薔薇色ファンタジー★ヴェルヴェットの小部屋

色褪せぬ美しきもの・映画・音楽・文学・絵画等。ヴェルヴェット・ムーンのサブchouchouの偏愛日記です。忙中有閑♪

ザ・クラッシュ:THE CLASH / ロンドン・コーリング:LONDON CALLING (1979年)

2013-05-10 | 好きな音楽

 ★今日の思い出のレコード・ジャケットはザ・クラッシュの『ロンドン・コーリング』です。ペニー・スミスによる写真の1979年、3rdアルバムですが、私は80年代に入ってから知りました。1stの『白い暴動』を先に買いました。3枚組の『サンディニスタ!』は定価が高くてなかなか買えませんでしたが、今ではオリジナル作品は全て聴いています。そして、おそらく私の一等好きなパンク・バンドはこのザ・クラッシュだと思います。ピストルズは既に解散していたので当時を知らない。もの凄い衝撃を人々に与えたというお話をお聞きする度に、もう少し早く生まれていたかったな...とも。

MTVでこの「ロンドン・コーリング」のビデオクリップを観たのはいつ頃だったでしょうか。もう釘づけ状態でブラウン管の真ん前で必死で眺めていました。かっこいい!!とサウンドと彼等のルックス、殊にジョー・ストラマーの眼差し、ポール・シムノンの美形さが強烈でしたが、ミック・ジョーンズ、トッパ―・ヒードンの4人から伝わるスピリットが、超平和ボケのシラケ世代の私の心に何かが突き刺さったのだと思います。パンク詩人、ロック詩人が好きです。ジョー・ストラマーは正しく詩人でした。もう亡くなって10年が過ぎましたが、彼等の訴えていた言葉の尊さが、所謂数多のファッション・パンクではない、叫びのような声であったことが今の私には重く深く感じられます。1979年のイギリスは不況のどん底だった。初めての女性首相サッチャー政権が誕生。右派左派、国民が立ち上がり英国を護ったのだと思います。

 

 1982年の来日公演の映像がありました。来日情報は得ていたのですが、まだ門限が夕方6時だった私は行けませんでした。このライヴで、ジョー・ストラマーは「団結」と、トッパ―・ヒードンは「神風」と記されたはちまきをされています。若き青年たちが国のため、愛する家族のために特攻隊として尊い命を失いました。この特攻隊は日本だけのもの。複雑な想いもあるのですが、彼等の青春を無駄にしてはいけないと思います。隣国の反日国はこの映像を観るとまた抗議したりするのでしょうか。馬鹿げています。戦争なんて無くなればいい!でもそんな日は来ない。勝った国、負けた国、其々多くの兵士や人々の命は失われたのです。その人々がどこの国であろうとも、それらの英霊に哀悼の意を表することは、政治的イデオロギーとは別のことだと私は思っています。いつかザ・クラッシュのライヴに行きたい、と思いながら一度も機会は廻らずバンドは解散しました。でも、決して過去のバンドではないのです。ジョー・ストラマーが亡くなる少し前に、ザ・クラッシュはロックの殿堂入りを果たしました。当然ですね☆

  


THE SMITHS / THIS CHARMINGMAN ★ ジャン・コクトーの映画『オルフェ』のジャン・マレー♪

2013-05-03 | 好きな音楽

★今日の思い出のレコード・ジャケットは、ザ・スミス(THE SMITHS)の1983年の2ndシングル、『THIS CHARMINGMAN』の美麗ジャケットです。友人に「Rough Trade」の作品を全てコレクションされているお方がおられますが、私も大の「Rough Trade」好きでしたので、所謂レーベル買い、というお気に入りの英国インディー・レーベルでした。ザ・スミスはモリッシーというヴォーカリストとジョニー・マーという、希代のヴォーカリスト&ギタリストがいるので、日本にも旋風が巻き起こったのでした。アルバムが発売される前のシングルを幾度も聴いていた、あの様な感動は稀な事で、滅多に遭遇出来ない言葉に出来ない心の躍動があったように思えます。

