私がピアノを始めたのは、20歳になってから、大学生の時だった。
大学生の頃、ショパンの繊細さとピアノに魅了され、いずれ弾けるようになりたいと夢見ていた。
その後、ショパンの「雨だれ」のプレリュードや「ノクターンの9-2」などを練習したけれど、
やはり 背伸びしないと、弾けなかった。
大学時代、潰瘍性大腸炎という病気を患い、現代医学では完治が難しい病気のため、進路に悩んだ末、
健康に携わる仕事をしたいと志ざすようになった。
進路に悩んでいた頃、新聞の記事で、右手の故障のため、左手だけで演奏し、指揮者、教育者としても
活躍してきたという米国のレオン・フライシャーというピアニストを知った。
その記事では、ロルフィングというボディーワークによって、約30年ぶりに両手で演奏活動を
再開できるまでになったという内容が書いてあった。
その記事の中で彼は、スポーツのように、楽器を弾く人も普段使わない筋肉を酷使するので、
スポーツトレーナーのように、楽器を弾く人のトレーナーの必要性を訴えていた。
ロルフィングに興味を持ったものの、当時(1997年頃)、日本では、まだ詳しい情報が手に入りにくかった中、
アイダ・ロルフという生化学者が開発したヨガとオステオパシーを統合させた「構造的統合」と呼ばれる
ボディーワークであることを知った。
その頃、治療を続ける中、症状を抑えるために強い薬を使っていた私は、副作用に悩み、自らの身体を実験台にして、
現代医学以外の様々な代替療法、自然療法などを探しては、試みていた。
そんな中、伝説のヒーラー(治癒者)と呼ばれるロバート・C・フルフォード博士の「いのちの輝き」
という本に出会い、感銘を受け、オステオパシーの凄さを知った。その本のあとがきで、
「オステオパシーの源流ともいうべきものは日本の柔術の整復法である」
(『人間 : 密儀の神殿』 / マンリー・P.ホール著)に書かれている。)
という事実を知り、柔道整復師になることを決め、そのための学校に行き、柔道整復師になった。
現在私は、手技療法施術者、ボディーワーカーとして、従事している。
ピアノを弾く方のプロには到底なれないかもしれないけれど、ケアをする側でのプロを志し、
アーティスト(とくにやっぱりピアノを弾く人)の繊細なケアができる施術者を目指し、
最終的には、レオンフライシャーが訴えていたような「楽器を弾く人のトレーナー」
「アーティスト ケアトレーナー」になれたらと考えている。
その人の魂が活き活きと輝き、相互に、この領域での役割を果たすためのお手伝いができたらと願っている。
そして、共に完全意識に目覚め、源に帰還する旅を共有できたらという想いがある。
それが、「天上の大会議」で約束したことの一部でもあるのだ。
私の拙いピアノ演奏をよかったら、どうぞ。