風の旅行社物語~原優二著、ポット出版刊
「会社のつくりかた」シリーズの第2弾として、この3月刊行。
紹介も兼ねて、リンクはアマゾンではなく版元のサイトに貼った。
帯を引く。
~商売とは、自分にしか
できない価値を
自分自身で作り出すこと。
そうでなければ
儲からないし、
何より面白くない。
風の旅行社(以下「風社」)において「自分にしかできない価値」を提供する転換点は1996年。
売上の9割(!)を占めていた格安航空券の販売から撤退し、稀少で付加価値の高い「旅行商品」に特化することを決断した時だ。
それは、「風社」の原点であるネパールを筆頭に、チベット・モンゴル・ブータンといった、訪れる機会の少ない旅行地を、少人数でも現地スタッフが(日本語で)ガイドする経験型(ここではあえて体験と言わない)ツアーで楽しむというもの。
それを支えているのが、互いの文化を尊重しつつ、プロとしての品質を求め合う、本社と各現地法人との緊密なつながりである。
ひとつエピソードを。
1996年の秋、スタッフが現地(ネパール)での手配を忘れる事態が起きた。
そのお客は、もちろんそんな事とは知らずに空港に到着。たまたま他のお客を迎えにきていたNKT(現地法人、ネパール・カゼ・トラベル)のスタッフが気付き、そのお客に全く悟られないように、その場で手配を済ませ、滞りなくツアーの日程をこなした。(本書168頁より電線要約)
もちろん彼らは、後から日本の「風社」に「いったい何やってるんだ。」と怒ってきたそうだが。
代表取締役である著者は、20年前には小学校の教員だった。
それが88年のネパール旅行をきっかけに、思ってもみなかった道に踏み込んでいく。
前書きに「…風の旅行社のことを書いているのか自分史を書いているのか分らなくなって」しまった…とあるが、会社運営の時々に著者が何を感じてどう対処したか、を記したセルフドキュメントになっている。
書きぶりは真摯公平、私心が強いとこのようには書けないな…と感じさせられる。
著者には偶然の出会いを必然に変える「何か」があるようで、それは闇雲なパワーというよりかは、熱意に裏打ちされた謙虚さのようなものだと思う。
もちろん本筋は「風社」の取り組みの歴史であり、そのなかで旅行業の抱える問題点、課題についても学ぶことが出来る。
また、写真も豊富で美しい。
〔付記〕
私は、本書を版元予約で購入した。(で、今頃記事にしている。)
同時に既刊の本も注文したところ「お急ぎでしたら既刊本を先に発送しますか。」とのメールを頂いた。
こういう心遣いは嬉しいので、特に記しておきます。
尹良浩さん、有難うございました。
「会社のつくりかた」シリーズの第2弾として、この3月刊行。
紹介も兼ねて、リンクはアマゾンではなく版元のサイトに貼った。
帯を引く。
~商売とは、自分にしか
できない価値を
自分自身で作り出すこと。
そうでなければ
儲からないし、
何より面白くない。
風の旅行社(以下「風社」)において「自分にしかできない価値」を提供する転換点は1996年。
売上の9割(!)を占めていた格安航空券の販売から撤退し、稀少で付加価値の高い「旅行商品」に特化することを決断した時だ。
それは、「風社」の原点であるネパールを筆頭に、チベット・モンゴル・ブータンといった、訪れる機会の少ない旅行地を、少人数でも現地スタッフが(日本語で)ガイドする経験型(ここではあえて体験と言わない)ツアーで楽しむというもの。
それを支えているのが、互いの文化を尊重しつつ、プロとしての品質を求め合う、本社と各現地法人との緊密なつながりである。
ひとつエピソードを。
1996年の秋、スタッフが現地(ネパール)での手配を忘れる事態が起きた。
そのお客は、もちろんそんな事とは知らずに空港に到着。たまたま他のお客を迎えにきていたNKT(現地法人、ネパール・カゼ・トラベル)のスタッフが気付き、そのお客に全く悟られないように、その場で手配を済ませ、滞りなくツアーの日程をこなした。(本書168頁より電線要約)
もちろん彼らは、後から日本の「風社」に「いったい何やってるんだ。」と怒ってきたそうだが。
代表取締役である著者は、20年前には小学校の教員だった。
それが88年のネパール旅行をきっかけに、思ってもみなかった道に踏み込んでいく。
前書きに「…風の旅行社のことを書いているのか自分史を書いているのか分らなくなって」しまった…とあるが、会社運営の時々に著者が何を感じてどう対処したか、を記したセルフドキュメントになっている。
書きぶりは真摯公平、私心が強いとこのようには書けないな…と感じさせられる。
著者には偶然の出会いを必然に変える「何か」があるようで、それは闇雲なパワーというよりかは、熱意に裏打ちされた謙虚さのようなものだと思う。
もちろん本筋は「風社」の取り組みの歴史であり、そのなかで旅行業の抱える問題点、課題についても学ぶことが出来る。
また、写真も豊富で美しい。
〔付記〕
私は、本書を版元予約で購入した。(で、今頃記事にしている。)
同時に既刊の本も注文したところ「お急ぎでしたら既刊本を先に発送しますか。」とのメールを頂いた。
こういう心遣いは嬉しいので、特に記しておきます。
尹良浩さん、有難うございました。