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探し物は・・・

何かを探して見つからない時、悲しくなるけれど
探すものがあるって、それだけで、すてきなこと 

不夜城と三国志

2007年04月10日 | Movie T.K.

きのう、話題が出たので、今日は『不夜城』のあのシーンから。上海マフィアのボス元成貴に呼び出された健一。簡単に自分に手出しができないように先手を打って、台湾、北京のグループと交渉してきたことを指摘され、「『三国志』の人間関係は知っているだろう」と言い返します。それを聞いた元が、健一を『三国志』の登場人物、呂布に例えて「日和見のこうもり」だと揶揄するのです。

今、撮影が始まったばかりの『赤壁』の予習とばかりに『三国志』についていろいろ見たり読んだりしているところなので、この呂布という人物もとても気になります。
『不夜城』のこの呂布に関するやり取りは、原作にはないので、リー・チーガイ監督か、脚本の野沢さんが付け加えたものなのでしょう。このシーンでは「利口者」「日和見」「その日暮らし」と形容されているので、ひ弱そうで、こずるいイメージを持っていました。でも、ちょっと調べてみると、『三国志』最強の武将とも言われ、数々の武勇を誇る"飛将"と呼ばれた人物でした。とにかく、運動神経抜群で、しかも容姿端麗だったということです。ずいぶんイメージが違います
ですが、その一生は、とても美しいとはいえません。自分の主君であった人を二人も殺し、落ち延びて頼った先の劉備玄徳を裏切り、結局は部下の反乱にもあって、命乞いをしたものの曹操に討ち取られたということが"日和見のこうもり "といわれる由縁でしょうか。
これから金城さんが演じる諸葛孔明とは出会うことのない人物ですが、先日見ていた『人形劇三国志』の中で、孔明が一度その名前を口にしました。曹操軍に追い詰められて絶体絶命というとき、孔明が援軍を頼んだ先は海賊。その長が呂布の弟ということを知ってのことで、「兄の裏切りを弟であるお前が償え」と迫り、見事、味方につけるのです。この場面を見たとき、「あぁ、あの"こうもり"の呂布だ」と知っている名前が出てきたことが、ちょっとうれしかったです

『不夜城』では、誰とでも手を組む裏切り者のイメージで使われた呂布ですが、「人中に呂布あり」と賞されるほど群を抜いて美しく強い武将でもあったことを知って、ちょっとびっくり。一人の人物も見る角度によって、さまざまな顔があります。さて、『赤壁』の孔明はどんな人物に描かれるのでしょうね。


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5 コメント

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この目・・です! (みのり)
2007-04-10 21:07:43
こんばんわ。
ゆきんこさんがTOPに貼ってくださった健一の目!!
あのシーンは大好きです。
初めて不夜城を観た時(LOVERS以降にDVDで)、あのシーンの「目」に心臓が止まりそうでした。
エンドロールの最後もあのシーンですよね♪ 
 
ゆきんこさんが書かれてるように、「見る角度」によって「人」って違いますね。
そそ、「演義」、「正史」両方で容姿を褒めてあるのは
「周ゆ」と、「趙雲」、の二人だけだそうです^^(雑学によると、「正史」ではあまり容貌について記載されてないそうなので、この二人は抜きん出た美形だったんでしょうね)

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どきどき・・・ (ミロ)
2007-04-10 22:33:13
ゆきんこさん、みのりさん、こんばんは。

ゆきんこさん、すっかりお礼が遅れてしまい、申し訳ないです。
先日のゲーマーの件、わざわざサイトを教えていただき、ありがとうございました。
何にも知らない世界だったので、びっくり返って、目が点、です・・・

さてさて、私も「不夜城」のこの目、大好き!
その前がへらへらしているから、余計、落差がすごくて
最初観たときは、ほんと、ドッキリ、でした。
この場面の少し前に、ビデオに撮られている、
過去に健一がリンチか何かされてるっぽい画像が出てきますね?
あれもダメ。あまりはっきり見えないからいいようなものの
ドキドキしてしまって、やめて~、って叫んでます(一応、心の中で)。

日本人も、よく、「信長型」とか「家康型」とか引用するように、中国では
三国志から人物評を当てはめて語られるんでしょうかね。
あんなにたくさんの登場人物の中で、引用されるのって、
何人くらいなんでしょう? 
それにしても、三国志、手ごわいです。読み進めているはずなのに、
ちっとも人物の名前が覚えられません・・・
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拾い読みで (ゆきんこ)
2007-04-10 23:36:26
みのりさん

『不夜城』はストーリーが好きなわけではないのに、映画全体に惹かれます。冒頭の健一の背中を追っていく場面、元の事務所を出るときのこの目の表情、埠頭でのシーンなどなど。

ジョン・ウー監督の構想では、周瑜がメインのようですから、見目麗しく描かれるのでしょうね。対する孔明はどんなキャラクターになるのやら。

ミロさん

暗くて何をやっているのかよくわからないけど、痛そうという場面が、一番怖いかも。
想像力が働きすぎてしまうんでしょうね。

『三国志』に関しては、ちゃんと通して読みもせず、まさに拾い読み状態です。それなのに、知ったかぶりをしちゃいけないなと思いつつ・・・
人間関係、利害関係が実に複雑で、頭がこんがらがりますね。まぁ、まだ時間はあるので、ゆっくり攻めてみます。
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やっぱり・・・ (ponちゃん)
2007-04-12 16:11:49
みなさん、こんにちは。
元成貴が健一を呂布に例えるシーンはやはり原作本には
なかったんですね!
どうだったか自信が無くて、やれやれ今度は原作本の復習か、と思っていました。
今読んでいる高島俊男著「三国志きらめく群像」の
呂布の人物評では
腕に憶えの用心棒、さすらいのガンマンである。
縄張りを持つ親分衆に腕を売りつけ、転々渡り行くタイプ。
強いから重宝がられるが、かえって不安でもある。
自分勝手で煙たがられる。とありました。

「三国志」1800年近く読み継がれた物語はそう簡単には
理解できるものではありませんね~。
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1800年 (ゆきんこ)
2007-04-12 23:32:12
ponちゃんさん

原作、一応チェックしました。私も自信がなかったもので。
呂布は"さすらいのガンマン"ですか。夕日をバックに馬で登場しそうですね。赤壁の戦いよりだいぶ前に命を落としてしまっていますから、今度の映画には登場しないんじゃないかな。
1800年前の人物が今もこうして話題になるって、すごいことですよね。
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