのです。

  ビデオ等が発達し、自分のフォームをチェックして欲しいとの依頼があります。
 このときそれが試合中のものなら良く分かりますが、フォームチェックのための
 ビデオチェックは殆ど意味がないと返答しチェックすることはしません、

  自分の考える理想のフォームで素振りをしても、それが試合で実行されなけれ
 ば自己満足に過ぎないのです、どのような場合でも、試合を想定したフォームの
 改造こそがあなたの勝敗を決定するのです。

  勝負の世界でよく言われることで「見えない敵との闘い」「神懸かっている」
 の表現があります。これに打ち勝つには、やはりメンタル面の充実が必要ではな
 いかと考えます。
 
  本来的なメンタルチェックで、選手が充分にその結果を把握できないのは数値
 化が難しいことにあります。目標の達成が本来の最終目的であるなら。当然なが
 ら具体的な数値が必要となります。それが目標値となるのです。

  これは私も初めてですが、従来のイメージトレーニングで体内に起こる生体反
 応が試合運びに繋がると言われているようです。今後は医学界との関係がより密
 接になるのではと思います。心の目標数値化が必要なのかも知れません。

  この数値化により、試合前後の個人的なデータを集約させれば、それが次の試
 合への強い味方になると思われるのです。このメモ帖の前半でエクセルを使用し
 て作成したメンタルチェックリストをご披露したいと思います。

  このリストを後輩に使用したときの反応で面白かったのは、その結果がその選
 手の性格をそのまま感じることに驚きましたとの言葉でした。ただこのリストは
 後輩のメンタルチェックに使用するためのものでした。

  ここまで書いたとき、日曜日の張本氏のコメントがありました。リオ五輪での
 卓球水谷選手の勝利でのガッツポーズを指摘したのです。これは同意見なので掲
 載させて頂きました。相手を考えることの大切さを忘れてはなりません。

  特に、ガッツポーズで腕を肩より上に持ってきてはいけないと、私が訴えるこ
 とより若干柔らかい点がありますが、相手があっての試合であることを、いま一
 度再確認する必要があるのじゃないですか?

  それがある意味では、ガッツポーズを行わない姿勢を強く持つことに繋がるの
 ではないでしょうか。互いに懸命に努力しその結果は別として終わればノーサイ
 ドで握手すべきなのです。それを更に大事にしたい思いです。

  今回の「心」の問題は、メンタル強化すべきいろいろなことがありますが、や
 はりその基本は相手への思いやりではないかと思います。それが充実していれば
 競技上の勝敗のみをテーマにすることは避けられると思われます。

  さて、リオ五輪は日本選手の活躍もあり、優秀な成績を残しているのは立派だ
 と関心しています。この中で錦織とマレーとの対戦は、あっけない敗戦でした。
 やはりトップ3とは、ランキングを超えた実力差を感じました。

  それにしても、体操での内村選手の逆転劇は実力差と言うより、心の問題では
 ないかと感心しています。それは自分を信じることに徹底しているからで、心の
 強さが自分自身を支えていると思っています。

  その心の強さは、生半可な練習や試合で培われるものではないのです。普段か
 ら地道な練習により身に付くものです。そのような意味からでも心の動きを本番
 で活かせるように頑張って欲しいと思います。



  ◎ 発行者 : 遠藤 侖允 (えんどう みちまさ)     
  ◎ メール : yaendou@po4.oninet.ne.jp


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