サウンドは勿論なのですが、やはりレコードはジャケットも芸術品です。ご覧ください!この美麗なジャケットに写るのはジャン・マレーです。ジャン・コクトーの1949年の名作映画『オルフェ』のワン・シーンです。私はまるでポスターを買う様な気分で大きな12インチ・シングルを先に買いました。後に7インチも欲しくなり買いました。まだアルバム発売前でしたので運良く輸入盤屋さんで買えましたが、もう少し後からはなかなか入手し難くなっていたと思います。そう云えば、シュガー・キューブスのシングルを買いそびれ、友人に録音して頂いたりしていた事などを思い出します。 スミスやモリッシーのコレクターは大変だろうと思います。彼ら自身がレコードを愛するお方ゆえに、殊にシングルに対する拘りは強く、各国版、収録曲などをチェックしていたら全部欲しくなるからです。コレクター泣かせ、というのでしょうか。

ザ・スミスのビデオクリップを初めて観た折も感動しました。モリッシーはゲイのお方なのだな、うん、それでいい!なんて妙に納得したり。グラジオラスのお花を手に、また映像にも噎せ返るような花びらたち。ジャン・ジュネの小説を読んだ折の気分に似た薫香が蘇るかのようです。 便利な時代です。ジョイ・ディヴィジョンの1980年のシングル曲「Atmosphere」がジャン・コクトーの『オルフェ』と共にありました。このザ・スミスのジャケットに使われた場面も登場します。私の麗人図鑑にもジャン・コクトー、ジャン・マレーはどちらもおられます。それがどうした?って感じですが、幼き頃からジャン・コクトーはたいそう好きな総合芸術家なので贔屓目いっぱいになってしまうのです。

 ※蛇足ながら、まだ英国ほどのスミス旋風が日本に上陸していなかった当初、ある英語力に長けた先輩が「スミスズ」の話題をされていて、後輩の私は何か変だなあ...と思いながらお話を聞いていたものでした。何となくこの場合は「ザ・スミス」だろうって、感覚で察知していたのですが、確証など何も無かったのでした。そうした中、「Fool's Mate」の記事で「ザ・スミス」と記載されたのを読んだ折は、ちょっと誇らしく思えたものでした。

 


歌姫礼讃!★ケイト・ブッシュ:KATE BUSH / バブーシュカ:BABOOSHKA (1980年)

2013-05-01 | 好きな音楽


★28日のイベントで得たこと。何年かぶりにお会い出来た方々とのひと時の会話の中で、その方々が其々に当店との想い出を忘れずにいてくださるということを実感しました。あるお方は高校生の折に初めてVelvetで買ったレコードのことを、そしてあるお方は大学生の折に初めてご来店くださり、その店内にディスプレイしていたフランス・ギャルのレコードのことなど。そして、カウンターには私が居たのだと。かけがえのない財産を私達は得ている。こうした方々のお陰で今も頑なにVelvet Moonで有り得ているのだと感謝しています。

初めて買ったレコードの事って、やはり強烈に覚えているものですよね。私は女性ヴォーカルが大好きで、ジャンルも問わず、様々な年代のお国の女性ヴォーカルを愛好し続けています。その原点は紛れもなくケイト・ブッシュです。『魔物語(Never for Ever)』という1980年の3rdアルバムからがリアルタイム。今はどのケイトの作品も其々に好きですが、もうこのアルバムの衝撃は一生忘れないと思います。何回聴いたでしょう!アルバムのオープニング曲は「バブーシュカ」です。まったく色褪せる事も無く、聴き飽きる事も無い。やはりアート・ロックの系譜はとても好きです。





兄妹或いは双子のようなボウイとティルダの共演!遂に感涙に咽ぶ!David Bowie / The Stars

2013-04-27 | 好きな音楽
David Bowie - The Stars (Are Out Tonight)

★いよいよ明日4/28(日)は、 Velvet Moon presents 『Momus デビュー30周年 スペシャルパーティー』の日。雑務に追われながらも大好きなお仕事です。イベントの準備やご協力くださる皆様との連絡等で慌ただしく明日を迎える前日の深夜。イベントが無事終了したら、ゆっくりと10年ぶりのボウイのアルバムを聴き入り、「ボウイ館」の更新もしよう、と思っていました。けれど、「The Stars」の 映像を遂に観てしまいました。今の私の顔はただただ泣きっ面で情けないもので涙が止まりません。禁断の美に遭遇したのです。実はこの日をずっと待っていました。デヴィッド・ボウイとティルダ・スウィントンは兄妹或いは双子のようなお方で、私の大好きな麗人たち。今はまだ上手く心を綴れませんが、嬉しいです!そして感涙に咽ぶという境地がすう~っと昇華し平静さへと誘う。美の効用。涙のカタルシス♪


