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小栗旬「オレは許せない」 「KY」現象に批判噴出 2007-12-29

2015-02-09 | 気になる表現者
(2007-12-29付記事を再掲載しています)


小栗旬「オレは許せない」 
「KY」現象に批判噴出



小栗旬さんは「KYって言葉、オレは許せない」と毎日新聞に対して述べた
「KY」という言葉がメディアでも頻繁に使われている昨今だが、
一方で「KY」という言葉に批判的な意見も噴出している。
人気俳優・小栗旬さん(25)が「KYって言葉、オレは許せない」
と述べるなど、「KY」への風当たりは強い。

2ちゃんねるでも「見直した」といった書き込みが相次ぐ
「KY」とは、「現代用語の基礎知識2007」(自由国民社)によれば
「空気を読め」の略。メディアなどではもっぱら「
空気が読めない」の略として使われている。
最近の例では、朝青龍が春日野部屋に「アポなし」で
出げいこに行ったことが「KY」、年金記録不備問題の全面解決が
困難な状況になっていることについて福田康夫首相が
「公約違反という大げさなものでない」と発言したことが「KY」、
といった具合にスポーツ紙などに評されている。

安倍前首相が、参院選での自民党「大敗」の後に辞任せずに、
所信表明演説後の2007年9月12日に突然辞任表明したことについても、
メディアによる「KY」報道が過熱したことは記憶に新しい。
その後、様々な場面で「KY」が頻発されるようになった。

この「KY」現象にあわせるように、毎日新聞では
「'07年顔 空気読んだ?」というインタビュー記事の特集が組まれている。
2007年12月26日のこの特集には、人気俳優・小栗旬さんが登場。
07年にテレビや映画、舞台での活躍ぶりに言及された後に、

「KY(空気読め)って言葉、オレは許せない。
どこまで知的レベルを落とせばいいんだ、この国は、って思います。
オレだって勉強ダメですけど、でも自分の中に良い悪いの基準は
ちゃんとつくっているつもりだから」
という小栗さんの言葉が紹介されている。

この発言はインターネット上の巨大掲示板2ちゃんねるを中心に
大きな反響を呼んでおり、「小栗よく言った!」「見直した」
といった賛意を示すような書き込みが相次いでいる。
どうやら、「KY」という言葉がメディアで頻繁に使われることに
違和感を感じていた人が実は多かったようなのだ。


「極端から極端へと民意が振れ、民度がかつてなく低下しています」
社会学者の宮台真司さんは2007年12月22日のブログで、
社会の「共通前提」が崩壊してしまった現状で、
「ノリ」によって擬似的な共通前提を作り出さないと
コミュニケーションが進められない状態だと分析し、
「空気」を壊すことへの「異常な忌避」が生まれたと指摘。

「昨今の『KY問題』が突きつけているのは、共通前提の崩壊がもたらした
過剰不安と、不安の埋め合せへの過剰要求です。それらのせいで
截然とした二元論が要求されがちです。その結果、極端から極端へと
民意が振れます。その意味で民度がかつてなく低下しています」
と、「民意の低下」やメディアが「KY」を利用している現状を批判している。
上武大学大学院教授でブロガーとしても知られる池田信夫さんは
07年12月23日に自身のブログで、宮台真司さんのこの指摘に賛意を示しつつ、

「日本のメディアは空気によって党派がわかれ、
慰安婦でも沖縄でも、初めに結論ありきで、
歴史的事実におかまいなしに、朝日=岩波ムラと産経=文春ムラにわかれて
罵倒の応酬が続き、論理的な論争が成立しない。
たとえば『諸君!』に執筆すると、文春ムラに入ったとみなされ、
そっち系の雑誌からばかり注文が来るようになる」
とメディアの「空気を読む」姿勢について批判を展開している。

小栗旬さんの「KYって言葉が許せない」
「どこまで知的レベルを落とせばいいんだ、この国は」という発言と
どこまで共通性があるのかは分からないが、少なくともメディアが
「KY」を頻発する現象に違和感を覚える人が多くいるのは確かなようだ。
                     (J-Cast ニュースより)

