今年を振り返る

母が３月に突然２階のトイレで立ち上がれなくなった。その数日前に転倒したが整形外科の診察では問題なしとされていたので、これはもう”脳”しかないと思った。
運悪く日曜日だったので、脳外科の休日当番の病院に電話して了解をもらい連れて行くことにしたが、本人はまったく踏ん張れない上に重すぎて２階から降ろせない。仕方ないので１１９番して救急車で運んでもらった。

診察した脳外科医は脳はあり得ないと言ったが、拝み倒してＣＴとＭＲＩを撮ってもらい、その結果は異常なしということだった。不思議なことに帰りはヨタヨタながら歩けるようになりタクシーで帰宅した。

脳に異常なしでやれやれと思ったら、次の日から痴呆のような発言が頻繁に飛び出し頭を抱えてしまった。私が娘ではなく他人だったり、亡くなった父が蘇ったり、慣れるまで次は何を言い出すのかと絶望の日々だった。
そのうち昼夜逆転して昼間は寝てばかりになり、時間と日にちの認識がおかしくなった。

しかし、夏頃には「私はおかしいよね」と言いだすと共に、少しずつおかしな発言が減っていき、秋前にはほぼ普通の状態に戻った。この間に「慢性くも幕下血腫」を疑って脳のＣＴ撮影もした。また介護認定を申請し、要支援２と認定された。
落ち着いた頃をみはからって私は復職。それが母に緊張感を与えることになったのか、今ではすっかりいつもの母である。もっとも足は一気に弱り、室内でも杖無しでは歩けなくなった。

この状態がいつまで保てるのか分からないが、本格的な介護が必要になったら、有料老人ホームに入ってもらうつもりにしていて、母にもそう伝えてある。薄情だとか無責任だとかいう人もいるかも知れないが、慢性的な疾患を抱えている私は共倒れは避けたい。だって残された人生は私の方が長いのだから。

１１月から始めたこのブログを訪問してくださった皆さん、ありがとうございました。
皆様にとって新年がよい年になるようお祈りしています。
そしてまた来年もおつきあいよろしくお願いいたします。