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=電線の鳥blog=「今日もどっちつかず」

 一般的にどうなのか、みたいなことは、結局、重要なことではない~チップ・エクトン

風の旅行社物語

2008年07月24日 | ビジネス?
 風の旅行社物語~原優二著、ポット出版刊

 「会社のつくりかた」シリーズの第2弾として、この3月刊行。
 紹介も兼ねて、リンクはアマゾンではなく版元のサイトに貼った。

 帯を引く。
 ~商売とは、自分にしか
  できない価値を
  自分自身で作り出すこと。
  そうでなければ
  儲からないし、
  何より面白くない。

 風の旅行社(以下「風社」)において「自分にしかできない価値」を提供する転換点は1996年。
 売上の9割(!)を占めていた格安航空券の販売から撤退し、稀少で付加価値の高い「旅行商品」に特化することを決断した時だ。
 それは、「風社」の原点であるネパールを筆頭に、チベット・モンゴル・ブータンといった、訪れる機会の少ない旅行地を、少人数でも現地スタッフが(日本語で)ガイドする経験型(ここではあえて体験と言わない)ツアーで楽しむというもの。
 それを支えているのが、互いの文化を尊重しつつ、プロとしての品質を求め合う、本社と各現地法人との緊密なつながりである。
 ひとつエピソードを。
 1996年の秋、スタッフが現地(ネパール)での手配を忘れる事態が起きた。
 そのお客は、もちろんそんな事とは知らずに空港に到着。たまたま他のお客を迎えにきていたNKT(現地法人、ネパール・カゼ・トラベル)のスタッフが気付き、そのお客に全く悟られないように、その場で手配を済ませ、滞りなくツアーの日程をこなした。(本書168頁より電線要約)
 もちろん彼らは、後から日本の「風社」に「いったい何やってるんだ。」と怒ってきたそうだが。

 代表取締役である著者は、20年前には小学校の教員だった。
 それが88年のネパール旅行をきっかけに、思ってもみなかった道に踏み込んでいく。
 前書きに「…風の旅行社のことを書いているのか自分史を書いているのか分らなくなって」しまった…とあるが、会社運営の時々に著者が何を感じてどう対処したか、を記したセルフドキュメントになっている。
 書きぶりは真摯公平、私心が強いとこのようには書けないな…と感じさせられる。
 著者には偶然の出会いを必然に変える「何か」があるようで、それは闇雲なパワーというよりかは、熱意に裏打ちされた謙虚さのようなものだと思う。
 もちろん本筋は「風社」の取り組みの歴史であり、そのなかで旅行業の抱える問題点、課題についても学ぶことが出来る。
 また、写真も豊富で美しい。

〔付記〕
 私は、本書を版元予約で購入した。(で、今頃記事にしている。)
 同時に既刊の本も注文したところ「お急ぎでしたら既刊本を先に発送しますか。」とのメールを頂いた。
 こういう心遣いは嬉しいので、特に記しておきます。
 尹良浩さん、有難うございました。

憂鬱な古書店

2008年03月08日 | ビジネス?
 前回と何となくつながりで。

 このところ仕事で近隣の街に行き、車中待ちをすることが多い。
 大抵はぼんやりとしていて、これが苦にならない性分でもある。
 先日、そんな待ち時間に古書店を見かけたので入ってみた。
 入り口付近に買い取った本がうず高く積まれていてそこに店主がしゃがんでいる。
 当然、店主のすぐ脇を通ることになるが挨拶がない。
 30代とおぼしく、顔に生気が見られぬ。
 棚はというと天井近くまであって棚間が狭いので圧迫感があり、結果快適にブラウズ出来ない。
 何となく淀んだ感じで憂鬱になり、早々に店を出た。
 ちらりと店主を見ると、さっきと変わらず緩慢な動きで大量の買取本と向き合っている。
 電飾看板には「哲学…」云々と文字が流れていた。奥にアダルトの棚も見えたが…。

