探し物は・・・

何かを探して見つからない時、悲しくなるけれど
探すものがあるって、それだけで、すてきなこと 

とある写真展に行ってきました

2007年04月18日 | 日々のことなど

先日、新聞である写真展が開かれていることを知り、早速、足を運びました。というのは、15年も前に関西で見に行ったことのある写真家の展覧会だったから。犬が好きという私に「こんなのがあるよ」と友人が教えてくれたのですが、何も知らずに見に行って、すっかり心を奪われてしまったんです。

写真家の名は、エリオット・アーウィット。1940年代から今に至るまで、フォトジャーナリストとして活躍するだけでなく、CM、ドキュメンタリーフィルム、TVドラマ、映画まで手がけています。
私の知っている作品はモノクロのものばかり。人物と犬が中心です。さまざまな場所で、いろいろな人を撮っているのに、そこにはいつも同じ空気が流れているように思えます。見る人によって違う印象を持つ作品もあるでしょうが、彼の写真はどんな人が見ても、同じように感じるんじゃないかと思えるのです。それほどに普遍的なものが1枚の写真の中に秘められている・・・そう感じながら、1枚1枚鑑賞してきました。
こんなふうにご紹介したら、一体どんな写真なの?と思われるでしょうね。でも、1枚の写真を言葉で説明してしまうと、ただそれだけのものになってしまうような気がして、もったいなくて(表現力に自信がないもので)。

今回の写真展は、エリオットファンを自称する日本の著名人51人が、写真集『PERSONAL BEST』(2006年)の中から、それぞれの「ベスト」を選んだという構成になっています。だれもが、1枚の「ベスト」を選ぶことのむずかしさを語っていますが、北野武さんは"この中からどれか一つを選ぶというのは逆に失礼だ。おいしいササニシキから一粒だけ選ぶようなものだ"というコメントだけで、実際、図録の写真を載せるページは空白になっているんですよ。タケシさんらしいですね。("武"違いですが、写真が趣味の金城さんも、きっと知っているんじゃないかなと秘かに思っています
図録は表紙が赤、黒、白の3種類(中は同じ)あって、51人がそれぞれ選んだ写真と、それに対するコメントを寄せている豪華なつくりです。入り口においてあったので、帰りに戻って手に取ったら「どうぞお好きな表紙のものをお持ちください」と言われました。何と無料だったんです。思わず「いいんですか」と聞きなおしてしまいました。だって、15年前は図録が売切れてしまって、買うこともできなかったのに、今回はもらえたんですから。ご機嫌で胸に抱えて帰って来ました。

さて、この写真展が開催された場所はシャネル銀座ビル。ここは金城さんとちょっと関わりがあるんですよ。
「Interview」2005年6月号の写真撮影が行われたのがこのビルです(トップの画像もこの時のもの)。 "Goes to Tokyo with Karl Lagerfeld"という副題の通り、撮影はすべてシャネルのデザイナー、カール・ラガーフェルド氏。ということで、2004年12月にオープンしたばかりのシャネル銀座がスタジオを提供したのでしょう。写真展は4階のホールですが、撮影があったのはもっと上の階のようですね。普段、デパートでも、いわゆるブランドの売り場には足を踏み入れたことがないもので、こんなビル全体が"シャネル"だなんて所にはよほどの理由がないと入れません。今回は写真展という名目があったので、勇気を奮いました。
せっかくだから、建物外観の写真を撮ってきました。

裏手に駐車場入り口があるのですが、そこにも大きなロゴマークが。そして、ガードマンらしき人が黒いスーツに白手袋で二人も立っていました。金城さんがインタビューを受けたところや撮影したスタジオはこのビルの中のどこなのかわかりませんが、少なくとも、この駐車場には入っただろうな、なんて考えながらシャッターを切りました。(これも一応ロケ地探検?
銀座のこのあたりでおもしろいのは、表は新しい高級店が整然と並んで華やかなのに、裏通りには古色蒼然としたキャバレーが残っていること。あまり歩いたことのない細い通りですが、表と裏の違いに目を見張りました。エリオット・アーウィットなら、表と裏の写真を2枚並べそうだな、なんて思いました。
写真展は5月6日までです。入場も図録も無料という大盤振る舞いですよ。興味のある方はぜひ


