韓日条約締結50周年に際しての市民社会共同記者会見文
不法侵略と植民地支配及び賠償に対する国家的・法的責任に顔を背け、
また再び軍国主義復活と戦争の道を行こうとする安倍政権を糾弾する!
―― 屈辱的韓日条約を廃棄し、「慰安婦」、強制徴用・徴兵、韓国人原爆被害問題の解決に乗り出せ! ――
今日は、韓日基本条約と請求権協定締結50周年にあたる日である。今日を迎える我々の思いが錯綜することこの上ないのは、韓日条約締結により両国の国交が正常化されて50年が過ぎようとするのに、日帝(日本帝国主義)の侵略と植民地支配を清算出来ていないためであろう。さらに安倍政権が、新ミサイル防衛協力指針と安保法制の改定により、軍国主義復活と韓(朝鮮)半島の再侵略を企てている昨今の状況が、一刻も早く日本の侵略と植民地支配を清算することにより、国家の正統性を正しく打ち立てなければならないという切迫した歴史的課題を、我々に投げ掛けているからであろう。
それ故我々は、不法な日帝の侵略と植民地支配に免罪符を与え、慰安婦性奴隷、強制徴用·徴兵、韓国人原爆被害の問題等に対する賠償に顔を背けた韓日条約を廃棄し、植民地支配の不法性と責任を認め、これを賠償する新しい条約と協定を締結することにより、非正常で歪曲された韓日関係を正すことを、安倍政権に強く要求する。併せて、軍国主義の復活と再侵略の道を断念し、善隣・互恵的な韓日関係を樹立することにより、韓日が東北アジアの平和と韓(朝鮮)半島の平和統一の牽引車になれる道に、積極的に乗り出すことを要求する。
日本は、侵略と植民地支配についての不法性と責任を認め、速やかに賠償に乗り出せ!
韓日基本条約と請求権協定締結以来、日帝の植民地支配清算の道は、根本的に封鎖されて来た。日本は、韓日基本条約第2条(「大韓帝国と日本帝国の間で締結されたすべての条約と協定は、もはや無効」)を根拠にして、植民地支配を合法的なものだと主張して来ており、請求権協定第2条(「両国及び国民間の財産、権利及び利益と請求権問題が・・・完全かつ最終的に解決」)に基づいて、植民地支配に対する賠償を回避して来たからである。
しかしこれは、ビルマ、フィリピン、インドネシア、ベトナム(南)が、日帝の侵略戦争の責任による賠償を受けたのと比較して、非常に屈辱的である。また慰安婦、強制徴用・徴兵、韓国人原爆被害者たちも、日本政府から賠償を受けられずにおり、植民地支配の被害者たちが出した、日本政府と三菱など戦犯企業を相手に起こした賠償訴訟も、請求権協定第2条を根拠に、日本の法廷はもちろん韓国の法廷においてさえ、毎回敗訴に遭ってきた。
冷戦体制の瓦解と植民地国の民主化の影響によって、方向転換的反省と謝罪を込めていると言う「河野談話」や「村山談話」でさえも、日帝の侵略と植民地支配を合法的なものとして前提しており、韓日基本条約と請求権協定を脱皮できずにいる。
しかし日本の植民地支配が、「韓日強制併合条約」等の締結過程で、批准権者である大韓帝国皇帝の花押さえ欠落し、条約に関する批准書もないなど、日帝の武力示威と威嚇等の強迫によりなされたものであり、国際法上無効であることを指摘することは今更だ。
それ故、韓国大法院(最高裁)は、2012年に、日帝の侵略と植民地支配及び賠償回避を、韓国憲法に違反する不法で反人道的なものとする判決を下すことにより、韓日基本条約と請求権協定に弔鐘を告げた。日帝の侵略と植民地支配の不法性を盛り込み、賠償責任を規定する新条約と協定を締結し、時代の要請に応える新たな韓日関係を樹立することを要求しているのである。
それ故我々は、時代錯誤的な韓日基本条約と請求権協定等を廃棄し、新しい条約と協定を締結し、反歴史的な日本の侵略と植民地支配の過去の歴史を早急に清算し、新しい時代を開いていく新しい韓日関係の樹立に乗り出すことを、安倍政権に今一度強く要求する。
日本は、軍国主義復活と再侵略を断念し、東北アジアの平和と韓(朝鮮)半島の統一に、責任を果たせ!
米国は、第2次世界大戦後、大小の冷戦体制を構築しつつ、戦犯国日本を東アジア冷戦体制の拠点にするため、日本の侵略戦争の責任と賠償を免除してやるサンフランシスコ条約を締結した。
さらに米日は、韓国に、サンフランシスコ条約に基づく韓日基本条約と関連の4つの協定の締結を強く勧告し、これを成就させることによって韓国を日本の安全保障の防波堤にし、日本を中心とした冷戦体制を完成させることができたのであった。
他方で、韓日基本条約は、韓国だけを韓(朝鮮)半島の唯一の合法政府として認めることによって、韓(朝鮮)半島の対決と分断の状態を支えてやり、一層固着させている。従って、日本は、過去の植民地支配を清算する義務と共に、解放後70年間、韓(朝鮮)半島が南北対決と分断の状態を脱することが出来ないように堰き止めて来た責任も、併せて負わなければならない。
しかし、日本の安倍政権は、違憲である集団的自衛権行使と新ミサイル防衛協力指針と関連安保法制の改定を通して、韓米日の3角ミサイル防衛網と軍事同盟の構築を企み、アジア太平洋地域の盟主の座と韓半島の再侵略を狙っている。
ソ連に代えて中国を包囲する新冷戦体制を構築し、経済協力に代えて軍事協力を掲げ、韓国を軍事的に日本に服属させながら、自衛隊の韓(朝鮮)半島の再侵略を狙っているのである。これは、サンフランシスコ条約と韓日基本条約によって構築した半世紀前の冷戦体制を再現させようとするものであり、韓(朝鮮)半島と東北アジアはもちろん、全世界の平和に対する重大な挑戦となるだろう。
しかし、軍国主義の復活と再侵略戦争の道の行き着く先は、今一度の惨憺たる敗戦の断崖であるだけだ。広島と長崎の惨状の再現であるだけだ。
それ故、日本が不法な侵略と植民地支配を謝罪し、新しい条約と協定を締結し、和解と平等な韓日関係を樹立し、北(朝)日国交正常化と東北アジアの平和共同体構築に乗り出すことは、韓日基本条約と請求権協定締結50周年を迎える今日、日本の最も緊急の国家的責務であるだろう。
2015年6月22日
勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会
民家協(民主化実践家族運動協議会)良心の囚人後援会
民主社会のための弁護士会(民弁)
4月革命会
社会進歩連帯
全国民主労働組合総連盟
平和在郷軍人会
平和と統一を開く人々
韓日協定の再交渉国民行動
「韓国民主労働組合総連合」ホームページに掲載された文書からの翻訳
原文:http://nodong.org/statement/6961417