古事記 中つ巻 現代語訳 七十
古事記 中つ巻
倭建命の系譜
書き下し文
此の倭建命、伊玖米天皇の女、布多遅能伊理毘売命に娶ひて生れませる御子、帯中津日子命。一柱。また其の海に入れる弟橘比売命に娶ひて生れませる御子、若建王。一柱。また近淡海の安国造の祖、意富多牟和気の女、布多遅比売に娶ひて生れませる御子、稲依別王。一柱。また吉備臣建日子の妹、大吉備建比売に娶ひて生れませる御子、建貝児王。一柱。また山代之玖玖麻毛理比売に娶ひて生れませる御子、足鏡別王。一柱。また一妻の子、息長田別王。凡そ是の倭建命の御子等、并せて六柱。
現代語訳
この倭建命(やまとたけるのみこと)は、伊玖米天皇(いくめのすめらみこと)の女(むすめ)、布多遅能伊理毘売命(ふたぢのいりびめのみこと)を娶(めと)いて、お生まれになられた御子は、帯中津日子命(たらしなかつひこのみこと)。一柱。また、その海に入れる弟橘比売命(おとたちばなひめ)を娶いて、お生まれになられた御子は、若建王 (わかたけるのみこ)。一柱。また、近淡海(ちかつおうみ)の安国造(やすのくにのみやつこ)の祖(おや)、意富多牟和気(おおたむわけ)の女、布多遅比売(ふたじひめ)を娶いて、お生まれになられた御子は、稲依別王(いなよりわけのみこ)。一柱。また、吉備臣建日子(きびのおみたけひこ)の妹(いも)、大吉備建比売(おおきびのたけひめ)を娶いて、お生まれになられた御子は、建貝児王(たけかいごのみこ)。一柱。また、山代之玖玖麻毛理比売(やましろのくくまもりひめ)を娶いて、お生まれになられた御子は、足鏡別王(あしかがみわけのみこ)。一柱。また、一妻(あるみめ)の子、息長田別王(おきながたわけのみこ)。凡そ、この倭建命の御子等は、并(あわ)せて六柱。
現代語訳(ゆる~っと訳)
この倭建命が、垂仁天皇の娘、布多遅能伊理毘売命と結婚して、お生まれになられた御子は、帯中津日子命。1人。
また、その走水の海に入水した弟橘比売命と結婚して、お生まれになられた御子は、若建王。1人。
また、近江の安国造の祖先、意富多牟和気の娘、布多遅比売と結婚して、お生まれになられた御子は、稲依別王。1人。
また、吉備臣建日子の妹、大吉備建比売と結婚して、お生まれになられた御子は、建貝児王。1人。
また、山代之玖玖麻毛理比売と結婚して、お生まれになられた御子は、足鏡別王。1人。
また、ある妻の子、息長田別王。
すべて、この倭建命の御子たちは、あわせて6人です。
続きます。
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