自分が初めて購入した単行本は藤子・F・不二雄先生の『大長編ドラえもん(14)のび太と夢幻三剣士』である。すでに小学4年生になっていた。このことは昨年度のF先生のご命日に当ブログでも記したのだが、最初に読んだマンガ(なお新聞掲載の4コマは除く)を考えてみるとどうも藤子不二雄A先生の『プリンスデモキン』のような気がしてならない。
1991年4月。『プリンスデモキン』の連載が学研の月刊学習教材「トップラーン」にて開始された。この作品は学習教材本誌とは別に附録として冊子にされており、毎号表紙にはカラーイラストが掲載されていた。おそらくは物珍しかったのであろう、夢中になって読んでいたことを僅かながら記憶している。連載2回目もしくは3回目の頃、読者の質問か担当記者のコラムであったかは定かでないが、デモキンの正体は何だろう?といった小さな記事が載っており、その回答には「(前略)でも、プリンスと付いてるくらいだからどこかの国の王子さまかもしれないね!」と書かれていた。当時の自分はそうかそうか、といった感想しかもっておらず、もともと『怪物くん』に登場していたキャラクターであったことなど知る由もなかった。
と、作品を楽しんでいたはずだったが「トップラーン」1,2年の号では同年7月をもって永久休載。もともと6学年全てに同じ冊子を配本していたので低学年だけが外された形である。これは低学年層にウケが悪かったためなのか他に理由があったのかは知らないが、個人的な感想としては少し恐いエピソードがあったことも理由のひとつになりえたような気がする。
1991年4月。2年生になった自分の手元には休載になったはずの件の冊子が。というのも、実はトップラーンの3年生の号をやっていたため。教育ママというかそういう母親によって1年生の号は幼稚園年長時に終了していた。本来ダメらしいのだが学研の担当者に話をつけて1年先取りさせていたとのこと(注:トップラーンは店頭販売は無く、申込者への配送のみ)。当時は何の気なしであったが、結果的におかげで一年分多く作品が読めたわけである。なおトップラーンはこの年度をもって解約したので手元に存在した冊子は合計16冊であったと思われる。
思われる、と書いた時点で想像は容易いのだが、現在は手元に残っていない。おそらくは小学4年時の引越しの際に処分されたのだろう。少なくともその家に住んでいた段階で捨てた記憶はなく、きちんと全て本棚に並べてあって ある程度の頻度で読んでいたはずなので。つくづく惜しいことをしたものである。
残念なことに内容を覚えているエピソードは皆無。覚えているのは夜道で泣いている少女を負ぶってあげると少女の形相は一変、歯や爪は尖り恐ろしい顔で「これからあんたは一生あたしを背負って生きていくのよ!」と叫ばれ・・・という話くらいである。マンガなど他に読んでおらずテレビドラマや映画による免疫も全くなかった当時の自分にはそれはそれは恐ろしかった。
あとはといえば、作中で少年が持っているビデオ作品のタイトルが『わらうモグロくん』であったことか。ご丁寧に「ドーン!」というセリフが確かにあり、今思うとA先生自身の『笑ゥせぇるすまん』パロディであることは誰の目にも明らかであるがそれすら当時の自分には分からなかった。とはいえモグロ(喪黒福蔵)の名前を覚えているあたり相当インパクトは強かったようである。
プリンスデモキンの単行本であるが、こちらは2巻しか発行されていない。作品自体の知名度もそれほど高いとは思えないだけに全作品の単行本化は難しいだろうがいつか実現してくれることを願いたい。
おまけ
写真は当時のトップラーン本誌についてきたシール。
きったないフィルムケースに貼り付いたシロモノで、
シールの方も負けないくらい汚くなってしまっているが
冊子がない以上 手元にあるのはこれで全てである。
2年間作品を読めたのは確かに母のおかげであるが
手元から消失したのもこれまた母親のおかげ・・・か。
1991年4月。『プリンスデモキン』の連載が学研の月刊学習教材「トップラーン」にて開始された。この作品は学習教材本誌とは別に附録として冊子にされており、毎号表紙にはカラーイラストが掲載されていた。おそらくは物珍しかったのであろう、夢中になって読んでいたことを僅かながら記憶している。連載2回目もしくは3回目の頃、読者の質問か担当記者のコラムであったかは定かでないが、デモキンの正体は何だろう?といった小さな記事が載っており、その回答には「(前略)でも、プリンスと付いてるくらいだからどこかの国の王子さまかもしれないね!」と書かれていた。当時の自分はそうかそうか、といった感想しかもっておらず、もともと『怪物くん』に登場していたキャラクターであったことなど知る由もなかった。
と、作品を楽しんでいたはずだったが「トップラーン」1,2年の号では同年7月をもって永久休載。もともと6学年全てに同じ冊子を配本していたので低学年だけが外された形である。これは低学年層にウケが悪かったためなのか他に理由があったのかは知らないが、個人的な感想としては少し恐いエピソードがあったことも理由のひとつになりえたような気がする。
1991年4月。2年生になった自分の手元には休載になったはずの件の冊子が。というのも、実はトップラーンの3年生の号をやっていたため。教育ママというかそういう母親によって1年生の号は幼稚園年長時に終了していた。本来ダメらしいのだが学研の担当者に話をつけて1年先取りさせていたとのこと(注:トップラーンは店頭販売は無く、申込者への配送のみ)。当時は何の気なしであったが、結果的におかげで一年分多く作品が読めたわけである。なおトップラーンはこの年度をもって解約したので手元に存在した冊子は合計16冊であったと思われる。
思われる、と書いた時点で想像は容易いのだが、現在は手元に残っていない。おそらくは小学4年時の引越しの際に処分されたのだろう。少なくともその家に住んでいた段階で捨てた記憶はなく、きちんと全て本棚に並べてあって ある程度の頻度で読んでいたはずなので。つくづく惜しいことをしたものである。
残念なことに内容を覚えているエピソードは皆無。覚えているのは夜道で泣いている少女を負ぶってあげると少女の形相は一変、歯や爪は尖り恐ろしい顔で「これからあんたは一生あたしを背負って生きていくのよ!」と叫ばれ・・・という話くらいである。マンガなど他に読んでおらずテレビドラマや映画による免疫も全くなかった当時の自分にはそれはそれは恐ろしかった。
あとはといえば、作中で少年が持っているビデオ作品のタイトルが『わらうモグロくん』であったことか。ご丁寧に「ドーン!」というセリフが確かにあり、今思うとA先生自身の『笑ゥせぇるすまん』パロディであることは誰の目にも明らかであるがそれすら当時の自分には分からなかった。とはいえモグロ(喪黒福蔵)の名前を覚えているあたり相当インパクトは強かったようである。
プリンスデモキンの単行本であるが、こちらは2巻しか発行されていない。作品自体の知名度もそれほど高いとは思えないだけに全作品の単行本化は難しいだろうがいつか実現してくれることを願いたい。

写真は当時のトップラーン本誌についてきたシール。
きったないフィルムケースに貼り付いたシロモノで、
シールの方も負けないくらい汚くなってしまっているが
冊子がない以上 手元にあるのはこれで全てである。
2年間作品を読めたのは確かに母のおかげであるが
手元から消失したのもこれまた母親のおかげ・・・か。