 初志は如何にして潰えたのだろうか。

高遠 長藤文庫

2008年03月06日 | ビジネス?
 長藤は「おさふじ」と読みます。

 ブックマークしている「伊那谷 高遠 ふみぐら日誌」が、年明けから更新が途絶えていて心配をしていた
ところ、「書肆月影(大塚さん)」と「レイドバック(平野さん)」が「本の町プロジェクト」から脱退したとのこと。
 そして大塚さんは表題のように店舗名を変えてこの1日から営業を再開された。
 私は「高遠 本の家(当時)」を昨年の9月に訪れた。
 本を2冊とボブ・マーリーのTシャツを買い、畳の部屋でゆっくりしてコーヒーを飲んだ。
 帰ろうとしたら車のキーがなくて店中を探していると、大塚さんは駐車場まで見に行ってくださり、果たして
そこに落ちていたので事なきを得た。
 ジーンズのポケットに穴があいていて、そこから落ちたのだ。
 大塚さん、その節は有難うございました。
 プロジェクトの皆さんは、おおかた本を引き上げたようなので、棚はどうなっているだろう。
 もとより私はただの客なので、脱退について何もコメントはない。
 新しく出来る「本の家」にも行ってみたいと思っている。
 ただ、大塚さんはレジの向うで「東京のとんがった部分を、高遠に持ち込もうとは考えていません。地域では『読み聞かせ』も盛んにやっているようなので、子どもの本も増やしていこうと考えています。」という趣旨のことをおっしゃっていた。
 >「本の町をつくる」というプロセスを自分のなかで他のメンバーと「共有」できなくなったことにあります。」
 とは、その辺りから生じたのかな…などと考えてみるが、上述のように、部外者がとやかく言うことでもない。
 雪が溶ける頃、また訪ねてみようと思う。

「女子っこ」ストライクス・アゲイン

2007年07月07日 | ビジネス?
 先日、諏訪のサービスエリアで用を足したときのこと。

 せいせいして出ようとすると、一人のご婦人が目に留まった。
 年のころは60代だろうか。
 思いつめた表情でコブシを握り締め、男子トイレをじっと見つめておられる。
 女性用トイレが一部清掃中だったかで、長蛇の列だったことを思い出す。
 まあ、すなわちそういうことである。

 ご婦人は上品な顔立ちであった。
 割り込みなど、彼女の美意識が許さないはずだ。
 まして「こっち空いてるわよ~」とドヤドヤ男子トイレに入り込んでくるような方ではないはず。
 団体行動だったので、残念ながらご婦人の運命は知らない。

 しかしながら。
 気の毒なご婦人を見殺しにした悔いは後々まで尾をひいたのだった。
 読者諸賢。
 こういうときの紳士の振る舞いとは如何なるものであろうや。
 …返事がないので自問自答してみる。
 「奥様、何も仰らずにこちらへ。」と威風堂々エスコートするべきであろうか。
 王道だが、私にそこまでの器量があるだろうか?
 売場に行って携帯トイレを探し、そっと差し出すというのは?
 はたして売っているのだろうか?
 従業員用トイレを使わせて貰うようナシを付けるというのは?
 これもなかったら?
 クロッチを召還し、マシンガントークで気を紛らわせるというのは?
 …ダメだ。笑った拍子に失禁させてどうする。逆効果だ。
 う~む。妙案が浮かばぬ。

 だ~から2年前に言ったんだよ。「女子っこ」開発しとけって。

 あ…くまさんみたいに「そのご婦人は私です」ってコメントがきたら凄いよな。
 6月23日(土)午前9時ころ。中央道上り線です。

本の町

2007年05月31日 | ビジネス?
 古本の町「ヘイ・オン・ワイ」については以前紹介しました。
 日本でも同じような町を作ろう…という試みは、北尾トロさんのメールマガジンで知っていましたが、
いよいよ現実のものとなりそうです。
 準備ブログをブックマークに追加しました。(久しぶりの追加)
 その場所が長野県(桜で有名な上伊那郡高遠町)なので、少々興奮しています。
 最初の店舗(古民家を改装したもの)が開店したら、さっそく訪れようと思います。
 非常にタイムスパンが長くどう転ぶか分らない、実に魅力的なプロジェクトと申せましょう。

 ところで、小学生の頃。
 男子の間で「伊那盆地」は「女子」を指す隠語でしたっけ。
 「いなぼんち」逆からお読み下さい。
 申し訳ございませんでした…懐かしい記憶が蘇ったのでつい。

 …あ。
 「まだ」の奴のことを「ナイチンゲール」ってのもあったな…。