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《ノルウェイの森》舞台裏、遅ればせながらCREA.

2010-05-28 | 松山ケンイチ

CREAの記事については何人もの方に教えていただきました。
ありがとうございます。
遅ればせながら少しご紹介します。
超訳みたいな感じで(ごみーん)

《ノルウェイの森》舞台裏、
     遅ればせながらCREA.

小川真司プロデューサーはあの名作、「ピンポン」を
手がけ、大ヒットさせた方なんですね。
小川Pが人づてにトランアンユン監督が「ノルウェイの森」を
撮りたがっているということをお聞きになったらしい。
それがすでにメールってところが、
原作を取り扱うのに隔世の感がありますね←個人的所感(汗)

監督が、日本で日本の俳優で撮りたいという意向なのを確認して、
村上春樹氏との面会をセッティングされるわけです。
小川Pが監督を信頼すればこそ、ですね。
村上春樹氏から許諾をもらえそうな気がしていたそうです。

村上春樹氏はこだわりのある作品だから許諾してこなかった、
だけど50歳を過ぎて考え方も変わってくるから、と。

とはいうものの、そこで話だけで許してもらえるわけではなく、
とにかく第一稿を書こうということになり、
出来上がったのは1年くらい経った頃だったそうです。

《トランが苦心して書き上げた第一稿に対して、村上から
いくつかの提案があった。自分ならこうするという意見や、
中には原作にないセリフが書き加えられた部分もあった。
それらをもとに、数年越しの改稿を重ねる過程で、
小川は何度か映画化を断念するような瞬間にも直面している》
                    (記事のまま)

村上氏のあらたなセリフが入っているんですね?
というか、参画なさったというのは、すごいことではないですか?

やはり言葉の壁は大きくて、トラン監督と村上氏の間で
誤解が生じることもあったそうで、間に入ったかたちの小川Pは
パリにとび、トラン監督と3日間、徹底的に脚本を詰めたのだそうです。
後日、その過程を参考として村上氏に渡したら、納得してくださり、
そこでトラン監督に委ねたいという返事があったとのこと。
ここまででも、かなりの道程って感じですよね。

《キャスティングは難航しました。演技経験の浅い方まで、
数多くの人をオーディションしましたね。
最初に決まったのはワタナベ役の松山ケンイチさんと、
直子役の菊池凛子さんです。最初、菊池さんに対して、
【バベル】を観ていた監督はあまりいい反応を示しませんでした。
でも、絶対にオーディションを受けたいという菊池さんから
ビデオが送られてきて、それを観たら彼女しかいないと思ったんです。
それくらい、直子になりきった彼女にはインパクトがありました。
松山さんも、当初監督はピンと来ていませんでしたが、実際に
会った瞬間、彼がワタナベだと確信したようです》

09年、撮影が始まり、普通はそうなると映画は監督のものになるのだけれど、
小川Pはすべての現場に張り付かなければならなかったそうです。
というのも、監督が演技の良し悪しは言語を超えて判断できても、
日本語としての正確さはわからないから。

《僕がそのチェックをしなければならなかったんです。撮影中、監督は
その場でセリフを書き換えて、俳優に覚えさせたりする。大変ですよね(笑)。
セリフに関して、村上さんがおっしゃっていたんです。
自分が書いたセリフは役者が喋ることを前提にしていないので、
変えていいですよと。それで脚本では自然な日本語に直していたんですが、
現場で松山さんが【原作のセリフでもいいですか?】と言って、
だいぶもとに戻ったんですね。でもそれは喋り言葉として妥当なのか?
その判断は、村上さんと最初から話していた、僕にしかできないことだったんです》

現場では60年代の日本に存在したものかどうか?それにスタッフが
こだわることもあり、ズレが生じていたのだそうです。
そこで、小川Pは現場をストップして、このプロジェクトが持つ意味を
あらためて説明なさったそうですよ。

《いつものやり方にしていったら、いつもの日本映画にしかならない。
村上さんが文壇に登場した時、あの翻訳調の文体は文学じゃないと
言われたわけです。でも、あれこそ僕らの世代の文学だったし、
ユニバーサルなものだった。同じように、今までの日本映画にない
新しいルックを、日本と海外のスタッフが協力して作るんだと。そうでなければ
【ノルウェイの森】にならないと思ったんです》


なんかなんか、プロジェクトXのようですけれど、いや、まじで。
原作者、監督、プロデューサー、俳優、スタッフ、
あらゆるひとたちが全力でひとつの新しい産物を作り上げたというか。

