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というわけで『レッドクリフ』観ました、カムイに似てる?うきうき。

2008-11-24 | 本・映画・ドラマのレビュー&気になる作品

というわけで『レッドクリフ』観ました、
カムイに似てる?うきうき。


三国志映画『レッドクリフ』カンヌ映像(LONG)-赤壁、redcliff、中国語英語字幕-


『レッドクリフ』観て来ました^^画像もネタバレアリです。ご注意くださいね。

■■■あらすじ■■■
曹操が自分のものにしたのは、中国大陸の中央部にあたるところであり、
北には袁紹(えんしょう)がいたが、南にも孫策(呉・孫権の兄)がいた。
曹操と袁紹が闘っている隙に、孫策は北上し、都である許昌を制圧し、
皇帝を奪い、自ら権力を握ろうと考えた。曹操は南と北の両方と
闘わなければならなかったのだ。ところが孫策がいよいよこれからと
いうときに暗殺されてしまう。26歳だった。孫策の死によって、
曹操は袁紹との戦いに専念できるようになった。

官渡の戦いは曹操の勝利で終わったが、袁紹軍との戦いは終わらなかった。
袁紹が病死した後も、3人の子が抵抗し、曹操が勝利するには7年の
歳月が必要だったのだ。

孫策のあとを継いだのは孫権である。孫権は闘うことよりも統治能力に
優れていた。そのことをよく知っていた孫策の遺言で孫権は内政に
力を注ぎ、国力を蓄えることにした。

だが、208年、孫権の恐れていた事態が起こる。袁紹の遺児たちを倒した
曹操が南下をはじめたのだ。
孫権の陣営はあくまで曹操と戦うかあるいは降伏するかで意見が分かれた。
曹操が皇帝を擁している以上、それと闘う大義名分がないとして降伏を
主張するものと徹底抗戦すべしと唱える武闘派に分かれたのだ。
孫権は気持ちのうえでは抵戦派だった。

孫権の陣営のなかで主戦論を唱えた一人が周喩だった。周喩は孫権にとって
兄のような存在の盟友だった。彼は後漢王朝で大尉をつとめた名門の出で
後漢王朝には人一倍の忠誠心があった。そのため、曹操が皇帝を操って
いる現状をどうにかしたいという思いもあった。

曹操を倒し、漢王朝を正しいかたちに戻す。これが周喩にとっての、
大義名分となった。周喩は孫権に陸戦では負けるが、水戦では勝てると
孫権に進言した。孫権は曹操軍との戦いを決断した。
そこへ合流し、同盟を結ぼうとしたのが、曹操との戦いに敗れ、
民を率いて逃れてきた劉備軍だった。

映画では諸葛孔明が周喩に同盟を結ばせるために赴く設定になっているが、
孫権・周喩側とすれば、上記のような思惑があったのだ。
そして舞台はいよいよ≪赤壁≫へ・・・・・・



■■■感想■■■
曹操はやっぱり星野仙一さんに似てたーー(笑)
妹尾さんがカムイ外伝が似てるって仰っていたので、どきどきして観ました!

映画の冒頭は地図をつかっての状況説明になっています。
長大な≪三国志≫世界をたらたらとつまみあげていたのでは、それだけで
映画が終わってしまうから。
「赤壁の戦い」は魏・呉・蜀がひとつの戦いに絡む、三国志での
最大の見せ場のひとつです。諸葛孔明の知恵の見せ所でもあるわけだし。
そこにいたる冒頭の戦闘場面はすさまじかったですよ。
住民とともに逃れていた劉備の妻・甘婦人と子・阿斗を護るために
趙雲(ちょううん)が切りまくる場面は圧巻。ちなみに趙雲というひとは
劉備の死後も蜀のために尽くしたひとで最古参の武将らしいです。
その戦闘場面が圧巻で、大スクリーンでの展開には圧倒されました。
広大な土地に軍馬が群れをなして入り乱れる前の疾走場面が
すさまじく美しいんですから。

後半、曹操が赤壁に軍を構えるまでにもう一度大規模な戦闘場面がある
のですが、なんだかそのスケールとリアルに圧倒され、しんどくなる
くらいでした。一緒に観に行っただんなとももが「長すぎ」と言ったくらい。
でも「三国志は戦いの物語だからしかたない」と私がなだめる始末(笑)

