STARTING OVER (初回盤)
ボクが「遊ぼう」って言っても 寝ちゃうしさあ
ボクが「ご本読んで」って言っても 寝ちゃうしさあ
ボクが「お散歩に行こう」って言っても 寝ちゃうしさあ
パパ ダメだなあ…
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私は免許を取ったのが36歳と遅く97年の3月のことだったから、あれは98年か99年の元旦だったと
推定できる。
だから、アルバムでいうと「明日に向かって走れ」の後か「愛と夢」の後か、いずれかだ。
妻子の寝静まった大晦日の夜。
無性にいたたまれなくなった私は、こそこそと部屋を抜け出した。
そして、年下の義兄から譲り受けたブルーバードのCDチェンジャーに、エレファントカシマシのアルバムを
ファーストから順番にセットした。
行き先は奥秩父の三峰神社で、そこに決めた理由は思い出せない。
どの道を行ったかも思い出せない。
私が住んでいたのは同じ埼玉県の富士見市であったから、片道100キロはあったろう。
往路秩父神社に立ち寄った以外は休まず、三峰神社の休み処でコーヒーを飲んで帰ってきたら朝だった。
生まれてこのかた、腹の中が煮えくり返る思いで生きてきた。
今でもそうだ。
「よく存れかし」
つまるところ、宮本浩次君はそればかり歌ってきたと思う。
まあ、異論はいろいろあるだろうけれど、とりあえず。
「よく存れかし」
なんて、彼の好きな擬古文でエレカシとの語呂もいいしさ。
「よく存れかし」
なんて思い、ありふれている。
ありふれていて、いい。
そうだ、エレファントカシマシは、当り前のありふれた事ばかりを腹の底から歌ってきた!
小姑気質で口うるさく、客がトイレに立ったからってネチネチ根に持ち、インタビューでは決まって話をまとめて貰い、自分の歌にバンドを合せ、練習ばかりしていながらギターの音を外し、決めポーズはどこか間抜けて、
MCは時々意味不明なくせに。
よくぞ20年。
こんな男は他に存在しない。
こんなバンドは他に存在しない。
ディスクレビューはしない。どこかで読んでくれ。
曲解説もなし。誰かに聞いてくれ。
こ~んなブログ、宣伝になるもんかい。
彼等を聴いたことのない、そこの貴方。
テレビで観て、CMで聴いて、面白そうだと思ったら買ってみてください。
どうぞ勝手に打ちのめされてください。
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息子よ。
「あっち行ってろよ。」なんて言って悪かった。
いつか、ちゃんと謝るよ。
大人になったら、歌でも聞かせてあげるよ。
〔付記〕
通常版はいずれ書きます。