大阪に泊りがけで訪れたのはこれで2度目となるが、
前回は仕事がらみだったので、実質初めて。
ライブ会場のなんばhatchまでは、
地下鉄2駅の距離だったので歩いていった。
時間があったので、ホテルの近くでオリーブをつまみにビールと白ワインを1杯ずつ呑んだ。
マスターのおじさんが、イチゴをサービスしてくれた後、「すんません。イチゴ入れ忘れてもうて。」とか、
どこかに電話していたので、それが私に回ってきたようだ。
良さそうな和菓子屋があったので覗き、「これから出かけるので明日来る。」と告げると、明日は休みだという。
そこで「千鳥饅頭」を買って、御堂筋を少し歩き、心斎橋のアーケード街を行った。
そこで「翁昆布」という店の「山椒昆布」を購入。
これからライブだというに、荷物を増やしてどうする。
そういえば、どちらの店もお茶を出してくださった…おおきに。
通りを歩いていると、うっすらと外国に来たように感じるのは、聞えるともなく耳に入る言葉のせいであろうか。
大阪弁を「いいな」と感じた初めは、社会人になりたての頃だ。
いきなり原価管理のソフトを作れとの命で、都内某所に長期研修に行かされ、その中に西成区の会社から
一人いらしていたのである。
年は30前後だったろうか。
その方と、昼休みに毎日キャッチボールをした。
夏の甲子園でかつて優勝したことのある強豪校の、控えのサードだったという。
優しい方で「球、早なったなあ。」などと褒めてくれたりした。
稀に暴投すると「堪忍!」と謝り、私はその「堪忍!」が好きだった。
呑んだ時、「○○さん(私のこと)が大阪来たら、オンナ紹介するねんけどなあ。」と言われ、驚いた。
いまだに意味が分らない。
あと、何かの事件の時にインタビューで小学女子が「(男性が)暴れはった。」と答えているのを観て、
その柔らかい調子に感銘を受けた覚えがある。
ライブの翌日は、天王寺に行った。
駅を出ると、ジャンジャン横丁という串揚げ屋の密集している狭い通りがあって、幸せな気分になった。
この界隈、新世界というらしい。
が、生憎今ひとつお腹がすいていない。
先に天王寺動物園で、もで~んとばかりに
ケープハイラックス詣でをし、周辺を散歩した。
あーっ こんなところに通天閣が立ってた。
あああ知らなんだ。まったく知らなんだ。
ポルノ映画館が2軒もあった。
近づいて、ポスターの惹句を吟味する。
「義姉よ、汝、我が兄と我との器官の相違を思ひ知るや?
然り、矮小なるは兄、雄渾なるは我なり。」(※1)
という趣旨の言葉を、若い男性が年上の女性を茶臼に抱きながら大阪弁で述べている。
…田中、訳せ。
もう1枚は、
「 I can't help begging for making love with you. 」(※2)
という趣旨の言葉を、セーラー服にパンツ一丁の女の子が大阪弁で述べている。
…斎藤、訳せ。
ポルノ映画はもはや絶滅寸前、ワシントン条約で保護されているものとの認識であった私は、関西向けに
制作されるものがあると知り、いたく感激したものである。
写真はジャンジャン横丁。
「八重勝」という店がすごく並んでいた。
迷ったが回避し、違う店で串揚げとモツ鍋、もずく酢を賞味した。
旨い。安い。店の女の子がちょっと怖い。
私は大いに満足し、大阪の要諦を掴んだ気になったが、掴みどころが違うような気もする。
※1の正解
「どや、兄貴のモンと違うやろ?」
※2の正解
「うち、もう我慢でけへん。」
個人的には「できひん。」の方がクックックッ…そそられる…あっ痛っ…堪忍!