寒さに震えるこの季節は遠き春を待ち焦がれる。
競馬もしばらく大レースの無いこの季節は春に想いを馳せる。
今日のレースもそんな気持ちにさせてくれるものだった。
期待の良血馬が新馬勝ちを収めると一躍クラシック候補と騒がれる。
楽な内容だったり、鋭い末脚を見せたりすると尚更。
そんな期待馬が昨年の暮れの中京で合間見えた。
一頭は兄が秋のマイル王に輝いた日にデビュー勝ちした牝馬。
その力強い走りと溢れるスピードは兄を彷彿とさせた。
もう一頭は母がG1馬で3冠馬を苦しめターフを沸かせた兄を持つ牡馬。
デビュー戦は外から交わされそうになりながら鋭い決め手を繰り出した。
この両雄の対決は意外にもあっけなかった。
道中2番手を進んだ牝馬は直線持ったままで先頭に立つ。
その後も楽な手ごたえで抜け出し鞍上は何度も後ろを振り返った。
もう一方は何とか後ろから鋭く追い込んできたものの半馬身届かず。
このレースは着差以上に勝ち馬の底知れぬ能力を感じさせた。
今日、この二頭が再び合間見える。
パドックでは紅一点の彼女が素晴らしく見えた。
500キロ近い雄大な馬体は男馬と見紛うくらいの力強さを感じる。
腹回りはシャープで胸前とトモの筋肉が盛り上がっている。
美しい栗毛の映える非常に見栄えのする馬体である。
それに比べてしまうとどうしても彼の方が貧弱に見えてしまう。
450キロそこそこの体ということもあるのだろうが。
前走の内容も相まって、やはりモノが違うのかと思ってしまう。
返し馬でも両馬は対照的だった。
クビを上げたり跳ねるように走ったりとお転婆な彼女。
素直に鞍上の指示に従いスムーズにキャンターを行う彼。
見た目だけではなくキャラクターも大きく異なっているようだ。
ファンファーレが鳴りゲート入りが始まる。
大人しく引かれて収まる彼。
興奮気味に勢いよく入って行く彼女。
全馬が収まりゲートが開いた。
両馬共に好スタートを切りそのまま前目のポジションを取る。
同じような位置だが意外にも彼の方が前につけていた。
その直後の外目につけた彼女は行きたがっているように見える。
レースは先頭が大逃げでグングン飛ばしている。
だが、離れた後続馬群の位置ではさほど速いペースでは無い。
お転婆姫はそれがどうにも我慢できない様子。
鞍上が手綱を引っ張ったままで2番手の直後まで進出する。
一方、素直な彼はいつの間にか控えて彼女の後ろにつけている。
勝負どころでは離れていた先頭との差がジワジワ詰まって来た。
4コーナーを回ったところではもう後続は射程圏内。
もちろん彼女も十分に前を捕らえきれる位置にいる。
そして、その彼女を捕まえられる位置に彼はいる。
直線に入った。
追い出しに掛かろうとすると彼女は内によれた。
外に立て直すと今度は少しクビを上げた。
そんなことをしている間に外から彼が鋭く並びかけてきた。
そこでようやく彼女は本気で走り始めた。
二頭で馬体を併せてグングンと脚を伸ばして行く。
同じような位置にいたG1二着馬を一瞬で引き離す。
逃げ粘っていた先頭を交わして二頭が抜け出した。
そこからスーッと彼が前に出る。
低いフォームから繰り出す大きなストライド。
見た目からは想像もつかない力強い末脚。
彼女も懸命に脚を伸ばすが追いつかない。
逆にジワリと差が開いていく。
その差が1馬身半になったところがゴールだった。
勝った彼は素晴らしい末脚だった。
素直な気性でどんなレースでもできそうなセンスの良さ。
間違いなく牡馬クラシックを沸かせる一頭となるだろう。
二着に敗れた彼女もやはり強い。
あの内容で牡馬に交じって二着に来るのだから。
もっとスムーズなレースができたらと思うとワクワクする。
この馬は間違いなく牝馬クラシックの主役級の一頭だろう。
早くも春の本番が待ち遠しくなってきた。
でも、まだまだ春までは時間がある。
その間にまだまだ先が楽しみになるレースが観られるはず。
そのときはまた春に想いを馳せてみる。
どんどん春へと期待が膨らむ。
春まで遠いこの季節。
