本日は、「精選 春の語り芸」を観にいってまいりました。
演目は、以下の三点。
「唐人お吉ものがたり」 出演/安岡真智子
「人でなしの恋」 出演/林茂乃
「大石内蔵助・妻子の別れ」-二度目の清書-出演/宝井琴嶺
面白かった順も、上から順でございました。
いや、本当は、後ろが真打だとは思うのですよ。が、演目がどうにもこうにも古臭くてですね・・・。
「唐人お吉ものがたり」は、それはもう、面白かった!
30分近くを、安岡真智子さんが1人で演じたのですが、観ている間中、一度も観劇しているリアルの自分を思い出しませんでした。
物語は、晩年のお吉の回想として語られます。
「なんだ、また女か」
そんな台詞を生まれた直後に、父親・舟大工市兵衛に吐かれたお吉。
芸妓となり、「新内明烏のお吉」と謳われた彼女は、奉行所にその芸と美貌に目をつけられ、アメリカ総領事・ハリスのもとへ妾奉公にあがることとなります。
しかも、その手引きをしたのは、恋人・鶴松でした。
傷心のお吉は一度はハリスと心を通わせたものの、捨てられ、再び芸妓として生きはじめますが、「唐人」と蔑む世間の目に曝されるうちに身を持ち崩していきます。
一度は鶴松と暮らし、髪結業を始めますが、鶴松の心変わりにより離別。
政府より下された米を「飢えたって、死んだって、お上の世話になるものか」と、庭に全て撒き散らすお吉の姿は圧巻でした。