Officer's '70s Theater

'70年代の恐竜的ハイパワー車ファンが昔を懐かしむブログ

DJANGO

2009-09-05 22:00:45 | 映画(銃)
Django (Intro)

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邦題:続・荒野の用心棒
原題:DJANGO(ジャングル。野生の混沌を意味する。)
監督:セルジオ・コルブッチ
主演:フランコ・ネロ
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 岩と土だらけの荒野が続いている。しかも地面は雨に濡れて泥だらけだ。そこを黒っぽい服の男が、ロープで縛った木箱をゴリゴリとひきずりながら歩いている。
 クローズアップで見ると、何とその木箱は、泥まみれの「棺桶」ではないか!そして地面との摩擦で発せられるゴリゴリという音は、中身が入っていることを示している!

 何という不吉な光景!墓泥棒が、今まさに地中から掘り出した棺桶を引きずっているように見える。もし敬虔なキリスト教徒がこれを見たら心臓マヒを起こしそうなショッキングで不道徳な光景。これがこの映画のオープニングである。

 クローズアップでよく見ると、男の靴は乗馬ブーツ。服は北軍の濃紺の制服とマントだ。腰にはランタンや水筒など、野宿の必需品がぶら下げられており、背中には馬の鞍をかついでいる。
 その姿が意味するのは・・・長い旅の途中に馬車が損壊し、馬も死んでしまったので、自分の身ひとつで家財道具を担ぎ、重い棺桶を引きずって旅しているのだった。

 男の名はジャンゴ。彼が向かう思い出の街は、南軍将校くずれの差別主義者の地主が私兵を集めて武力で小作人を支配・虐殺する無法地帯になっていた。その上にメキシコ人の山賊集団が常に農地や街を狙っている。
彼は、たった一人でその街に乗り込む気だ。
わざわざ危険地帯に一人で向かう彼の目的は何なのか?
また、意味有り気な、重い棺桶の中身は一体何なのか?
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<おかしな邦題>
監督も主演も別なのに「続・」とはこれいかに?
要は「一人の流れ者が、街を支配する2大勢力を争わせて壊滅を企む」というストーリーが「用心棒」と似ているからだそうです。

<悪のヒーロー>
この映画のインパクトは物凄く、これ以降「ジャンゴ」という主人公を使った映画がどっさり(約50本)出てくることになります。「情け無用のジャンゴ」「皆殺しのジャンゴ」etc.
 クリント・イーストウッドのモンコ(またはブロンディー)はユーモアと皮肉を交えて賞金首を撃ち殺す「半分正義の味方」であって、善人は殺しません。(銀行強盗計画を察知しながら通報せずに、盗まれた金を悪人達から横取りしようとするので、やっぱり悪人か?)
 フランコ・ネロのジャンゴは金の為なら平気で「罪も無い馬車の護衛兵」を撃ち殺し、匿ってくれた民間人を置き去りにして逃亡(当然、残った民間人が恨まれて殺されると判っている。)しようとします。
 つまり、それまでには無かった「正義感は皆無で、利益の為に合理的に行動する、非情な悪のヒーロー」が登場したのです。

あと、この映画以降は「反則技で登場する秘密兵器」も乱発されるようになり、近年の「デスペラード」などもその影響を多分に受けています。

私がROにおいてブラックスミスという職を最も好きである理由のひとつが、「BSの引っ張るカートがこの映画の棺桶をイメージさせるから」です。


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