一度≪三国志≫を通読しただけの私は登場人物をすっかり忘れて
いたけれど、ももはだれそれがでていない、あのエピソードはどうしたと
なかなか手厳しかったです。周喩は≪美周郎≫と呼ばれるくらいの
美青年だったのだけど、ももは「おっさんやんけ」とふてくされていました。
彼の三国志観では外せない要素だったみたいです(笑)
トニーレオン演じる周喩はかっこよかったですよ、いっときますけど。
ただ、ちょっと年長だって、しかたないやん。ねえ?

妹尾さんは金城武演じる諸葛孔明が≪気のいいお兄さん≫と感想を
言われていたけど、たしかにね(笑)でも周喩と甘興(中村獅童さん)を
挑発するような駆け引きをしてスリリングでしたよ。
(「陣形が古い」なんて、軍師に言えませんってふつう)
そうそう、中村獅童さん扮する甘興は実在しない人物なのだけど、
三国志では甘寧という人物にあたるようです。ただ、監督は史実を超えて
自由に動かしたかったのでしょうね。獅童さんは登場場面はそんなに
多くないのですが、素晴らしい存在感でした。ちょうど≪男たちの大和≫
の内田みたいに。目つきが悪かった(笑)でもかっこよくて、
監督がどうしても獅童さんを三国志の世界に欲しい理由が納得できたというか。

特筆すべきこと!!!!
三国志の世界では女性はほとんどクローズアップされることがないのですが、
劉備たちが活躍するはるか以前、菫卓と呂布という二大悪漢として書かれる
武将がちょうせん(字忘れた)を奪い合うエピソードがあるのです。
(呂布は義父になった人間を2人も殺しているめちゃ強い武人。のちに曹操に
処刑されます)
でもって、今回の「レッドクリフ」ではオリジナル設定??、周喩の美しい
妻、小喬が大クローズアップ。(ちなみに亡き孫策の妻が大喬という、
小喬の姉でした)この小喬の色気がはんぱないのですよ、女優さん、
セクシービーム炸裂しっぱなし(笑)なんでそこまでの色気が三国志に
必要やねん!と思いましたが、この映画の曹操にはとっても必要なのでした(笑)

私はやっぱり三国志世界を通じて諸葛孔明が一番好きなので、
金城武さんに注目していました。普段はソース系美青年って得意では
ないのですけれど、長身でオーラがあって、かっこよかったですよ。
かたときも扇を離さず、孔明の静謐さと知性が際立っていると思いました。
白い衣装が戦いの場では穢れのない鳥のような自由な魂として象徴的
だと思ったし、ゆったりとした動き、かすかな笑みが器の大きさを
知らしめてくれる気がしました。
映画からは離れますが、諸葛孔明は53歳で、周喩にいたっては、
この戦いで胸にうけた傷がもとで36歳の若さで亡くなってしまいます。
周喩は積極的な武将だったから、存命していればやがて孫権と対立
したのではないかといわれているそうです。

観終わって、ですが、この映画は本当に大スクリーンでこそ堪能できる
素晴らしい映画だと思いました。「ナンリットルの血液」とももが
ゆうちょりましたが、血液だめなひとはちょっとやばいかも。
でも腕や足が飛んだり、首が・・なんてのはないですから、大丈夫です。
串刺しが好きみたいだ(笑)

そうそう、私、号泣してしまった場面が冒頭近くの戦闘場面にあるんです。
劉備が曹操に抗戦するのではなく、民を護るために撤退してゆくのですが、
第一軍、第二軍、第三軍と、文字通り壁になって、
民と劉備たちを逃がすんです。仁王立ちのようになって、次々と
殺されてゆく兵士たちを観ると、涙がとまらなくなってしまいました。
やっぱり華々しい赤壁の戦いが描かれていても戦いの本質をまざまざと
見せ付けられる思いでした。

最後に劉備と生死をともにする名武将の関羽、張飛も特徴よく描かれていて、
なんか「ああ、ふたりがここにいた!!」とリアルに思いました。
来年の4月に完結編が上映されるそうで、今からとても楽しみです。