最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ちょっとピンぼけ (ponちゃん)
2007-04-18 15:58:26
ロバート・キャパの伝記が↑こんなタイトルでした。
キャパの推薦を得た写真家なんですね。
バックミラーに映る笑顔の女性のキスシーン
パリをお散歩中のワンちゃんの一瞬のジャンプ
どちらもいつか見た記憶があるのは
そのくらい有名でフォトカードなど
つい構図が同じになってしまうのでしょうね。

「赤壁」ニュース、今は静かに見守るしかありませんね。
ゆきんこさん、素敵な話題をありがとう。
再来週、国立新美術館で開催中のモネ展に行く予定です。
返信する
芸術の・・・春? (ゆきんこ)
2007-04-18 21:38:07
ponちゃんさん

どこかで見たことがあるという方は多いと思います。雑誌に載ったり、カードになったり。
『我々は犬である』という写真集が手元にあるんですが、これを眺めていると、顔も心も緩んでくるんですよ。
モネ展、混んでいそうですが、ゆっくり楽しめるといいですね。
返信する
ここで先日お食事しました。 (たけまる)
2007-04-18 23:47:52
ゆきんこさん、
ご無沙汰しております。
いつも楽しく拝見しています。
上のコメントで思い出しました。
そういえば、シャネルのビルで撮影したことは頭にあったのですが、それもすっかり忘れていました。
実は先日、このビルの上のレストランでお食事をしました。
『BEIGE』と言うお店です。
アランデュカスとシャネルのコラボで、店内のいたるところに、シャネル製品が。。。
ウェイトレスさんの制服もシャネルのデザインでした。
ゆきんこさんのこのコメントで思い出しました!
もしかしたら、武ちゃんも撮影の後にここでお食事したのかも?????
(勿論VIP待遇で。)
此処なら、周りに気づかれずにお食事が出来ます。
返信する
お久しぶりです 笑 (ゆみ)
2007-04-19 00:53:55
エリオット・アーウィット氏の写真展紹介のサイトにあったエリオット・アーウィット氏の写真を拝見した直後に、
届いたばかりの映画のDVDの箱を眺めていたら、なんと、、、
エリオット・アーウィット氏の顔があるではありませんか!!!
この映画は、『アンリ カルティエ=ブレッソン: 瞬間の記憶』
ロバート・キャパと共にマグナムを設立したアンリ カルティエ=ブレッソン氏のドキュメント映画です。
去年の夏に見たのですが、なんとも言えず心に染み入る良質の映画でした。
先日DVD発売になったので、即購入!
この映画の中でエリオット・アーウィット氏が
「アンリ カルティエ=ブレッソンの写真を見たことが写真家を志すきっかけだった」とコメントしています。
エリオット・アーウィット氏が誰なのか解からずに映画を観ていたので、
ゆきんこさんの文章を読んでも気が付きませんでしたが、
写真を見てピンポン! 写真ってすごいね 笑

なんか嬉しい繋がりでした。
この映画の公式HPは↓です。
http://www.longride.jp/hcb/
自分の心に誠実で正直だからこその、しなやかで強さを合わせもった生き方に深く感動しました。

我らが武王子もそのような生き方を貫く方だと感じる親バカ武迷の私です・・・






返信する
知らなかったご縁がさらに (ゆきんこ)
2007-04-19 05:51:04
たけまるさん

あのお店で食事なさったんですか
私は建物の脇にある入り口でメニューを見つけ、一瞬眺めて立ち去りました。前菜1品でコース分ぐらいのお値段が
でも、絶対外から見えないし、入り口もひっそりしているし、隠れ家みたいですから、ゆっくり食事したい有名人にはいいでしょうね。
私は4階までしか行かなかったけど、上階からの眺めはすばらしかったのでは?

ゆみさん

こちらは、アンリ・カルティエ・ブレッソン氏のほうをよく知らずにいました。チラシにも写真集にもお名前は出ていたのに、斜め読みしていて。
ゆみさんのおかげで、こんなドキュメンタリー映画があることを知りました。去年あちこちで上映していたんですね。全く気付かず、惜しいことをしました。
教えていただいたサイト、週末にもう一度ゆっくりたずねてみたいと思います。

>自分の心に誠実で正直だからこその、しなやかで強さを合わせもった生き方
"しなやかな"というのはぴったりの言葉ですね。がんばりすぎて折れそうになっている人を見るのは辛いけど、金城さんのようにしなやかな生き方にはあこがれます。
返信する