春まで遠いからこそ楽しい。
競馬もしばらく大レースの無いこの季節は春に想いを馳せる。
今日のレースもそんな気持ちにさせてくれるものだった。
期待の良血馬が新馬勝ちを収めると一躍クラシック候補と騒がれる。
楽な内容だったり、鋭い末脚を見せたりすると尚更。
そんな期待馬が昨年の暮れの中京で合間見えた。
一頭は兄が秋のマイル王に輝いた日にデビュー勝ちした牝馬。
その力強い走りと溢れるスピードは兄を彷彿とさせた。
もう一頭は母がG1馬で3冠馬を苦しめターフを沸かせた兄を持つ牡馬。
デビュー戦は外から交わされそうになりながら鋭い決め手を繰り出した。
この両雄の対決は意外にもあっけなかった。
道中2番手を進んだ牝馬は直線持ったままで先頭に立つ。
その後も楽な手ごたえで抜け出し鞍上は何度も後ろを振り返った。
もう一方は何とか後ろから鋭く追い込んできたものの半馬身届かず。
このレースは着差以上に勝ち馬の底知れぬ能力を感じさせた。
今日、この二頭が再び合間見える。
パドックでは紅一点の彼女が素晴らしく見えた。
500キロ近い雄大な馬体は男馬と見紛うくらいの力強さを感じる。
腹回りはシャープで胸前とトモの筋肉が盛り上がっている。
美しい栗毛の映える非常に見栄えのする馬体である。
それに比べてしまうとどうしても彼の方が貧弱に見えてしまう。
450キロそこそこの体ということもあるのだろうが。
前走の内容も相まって、やはりモノが違うのかと思ってしまう。
返し馬でも両馬は対照的だった。
クビを上げたり跳ねるように走ったりとお転婆な彼女。
素直に鞍上の指示に従いスムーズにキャンターを行う彼。
見た目だけではなくキャラクターも大きく異なっているようだ。
ファンファーレが鳴りゲート入りが始まる。
大人しく引かれて収まる彼。
興奮気味に勢いよく入って行く彼女。
全馬が収まりゲートが開いた。
両馬共に好スタートを切りそのまま前目のポジションを取る。
同じような位置だが意外にも彼の方が前につけていた。
その直後の外目につけた彼女は行きたがっているように見える。
レースは先頭が大逃げでグングン飛ばしている。
だが、離れた後続馬群の位置ではさほど速いペースでは無い。
お転婆姫はそれがどうにも我慢できない様子。
鞍上が手綱を引っ張ったままで2番手の直後まで進出する。
一方、素直な彼はいつの間にか控えて彼女の後ろにつけている。
勝負どころでは離れていた先頭との差がジワジワ詰まって来た。
4コーナーを回ったところではもう後続は射程圏内。
もちろん彼女も十分に前を捕らえきれる位置にいる。
そして、その彼女を捕まえられる位置に彼はいる。
直線に入った。
追い出しに掛かろうとすると彼女は内によれた。
外に立て直すと今度は少しクビを上げた。
そんなことをしている間に外から彼が鋭く並びかけてきた。
そこでようやく彼女は本気で走り始めた。
二頭で馬体を併せてグングンと脚を伸ばして行く。
同じような位置にいたG1二着馬を一瞬で引き離す。
逃げ粘っていた先頭を交わして二頭が抜け出した。
そこからスーッと彼が前に出る。
低いフォームから繰り出す大きなストライド。
見た目からは想像もつかない力強い末脚。
彼女も懸命に脚を伸ばすが追いつかない。
逆にジワリと差が開いていく。
その差が1馬身半になったところがゴールだった。
勝った彼は素晴らしい末脚だった。
素直な気性でどんなレースでもできそうなセンスの良さ。
間違いなく牡馬クラシックを沸かせる一頭となるだろう。
二着に敗れた彼女もやはり強い。
あの内容で牡馬に交じって二着に来るのだから。
もっとスムーズなレースができたらと思うとワクワクする。
この馬は間違いなく牝馬クラシックの主役級の一頭だろう。
早くも春の本番が待ち遠しくなってきた。
でも、まだまだ春までは時間がある。
その間にまだまだ先が楽しみになるレースが観られるはず。
そのときはまた春に想いを馳せてみる。
どんどん春へと期待が膨らむ。
春まで遠いこの季節。
春まで遠いからこそ楽しい。