松山ケンイチ≪不良少年の夢≫義家弘介役について 2009-08-10

+アクト２００５年ＶＯＬ６から続いてご紹介します。
（既出：2009-08-10 ）

松山ケンイチ≪不良少年の夢≫
　　　　義家弘介役について
　　　　2009-08-10

ー≪不良少年の夢≫義家弘介役は、ある意味、とても
　やりやすかったのでは？

（松山）
そうですね。モデルになった義家先生は現実にいる人なので
雰囲気はわかるし、性格も理解できる人だった。
だから、そういうのを出すのは、わりとすんなりといけたと思います。
ただ、時代が違うんで、当時のヤンキーがどういう感じなのかは
わからないわけですよ。
監督に聞いたりして、なんとなく気持ちはわかったんですけど、
実際に経験してない時代のことは、やっぱり難しいです。


ー不良って、ひとくくりにしがちですけど、あの時代のヤンキーって
実は凄く素朴だったんだなって、映画を観て思いました。

（松山）
熱いですよね。義家先生も、この映画を観た人にその熱が伝わって
ほしいって言ってたんですけど、冷め切ってないんですよ、今みたいに。
熱いし、避けないから衝突するんです。で、衝突して分かり合う。
今は衝突しないから、本当には分かり合えないんだと思う。
熱さが足りないんですよ。でも、この作品に出ている役者さんたちは
本当に熱かったですけれどね。だから、その熱さが伝染して、現場全部が
熱くなってました（笑）


ーそれはスクリーンからも伝わってきます。

（松山）
そう、凄い出てましたね。義家がみんなに殴られるところがあるんですけど、
あの時なんて、みんな本気なんですよ（笑）一発当たって、僕、
鼻血出ましたから（笑）手加減しろよ！っていう感じ（笑）まぁ、僕も
ついついキレちゃったりして（笑）、みんな、すっかりなり切ってましたよ。


ー実際に義家先生にはお会いになって？

（松山）
はい。目の強さが、凄く印象的でしたね。ずっとガンたれてきたんだなって
いう強さと（笑）、ギリを通すまっすぐなところを持ち合わせていた。
だから、話しているだけで、この人にはウソをつけないな。ついても、
すぐに見破られるなって僕は感じました。とても格好よかったし、
本当に正直に生きている人だと思ったので、それを実現したかったんです。


ー実際、凄くメッセージのある作品になっていると思いますよ。

（松山）
義家先生の生き方が本気ですから。たぶん、映画ではそれが凄く伝わると
思います。


ーそうですね。まっすぐ生きることと、それを支えてくれる周りの優しさと。

（松山）
やっぱり出会いって大切ですよね。安達先生と出会わなかったら、
義家先生も誰とも口を利かないままだったかもしれないし、学校も
辞めていたかもしれないし。そしたら、今ごろどうなっていたか・・・


ー安達先生との出会いが義家先生の人生を１８０度変えたことは
間違いないですね。

（松山）
そうだと思います。義家先生と安達先生もぶつかるけど、自分と真正面から
向き合ってくれる人をどこかで求めていたんだと思うんですよ。だから、
今の人にぶつかることは怖くないんだっていうか、ぶつかって終わりじゃ
ないんだってことを伝えなきゃいけないって思ったんです。


ーそういう意味では、今の時代だからこそ、必要な映画なのかもしれない
ですね。そして、そんな熱いヤンキーを演じる一方・・・
（以下は後日に続きます。すみません）



≪不良少年の夢≫はまた難しい作品だったでしょうね。
原作マンガより、さらに、生身の実在する人間がいるわけですから。

あの映画は義家先生がいろんな大人に助けられる側面も
大きかったと思うのですが、
真野響子さん、二木てるみさん、田中健さん、でんでんさん、西村雅彦さん、
などという、ベテランのかたとの共演でした。

テレビドラマでは嵐の桜井さんが義家先生を演じていらしたけど、
映画を観たとき、やっぱり「ヤンキー先生」の迫力はこっちでしょ！
と思いました！！

この映画だから特に、ということかもしれませんが、
松山さんは観念的なことを一切言われていませんよね。
とても具体的でびっくりするくらいです。

≪ノルウェイの森≫を２４歳でなく、２０歳に戻って演じられたらと
おっしゃる松山さんだけど、
私は、松山さんが今、≪不良少年の夢≫義家弘介を演じたら、
どうなるのだろうなと思いました。