今週の月曜日に島根県安来市の和鋼博物館を訪れた折に
ヤスキハガネのペーパーナイフをお土産に買って帰ったんですが、切れ味はさるものながら、デザインが「・・・どじょう?」てな感じだったので、「革巻け!」という指示がありました。。。
今回、宣伝がてらにルーハイド(カンガルーのローハイド)を使用することを思いつきましたが、いかんせん、幅が3.0mmしかなかったため、その3.0mmのルーハイドを半分にスプリットして1.5mmのロングパインコーンを取り付けることにしました。
<使用したもの>
『
BIRDSALL Kangaroo Lace Roo Hide』
3.0mmのみです。1.5mmにカットして使用しました。
『
BIRDSALL Kangaroo Lace Glazed Rose』
セカンド・インターウィーブ(2nd Interweave)用です。同様に1.5mmにカットして使用しました。
『
Lace Master』
いつもは牛の骨のお手製工具とトリミングナイフを使用してレースを漉いていますが、今回はルーハイドが薄いこともあり、漉かずにレースマスターで半分にカットしました。
『C.S.O.
Fid』
レースが通りやすいようにフィドを用いて穴を大きくします。また、失敗したときにレースを引き抜くのもフィドが便利です。
『C.S.O.
Scratch Awl (2" Blade)』
ほとんどの作業はフィドを用いますが、今回は1.5mmレースということもあり、フィドが入りにくい箇所はこちらのスクラッチオールを用いました。
『
Ray Holes "Vaquero RAWHIDE CREAM"』
ブレイディングにはいつも用いていますが、ローハイドは硬いので、ローハイドクリームで十分柔らかくして作業を行いました。
以下の2点はレースを継いだりする際に使用しました。(あまり継がないほうが綺麗になりますが)
『
Danny Marlin Skiving Knife No. 154』
『
ガラス板』
今回はレース針を用いていません。ローハイドの先端を先細りにカットしておけば、ローハイドは硬いので、苦もなく通りました。
それで出来たのがこちら。

まずブレイディングですが、ルーハイドを用いて8バイトのロングパインコーンを作りました。
次にファースト・インターウィーブですが、これまで必ずコントラスト色のレースを用いていましたが、セカンドのことを考えて敢えて同じルーハイドを用いました。(もちろんヘリングボーンインターウィーブです)
しかしながら、コントラスト色なら次にどこに入れるかわかりやすいのですが、同色は苦戦しました。特に終盤になると間違いに気づかずに進んで、あともう少しというところでやり直しということも何度かありました。。。
ファーストインターウィーブが完了して、次はローズのレースでセカンドインターウィーブを2箇所に入れました。
これはアクセントの意味もありますが、一般的に他の部分よりも太く、地が露出しがちな箇所を補うために行います。
以上、ブレイディングの作業のを終えて、使い勝手のことを考えてローハイドクリームを洗い落としました。
しかしながら、ここで大きなミス。次回注意したいところですが、グレージング(もしくはLHG)のレースは色染めなので洗った際に無色のローハイドへ色が付いてしまいました。
これはやはり水をはじきやすいクラシックを用いるのが良かったようです。
サイズですが、刃は10cm、全長が20cmです。ヤスキハガネだけあって、ペーパーナイフのくせによく切れます。
最後に、今回のブレイディングの参考にしたテキストですが、以下の2点です。
『
The Art of Braiding, The Basics - Revised Edition』
いつもお勧めしているテキストです。フルカラーなので複雑な編み方でもレースのつながりがよくわかります。
『
The Art of Braiding, Bosal 1』(もしくは『
The Art of Braiding, Bosal 2』)
今回はボサルで使用されるセカンドインターウィーブを応用しました。
また、ナイフの柄の端を隠すため、ヒールノット(Heel Knot)の方法も使用しました。
個人的には1巻よりも2巻のほうがわかりやすかった気がします。