リッキー・リー・ジョーンズ:RICKIE LEE JONES / 浪漫:RICKIE LEE JONES 1979年

2013-04-25 | 好きな音楽
★私の「今日の一曲♪」或いは「ジャケットに魅せられて♪」はリッキー・リー・ジョーンズです。「Chuck E's In Love」、邦題は「恋するチャック」でリッキー・リー・ジョーンズがデビューする以前からの、愛しき飲んだくれのお仲間だったチャック・Eのことを歌っていて、その傍らにはトム・ウェイツがいました。この曲は、リッキー・リー・ジョーンズの1979年の1stアルバム『RICKIE LEE JONES』に収録されています。私は80年代に入ってから聴きました。私の思い出としては、先にこの曲をラジオで聴いてカセットテープに録音していたので、すっかり馴染んでいました。その後、毎月レコード屋さんに足を運ぶ中で、このアルバム(LP)を見つけジャケ買い。音楽雑誌で目にしていたものですが、実物が現前したら、このジャケットなら躊躇なく買うでしょう?!私は飛びつくようにこのアルバムを購入して帰りました。日本盤で『浪漫』と題され、このなんとも云えない雰囲気の美しいポートレート。このポートレートは作品、楽曲たちと見事に一体化したものに思います。キャリアの割に寡作なお方ですが、どのアルバムも決して産業主義の中で埋没してしまうものではない高水準な完成度を保ったものばかり。家出娘で放蕩生活をしていたお方がこの『浪漫』でデビューした折は25歳。ちょっと鼻にかかったようなチャーミングな歌声が大好きです。“私の好きな女性ヴォーカル”と云うと、どうしても浮かぶお方です。英国やフランスを中心に聴いていた頃の私にはまだ米国は音楽的に身近ではなかった頃に、このロサンゼルス出身のリッキー・リー・ジョーンズの存在は、女性ヴォーカルへの偏愛が強くなる中でさらに広がりをもたらしてくださったように感じています。そうして、次第に欧州盤より粗雑な感じだけれど安価なアメリカ盤のレコードへの興味も抱くことになってゆきました♪




三好達治 / 郷愁 「三好達治詩集」 より

2013-04-14 | 文学・詩・絵画

海よ、僕らの使ふ文字では、お前の中に母がゐる。そして、母よ、仏蘭西人の言葉では、あなたの中に海がある。

三好達治 「郷愁」

★そろそろ更新しないとデザインが自動的に初期化されてしまうとのお知らせを受けました。候補記事ばかりが積もるのですが、私の「今日の一句♪」は三好達治氏の詩を。音楽は詩であり、詩もまた音楽である、と常に思って聴いたり読んだりしています。人それぞれの感性や嗜好により様々に響く詩(歌)たち。私の好きな音楽傾向は結構広いようで狭いのかも。けれど、好きな文学はかなり偏っています。そして、好きな映画はとても幅広い。何となく自分でこのような傾向を感じることが出来るのは一重に歳月の賜物。どうでも良い薀蓄も頭の片隅に積もってもゆくのですが、それもまた愉しいです。

この三好達治氏の詩は愛しき母国語である日本語と、大好きな異国の言葉であるフランス語の親和性を素朴に歌っています。「海」という漢字の中に「母」があり、「母:mere」というフランス語の中に「海:mer」がある。フランス語入門時に「おお!」と感激した頃が懐かしいです。最近はすっかり勉学を怠っているので、そろそろ三度再開したいなあ...とも。

そうそう、此処は私のお仕事の合間の一服日記になったのでした。そもそも三好達治という詩人を知るに至る所以は、ボードレールの『巴里の憂鬱』の翻訳家としてでした。私の大いなる偏愛文学の多くは岩波文庫(ジュニア含む)等の岩波書店発行もの。高校生頃からドイツ文学、さらにフランスの文学に傾倒してゆき今ものんびり続行中。思えば、フランス文学に限ると何故か新潮文庫、新潮社発行ものが多い様です。そんな個人的な長きに渡るほのかな愛着が岩波と新潮にあります。ちなみに、新書に於いては岩波、中公、講談社の様です。また白水Uブックスは格別な存在でありました。新書好きというので乙女度低し...との説はさもありなん♪