しかし、小川Pという方がいらしたからこそ、【ノルウェイの森】は
映画としてこの世に生まれることができた(まだですが)わけですね。
脚本に原作にはないセリフを書き加えた(村上さん)
なんとしてでも演じたい(菊池さん)
ここは脚本でなく(もう頭にはいっている)原作のセリフで(松山さん)
ここの風のそよぎはこの強さで(とかなかったでしたっけ、トラン監督)、
時代に沿っているのかという疑問を納得させた(小川P)・・・・・

こういう熱い想いを
儚くも美しい森に象徴させた作品、
まったくの完成への歩みを、
息をひそめて待ち焦がれたいものですね。




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10 コメント

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Unknown (Mママ)
2010-05-28 16:05:34
樹さん、こんにちは♪
コメントご無沙汰してしまいました。
この記事ははじめて知りました、ありがとうございます。

>松山さんも、当初監督はピンと来ていませんでしたが、
>実際に会った瞬間、彼がワタナベだと確信したようです

なんかこれわかるような気がします。
生松ケン見たことないですが(笑)
返信する
Unknown (藤原)
2010-05-28 19:01:29
本当に本当に本当~~に!
松山君って 運が強い!
この記事拝見してたら いかに今回の企画が
綱渡りの連続だったか よく分かりました
そうだよね~ ワタナベっぽい 雰囲気出す俳優さん沢山いると思う
それに 演技出来ないモデルにまで目を向けるともっといそう

今 ジェネラルルージュに夢中だからいうわけじゃありませんが これ 10年以上前の企画なら
リアルクレバーな西島さんあたりに持ってかれてたかも(国立大理学部とか出てるらしい)
製作を決定した年代
タイミング 若手俳優として油が乗りきってた今

今 選ばれる~~
う~~ん 松山君 スゴイ!
私 自分にくじ運全くないんです(笑)
運も実力のうちといいますが 全くその通り

もちろん製作側からしたら脇役はともかく 語り部のワタナベは さすがに無名は(笑) 興業的にアレでしょうから
ある程度 推薦してた俳優はいたでしょうね

噂では 陽人見たらしいけど
陽人(笑)から よくワタナベイメージ出来ましたね(笑)
でも顔立ちの整い方は見えるものね


返信する
Unknown (カンナ)
2010-05-29 21:23:12
時々、ロムさせて頂いてます。

クレアの記事up有難うございます。

え、陽人?
藤原さんのレスをいつも楽しみにしていますが、情報が豊富で・・(笑)
ワタナベ役のキャスティングは「ウルミラ」公開前に
決まったのだろうと思っていました。

>陽人(笑)から よくワタナベイメージ出来ましたね(笑)

そうだったのですか?
「ノル森」の撮影が始まったのは、09年2月ですが・・・。(「銭ゲバ」放送中ですよね?)
最初はロケ地の風景の撮影から始まったそうです。



返信する
Mママさんへ ()
2010-05-30 07:01:38
おはようございます。

>なんかこれわかるような気がします。
>生松ケン見たことないですが(笑)

実際に会って、いろんな表情のなかに自分のイメージが投影できると、
嬉しいでしょうね。
監督がやっと探し出した・・というのをよく目にしますが、
多くの監督にとって、松山さんって探さなくてもすぐそばにこんなにすごいひとが・・
なんだろうな
(とかファン馬鹿:笑で言ってみました)
返信する
藤原さんへ ()
2010-05-30 07:07:08
おはようございます。

誰キスも監督が《L》に恋して?キャスティングしたようですが(笑)、
《陽人》も素晴らしすぎるキャラなので、ちょっと心配←なのか(笑)
監督が冷静に松山さんを観てくれているといいですね。

西島さんにお熱な様子、
かわいいです、藤原さん。
ほんと、あの方、松岡を演じていた頃から超素敵でしたけど、
あんなに面白くて無防備でかわいいひとだとは思いませんでした。
インタとかバラエティで相当天然はいってますよね。
市川準監督が「トニー滝谷」のナレーションを生命力が感じられないからと、
西島さんに決めたと公で行ったのに、しれっとしてて可愛かったですよ(笑)
グータンの、ウケを狙わない発言もラブリーでしたね。

って、西島さんについて語ってしまいました。
たまにはいいか(笑)
返信する
カンナさんへ ()
2010-05-30 07:14:25
おはようございます。
横レス失礼します。
藤原さんの意図はわからないですが、

