探し物は・・・

何かを探して見つからない時、悲しくなるけれど
探すものがあるって、それだけで、すてきなこと 

種田陽平の世界 その7

2010年11月14日 | Movie T.K.

12年前に公開された『不夜城』。
映画祭でのカンファレンスに向けて、事前にスタッフの間で鑑賞会が行われたそうです。
その時、20代のスタッフが「新宿って、昔はこんなに怖いところだったんですか?」と、びっくりしていたとか。
その話を聞いたリー・チーガイ監督は、「僕も年をとったなあ・・・」と一言
「新宿がきれいになって、もう怖くなくなったと聞き、よかったなと思う反面、おもしろくないな~とも思う」のだそうです。

私が東京に越してきたのは、ちょうど『不夜城』が撮影された1997年のこと。それまでは、修学旅行や家族旅行で来たぐらいで、新宿は、この年初めて歩きました。
といっても、新南口のタイムズスクエア付近だけですから、西口も東口も通らず・・・。
歌舞伎町のあたりがどんなふうだったか知りませんし、西口の段ボールハウスも強制撤去のニュースでしか知りません。
もし、何度も通ったことがあって、実際に目にしていたら、『不夜城』という映画の見方が、また違っていたのかなとも思います。
いくらロケ地を歩いてみても、私の眼は、映画の中の世界を探しているだけなので、現実の街をフィルター越しに見ているようなものですね。

ここまで、ノロノロと「映画人の視点~種田洋平の世界~」について書いてきましたが、ラストは、種田さんの素敵な言葉で締めくくりたいと思います。
「今、アジアの中にある距離感を、映画を作ることで越えたい」

今年の東京国際映画祭は、オープニングから、アジアの中の"国"の意識が、軋轢を生む場面も見られました。だからこそ、この言葉が、重く響きます。
映画祭のサイトに、
イベントレポートが出ています


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