375's ROAD TO BOSTON/ゴールは虹の彼方に

米国在住ランナーの究極目標「ボストンマラソン」とアメリカ50州制覇を目指す人生の旅日記。

【大会レポート】ロックンロール・ラスヴェガスマラソン(レース編)

2010年12月10日 | 大会レポート 2010



12月5日(日曜日)、今年最後の大会、ロックンロール・ラスヴェガスマラソンに参加する。

ロックンロールシリーズの大会を走るのは、今回で4つ目。フルマラソンではナッシュヴィル(2007年)、アリゾナ(2009年)、シアトル(2010年)を走っており、ハーフではフィラデルフィア(2010年+フィラデルフィア・ディスタンス・ランという名前だった2006、2007年)を走っている。付け加えるなら、ロックンロールになる前のシカゴ・ディスタンス・クラシック(2007年)も走っているので、何かと縁のあるシリーズということになる。

ロックンロールシリーズはその名の通りマラソンとライヴ音楽の融合を売り物にしているので、1マイルごとのバンドサイトを任されるアーティストはそれなりに質が高く、レース後のヘッドライナーコンサートに出演するアーティストはお客を呼べる知名度の高い人が出てくる。

今回のヘッドライナーコンサートはPOISONのヴォーカル、ブレット・マイケルズ。かなり以前から宣伝されていたので、ブレット目当てで参加したランナーも多かったらしく、そのステージはかつて見たことがないほどの盛り上がりを見せていた。そしてレース前のアメリカ国歌斉唱には、なんとシェールが登場。こちらは事前にアナウンスされていなかったので、完全なサプライズとなり、会場はどよめきに包まれた。まさにエンターテイメントの本場ラスヴェガスにふさわしい大物アーティストの競演。これならエントリー費用が高くなるのも無理はないだろう。

当日の朝は5℃前後の肌寒い絶好のコンディション。午前7時、ストリップ最南端に位置するリゾート、マンダレイ・ベイをスタートし、まずはダウンタウンへの片道6マイルのコースを北上した。

01mile 8分10秒
02mile 8分32秒(16分42秒)
03mile 8分13秒(24分55秒)
04mile 8分08秒(33分03秒)
05mile 8分15秒(41分18秒)
06mile 8分15秒(49分33秒)

ストリップ沿いの巨大リゾート群を眺めながら走る気分は、まさに圧巻。巨大なライオンが目印のMGMグランドで1マイル、1940年代にマフィアが巨費を投じて建設したことで知られるフラミンゴで2マイル、贅沢を絵に描いたような高級リゾート、ウィン・ラスヴェガスで3マイル、と地図も頭に入っている。やや下り勾配なので、飛ばしすぎないようにマイル8分15秒前後に調整して走った。ややさびれた雰囲気のサハラを通過するあたりが4マイル。ここからは南国情緒あるれるヤシの木立ちが幅を利かせるようになる。やがてダウンタウンに到達して6マイル。昔のラスヴェガスの雰囲気が今に残る魅力的なエリアだ。

07mile 8分09秒(57分42秒)
08mile 8分17秒(1時間05分59秒)
09mile 8分14秒(1時間14分13秒)
10mile 8分27秒(1時間22分40秒)
11mile 8分27秒(1時間31分07秒)
12mile 8分27秒(1時間39分34秒)
13mile 8分38秒(1時間48分12秒)

ダウンタウンの中心地フリーモント通りのアーケードの入口を通過し、今度は南方向への折り返しコースとなる。いったんストリップウエストに迂回してから8.5マイルあたりで再びラスヴェガス・ブールバードに合流。ここからしばらくは反対方向のダウンタウンに向かっていくランナーがすれ違っていくのを左手に見ながらの展開になる。

10マイル過ぎで、突然ものすごい爆発音が聞こえる。ミラージュの火山噴火のアトラクションだった。通常は暗くなってから行なわれるものだが、マラソンの日に関してはランナーへの景気づけのために特別に日中でも火山を噴火させてくれるらしい。

このあたりから、やや上り勾配になってきたこともあって、ペースが8分30秒近くまで落ちてきた。できればハーフまで8分15秒前後を維持し、前半を1時間47分台でまとめることができれば理想的なのだが。それでも決して悪くないペースで、想定より2分ほど遅い1時間49分09秒で中間地点を通過した。

14mile 8分49秒(1時間57分01秒)
15mile 8分27秒(2時間05分28秒)
16mile 8分42秒(2時間14分10秒)
17mile 8分57秒(2時間23分07秒)
18mile 7分58秒(2時間31分05秒)
19mile 8分16秒(2時間39分21秒)
20mile 8分38秒(2時間47分59秒)