●「巴里の憂鬱」 ボードレール/著 三好達治/訳
「酔え、絶えず汝を酔わしめてあれ!」浪費、麻薬、梅毒……過激すぎる人生から紡ぎだされた『悪の華』に並ぶ傑作散文詩集。 父母兄弟よりも、祖国よりも、お金よりも、雲を愛すると宣言して、詩人の立場を鮮明に打ち出した『異人さん』。耐えがたいこの世からの脱出を叫ぶ『どこへでも此世の外へ』。ほかに、パリの群衆の中での孤独を半ば自伝的にしるした散文詩全50篇を収録。『悪の華』と双璧をなし、後世の文学に絶大な影響を与えたボードレール晩年の成果を、わが国の天才詩人三好達治の名訳で贈る。 発行:新潮文庫




ジョニ・ミッチェル:JONI MITCHELL / ブルー:Blue 1971年

2013-02-19 | 好きな音楽


ブルー、ほら、これがあなたの殻よ
その中で、ある信号が聞こえるわ
ボンヤリした子守歌
私からあなたへの歌の贈物


BLUE Joni Mitchell


★私の「今日の一曲♪」はジョニ・ミッチェル(JONI MITCHELL)の1971年のアルバム『BLUE』の中のタイトル曲です。昨日今日と続けて雨模様。雨の日は子供の頃から結構好きで、何となく落ち着くのです。台風や豪雨だと異なりますが。ジョニ・ミッチェルの初期の名盤で、好きな曲ばかり入ったジャケットの独特の青色も大好きです。後追いながら初めて聴いたジョニ・ミッチェルのアルバムなもので、殊の外愛着があるのだと思います。カナダが故郷のお方ですがこの頃既にアメリカを拠点に活動されてました。シンガー・ソング&ライター(SSW)で女性ヴォーカルというと、直ぐに浮かぶ大好きなジョニ・ミッチェルです。ギターとピアノ、どちらの弾き語りも素敵です。“恋多き女性”と云われ画家でもある才女。知的だけれど愛らしいと、烏滸がましいですがそのように感じてなりません。1971年のアメリカはベトナム戦争の最中でしたよね...異国の地でどのような想いを抱きながら歌と共に生きておられたのだろう。アルバムの中の名曲たちから感じられるもの、嘗ての私には感じ取る事の出来なかった感覚。ふと取り出して聴き入る中で常に新しい何かを得るもので決して色褪せたりしない。風化しないものって素敵だと思います。

関連:Velvet Moonのおすすめ音楽たち★『JONI MITCHELL / BLUE』



デヴィッド・ボウイ:DAVID BOWIE / 僕の夢がかなう時:When I Live My Dream 1967年

2013-02-18 | 好きな音楽



★我が永遠のヒーローの如き存在であるデヴィッド・ボウイ。そのボウイの10年ぶりとなるニュー・アルバムをリリースされる日が近づきます。心臓手術という大病の悲痛なニュースから10年。本当に嬉しいです!ボウイのレコード・デビューは、1964年6月5日の「ディヴィー・ジョーンズ・アンド・ザ・キング・ビーズ」名義による『リザ・ジェーン』。ロックの王者は紛れもなくローリング・ストーンズでしょうが、ストーンズ50周年ですがボウイも49周年なのです。凄いです!もうライヴはしないとの事ですが、あのお姿とお声さえお聴き出来れば良いという心境です。時々映画出演等は期待しながら。

生き貫くお方が好きな私はその様な方々から、こうしてずっと何かしらのエネルギーを頂いて今に至る事に感謝しています。辛い、悲しいことは毎日これでもか、という程やって来る。それでも小さな光が必ず在ると信じて。視界に入らない時もありますが、真っ暗な暗闇の中でもきっと...。いつか死が訪れる、誰もが死と隣り合わせで孤独。でも探せば泣きながらでも微笑みをも忘れはしない光がきっと☆

そんな想いの今日この頃です。私の「今日の一曲♪」はボウイがまだ二十歳だった頃の名曲『僕の夢がかなう時(When I Live My Dream)』です。こんな動画が普通に観れる時代なのですね。今私が10代だったらどんな気持ちだろう?ボウイの動くお姿が観たい!というあの一途な気持ちは蒼いようですが、懐かしく忘れたくない私が居ます。時代は変わる。音楽の聴き方だって大きく変容しましたが、其々の愉しみ方があるので多様化を私なりに愉しみながら音楽とこれからも一緒に生きてゆけたら幸いです。