「KY」この言葉を聞いたのはそれほど前の話ではありません。
親の私にはわからないだろうと、こどもがよく使っていました。
「共通前提」を作って、擬似連帯をつくろうとする、しかしその根拠の
ない、意見・態度の強制と他者排斥を折込積みの冷酷な視線。
最近になってしったのはDQN(ドキュン)です。何かとんでもない
ことをやらかしてしまったひとのことをさすようです。
ひとつの言葉が仲間内で流通するようになると、縋るようにこの言葉を
多用する、そういう風潮が蔓延していることにはいい気持ちがしません。
2chでそういう言葉が日々生まれやすいことも聞いてはいますが、
今回小栗旬くんの憤りにたいして、2chでその発言を歓迎する声が
あがっていることに、少なからず驚きました。
少し前には何を聞いても「ビミョー」と繰り返していたうちの子ども。
あやふやに言葉を濁すことでやり過ごせていた場面が、
≪この場の全体の方向にそった言動だけを許す≫というふうに
状況が悪化しているのではないかと、そのことが懸念されてなりません。
せめてわが子がその言葉をつかったときに「何を言うんだ!」と
一度、言葉の前で立ち止まらせてやることが必要なのではないかと
思いました。ただ、その先は本人の問題ではあると思いますが。


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8 コメント

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小でぶすずめさんへ ()
2015-02-19 19:16:59
お返事遅くなってすみません。

>「空気」を壊すことへの「異常な忌避」が生まれたと指摘。

言葉はがさつでも、そこに他者を思いやろうとするこころづかいがあればいいと思うのですけど、
共通前提の強制というのは、
物事の見方の一元化、だけではなく、
あらゆる『仲間でないもの』を排除しようとする空気に満ちていると思います。
小栗さんのように影響力のある方が、反響を恐れず、
よく発言してくださったなあと、当時思いました。

時代とともに言葉は変わっていくものであろうと思うのですが、
言葉がときに暴力であり、武器である、というのは不変だと思います。
鈍感にはなりたくないですね。




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こんばんは (小でぶすずめ)
2015-02-10 03:05:40
樹様
この論争の再掲載 ありがとうございますm(_ _)m
ky すごくいやだと思って私はあえて使わないことで 抵抗をしている者です。
新聞も言葉を多様化した時 日本語も地に落ちたなあと感じたのは私だけでしょうか?
俳優さんの しかも若い方のこの発言 しかもあの頃は頻繁にもっと使われていたであろう時に、
本当に勇気のある行動ではなかったかと感じます。
「質問させてもらっても良いですか」 もしかり 「微妙」 「なにげに」 「っ的な」は いやだけど まだましと 思っていましたが 空気は読んで吸うのかよ しかも アルファベットを使ってぼかしつつ批判することがいやでした。
あと 最近きになっている うざい。
すごく短絡的で冷たい表現で嫌い。
清盛をみてて 日本語は美しいと何回も思わせていただきました!
「大事ありませぬか?」 「行って参る」 すごく周りに対する配慮を感じる表現が出来た人種なのだなあと 矛らしい気持ちがいたしましたから。長々と失礼。
ああ セクロボ 懐かしい
返信する
綾さんへ ()
2009-11-13 08:16:08
おはようございます、綾さん。

>「空気嫁」的な圧力に対して堂々と
>読んでますが、何かって言えるようになりたいものです。

かっこいいですね、かくありたいです。
しかしながら、みんなが偏狭になりすぎるきらいがありますね。
包容力のなさが、自分の首も絞めることになるというのに・・。

近頃思うのですが、若いひとと一緒にいると、
「○○してもらっていいですか?」
という言葉があまりにも多いのでびっくりします。
「○○してください」が言えない雰囲気。
それって、「発言してもいいですか?」の流れからきているような気が
するのですが、考えすぎかなあ?
KYから先にそれがあった、みたいな。
杞憂ならいいんですが。

綾さん、旬くんも好き!と公言しましょう笑
L図書は松山ケンイチファンサイト《小栗組》ですから(笑)
松山さんとはまったく異なる個性、方向性なのでOKじゃないですか。
旬くんはいい意味で野心家で、自分からどんどん状況を切り開いてゆくタイプ。
弱さを隠さないし、いらだちも失望もいつも正直に発言します。
あの男らしさと仲間思いの優しさも親分肌で大好きだーーー!!
(朝から愛を叫ぶ笑)


