映画『ミラクル７号』

ボロ泣きしてしまった・・・



『少林サッカー』『カンフーハッスル』の周星馳（チャウ・シンチー）監督・主演の最新作『ミラクル７号』・・・
以前から映画に登場するキャラクター、宇宙からやってきた謎の地球外生命体＜７（ナナ）ちゃん＞に注目していたので、とっても楽しみにしていた作品です。

チャウ・シンチー作品は初体験で、観る前はもっとナンセンスギャグやオーバーアクションてんこ盛りなのかと思っていて、実はこれまでの作品はどちらかというと観ず嫌いなところもあったのだけれど、今回はマスコット＆ぬいぐるみ＆キャラクターモノ好きなわたしにとってはツボにハマりまくりの予感・・・


謎の地球外生命体＜７（ナナ）ちゃん＞と主人公のディッキー少年（＝シュー・チャオちゃんは実際は女の子！）が出遭ったことで巻き起こる、愛と涙と感動のＳＦコメディー＆ファンタジー♪



中国が目覚ましい勢いで発展しているのは周知の通りだけど、一昨年ドイツＷ杯に行った際にフランクフルトの「モダンアート美術館」で見た、ほんの１０年前にも満たないつい最近の中国の実情を写した写真展にはメチャクチャ驚かされた覚えがあります。
それはまるで日本の戦後まもなくのような光景で、この映画の超ビンボーなディッキー少年＆お父さんのティー（＝チャウ・シンチー）父子が住む家もそんな感じ。

発展と富の象徴でもある近代的な高層ビルの建設現場にティーお父さんは勤めていて、昼夜を問わず働いて無理に無理を重ねて息子を名門小学校に通わせるのだけど、映画ではそのオシャレで近代的な高層ビルと彼らの廃墟のような家との対比など、中国の現代社会のなんらかの歪みみたいのも垣間見られた気がします。

学校ではビンボーであるがゆえにディッキーはいじめに遭っていて、先生さえまるでバイ菌を見るように毛嫌いする始末。。
格差社会は日本以上に広がっているのかもしれないし、そのことによる差別はもしかしたら何十年も前の日本のようなあからさまなことが横行しているのかも。
少なくとも今の日本なら、あんな先生はマスコミに吊るしあげられるはず！（怒）


でもディッキー少年はそんないじめにもめげずに、お父さんの
「貧しくてもウソはつかず、ケンカもせず、一生懸命に勉強すれば尊敬される」
という言葉を胸に、明るく健気に学校に通っているんですよね。

そんな時にこのビンボー父子のもとに現われたのが、宇宙からの謎の生命体ミラクル７号ことナナちゃんなのです。。

ディッキーは最初、ナナちゃんがドラえもんみたいにお役立ちグッズをいろいろ出してくれる万能宇宙犬と思いこむのだけど、意外過ぎるほどナナちゃんはほとんど役に立たない使えないコ・・・（汗）
期待外れだと悪態ついても、期待しすぎた自分の過ちに気付きナナちゃんと友情を育みながら、この小さな生物を守っていくことで精神的に成長していく姿、そしていつしかナナちゃんを介していじめっ子たちとも仲良くなって行く姿が子供らしくて、とても微笑ましかった。。

・・・そしてナナちゃんは父子の本当のピンチの時、人知れず奇跡を起こすのでした。。





このナナちゃんの父子への献身、自己犠牲ともいえる無償の愛、健気でいじらしい姿にメチャクチャうるうるしてしまった。。

奇跡が起きても、誰もナナちゃんのおかげとは気づかない・・・
でも確かに存在する異生物間の友情。。

父子のピンチの後の展開は想像できるものの、演出に全くあざとさがなくて、映画館でこんなにもいつの間にか涙がダーッて流れていたのもひさしぶりです。


そして貧乏だけど悲壮感とかそういうのが全然なくて、健気に明るく生きるお父さん大好きなディッキーと、そんな息子を想うティーの父子の姿、家族愛にもグッとくるものがありました。

「貧しくてもウソはつかず、ケンカもせず、一生懸命に勉強すれば」あんな奇跡も起こるのかも？？
たぶん・・・人知れず奇跡を起こしたナナちゃんの顛末が切なかっただけじゃなく、ナナちゃんとティー＆ディッキー父子があまりに愛おしくて涙が出てしまうんだと思う。
そして、チャウ・シンチーの弱者への優しい眼差しが感じられて、心を打つのだと思うのです。。


周囲のキャラクターも、女の子が男の子を演じたり巨人の女の子が実は大人の男性プロレスラーだったりでメチャクチャ面白かったし、エンディングのあの曲もピッタリ！

そしてなんといっても、ナナちゃんが猛烈に可愛い♪
その仕草と表情と動きと発する声？音？の愛らしさに胸ドキュン！とやっぱりツボにハマりまくりでした。
わたしは特に、いじめっ子たちに促されていろんな表情をして見せるところが大好き♪


最後ディッキーが「自分の今やるべきこと」と勉強を始めるシーンは、なんとなくドラえもんを思い起こさせましたが、そのあとの展開はご愛敬。（ていうか、アレは復活と捉えてよろしいんですよね？）
きっとナナちゃんは、地球人に人知れず“無償の愛”を注ぐことで、地球に平和をもたらしてくれる天使なのかも。


ボロ泣きしてしまったけど、いつの間にか温かい笑いにもなっていて、なんとも清々しい映画だったのでした♪



・・・そんなわけで
ルールーのお気に入り度
★★★★★★★★☆（８５点／１００点満点）
※観る前に懸念していたドタバタぶりは、わたし的には十分に楽しめる範囲。
ナナちゃんと出遭ってからの妄想シーンや、いじめっ子たちとの攻防で見られた特撮やアクションシーンも、セルフパロディっぽくてニマニマしてしまいました。
ナナちゃんグッズが劇場では売ってないのが残念。

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おまけ

ぬいぐるみストラップに続き、ちょっと大きめのぬいぐるみをゲットしてしまいました～
映画のナナちゃんの可愛さには及ばないものの（眼が少し違う印象なの）、居るだけで映画を想い出せてくれてとてもじんわりしたり・・・




もうみなさん知っていると思いますが、ＰＣのデスクトップにダウンロードできるナナちゃん♪→コチラ
放っておくとすぐタマゴに逆戻りで手間はかかるけど、和みます。
怒る表情がまたメチャカワイイ♪ゲームもできるよ。