長々お付き合いくださいまして、ありがとうございました。



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4 コメント

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Unknown (かめろんぱん)
2008-11-24 12:54:54
こんにちは~♪
昨日はうちにもコメありがとうございます~^^

って樹さん!見に行くの、ちょっ早ですね!!
昨日の記事に『見なくちゃなぁ』と書いていたのが
今日はもう『見てきました』ですもんw
お見事です。

最初の趙雲が劉備の子を守りながら戦うシーンは
カッコよかったですね♪
途中から布でくるんで荷物みたいに背中に回して
戦ってましたもんね^^
私は『三国無双』ってゲームのキャラ萌えから
入った不純な奴なんですが
美周郎にも『アレ?』とちょっと思ったんですが
私が一番好きな趙雲(ゲームではめちゃカッコいいのでw)
にも『あら?』って思ってしまいました^^;
イカンなぁ、私。三国志をそういう目で見るなって(笑)

小喬のお色気はたしかにいるのか?って
私もハテナ?に思いました^^;
旦那も『そんなラブシーンに時間つかうんやったら
曹操と関羽のエピソード入れてくれぇ』って
嘆いておりましたw
大喬・小喬の『絶世の美女』ってことで
ああいうシーンを盛り込んだんでしょうかしら~?

樹さんも仰っておられますが関羽と張飛、特徴
出てましたよね!孫尚香もさすが『弓腰姫』って
感じでじゃじゃ馬娘って感じが出てて
良かったなぁ♪

来年の楽しみな映画の一つですね!!
早く見たいです
返信する
かめろんぱんさんへ ()
2008-11-24 20:04:45
こんばんは。

昨日に続いてコメントありがとうございます。
無理やり引っ張ってきちゃった(笑)
三国無双をしていたんですか、
わああ、詳しいはずですよ。
ゲーム、美形揃いじゃないですか?
ももは甘寧が好きだそうですよ。
三国志の世界を映画で見ると血が騒ぎますよね(笑)

趙雲、カッコイイです!頼りになるし。
映画の俳優さんはかめろんぱんさんのご期待に添わず残念、
でも、それぞれの俳優さん、
存在感がありましたね。

私はほとんど忘れているので、
「えええ忘れてんの?」といわれつつも、
いろいろ教えてもらえて嬉しかったです。
来年四月までには復習したいです。
たしかに関羽と曹操のエピソード、
小喬の代わりにほしかったです。

ももはゲームやれと言うんですが、
≪敵将うちとったり!≫はももの部屋からエンドレスで聞こえてきて・・・
飽きました(笑)

関羽と張飛にもまた早く逢いたいですね!!
返信する
完璧レビュー! (さち)
2008-11-25 16:21:42
こんにちは~、樹さん。
「レッドクリフ」見に行かれたのですね♪
公開前から、劇場のCMで何度も見かけて、一体どんな内容の映画なんだろ~と気になっていました。
でも、「三国志」について知っていることは、主要人物の名前くらいで・・・
映画のタイトルの意味も、樹さんのあらすじを読ませて頂いて、知りました(汗)

とても壮大なスケールの戦いのお話が、感想から伝わってきました!
たくさんの人の血が流れることは、いつでも厳しく悲しいです。

>周喩の美しい妻、小喬が大クローズアップ
今回の映画、女性も楽しめる映画で、女性の観客が多いと、TVで目にしたことを思い出しました。

樹さん、だんな様とももちゃんと見に行かれたんですね♪家族で映画を見る休日、楽しいです!
素敵なレビューをありがとうございました☆
返信する
さちさんへ ()
2008-11-26 21:11:28
こんばんは~☆

コメントありがとうございます。
夫、ももと共通の話題があまりなくて(当時)、
彼らがゲーム≪三国無双≫で
もりあがっているのをいいなあって思って
見ていたんです。
ブログをはじめて2ヶ月位した頃かな?
そいで1回だけ全部読みました
男の人の忠誠心はときにおばか!って思うくらいなんですが、
ピュアで悲しいなって思ったものです。
どこまで行っても戦いの話ですからね。
でも、
さちさんも時間がとれるようなら、
一度読んでごらんになったらいかがでしょう。
弟くんと会話の幅もひろがりますよ☆
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