返信する
Unknown ()
2009-11-12 16:39:04
ロボはああ見えて頭の良い青年ですし、
きっと周りの空気ぐらい読めているでしょうね
(すみませんまたいきなり記事から脱線して)
空気を読むということ自体が悪いのではなく
その後でどう行動するかだと思います。
「空気嫁」的な圧力に対して堂々と
読んでますが、何かって言えるようになりたいものです。

そういえば以前は興味無かった旬くんのことが、
最近少し気になりだしました(笑)
いらない情報を最後に追加しちゃって、すみません
返信する
ちかさんへ ()
2008-01-01 08:02:12
ごめんなさい、コメレスがもれていました。
メディアも問題ですが、巷間で使われるのも
問題のある言葉だなと思います。
誰かを排除したいと思う気持ちがありありと
そこに現れているからです。
きのう、こどもとあらためてこの話をしましたら、
黙って聞いていました。
ヘンなことばを聞いたら、聞き流さずに、自覚さ
せてやりたいなと思います。
旬くんは疲れているだろうに(笑)、きちんと発言してえらいです。
事なかれ主義ではない、気骨を感じます。
こういう言葉をやりすごす俳優には、舞台でひとを
感動させる発語なんてできないとは思いますが。
返信する
なるほど・・・ (ちか)
2007-12-30 00:38:15
毎日新聞の夕刊で、小栗くんが取り上げられていて、
そのときに初めて、KYって言葉を知りました
(遅いですね・・・)。

私も、メディアがこのような隠語から生まれた
記号のような言葉を連発するのは、間違っていると
思います。友達同士で使うならまだしも、
言葉を扱うメディアのすることではないと思います。

言葉はセンテンスでしゃべる癖をつけないと、
小栗くんが言われるように、知的レベルが
落ちると思います。今はいるのかどうか分かりませんが、
「フロ、メシ」しか言わない男性の知的レベルは
おして知るべし、って思います。

「一度、言葉の前で立ち止まらせてやることが
必要なのではないかと思いました。」に感動しました。
ももちゃん、幸せですね・・・
返信する
れいちぇるさん ()
2007-12-29 13:35:21
い、いま、Lの予告編が流れたーー!!!!
ごくせんの中だったんだーー
わーーーんん、Lーーー!!

ぜいぜいぜい、松山ケンイチの名前がしっかり
出てました。画面でも確認しました。涙涙です

れいちぇるさん、
すっごく感動しました、ほんと、そうです。
ロボのありかたって、れいちぇるさんの言うとおり、
本とはみんなロボみたいに生きたいんだよね。
だけどそれができない、ニコと同じ目線で
ロボを見てる・・
だけどロボも「僕は自分を味方する」って
励ましてるんだよね。
なんかせつないな。

松山くんが出てた作品のなかの人間をいろんな
場面で重ね合わせています。
こないだのフランダースの犬の話だって、
欧米でハッピーエンドに改変してしまったけど、
それは「デスノート」の後編を原作から、
ザラストネームの、Lの本懐を遂げる結末への
変更に似てるんじゃないかって。
私、最初は考えてるうちにLが出てくるなんて
思ってもみなかたのですが、ネロを幸せにして
あげたかったという気持ちは、Lを幸せにして
あげたいにつながるなって思ったんです。

私のほうこそ道がそれちゃいましたね・・・
だけど
KYって言葉はほんとに、ロボの生き方を思わせ
てくれます。
子どもを見てると、メールでつながってケータイ
かけまくって、誰かとつながっていようとするの、
みてて、大変だなって思います、
その状況はひとりでどうすることもできないから、
こういうことがあって、なるほどねって、気付く
ことからはじめないとなって思います。
返信する
Unknown (れいちぇる)
2007-12-29 01:03:52
この記事読んでふと思ったんですが・・・・
ロボって世間一般から見たら、空気読めないタイプの人間かなあって。で、ニコは空気読んで生きてる。でもニコはロボの生き方に感動していく。ドラマを見た私達も然り。人の心を揺さぶるのはいつだって個性的、変人、奇人と言われてきた人たちだったような。
セクロボはドラマだし非現実的なとこもいっぱいあるけど、人間の本当の優しい気持ち、純粋な心をロボが体現していた気がする。

ああごめんなさい。やっぱりちょっと道がそれてしまったようです・・・ごめんなさーいっ
返信する

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