ハーフのランナーはそのまま出発地点のマンダレイ・ベイに戻ってゴールとなるが、フルのランナーはひとつ手前のリゾート、ルクソールの南側を回って、そのまま西方向の郊外へ追い出される形となる。ここからが正念場。13マイル前後で最初の橋越え、14マイル付近でもうひとつ橋越えがある。そこからしばらくは平坦な道が続くが、16~17マイルはだらだらした上り。ペースも9分ぎりぎりまで落ち、気がつくと3:40のペーサーがすぐ後ろまで迫っていた。

そこで折り返してからの18マイル目は下り勾配を利用して思い切りスパート。この日最速ラップの7分58秒を計時し、3:40のペーサーを引き離したように思えたのだが…

21mile 8分39秒(2時間56分36秒)
22mile 8分32秒(3時間05分10秒)
23mile 9分24秒(3時間14分34秒)
24mile 9分27秒(3時間24分01秒)
25mile 8分39秒(3時間32分40秒)
26mile 8分54秒(3時間41分34秒)

18マイル、そして19マイル過ぎまでは、ルクソールの黒いピラミッドをめがけて下っていく気持ちのいいコース。このまま一気にゴールまで飛ばしていきたいところだが、そうは問屋がおろさない。真っ直ぐ行きたいのに突然右へ曲がり、また右へ曲がり…とやたらクネクネしたコースに付き合わされる。それでも22マイルまでは8分30秒台のペースを維持し、自己ベストも狙える範囲に踏みとどまっていたが、23マイル目でついに9分台のデッドポイントを迎えてしまった。引き離していたと思った3:40のペーサーが真横に現われ、すーっと追い抜いていく。必死で食いついて行こうとしたがダメだった。差はみるみる広がり、あっという間に手の届かないところに遠ざかってしまった。「今回もやられたか…」つくづく3:40のペーサーは手ごわいと実感する。

それでも25マイル目は下り勾配だったこともあり、8分台まで息を吹き返した。そして最後の橋越えを経て、ようやく待望の大通りに戻ってくる。マンダレイ・ベイの最後の直線コースを全力疾走。大歓声と自分の名前を呼ぶアナウンスの中、ゴールゲイトに到達した。

Finish Time 3時間43分14秒

自己歴代3位。2010年に関してはナイアガラを27秒上回り、年間ベストとなった。

23~24マイルにかけての失速があったものの、前半ハーフ(1時間49分09秒)と後半ハーフ(1時間54分05秒)の落差は4分56秒に押さえており、一応合格圏内と言えるかもしれない。有終の美というほどではないにしろ、一年最後の「締め」としては満足してもいい結果だった。ただ、3:40のペーサーには勝ちたかったという思いも残るので、嬉しさ半分というのが正直なところだろうか。

大会そのものは予想以上に素晴らしかった。実は全米・全世界のマラソン大会を参加ランナーのコメント付きで紹介している「marathonguide.com」での評価はそれほど高いものではなかったので、過度な期待はしていなかったのだが、少なくとも、運営上での問題は見当たらなかった。スタート会場へのアクセスも近くのリゾートに宿泊すれば楽だし、コースも後半が多少クセ者であるとはいえ、攻略不能というほどではない。何より大物アーティストの登場でこれだけ盛り上がれば、文句のつけようがないだろう。

エンテメ派としては、ぜひとも押さえておきたい大会のひとつであることは間違いない。


★スタート会場に着いたのは、まだ朝焼けの残る午前6時過ぎ。エルヴィス軍団をはじめとして、なぜか仮装ランナーがたくさん集まっていた。


★スタート30分前になると、すっかり明るくなってきた。南国ムード満点の大型リゾート、マンダレイ・ベイの壁面が黄金色に輝き出す。


★アメリカ国歌斉唱で登場したのは、なんと大物歌手のシェール(「VEGAS」の「S」の字の上にいる)。会場はどよめきに包まれ、歌い終わるとひときわ大きな歓声が湧きあがった。


★ゴールに向かうエルヴィス・コスチュームのカップル。


★女性ロックスターも快走。


★フォーマルウェアで走るカップル。


★同じNJ州から参加のアヤ姫&カール王子と記念の一枚。


★エルヴィス軍団に対抗する美ジョガー風ロックンローラーということで、ブラック&ホワイトで決めた。


★レース後のヘッドライナー・コンサートにはブレット・マイケルズが出演。


★熱唱する白いカウボーイハットのブレット・マイケルズ。最後まで手拍子と歓声が鳴りやまない。


★フランク・ショーターのメッセージ入りゼッケンと、トランプ型の完走メダル。

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