書いていて思い出したのが、レオス・カラックス監督の映画『ボーイ・ミーツ・ガール』です。1983年のカラックスのデビュー作で次作の『汚れた血』と時を同じくした80年代末に公開されました。衝撃的でした。そして、カラックスはボウイ・ファンでもあるので劇中でボウイの曲を効果的に使われる。久しぶりに拝見すると、ドニ・ラヴァンとミレーユ・ペリエも初々しく嬉しくなりました。時間軸が揺れ動き、時を往来する癖があるもので、ふと今が分からなくなることも。そんな束の間の夢の時間を美しき愛するものたちは与えてくださる。陰鬱な現実の生の中でさえ☆

David Bowie - When I Live My Dream


"Boy Meets Girl" Bowie song (When I Live My Dream)


関連:Velvet Moonのおすすめ音楽たち★『DAVID BOWIE / THE DERAM ANTHOLOGY 1966-1968』


オトゥール・ドゥ・リュシー:AUTOUR DE LUCIE / ラコール・パルフェ:L'accord Parfait 1994年

2013-02-17 | 好きな音楽


私は、わざとらしくないシンプルな歌い方が好き。エヴリシング・バット・ザ・ガールのトレーシー・ソーンとかね。彼女は、悲しみを歌う時、露骨にせずインテリジェンスで上手く包むの。スザンヌ・ヴェガの抑えた歌い方や、マジー・スターのホープ・サンドヴァルの醒めた感じとかも好き。フランス人の中では、フランソワーズ・アルディが唯一気になるわ。とにかく、自分で書いた歌を歌う人しか好きになれないの。

by ヴァレリー・ルリヨ


Autour de Lucie - L'accord Parfait


★ふと聴きたくなる大好きな曲をこちらに書き留めておこうと思います。所謂、私の「今日の一曲♪」です。オトゥール・ドゥ・リュシー(AUTOUR DE LUCIE)のインディーズ時代の1stアルバムの1曲目の小鳥の愛らしい囀りで始まる『ラコール・パルフェ(L'accord Parfait)完全な和音』です。ヴァレリー嬢が語っているように、彼女の魅力は「わざとらしくないシンプルな歌い方」だと思います。そしてその歌声は可憐ながらもどこか翳りがあり、そこがまたとっても好きです。また、アルバム中の『アイランド(Island)』という曲の作曲とプロデュース、さらにギターでマイケル・ヘッド&ジョン・ヘッド兄弟が参加しています。

関連:Velvet Moonのおすすめ音楽たち★『AUTOUR DE LUCIE / L'ECHAPPEE BELLE』

『気狂いピエロ』監督:ジャン=リュック・ゴダール主演:ジャン=ポール・ベルモンド / アンナ・カリーナ

2013-01-04 | 好きな映画

 

やさしくて残酷
現実的で超現実的
恐ろしくて滑稽

夜のごとく
昼のごとく
平静で突飛な

素晴らしき
気狂いピエロ

 

★ゴダール映画を初めて観たのは高校生の頃。後追いながら強烈な衝撃のようなものを受けました。同時期にブリジット・フォンテーヌの音楽から大変な衝撃と感動を抱いていたあの頃。アンナ・カリーナの真っ赤なワンピースや行動、映し出される活字や主人公の台詞、青い海と空...。知らず知らずに所謂「ヌーヴェル・ヴァーグ」と呼ばれるフランス映画を機会があれば観るという習慣になって行き、今はもう無い小さな映画館へと足を運こぶのが楽しくて。殊に古いリバイバル上映を優先していました。今のような綺麗な劇場ではなかったけれど、あの真っ暗な空間は私の居場所であるようにしっくりするのでした。最近は映画館から遠のいてしまい申し訳ないのですが、今もやはり古い映画が好きで、好きな作品は観返すことも多いです。

●追記●

 ある知人とゴダール映画のお話になり、そのお方が「きぐるいピエロ」とおっしゃった。瞬間に「今はそのように呼ぶのだな」って。でも、何だか私の好きな『気狂いピエロ』ではない気がするので、今もついつい「きちがいピエロ」と云ってしまいます。作品名としての呼名であり、その時に他意は無いのです。いつの間にか、言葉の規制も多くなりましたね。ちょっと複雑な想いですが、どなたがご覧になられるのか分からないこのようなブログ等での言葉、発言には責任を持ちながらも、柔軟かつ寛容に綴ってゆきたいと思っています。