>陽人(笑)から よくワタナベイメージ出来ましたね(笑)

これは松山さんの演技を初めて見たのがこの映画という意味ではなくて、
陽人も見たと聞かれたから、
参考のために?と思われたのでは。
なるほど、演出の参考に決めた俳優の過去作品を観ることが
あるのかもしれないですからね。
Lだとあの時代のやぼったさはどのカットからも透けて見えないだろうけど、
陽人の無防備だけどこころを透けさせないありかたは
そこから想像力をかきたてられたかもしれないですからね。

私も藤原さんがいろいろ教えてくださる情報には驚かされます、
まじ、ありがたいですね(笑)



返信する
陽人でオーデション (北のエリー)
2010-05-30 09:28:11
はじめまして
L図書の熱心な読者です。
藤原さんでもないのに横レスで失礼しますが
トラン監督はウルミラを撮影中の青森に来てノルウェイの
オーデションをしたそうです。
松山さんが雑誌インタビューで言っていました。差し出がましい事ごめんなさい。
返信する
おおっと!(笑) (藤原)
2010-05-30 09:54:44
申し訳ない!
現場混乱させてしまいました!(汗)
北の~ さんのおっしゃっる通りで間違いありません!
ウルミラを撮影中 現場で松山君の演技を見て
決定の大きな手掛かりとした という意味でした

樹さんへ(はあと)
西島さんに夢中というよりですね
彼は職人ですから 今回の医者がとても魅力的なのです 公式BBSは 一応トプクレの伊藤さんファンに気の毒なくらい
「速水」(西島さんの役)への賛辞で溢れてます
私は 松山君のお顔やスタイル松山君のベスト状態の美しさがもちろん群を抜いて好きなのですが(笑)
西島さんは好きな俳優の一人
今回は やっぱり役者というからには こうでなくては行けないとさえ思えました
某月9スターのように とにかく彼がいれば満足 役柄じゃなくて 〇〇様素敵

ではなく 役付きじゃない時はとても静かな容姿の人が
ガーっと 気持ちいい位に役を形にして来ると楽しくなってしまうんですね

今回の西島さんは秀逸でした 私は「速水」だけが多分特別に好きなんだと思います
松山君と その辺りが似てるんだよな~
「エル」限定 「クラウザーさん」限定 「風太郎」限定ファンが存在してるし

やっぱりね~ 何をやっててもいいから 〇〇きゅん素敵~
よりは 役者なら こうじゃなきゃ ね
と 一応私の主観話でした
お騒がせして 申し訳ない(笑)
では また!

返信する
北のエリーさんへ ()
2010-05-30 10:29:36
こんにちは。
初めまして。
コメントありがとうございます。

すみません、助かりました。
ってゆうか、こういう時期とか詳細については
記憶力が悪くて、
ごめんなさいです。
さっそく、お教えくださり、ありがとうございます。
まろうさぎさんにちゃんと聞くべきか←笑、
と思っていたんですが、
超感激しました。

>L図書の熱心な読者です。

きゃっ。書きなぐってる記事が多いのが恥ずかしいです、すみません。
疲れて口内炎だらけで痛いんですが、めっちゃ元気もらいました。
今後ともよろしくお願いします。(*^:^*)
返信する
藤原さんへ ()
2010-05-30 10:36:59
こんにちは。

調べる前に軽率なこと言ってすみません。
どうも資料化して頭の中にファイルできない人間なので、
お許しを。
北のエリーさんが速攻で書き込んでくださって、嬉しいです。ありがたや。

西島さんのこと、そうなんですか。
蟹工船や、パッチギではいやなやつを好演なさってました。
藤原さんのおっしゃるとおり、職人ですね!
今は龍馬伝、ハガネの女くらいしか観れていません。
録画したのを見る時間もなくて。
お休みもシフトなので曜日が決まっていないし。残念です。
しょーむない《素直になれなくて》は晩御飯たべながらこないだも観たのですが、
君嶋麻耶さんが生徒役でちらって映って、
これでも出演ってなるんだもんなあと、
松山さんの《偶然にも最悪な少年》を思い出しました。
君嶋さんも大好きだし、斎藤工さんも大好きなので、
めちゃ惚れやすい人間と思われているだろうと思うけど、
Lたん以上に好きなひとはいません。それで行けば限定組かもですね(笑)
返信する

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