Lに捧げるちいさな図書館

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坂木司「青空の卵」(創元推理文庫)

2006-11-28 | 本・映画・ドラマのレビュー&気になる作品
 怒れ、鳥井。ってのっけから何ですが。
いじめ問題はブームじゃないですから。
教育再生委員会では義家弘介さんがいつもクローズアップ
されてるみたいですが、彼がいいこと言ってます。
「いじめられている子が学校を休まなければならないというのでなく、
いじめている子を出席停止にするべきだ」、と。
そうだよね、私立だったら退学なのにさ、なんで公立のがっこは
悪いやつがのさばってるんだ? 
悪い子の親のほうが対応しにくい、てわけですか? 
いじめられて苦しい子に登校を無理強いするのは
かわいそうですが、
彼の教育をうける権利を剥奪している加害者らを
削除していくべきですよ。
わ、削除だって、デスノみたいな言い方。
 「青空の卵」のひきこもり探偵・鳥井、ひきこもりになった原因は
3部作の完結編で明らかになるんだけど、
できる子・鳥井を追い詰める方法って、考え付くやつがいる
んですよね。鳥井、つらかったよね。
 で、彼をその時助けてあげられなかった同級生・坂木が
鳥井のリハビリを手伝うべく、就職すらも、時間を自由につかいやすい
外資系の保険会社に決めちゃうんです。毎日、夕食は鳥井の手料理。
鳥井は料理がめちゃめちゃ上手で、趣味は通販で全国の銘菓を取り寄せること。
わけわかんない銘菓のおみやげなんか、家族でまず~なんて、食べるでしょ。
鳥井はああいう風景、団欒にあこがれるわけですよ。
で、そういう鳥井と坂木のまわりで事件が起こるわけです。
人が死んだり、大金が盗まれたり、といった劇的な事件は起こりません。
夜中に若い男性が連続して襲われたり、歌舞伎役者のところに妙な贈り物が
連続して届くのはなぜ、とかいうような、「事件」です。
 事件を鳥井が推理して解決する(この推理はすごい)うちに、知り合いが
増えてって、連作短編みたいなのだけど、登場人物がにぎわってゆくという、
3部作を味わう醍醐味のひとつになっています。
もっとも、鳥井をとりまくひとたちは、ちびまるこちゃん的世界じゃなく、
サザエさん的世界ではありますが。
善意のかたまりみたいなひとたちが大勢いるんで、ちょっとひねくれてる
私は、私の座るとこがない~なんて、ぶーたれそうです、たはは。 
ちなみにLだったらまる子のまわりのガキたちに、手を焼くんでしょうね。
ワイミーズのこどもたちとは勝手が違いすぎです、たぶん。



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